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【発明の名称】 股部構造を有する下着、および肌に接して着用される衣類
【発明者】 【氏名】奥山 日出夫
【住所又は居所】京都府京都市南区吉祥院中島町29番地 株式会社ワコール内

【氏名】後藤 裕利
【住所又は居所】大阪府大阪市北区堂島1丁目6番20号 東レ株式会社大阪事業場内

【要約】 【課題】着用感に優れ、着用者の体調のバロメーターにもなる下着を提供する。

【解決手段】ショーツ本体部1は股部構造を有しており、そのクロッチの肌側には裏マチ2が縫着されている。裏マチ2の編地は、ポリエステルと綿の交編編地であり、裏糸が弧状をなす側が着用者の肌側となるように縫着されるので、吸水性に優れている。そして、防汚及び吸水加工が施されているので、適度に汚れが付着し、しかも汚れが落ちやすいので、着用者の体調のバロメーターにもなる下着を提供できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロッチ部の肌側に裏マチ素材が縫着され、
当該裏マチ素材を構成する編地が、
ニットを編成する表糸と、該表糸の肌側に配列されて二重編目部を形成する裏糸と、から少なくとも構成され、防汚及び/又は吸水加工が施された編地であって、前記裏糸は肌側で弧状をなすように隣接する前記二重編目部間に渡されている編地である、
ことを特徴とする股部構造を有する下着。
【請求項2】
前記編地は、ポリエステルの編地、またはポリエステルと綿の交編編地であることを特徴とする請求項1記載の股部構造を有する下着。
【請求項3】
前記表糸が吸水層を形成し、前記裏糸が導水層を形成し、これらの間に拡散層が配置された三層構造をなしていることを特徴とする請求項1または2記載の股部構造を有する下着。
【請求項4】
前記防汚及び/又は吸水加工は、前記編地を、熱水中で分散が破壊されて析出する樹脂を含有してなる水性分散液中に浸漬し、該分散液を60〜140℃で加熱攪拌することにより行うことを特徴とする請求項1、2または3記載の股部構造を有する下着。
【請求項5】
前記下着は、女性用であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の股部構造を有する下着。
【請求項6】
衣類の肌側に縫着され、着用状態において粘膜又は皮膚が粘膜に移行する部位に当接するサポート素材を構成する編地が、
ニットを編成する表糸と、該表糸の肌側に配列されて二重編目部を形成する裏糸と、から少なくとも構成され、防汚及び/又は吸水加工が施された編地であって、前記裏糸は肌側で弧状をなすように隣接する前記二重編目部間に渡されている編地である、
ことを特徴とする肌に接して着用される衣類。
【請求項7】
前記編地は、ポリエステルの編地、またはポリエステルと綿の交編編地であることを特徴とする請求項6記載の肌に接して着用される衣類。
【請求項8】
前記表糸が吸水層を形成し、前記裏糸が導水層を形成し、これらの間に拡散層が配置された三層構造をなしていることを特徴とする請求項6または7記載の肌に接して着用される衣類。
【請求項9】
前記防汚及び/又は吸水加工は、前記編地を、熱水中で分散が破壊されて析出する樹脂を含有してなる水性分散液中に浸漬し、該分散液を60〜140℃で加熱攪拌することにより行うことを特徴とする請求項6、7または8記載の肌に接して着用される衣類。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、股部構造を有する下着、および肌に接して着用される衣類に関し、好適には、ショーツのような股部構造を有する女性用下着に適用される。
【背景技術】
【0002】
ショーツのような股部構造を有する女性用下着では、着用状態においてクロッチが着用者の股部のデリケートな肌や外陰部に直接に触れる。そこで、クロッチの肌側には、例えばコットンのような肌触りや吸湿性の優れた素材の布地(当て布;裏マチ)が縫着されている。
【0003】
なお、このようなクロッチが着用者の肌に直接に触れる女性用下着は、下穿(ば)き、インナーウエアあるいはアンダーウエアとも呼ばれる。そして、ショーツの他にパンティガードル、ボディティディ等の種々のタイプがある。
【特許文献1】特開2002−138306号特開2002−345891号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような女性用下着では、クロッチ部の当て布(裏マチ)に着用者の股部のデリケートな肌や外陰部が直接に触れるため、着用すると種々の汚れがつきやすい。そこで、消費者は裏マチに漂白剤を垂らして洗濯したり、裏マチを手で強く揉み洗い(つまみ洗い)して、できるだけ汚れを落とそうとすることが多い。このため、裏マチとその周辺の身生地(クロッチ部分)は他の身生地部分(ショーツ本体部;本体身頃)に比べて傷みやすく、これが消費者の悩みであった。
【0005】
このような問題(消費者の悩み)への対処としては、漂白剤や揉み洗いに対する耐久性の高い素材で裏マチを構成する手法や、着用しても汚れがつきにくい素材で裏マチを構成する手法、がある。しかし、いずれの場合も、肌触りや吸湿性の点で問題があり、結局のところ現在でも、裏マチにはコットンを素材とするものが広く使用されている。
【0006】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決することを課題とするものであり、特に、女性用下着のクロッチ部(特に裏マチ)の汚れは着用者の体調のバロメーターになる、という点に着目し、鋭意、クロッチ部に好適な裏マチの素材を探求する研究開発を重ねることにより完成したものである。
【0007】
また、本発明は、股部構造を有する男性用下着の他、例えばカップつき女性用衣類(ブラジャーなど)のような肌に接して着用される衣類に適用され得る好適な素材を探求する研究開発の中から知見されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る股部構造を有する下着(好適には女性用下着)は、クロッチ部の肌側に裏マチ素材が縫着され、当該裏マチ素材を構成する編地が、ニットを編成する表糸と、該表糸の肌側に配列されて二重編目部を形成する裏糸と、から少なくとも構成され、防汚及び/又は吸水加工が施された編地であって、上記裏糸は肌側で弧状をなすように隣接する上記二重編目部間に渡されている編地である、ことを特徴とする。
【0009】
このような股部構造を有する下着(好適には女性用下着)によれば、裏マチの三層構造組織による毛細管現象の働きで肌面の水分をすばやく吸収し、弧状となった裏糸から表糸へと拡散させて、クロッチ部の身生地を介して蒸散させることで乾燥させる。
【0010】
また、本発明において、裏マチを構成する編地が、ポリエステルの編地、またはポリエステルと綿の交編編地(望ましくはポリエステル70%以上と綿30%以下の交編編地)としても良く、このようにすれば、洗濯によっても毛羽立ちが少なく、ピリング(毛玉)の発生を抑制でき、かつ乾きやすくできる。
【0011】
また、本発明において、裏マチを構成する編地の表糸が吸水層を形成し、裏糸の弧状部分が導水層を形成し、これらの間に拡散層が配置された三層構造をなすようにしても良く、このようにすれば、汗をどんどん吸収し、さらに拡散、そして速やかに発散させる性能に優れる。
【0012】
また、本発明において、上記防汚及び/又は吸水加工は、上記編地を、熱水中で分散が破壊されて析出する樹脂を含有してなる水性分散液中に浸漬し、該分散液を60〜140℃で加熱攪拌することにより行うこととしても良く、このようにすれば、汚れ落ちに優れ、長期間にわたり美しいままで使用できる。また、粘膜のようなデリケートな部分に接触しても、刺激を与えたりすることがないので、安全性が優れている。
【0013】
本発明は、下着(好適には女性用下着)のクロッチ部の汚れは着用者の体調のバロメーターになる、という点に着目し、従来の商品開発コンセプト(クロッチ部に汚れがつき難くする)ではなく、新しい商品開発コンセプトの下で鋭意研究し、完成したものである。すなわち、裏マチの素材として、適度に汚れが付くが落ちやすく、しかも耐久性に優れた素材を見出し、現在の主流商品にとって替わり得る新しいタイプの股部構造を有する下着(好適には女性用下着)を提供可能にしたものである。
【0014】
また、本発明に係る肌に接して着用される衣類では、衣類の肌側に縫着され、着用状態において粘膜又は皮膚が粘膜に移行する部位に当接するたサポート素材を構成する編地が、ニットを編成する表糸と、該表糸の肌側に配列されて二重編目部を形成する裏糸と、から少なくとも構成され、防汚及び/又は吸水加工が施された編地であって、前記裏糸は肌側で弧状をなすように隣接する前記二重編目部間に渡されている編地である、ことを特徴とする。
【0015】
このような構成の、肌に接して着用される衣類としては、好適にはカップ付き女性用衣類があり、この場合は、着用状態において粘膜又は皮膚が粘膜に移行する部位(乳首と、その近傍)に上記構成の編地のサポート素材が接するので、特に産前産後の用途に好適である。
【発明の効果】
【0016】

本発明の股部構造を有する下着(好適には女性用下着)によれば、クロッチの肌触りと吸湿性が特に優れている。また、適度な汚れは着用者の体調のバロメーターになると同時に、汚れ落ちに優れ、長期間にわたり美しいままで使用できる、という効果がある。
【0017】
また、肌に接して着用される衣類として好適なカップ付き女性用衣類では、乳首の肌触りと吸湿性に優れ、産前産後の時期における体調のバロメータとして好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
実施形態に係るショーツの構成は、図1の斜視図と、図2の上面図に示される。ショーツ本体部(本体身頃部)1は股部構造を有しており、そのクロッチの肌側には裏マチ2が縫着されている。裏マチ2は、三層構造の編地に防汚及び/又は吸水加工が施された布地であり、断面構造は図3に模式的に示される。
【0019】
裏マチ2は、丸編ニット地の裏糸を橋渡し形状に連結させた編み構造体の布地からなり、後述の防汚及び/又は吸水加工が施されている。この編み構造体は、ニットを編成する表糸と、表糸の肌側に配列されて二重編目部を形成する裏糸とから構成され、裏糸は肌側で弧状をなすように隣接する二重編目部間に渡されている。
【0020】
このように、弧状をなす裏糸が裏マチ2の肌側に存在することで、空気層が形成されてソフト感やボリューム感が得られ、軽量性に優れている。また、裏マチ2に対して着用者の肌面が点接触となるので、接触温感による保温性が発揮される。また、裏糸側の弧状となった部分は導水層として機能し、肌や粘膜(膣粘膜)から生じた水分等を迅速に表糸側に導くため、べたつき感がない。そして、表糸の身生地側を吸水層として機能させ、導水層と吸水層の間の表糸と裏糸が編みこまれた部分を拡散層として機能させて、裏マチ2を三層構造にすることで、裏糸(導水層)から導かれた水が拡散層で拡散され、更に吸水層に移動するため、水分が速やかに発散され速乾性が得られる。
【0021】
なお、このような三層構造の編み構造体と等価な編み構造体の例としては、特開平10−273857号公報に示されるものがあり、ここでは、
(1)少なくとも表糸と裏糸で構成されるシングル丸編地であり、裏糸が表糸よりなる表1編目の内側に表糸と相似形状に配置される二重編目部と、裏糸が二重編目部の間で橋渡し状となる橋渡し部からなることを特徴とする二層構造シングル丸編地、
(2)上記(1)の編地において、表糸がニット、タック、ウエルトの少なくとも2種の編目形状に編成される二層構造シングル丸編地、
が記載され、そのような二層構造シングル丸編地の断面モデル図が、特開平10−273857号公報の図1から図3に記載されている。この構造体が裏マチ2の素材として用いられる場合には、裏糸が橋渡し状となる橋渡し部側が肌側となるように身生地のクロッチ部に縫着される。
【0022】
裏マチ2の編地は、ポリエステル80%と綿20%の交編編地が最も好ましく、これによれば疎水性があるから乾きやすい。また、このような長繊維交編編地の裏マチ2は洗濯によっても毛羽立ちが少なく、毛玉発生が防止される。なお、ポリエステルが多くなると耐久性は高まるが、外見/目視上で合繊感が強まり、綿が多くなると自然素材感は高まるが耐久性は低下する。そこで、ポリエステルが70〜90%で、残部が綿(綿が10〜30%)となる交編編地を裏マチ2の素材とするのが好ましい。
【0023】
更に、実施形態では裏マチ2の編地全体が後処理(但し、ショーツ本体部1に縫着前)で防汚及び/又は吸水加工されているため、着用しても汚れがつきにくく水分等の移動も効率的になる。この防汚及び/又は吸水加工は、上記編地に樹脂を付着することにより行うことができ、例えば、特公昭53−47437号に記載の加工法として、編地を、熱水中で分散が破壊されて析出する樹脂を含有してなる水性分散液中に浸漬し、該分散液を60〜140℃で加熱攪拌する方法が採用できる。
【0024】
裏マチ2の編地に付着させる樹脂としては、親水性ポリマーが好ましい。親水性ポリマーとしては、主鎖及び/又は側鎖にポリオキシエチレン構造を有したポリエステル、側鎖にポリオキシエチレン構造を有したビニルポリマー(ここで、ビニルポリマーとはエチレン性不飽和結合を有するモノマーの重合体を意味する。)、(メタ)アクリル酸誘導体4級アンモニウム塩ポリマー、主鎖及び/又は側鎖にポリオキシエチレン構造を有したポリウレタン、ポリオキシエチレン構造とポリオルガノシロキサン構造とを有したポリマー、主鎖及び/又は側鎖にポリオキシエチレン構造を有したポリアミド、側鎖にポリオキシエチレン構造を有したビニルポリマーであって水素原子の少なくとも一部がフッ素に置換されたポリマー、ポリオキシエチレン構造を有したエポキシ樹脂等が挙げられる。これらの親水性ポリマーは加熱や光照射或いは硬化剤との反応により、硬化又は高分子量化するものであってもよく、このような反応を容易にするために側鎖や末端に反応性官能基を導入したものであってもよい。
【0025】
上記のように、裏マチ2の編地はポリエステルと綿の交編編地であり、裏糸が弧状をなす弧状部の側が着用者の肌側となるようにショーツ本体部1のクロッチに縫着されるので、吸水性と速乾性に優れている。そして、防汚及び吸水加工が施されているので、適度に汚れが付着し、しかも汚れが落ちやすいので、着用者の体調のバロメーターにもなる女性用下着を提供できる。
【0026】
本発明は実施形態のショーツに限らず、着用者のクロッチの肌に直接に触れる女性用下着に広く適用できる。このような股部構造を有する女性用下着は、下穿(ば)き、インナーウエアあるいはアンダーウエアとも呼ばれるが、ショーツの他に、ショーツとガードルを組み合わせたパンティガードル、下半身肌着と上半身肌着を一体化させたボディティディ等の種々のタイプがある。特に、下着が汚れることの多いマタニティ用やジュニア用の下着に好適である。
【0027】
また、本発明は女性用の股付き衣類に限らず、男性用であっても良く、例えば失禁用やオムツとして用いることもできる。また、ブラジャーのようなカップ付き女性用衣類であっても良く、この場合は、上記の編地で構成されたサポート素材がカップの内面に縫着され、乳首と接することになる。
【実施例】
【0028】
ショーツ本体部1のクロッチ部に、裏マチ2として三層構造の編地に防汚及び吸水加工が施された布地を縫着した実施例のショーツを試作した。この三層構造の編地は、東レ株式会社による商品名「エアブリッジ」(登録商標)なる保温素材であり、防汚及び吸水加工は同社による「エバレット」(登録商標)なる加工法である。比較例としては、裏マチ2の素材を綿パイルとした市販品を用いた。
【0029】
実施例と比較例について、同一条件で洗濯・乾燥テストを行った。油汚れ、血液汚れ、蛋白質汚れを夫々与えたところ、比較例では30回未満の耐久性であるところ、実施例では50回を超える耐久性が確認できた。
【0030】
次に、SR性能評価および吸水・ドライ性能評価の二種の性能評価と、(3−1)から(3−6)までの6項目の安全性試験を行った。
【0031】
(1)SR性能評価
付着した汚れが洗濯などで落ちやすいか否かを示すSR性能(ソイルリリース性能)を、牛血液汚れの落ちやすさ度で評価した。従来のショーツ(コットン製の裏マチ)に比べて、汚れ落ちが1〜1.5級優れていることが確認できた。
【0032】
(2)吸水・ドライ性能評価
肌面のドライ感と、ショーツの身生地側への色移りについて試験した。実施例では、肌面保水率が小さいためドライ感が良好であり、かつ、身生地側の単位面積当たりの保水率が小さいため色移りの影響が少ないこと、が確認できた。
【0033】
(3−1)皮膚刺激性
河合法パッチテスト(レプリカ法)により皮膚刺激性を試験した。河合法は新しい製品が作られた際、その製品の顕微鏡下の一次刺激性を判定し、その刺激性を質と量に分け、指数採点してコントロールの成績と比較し、その成績より皮膚炎様クレームを統計的に類推して、皮膚炎様クレーム(弱刺激蓄積性皮膚炎及びアレルギー性皮膚炎)を起こす可能性があるか否かを、予め検査する試験法である。この試験では、準陰性を確認できた。
【0034】
(3−2)皮膚感作性
実施例に係るショーツの裏マチ素材であるポリエステル樹脂の水分散物(褐色水溶液)を検体として、モルモットを用いたマキシマイゼーション法により皮膚感作性を試験した。皮膚感作性試験は、肌着の素材等が生体と接触したときに、アレルギー性の接触皮膚炎を惹き起こすかどうか、またその程度はどれ位かを評価する試験であり、マキシマイゼーション法はその代表的手法である。この試験では、モルモットにおいて皮膚感作性を有さないことを確認できた。
【0035】
(3−3)膣粘膜刺激性
実施例に係るショーツの裏マチ素材は、着用状態において着用者の外陰部に直接に触れるところから、膣粘膜刺激性を試験した。裏マチ素材であるポリエステル樹脂の水分散物(褐色水溶液)を検体として、ウサギの膣内にカテーテルを用いて単回適用し、試験群とした。また、適用操作のみを単回行い、操作対象群とした。試験期間終了後(7日後)に膣部を摘出し、肉眼的および組織学的観察をした。試験群と操作対象群の間で有意の差はなく、検体はウサギの膣粘膜に刺激性を有さないことが確認できた。
【0036】
(3−4)累積皮膚刺激性
裏マチ素材であるポリエステル樹脂の水分散物(褐色水溶液)を検体として、ウサギを用いた累積皮膚刺激性の試験を行った。ウサギ6匹の無傷および有傷皮膚に検体を1日1回
、計11回にわたって反復開放適用した。初回の適用後に、無傷および有傷皮膚のウサギ3匹で非常に軽度の紅斑が見られ、その後、全ての適用部位で持続的または散発的に非常に軽度の紅斑が見られた。しかし、最終適用の2日目までに、全ての紅斑は消失した。紅斑の出現率は増加したものの、その程度は増加しなかったことから、検体には弱い皮膚刺激性はあるものの、明らかな累積皮膚刺激性はないことが確認できた。
【0037】
(3−5)生地pH
実施例に係るショーツの裏マチ素材であるポリエステル樹脂の水分散物(褐色水溶液)のpHを測定したところ、pH=6.9であり、着用者の肌に無害な中性であることが確認できた。
【0038】
(3−6)遊離ホルムアルデヒド
実施例に係るショーツの裏マチ素材であるポリエステル樹脂の水分散物(褐色水溶液)から遊離したホルムアルデヒドは、20ppm以下であり、着用者の肌に無害であることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明に係る股部構造を有する女性用下着は、肌触りや吸湿性に優れ、適度な汚れと汚れの落ちやすさから体調のバロメータとしての機能を期待でき、しかも安全性に優れているので、現在の主流であるコットン素材の裏マチを有する女性用下着に取って代わり、アンダーウェア産業において広く利用される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】実施例に係るショーツの斜視図である。
【図2】実施例に係るショーツを上方より観察した図である。
【図3】実施例に係るショーツの裏マチ素材の断面構成と機能を示す模式図である。
【符号の説明】
【0041】
1・・・ショーツ本体部(本体身頃部)、2・・・クロッチ部の当て布(裏マチ)
【出願人】 【識別番号】000139399
【氏名又は名称】株式会社ワコール
【住所又は居所】京都府京都市南区吉祥院中島町29番地
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
【住所又は居所】東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号
【出願日】 平成15年11月17日(2003.11.17)
【代理人】 【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹

【識別番号】100089978
【弁理士】
【氏名又は名称】塩田 辰也

【識別番号】100092657
【弁理士】
【氏名又は名称】寺崎 史朗

【公開番号】 特開2005−146471(P2005−146471A)
【公開日】 平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願番号】 特願2003−387179(P2003−387179)