トップ :: A 生活必需品 :: A41 衣類




【発明の名称】 腰の曲がった人の介護ズボン
【発明者】 【氏名】梅川 百合子

【要約】 【課題】腰の曲がった人でも背部を露出しないようにでき、かつズボンの前を弛まずにスッキリさせ、はきやすく、風邪ひきを防止できる介護ズボンとすること。

【解決手段】左右一対の前身頃と左右一対の後身頃とを相互に縫合して構成され、左右大腿部の内側付け根間を腹部から背部にかけて覆う股ぐり部を備えた介護ズボンにおいて、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の前身頃と左右一対の後身頃とを相互に縫合して構成され、左右大腿部の内側付け根間を腹部から背部にかけて覆う股ぐり部を備えた介護ズボンにおいて、
前身頃のウエストラインを、脇線側に対して股ぐり線側が1/4ウエストの8〜14%低く、かつ脇線側が1/4ウエストの4〜10%長くなるよう傾斜させ、後身頃のウエストラインを、脇線側に対して股ぐり線側が1/4ウエストの22〜31%高く、かつ脇線側が1/4ウエストの12〜19%長くなるよう傾斜させ、さらに後身頃の股ぐり部を非切り取り股ぐり部としてなる、腰の曲がった人の介護ズボン。
【請求項2】
前身頃のヒップラインは、その股ぐり線側が1/4ウエストの8〜14%短い請求項1に記載の介護ズボン。
【請求項3】
前身頃のウエストラインは、その脇線側に対して股ぐり線側が3〜5cm低く、かつ脇線側が1.5〜3.5cm長く、後身頃のウエストラインは、脇線側に対して股ぐり線側が8〜11cm高く、かつ脇線側が4.5〜6.5cm長い請求項1または2に記載の介護ズボン。
【請求項4】
前身頃のヒップラインは、その股ぐり線側が3〜5cm短い請求項2または3に記載の介護ズボン。
【請求項5】
一本のリング状のゴム紐と、ズボンのウエストラインに沿って形成され、前記ゴム紐を挿通したゴム紐挿通部とを更に備えてなる請求項1〜4のいずれか一つに記載の介護ズボン。
【請求項6】
一対のリング状のゴム紐と、ズボンのウエストラインに沿って上・下に隣接して形成され、前記ゴム紐をそれぞれ挿通した上・下ゴム紐挿通部とを更に備えてなる請求項1〜4のいずれか一つに記載の介護ズボン。
【請求項7】
介護ズボンが、パンツ、スラックス、ズロース、ブリーフまたはもんぺである請求項1〜6のいずれか一つに記載の介護ズボン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、腰の曲がった人の介護ズボンに関し、さらに詳しくは、腰の曲がった人が着用したときに背中が露出しない介護ズボンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常のズボン(下衣)、つまりパンツ、スラックスまたはもんぺなどは、左右一対の前身頃と左右一対の後身頃とを相互に縫合して構成され、左右大腿部の内側付け根間を腹部から背部にかけて覆う股ぐり部を備えている。人が、このズボンを着用して、しゃがみこんだ時に、ズボンの背部上縁がでん部(臀部)側に下がり、シャツがズボンからはみ出たり、背中が露出するといった問題がある。
【0003】
この問題を解決するために、左右でん部の頂点近傍を中心とする一対の円錐側面状膨出部を設けることにより、腰部乃至でん部を覆う部分の上下方向長さを増加させたズボン(下衣)が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
そしてこの円錐側面状膨出部は、ズボンの後部側生地の股ぐり部上縁からでん部の頂点近傍に向けて略三角形状の切り欠き部分を設け、この切り欠き部分の縁を縫合することにより形成される。
【特許文献1】特開平10−237707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この円錐側面状膨出部は、ウエストラインから離れて下方に形成され、ウエストライン自体は通常のズボンと変わりなかった。したがって、このズボンは、腰の曲がった人が着用すると、ズボンの背部上縁がでん部側に下がり、シャツがズボンからはみ出たり、背中が露出するといった問題が依然としてあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、左右一対の前身頃と左右一対の後身頃とを相互に縫合して構成され、左右大腿部の内側付け根間を腹部から背部にかけて覆う股ぐり部を備えた介護ズボンにおいて、
前身頃のウエストラインを、脇線側に対して股ぐり線側が1/4ウエストの8〜14%低く、かつ脇線側が1/4ウエストの4〜10%長くなるよう傾斜させ、後身頃のウエストラインを、脇線側に対して股ぐり線側が1/4ウエストの22〜31%高く、かつ脇線側が1/4ウエストの12〜19%長くなるよう傾斜させ、さらに後身頃の股ぐり部を非切り取り股ぐり部としてなる、腰の曲がった人の介護ズボンを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、前身頃のウエストラインを、脇線側に対して股ぐり線側を低くすると共に脇線側を長くして傾斜させ、さらに後身頃のウエストラインを、脇線側に対して股ぐり線側を高くすると共に脇線側を長くして傾斜させ、かつ股ぐり部を非切り取り股ぐり部とする、つまり股ぐり部に切り欠き部分または切り取り部分を設けないことによって、腰の曲がった人でも背中を露出しないようにでき、かつズボンの前を弛ませずにスッキリさせ、はきやすく、風邪ひきを防止できる介護ズボンとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に係る介護ズボンは、前身頃のウエストラインを、脇線側に対して股ぐり線側が1/4ウエスト(W)の8〜14%低く、かつ脇線側が1/4ウエストの4〜10%長くなるよう傾斜させ、後身頃のウエストラインを、脇線側に対して股ぐり線側が1/4ウエストの22〜31%高く、かつ脇線側が1/4ウエストの12〜19%長くなるよう傾斜させ、さらに後身頃の股ぐり部を非切り取り股ぐり部としてなることを特徴とする。
【0009】
具体的には、平均的な体格の老人では、たとえば、前身頃のウエストライン(の寸法)は、脇線側に対して股ぐり線側が3〜5cm低く、かつ脇線側が1.5〜3.5cm長くなるよう傾斜させ、後身頃のウエストライン(の寸法)は、脇線側に対して股ぐり線側が8〜11cm高く、かつ脇線側が4.5〜6.5cm長くなるよう傾斜させるのが好ましい。
本発明においては、後身頃の股ぐり部は、特に非切り取り股ぐり部とする。つまり股ぐり部には切り欠き部分または切り取り部分を設けないことが、腰の曲がった人でも背中を露出しないようにするために重要である。
【0010】
本発明においては、前身頃のヒップラインの股ぐり線側を1/4ウエストの8〜14%短くすると、腰の曲がった人が着用した場合に、腹部のたるみを防ぐことができるので好ましい。具体的には、例えば、前身頃のヒップラインは、その股ぐり線側を3〜5cm短くする。
【0011】
本発明の介護ズボンにおいて、素材、つまり生地は、特に限定されず、従来から用いられているもの、たとえば、もめん、ウールなどを採用できるが、特に腰にコルセット、ひざにサポートなどを付けている人が多いことを考慮して、洗濯や乾燥の容易な、たとえば、ポリエステルなどの生地が、本人だけではなく介護する人の負担を軽減できるので好ましい。もちろん、伸縮可能な生地を採用することもできるが、本発明に係る介護ズボンは伸縮可能な生地を用いなくても十分対応できることも一つの特徴である。
【0012】
本発明の介護ズボンは、一本のリング状のゴム紐と、ズボンのウエストラインに沿って形成され、前記ゴム紐を挿通したゴム紐挿通部とを更に備えてもよい。また、一対のリング状のゴム紐と、ズボンのウエストラインに沿って上・下に隣接して形成され、前記ゴム紐をそれぞれ挿通した上・下ゴム紐挿通部とを更に備えてもよい。
【実施例1】
【0013】
図1は本発明に係る介護ズボンの実施の形態1を示す前身頃の裁断形状を説明する説明図、図2は同じく後身頃の裁断形状を説明する説明図である。
図3は腰の曲がった人が介護ズボンを着用した場合の状態を簡単に説明する説明斜視図であり、Aが従来の介護ズボンを着用したとき、Bが実施の形態1の介護ズボンを着用したときをそれぞれ示す。
【0014】
図1、2および3のBにおいて、介護ズボン1は、左右一対の前身頃2と、左右一対の後身頃3とを相互に縫合して構成され、左右大腿部の内側付け根間を腹部から背部にかけて深く覆う股ぐり部4を備えている。
前身頃2は、そのウエストライン5を、脇線6側に対して股ぐり線7側を1/4ウエスト(W)(36cm:1/4H+1cm、ここでHはヒップである)の約11%、すなわちa:4cm低くし、かつ脇線6側を1/4ウエストの約7%、すなわちb:2.5cm長くして傾斜させている。
後身頃3は、そのウエストライン8を、脇線9側に対して股ぐり線10側を1/4ウエスト(36cm:1/4H+1cm、ここでHはヒップである)の約26%、すなわちd:9.5cm高くし、かつ脇線9側を1/4ウエストの約15%、すなわちe:5.5cm長くして傾斜させている。さらに後身頃3は、その股ぐり部4を非切り取り股ぐり部とし、股ぐり部4には切り欠き部分または切り取り部分を設けていない。
なお、11は、後身頃3のヒップラインであり、前身頃のヒップラインの股ぐり線10側を1/4ウエストの約11%、すなわちc:4cm短くしている。また、12、13は、介護ズボン1のウエストライン5・8上に沿って上・下に隣接してリング状に形成され、一対のリング状のゴム紐(図示省略)をそれぞれ挿通する上・下ゴム紐挿通部である。
【0015】
かくして、介護ズボン1は、前身頃2のウエストライン5を、脇線6側に対して股ぐり線7側で低くすると共に脇線6側を長くして傾斜させ、さらに後身頃3のウエストライン8を、脇線9側に対して股ぐり線10側を高くすると共に脇線9側を長くして傾斜させ、かつ後身頃3の股ぐり部4に、切り欠き部分や、切り取り部分を設けていないので、腰の曲がった人でも背中を露出しないようにでき、かつズボンの前を弛ませずにスッキリさせ、はきやすく、風邪ひきを防止できる。また、前身頃2のヒップライン11の股ぐり線7側を短くしているので、さらにズボンの腹部のたるみを防ぐことができる。
【0016】
従って、図3のBに示すように、腰の曲がった人がその介護ズボン1を着用すると、股ぐり部が、介護ズボン1の腹部から背部にかけて曲がった腰に十分沿い、かつ覆うことができ、それによって背中を露出しないようにでき、かつズボンの前を弛ませずにスッキリさせ、はきやすく、風邪ひきを防止できる。なお、図3のAに示すように、従来の介護ズボン1Aを腰の曲がった人が着用すると、背中Sが露出しやすいわけである。
【産業上の利用可能性】
【0017】
本発明の介護ズボンは、パンツ、スラックス,ズロース、ブリーフまたはもんぺに好適に採用できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る介護ズボンの実施の形態1を示す前身頃の裁断形状を説明する説明図である。
【図2】同じく後身頃の裁断形状を説明する図1相当説明図である。
【図3】腰の曲がった人が実施の形態1の介護ズボンを着用した場合の説明斜視図であり、Aが従来の介護ズボンを着用したとき、Bが実施の形態1の介護ズボンを着用したときを示す。
【符号の説明】
【0019】
1 介護ズボン
2 前身頃
3 後身頃
4 股ぐり部
5 ウエストライン
6 脇線
7 股ぐり線
8 ウエストライン
9 脇線
10 股ぐり線
11 ヒップライン
12 上ゴム紐挿通部
13 下ゴム紐挿通部
【出願人】 【識別番号】503402079
【氏名又は名称】梅川 百合子
【出願日】 平成15年10月31日(2003.10.31)
【代理人】 【識別番号】100065248
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信太郎

【公開番号】 特開2005−133261(P2005−133261A)
【公開日】 平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願番号】 特願2003−373027(P2003−373027)