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【発明の名称】 発熱性繊維を含有する下着の付属部分品及び該付属部分品が付設された下着
【発明者】 【氏名】福田 要
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区南久宝寺町4丁目5番11号 ライオンズマンション御堂本町806号 株式会社マルテン天満屋内

【氏名】卜部 憲二
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区南久宝寺町4丁目5番11号 ライオンズマンション御堂本町806号 株式会社マルテン天満屋内

【要約】 【課題】優れた発熱特性を有し、着用者の皮膚温度を上昇させることができるとともに、繰り返しの洗濯にも発熱特性が低下しない耐洗濯性に優れ、しかも、肌触りが良好な発熱性繊維を含有する下着の付属部分品及び該付属部分品が付設された下着を提供すること。

【解決手段】発熱性繊維を含有することを特徴とする下着の付属部分品とする。この発熱性繊維は遠赤外線放射性粒子を含有した遠赤外線放射特性を有する発熱性繊維、吸湿発熱特性を有する発熱性繊維、又は吸湿発熱特性及びpH緩衝特性を有する発熱性繊維である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱性繊維を含有することを特徴とする下着の付属部分品。
【請求項2】
前記発熱性繊維が遠赤外線放射性粒子を含有した遠赤外線放射特性を有する発熱性繊維であることを特徴とする請求項1に記載の下着の付属部分品。
【請求項3】
前記遠赤外線放射性粒子が、アルミナ、ジルコニア、マグネシアからなる群から選択される1種又は2種以上の無機化合物であることを特徴とする請求項2に記載の下着の付属部分品。
【請求項4】
前記発熱性繊維が吸湿発熱特性を有する発熱性繊維であることを特徴とする請求項1に記載の下着の付属部分品。
【請求項5】
前記吸湿発熱特性を有する繊維が、セルロース再生繊維中にカルボキシル基を有する酸性高分子を含有させ、架橋後アルカリ処理して得られる改質セルロース再生繊維であることを特徴とする請求項4に記載の下着の付属部分品。
【請求項6】
前記カルボキシル基を有する酸性高分子が、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの塩からなる群から選択される一種又は二種以上であることを特徴とする請求項5に記載の下着の付属部分品。
【請求項7】
前記発熱性繊維が、吸湿発熱特性及びpH緩衝特性を有する発熱性繊維であることを特徴とする請求項1に記載の下着の付属部分品。
【請求項8】
前記吸湿発熱特性及びpH緩衝特性を有する発熱性繊維がヒドラジン架橋され、残存ニトリル基の一部にはカルボキシル基が、残部にはアミド基が導入され、該カルボキシル基の一部がpH4.0〜7.0においてMg,Ca,Cu,Zn,Al,Ag,Feより選ばれる1種又は2種以上の金属塩型とされた架橋アクリル系繊維であることを特徴とする請求項7に記載の下着の付属部分品。
【請求項9】
前記下着の付属部分品が、少なくともマチ部分、パット、レース、コメット、ニードル又はブラジャーの肩ひも等の下着本体に付設する繊維構造物であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の下着の付属部分品。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の下着の付属部分品が付設されてなることを特徴とする下着。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は発熱性繊維を含有する下着の付属部分品及び該付属部分品が付設された下着に関する。本発明の目的は、優れた発熱特性を有し、着用者の皮膚温度を上昇させることができるとともに、繰り返しの洗濯にも発熱特性が低下しない耐洗濯性に優れ、しかも、肌触りが良好な発熱性繊維を含有する下着の付属部分品及び該付属部分品が付設された下着を提供することにある。
【背景技術】
【0002】
近年、下着などの繊維製品に保温、消臭、調湿、吸湿、抗菌などの様々な機能を付加した繊維製品が上市されている。
保温機能を付加したガードルなどの下着としては、平編領域をベースとしてその領域内に浮き編領域を点在状に混在させて生地全体の保温性を高めた立体編み生地を使用した保温性下着(特許文献1参照)や、緯編組織で構成された表面と裏面の編地および該表裏両面の編地を接合する糸条で構成されてなる立体構造編地であって、上記表裏両面の編地が伸縮性糸を含有するとともに、上記表裏両面の編地を接合する糸条がポリエステルエラストマー糸を含有する立体構造編地を使用した保温性下着(特許文献2参照)などが知られている。
消臭や吸湿機能を付加した繊維製品としては、アルミニウムとマグネシウムを含む塩基性酸化物からなる消臭剤と、アクリル酸もしくはメタクリル酸である吸湿モノマーを構成成分として含むポリマーであり、該吸湿モノマーの90モル%以上がアルカリ金属塩である吸湿剤とが繊維表面に付着してなる消臭繊維構造物(特許文献3参照)などが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−221766号公報
【特許文献2】特開2002−069805号公報
【特許文献3】特開2003−247162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1や特許文献2に記載される保温性下着は、通常の下着に比べて保温性が高いものであった。しかしながら、この保温性下着は十分な保温性を確保しようとすると、生地厚を確保する必要があった。従って、ガードルなどの補正用下着に適用することはできるが、補正下着以外の通常の下着に適用すると、厚手感が出て見栄えが悪くなるとともに、肌触りが悪化した。
特許文献3に記載される消臭繊維構造物では、消臭剤や吸湿剤が繊維表面に付着しているために、この消臭繊維構造物を繰り返し洗濯したり、長期間使用したりすると、消臭剤や吸湿剤が脱落してしまい、付加された機能が十分発揮されないことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされた発明であって、請求項1に係る発明は、発熱性繊維を含有することを特徴とする下着の付属部分品に関する。
請求項2に係る発明は、前記発熱性繊維が遠赤外線放射性粒子を含有した遠赤外線放射特性を有する発熱性繊維であることを特徴とする請求項1に記載の下着の付属部分品に関する。
請求項3に係る発明は、前記遠赤外線放射性粒子が、アルミナ、ジルコニア、マグネシアからなる群から選択される1種又は2種以上の無機化合物であることを特徴とする請求項2に記載の下着の付属部分品に関する。
請求項4に係る発明は、前記発熱性繊維が吸湿発熱特性を有する発熱性繊維であることを特徴とする請求項1に記載の下着の付属部分品に関する。
請求項5に係る発明は、前記吸湿発熱特性を有する繊維が、セルロース再生繊維中にカルボキシル基を有する酸性高分子を含有させ、架橋後アルカリ処理して得られる改質セルロース再生繊維であることを特徴とする請求項4に記載の下着の付属部分品に関する。
請求項6に係る発明は、前記カルボキシル基を有する酸性高分子が、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸、メタクリル酸及びこれらの塩からなる群から選択される一種又は二種以上であることを特徴とする請求項5に記載の下着の付属部分品に関する。
請求項7に係る発明は、前記発熱性繊維が、吸湿発熱特性及びpH緩衝特性を有する発熱性繊維であることを特徴とする請求項1に記載の下着の付属部分品に関する。
請求項8に係る発明は、前記吸湿発熱特性及びpH緩衝特性を有する発熱性繊維がヒドラジン架橋され、残存ニトリル基の一部にはカルボキシル基が、残部にはアミド基が導入され、該カルボキシル基の一部がpH4.0〜7.0においてMg,Ca,Cu,Zn,Al,Ag,Feより選ばれる1種又は2種以上の金属塩型とされた架橋アクリル系繊維であることを特徴とする請求項7に記載の下着の付属部分品に関する。
請求項9に係る発明は、前記下着の付属部分品が、少なくともマチ部分、パット、レース、コメット、ニードル又はブラジャーの肩ひも等の下着本体に付設する繊維構造物であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の下着の付属部分品に関する。
請求項10に係る発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の下着の付属部分品が付設されてなることを特徴とする下着に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、優れた発熱特性を有し、着用者の皮膚温度を上昇させることができるとともに、繰り返しの洗濯にも発熱特性が低下しない耐洗濯性に優れ、しかも、肌触りが良好な発熱性繊維を含有する下着の付属部分品及び該付属部分品が付設された下着を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明に係る発熱性繊維を含有する下着の付属部分品及び該付属部分品が付設された下着について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施形態であるショーツを示し、図2は本発明の実施形態であるインナーウェアを示す。図3は本発明の実施形態である肩パットを示し、図4は本発明の実施形態であるインナーウェアを示す。
【0008】
本発明に係る下着の付属部分品は、図1に示すショーツのような、パンティ部を有する下着の股部内側に設けるマチ部分(1)や、図2に示すインナーウェアのような上衣に汗を吸収する目的で取り付ける、脇部分のパット(2)や、図2及び3に示す肩部分のパット(3)、あるいは装飾、補強、縁取り、ストレッチ性付与などを目的とし、特定の部分の効用を増すために使用するレース(4)、コメット(5)、ニードル(6)やブラジャーの肩ひも等の下着本体に付設する繊維構造物、或いは図4に示すインナーウェアの襟首部(7)、或いはインナーウェアの前身頃部、後身頃部などのような下着本体を構成する各構成部品をいう。
【0009】
本発明において下着とは、図1及び図2に示したショーツやインナーウェアのような肌着の他、靴下、手袋、和装用下着、Tシャツ、サポーター、腹巻き等の肌に直接つける衣類と定義し、下着の付属部分品は、該下着に付設する繊維構造物全てを指す。
【0010】
本発明に係る下着の付属部分品は発熱性繊維を含有することを特徴とする。
本発明において発熱性繊維とは、繊維自体が発熱することによって着用者の皮膚温度を直接上昇させることができる繊維、或いは繊維自体は発熱しないが、繊維の間接的な作用によって着用者の皮膚温度を上昇させることができる繊維を含む。
【0011】
本発明で用いられる発熱性繊維の一例としては、遠赤外線放射性粒子を含有する遠赤外線放射特性を有する発熱性繊維を例示することができる。
この発熱性繊維は、遠赤外線放射性粒子を含有することで、遠赤外線の放射特性を有する。従って、着用者に遠赤外線を放射することができ、着用者の血行を促進する人体保温効果を発揮することができる。
【0012】
遠赤外線放射性粒子としては、酸化物系セラミックス、非酸化物系セラミックス、非金属、金属、合金、結晶等を例示することができる。
酸化物系セラミックスとしては、アルミナやムライト等のアルミナ系、マグネシアやコージライト等のマグネシア系、ジルコンサンドやジルコン等のジルコニア系、或いは酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化クロム、フェライト、スピネル、セリウム、バリウム等を例示することができる。
炭化物系セラミックスとしては、炭化ホウ素、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化モリブデン、炭化タングステン等を例示することができる。
窒化物系セラミックスとしては、窒化ホウ素、窒化アルミ、窒化ケイ素、窒化ジルコン等を例示することができる。
非金属としては炭素、グラファイト等を例示することができる。
金属としてはタングステン、モリブデン、バナジウム、白金、タンタル、マンガン、ニッケル、酸化銅、酸化鉄等を例示することができる。
合金としてはニクロム、カンタル、ステンレス、アルメル等を例示することができる。
結晶としては雲母、螢石、方解石、ミョウバン、水晶等を例示することができる。
【0013】
本発明では、アルミナ系、マグネシア系、ジルコニア系の遠赤外線放射性粒子がより好ましく用いられる。
本発明では、上述の遠赤外線放射性粒子の中から選択された二種以上のもの混合して使用することもできる。
【0014】
遠赤外線放射性粒子の粒径は発熱性繊維の製造に支障をきたさない程度の大きさであればよく、通常の場合、0.01〜10μm程度であり、好ましくは0.1〜1.5μm程度である。
遠赤外線放射性粒子の含有量は特に限定されないが、発熱性繊維中、1〜80重量%の範囲が好ましく、10〜70重量%であることがより好ましく、20〜60重量%であることが特に好ましい。
【0015】
遠赤外線放射性粒子が含有される繊維は特に限定されず、セルロース系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリエチレン系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維等を例示することができる。
特に本発明では、遠赤外線放射性粒子から放射される遠赤外線の吸収性が低く、遠赤外線の透過性が高いものが好ましい。具体的には、低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレン等のポリエチレン、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミドを例示することができる。
【0016】
遠赤外線放射性粒子が含有される繊維は、遠赤外線放射性粒子を含有する遠赤外線放射層(芯部)と、この遠赤外線放射層を被覆する被覆層(鞘部)からなる複合繊維であることが好ましい。
遠赤外線放射層と被覆層で被覆することによって、製造時の機械の損傷を防ぐことができるとともに、遠赤外線放射性粒子が脱落することを防ぐことができる。
被覆層の素材としては、遠赤外線透過性の高い素材であることが好ましく、ポリエチレンやポリアミドなどを例示することができ、ポリエチレンがより好ましい。
【0017】
本発明で用いられる発熱性繊維の一例としては、吸湿発熱特性を有する発熱性繊維(以下、吸湿発熱性繊維という。)を例示することができる。
吸湿発熱性繊維は、着用者の皮膚から蒸散した水分を吸湿することにより、この水分が繊維中のアミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等の親水性官能基に吸着する際の吸着熱によって発熱する繊維のことである。
この吸湿発熱性繊維は、着用者の皮膚から蒸散水分を吸湿することによって、繊維自体が発熱することで、着用者の皮膚温度を上昇させることができる。
【0018】
吸湿発熱性繊維の一例としては、セルロース再生繊維中にカルボキシル基を有する酸性高分子を含有させ、架橋後アルカリ処理して得られる改質セルロース再生繊維を例示することができる。
カルボキシル基を有する酸性高分子としては、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸等を例示することができる。これらの酸性高分子中のカルボキシル基は、フリーの状態であってもナトリウムやカリウム等の塩の状態であってもよい。
カルボキシル基を有する酸性高分子の分子量は特に限定されないが、20,000〜200,000であることが好ましい。分子量が高くなると、紡糸原液の粘度が上昇するために好ましくない。分子量が低すぎると、酸性高分子が凝固せずに溶出してしまうために好ましくない。
【0019】
セルロース再生繊維中にカルボキシル基を有する酸性高分子を含有させる方法としては、セルロースビスコース溶液にカルボキシル基を有する酸性高分子を添加し、均一に混合、溶解させて紡糸原液を調製する。酸性高分子のカルボキシル基は、セルロースビスコース溶液中のアルカリにより塩を形成する。
この紡糸原液をノズルより酸性の凝固再生浴中に吐出して、カルボキシル基を有する酸性高分子を含有したセルロース再生繊維を紡糸する。
次いで、酸性高分子を含有したセルロース再生繊維を架橋処理して、セルロース分子同士あるいはセルロース分子と酸性高分子とを架橋結合させる。架橋処理を行わないと、該繊維がアルカリ性の条件に曝されたときに含有されている酸性高分子が溶出してしまうため、目的とする吸湿発熱性を得ることができない。
このときの架橋処理は一般的にセルロース系繊維を架橋するときと同様の方法及び条件を例示することができる。
使用することができる架橋剤としては、例えば、ジエポキシ化合物,ジイソシアネート化合物,ジハロゲン化アルキル等が挙げられる。
【0020】
架橋処理を施した酸性高分子を含有したセルロース再生繊維、アルカリ水溶液に接触させ、繊維中に含有されている酸性高分子のカルボキシル基を塩型に変えた後に十分に水洗・乾燥することで、改質セルロース再生繊維を得ることができる。
アルカリ水溶液は特に限定されないが、カルボキシル基と塩を生じるナトリウムやカリウムといったアルカリ金属類を含むアルカリ性のものが好ましい。
【0021】
上述した吸湿発熱性繊維は、その繊維中にカルボキシル基を有する酸性高分子の塩が一様に含有されており、優れた吸湿性と吸湿発熱性を発現することができる。
【0022】
本発明で用いられる発熱性繊維の一例としては、吸湿発熱特性及びpH緩衝特性を有する発熱性繊維を例示することができる。
pH緩衝特性とは、繊維に接触する水のpHを5〜7の弱酸性に保持する機能であり、着用者の皮膚表面のpHを健康な肌である弱酸性に保つことができる。
従って、吸湿発熱特性及びpH緩衝特性を有する発熱性繊維は、着用者の皮膚表面から蒸散した水分を吸湿することによって繊維自らが発熱するとともに、繊維に接触する水分のpHを弱アルカリ性に調整することによって、着用者の皮膚温度を上昇させることができるとともに、着用者の皮膚表面のpHを弱酸性に調整することができる。
【0023】
吸湿発熱特性及びpH緩衝特性を有する発熱性繊維の具体例としては、ヒドラジン架橋による窒素含有量の増加が1.0〜8.0重量%であり、残存ニトリル基の一部にはカルボキシル基が、残部にはアミド基が導入され、該カルボキシル基の一部がpH4.0〜7.0においてMg,Ca,Cu,Zn,Al,Ag,Feより選ばれる1種又は2種以上の金属塩型である架橋アクリル系繊維を例示することができる。
【0024】
この架橋アクリル系繊維は、アクリロニトリルを含有するアクリロニトリル系重合体により形成された繊維である。アクリロニトリル系重合体としては、アクリロニトリル単独重合体、アクリロニトリルと他のモノマーとの共重合体のいずれでもよく、他のモノマーとしては、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、(メタ)アクリル酸エステル、メタリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、アクリルアミド、スチレン、酢酸ビニルなどを例示することができる。
【0025】
このアクリル系繊維に、水加ヒドラジン、硫酸ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、硝酸ヒドラジン、臭素酸ヒドラジンなどを用いてヒドラジン架橋を導入する。
次いで、原料繊維を、アルカリ金属水酸化物、アンモニア等の塩基性水溶液、或いは硝酸、硫酸、塩酸等の鉱酸の水溶液に含浸または該水溶液中に浸漬した状態で加熱処理することで、ヒドラジン架橋されずに残存しているニトリル基を実質的に消失させ、最終的に2.5〜4.5meq/gのカルボキシル基と残部にアミド基を導入する。
最後に、上述した加水分解繊維を、Mg,Ca,Cu,Zn,Al,Ag,Feより選ばれる1種或いは2種以上の金属と塩型の水酸化物、又は塩の水溶液に浸漬した後水洗、乾燥することで、カルボキシル基を塩型にする。
【0026】
上述した吸湿発熱特性及びpH緩衝特性を有する発熱性繊維は、吸湿発熱特性及びpH緩衝特性に加えて、難燃性、抗菌性、消臭性、抗ピル性、制電性、保水性、水吸上げ性、乾燥性などの機能を有する。
【0027】
本発明において使用する発熱性繊維は、上述した発熱性繊維を他の繊維と混紡して紡績糸(発熱糸)として使用することができる。発熱性繊維を紡績する際に混紡する繊維としては特に限定されないが、例えば、綿、絹、麻等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、アクリル等の化学繊維が挙げられ、好ましくは綿を使用する。
【0028】
前記発熱糸の糸の太さとしては特に限定されないが、30〜60番手、又は60/2〜120/2番手の細番手の糸を使用するのが好ましい。番手とは糸の太さの単位のことをいい、番手数が大きくなるほどその糸は細くなる。また、30〜60番手の糸は単糸であり、60/2〜120/2番手の糸は該単糸を2本撚ったものであり双糸と呼ばれる。双糸は単糸に比べて糸の太さが一定になるため丈夫な糸となる。本発明においては前記した太さの範囲の単糸、双糸とも好適に使用することができる。
尚、30番手又は60/2番手より太い糸を使用すると、下着の付属部分品がごわつく原因となり、肌触り等の風合いが劣化するため好ましくなく、60番手又は120/2番手より細い糸を使用すると、該付属部分品が薄くなりすぎるため破れやすくなり、耐洗濯性にも劣るため好ましくない。
【0029】
上述したような発熱性繊維を紡績した発熱糸を100%使用して下着の付属部分品を作成しても良く、また他の糸と混用しても良い。混用する場合、発熱糸と混用する糸としては特に限定されないが、例えば、綿糸、麻糸、レーヨン糸、アセテート糸、絹糸、ポリエステル糸、ナイロン糸、アクリル糸、ポリウレタン糸等が挙げられる。他の糸と混用する場合、発熱糸は10%以上含まれるようにする。その理由として、発熱糸が10%より少ない場合、十分な発熱効果が期待できないため好ましくないからである。また、他の糸と混用する場合、作成する付属部分品は交織あるいは交編して、全ての面に発熱糸が織り込まれるようにする。
【0030】
上述した如く、上述したような発熱糸を使用して製造した本発明に係る下着の付属部分品は、優れた発熱効果を有する。また、使用する糸自体に発熱機能を持たせているため、繰り返しの洗濯にもその効果が低下しない耐洗濯性があり、肌触りも優れている。
【0031】
更に、本発明に係る下着の付属部分品を、下着本体に付設した下着は、下着全体に発熱効果があり、着用者の身体を効果的に温めることができる。
【0032】
尚、下着本体の生地は、従来の下着の生地を用いても良いが、本発明において使用する発熱糸を使用して作成した生地がより好ましく、その場合、下着の全ての生地に優れた発熱機能があるため着用者の身体を効果的に温めることができ、耐洗濯性にも優れた下着とすることができる。
また、下着の生地は織機、編機(経編機、緯編機)で製造した織・編生地であることが望ましく、例えば、天竺編(平編)、経編、斜文編、リブ編、片袋編、パール編、コード編などが挙げられ、軽くて薄く、適度な伸縮性がある天竺編地、リブ編地、片袋編地を使用するのが好ましい。
【実施例】
【0033】
以下本発明の実施例を記載することにより、本発明の効果をより明確なものとする。尚、本発明に係る発熱糸を含有する下着の付属部分品及びこれらが付設される発熱下着は、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
実施例1として、アルミナ、ジルコニア、マグネシアからなる遠赤外線放射性粒子を含有するナイロン40%、綿繊維60%を混紡した60/2番手の発熱糸を用いて編機により製造した天竺編地を用いてパットとシャツ本体を作成し、該パットをシャツの脇の下部分に装着した。
【0035】
(実施例2)
実施例2として、カルボキシル基を有する酸性高分子を含有させたセルロース再生繊維を架橋後アルカリ処理して得られる改質セルロース再生繊維40%、綿繊維60%を混紡した、60/2番手の発熱糸を用いて編機により製造した天竺編地を用いてパットとシャツ本体を作成し、該パットをシャツの脇の下部分に装着した。
【0036】
(実施例3)
実施例3として、ヒドラジン架橋され、残存ニトリル基の一部にはカルボキシル基が、残部にはアミド基が導入され、該カルボキシル基の一部がpH4.0〜7.0において金属塩型とされた架橋アクリル系繊維40%、綿繊維60%を混紡した、60/2番手の発熱糸を用いて編機により製造した天竺編地を用いてパットとシャツ本体を作成し、該パットをシャツの脇の下部分に装着した。
(実施例4)
実施例4として、実施例1の発熱糸を20%、ナイロン70%、ポリウレタン10%を混用してストレッチレースを製造した。また、実施例1の発熱糸を用いて製造した天竺編地及び該ストレッチレースを用いてショーツを作成した。
【0037】
(実施例5)
実施例5として、実施例4のうち、発熱糸を10%、ナイロン80%、ポリウレタン10%を混用してストレッチレースを製造し、ショーツを作成した。
【0038】
(比較例1)
比較例1として、実施例1のうち、パット、シャツ本体とも遠赤外線放射性粒子を含有しないナイロンを用いて紡績した糸でシャツを作成した。
【0039】
(比較例2)
比較例2として、実施例2のうち、パット、シャツ本体ともセルロース繊維を改質せずに紡績した糸でシャツを作成した。
【0040】
(比較例3)
比較例3として、実施例3のうち、パット、シャツ本体ともアクリル系繊維を架橋処理せずに紡績した糸でシャツを作成した。
【0041】
(比較例4)
比較例4として、実施例4のうち、ショーツ本体の生地に木綿繊維を改質せずに紡績した糸を用いてショーツを作成した。
【0042】
(比較例5)
比較例5として、実施例4のうち、ストレッチレースに木綿繊維を改質せずに紡績した糸を用いてショーツを作成した。
【0043】
(試験例)
実施例1乃至5、及び比較例1乃至5で作成したシャツ及びショーツを用い、本発明の発熱下着の効果を以下の試験例に基き説明する。
実施例1乃至5の発熱効果、肌触り、耐洗濯性について年齢25〜40才までの女性20人を無差別に選び、官能テストを行った。悪いを0、良いを5として数値評価させて、その平均値をとり、平均0〜2.9を×、3.0〜3.9を△、4.0〜5.0を○として評価した。尚、耐洗濯性については下着の着用と洗濯を5回繰り返して行い、その発熱効果について評価した。
比較例1〜5の発熱効果について、上記と同様の方法で評価した。
結果を表1に示す。
【0044】
【表1】


【0045】
上記の結果から、本発明に係る発熱糸を含有する下着の付属部分品及びこれらが付設される発熱下着は発熱力に優れ、肌触りも良いものである事がわかった。また、繰り返しの洗濯でもその発熱機能が低下せず、耐洗濯性もあることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明に係るショーツの斜視図である。
【図2】本発明に係るインナーウェアの正面図である。
【図3】肩部分のパットの平面図である。
【図4】本発明に係るインナーウェアの平面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 マチ部分
2 脇部分のパット
3 肩部分のパット
4 レース
5 コメット
6 ニードル
7 襟首部
【出願人】 【識別番号】502218765
【氏名又は名称】株式会社マルテン天満屋
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区南久宝寺町4丁目5番11号 ライオンズマンション御堂本町806号
【出願日】 平成15年10月30日(2003.10.30)
【代理人】 【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博

【公開番号】 特開2005−133243(P2005−133243A)
【公開日】 平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願番号】 特願2003−370564(P2003−370564)