トップ :: A 生活必需品 :: A41 衣類




【発明の名称】 肌着
【発明者】 【氏名】井脇 幸代

【要約】 【課題】ファッション性と安全性を両立させることのできる肌着を提供する。

【解決手段】化学繊維糸と天然繊維糸とをダブルフェイス編で編成した編み地を用いて、化学繊維糸の面を表面とし、天然繊維糸の面を裏面とする肌着を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維糸から編成された編み地を用いた肌着であって、
前記編み地は、化学繊維糸の面を表面とし、天然繊維糸の面を裏面とするダブルフェイス編で編成されていること
を特徴とする肌着。
【請求項2】
請求項1の肌着において、
前記化学繊維糸は、キュプラ繊維糸であり、
前記天然繊維糸は、ポリウレタン弾性繊維と綿繊維から形成されたCSY糸であること
を特徴とするもの。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ファッション性と安全性を両立させることのできる肌着に関する。
【背景技術】
【0002】
タイツとは、腰から足先までをぴったり包む長靴下風の肌着をいい、一般に、やや厚手の編み地のものをいう。
【0003】
このようなタイツの編み地については、従来より様々な繊維素材が用いられている。
【0004】
例えば、キュプラなどの再生繊維の編み地を用いると、「細くてしなやかである」、「穏やかな光沢がある」、「腰がある」、「吸湿性に富む」等といった利点を有するタイツを製造することができる。
【0005】
また、ナイロンなどの合成繊維の編み地を用いると、「軽くて強い」、「伸びと弾性に富む」、「熱可塑性がある」、「染色性がよい」等といった利点を有するタイツを製造することができる。
【0006】
このような再生繊維や合成繊維等は化学繊維と呼ばれ、これらの繊維を用いることによって、ファッション性が高く機能性に富んだタイツを製造することができる。
【0007】
ナイロンの編み地を用いたパンティストッキングにおいて、必要な部分のみを吸湿性加工することによって、ファッション性と機能性を両立させる方法が知られている(例えば、特許文献1。)。
【特許文献1】特開昭64−77602号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、化学繊維で製造されたタイツの場合には、肌に対する刺激が強すぎるため、使用者によってはアトピー性皮膚炎等を悪化させる原因となることがあった。
【0009】
アトピー性皮膚炎とは、肌への刺激が原因で生じる一種のアレルギー反応による慢性の皮膚炎であり、一般にかゆみが強いという症状を有する。
【0010】
昨今のアトピー患者の増加に伴い、タイツやパンティーストッキング等の化学繊維の肌着への安全性が問題視されている。
【0011】
一方、綿などの植物繊維の編み地を用いると、「丈夫」、「吸湿性が良い」、「熱に強い」、「染色、洗濯性が良い」等といった利点を有するタイツを製造することができる。
【0012】
また、絹などの動物繊維の編み地を用いると、「しなやかでドレープ性がある」、「吸湿性に富む」、「優雅な光沢がある」等といった利点を有するタイツを製造することができる。
【0013】
このような植物繊維や動物繊維等は天然繊維と呼ばれ、これらの繊維を用いることによって肌に対する刺激が少なく機能性に富んだタイツを製造することができる。
【0014】
しかしながら、天然繊維で製造されたタイツの場合には、しわになりやすく見た目が悪いため、ファッション性が損なわれてしまうという欠点があった。
【0015】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ファッション性と安全性を両立させることのできる肌着を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)この発明にかかる肌着は、繊維糸から編成された編み地を用いた肌着であって、前記編み地は、化学繊維糸の面を表面とし、天然繊維糸の面を裏面とするダブルフェイス編で編成されていることを特徴としている。
【0017】
したがって、外観をファッション性の高い化学繊維糸で形成するとともに、内面を安全性の高い天然繊維糸で形成することができる。これにより、ファッション性と安全性を両立させた肌着を提供することができる。
【0018】
(2)この発明にかかる肌着は、化学繊維糸は、キュプラ繊維糸であり、天然繊維糸は、ポリウレタン弾性繊維と綿繊維で形成されたCSY糸であることを特徴としている。
【0019】
したがって、内面を安全性の高い天然繊維糸で形成しつつ、伸縮性(ストレッチ性)と弾性回復性(キックバック性)を向上させることができる。これにより、ファッション性と安全性に加えて機能性を向上させた肌着を提供することができる。
【0020】
この明細書で用いられる用語については、次のように定義する。
【0021】
「化学繊維糸」とは、その表面が化学繊維で形成された糸である。
【0022】
「天然繊維糸」とは、その表面が天然繊維で形成された糸である。
【0023】
「ダブルフェイス編(あみ)」とは、編み地の表面と裏面がそれぞれ異なる特徴を持つように編成する編み方である。
【0024】
「CSY糸」とは、紡績の精紡工程でポリウレタン弾性糸を混ぜるやり方であって、できあがった糸の断面は、芯がポリウレタン弾性糸、鞘が短繊維または長繊維で形成されている。なお、鞘に用いられる短繊維または長繊維には、綿、レーヨン、テンセルなど紡績可能な原料のほとんどが使用可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明における一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、この実施形態は、本発明の一例を示したに過ぎず、その大きさ、材質、模様、図形などは特に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用することができるものである。
【0026】
1.第1の実施形態
1−1.タイツ外観
図1は、本発明にかかる肌着であるタイツの斜視図である。タイツ1は、表面15と裏面13がそれぞれ異なる素材となるように編成された編み地を用いて製造されている。
【0027】
この編み地は、再生繊維であるキュプラ繊維で紡がれた化学繊維糸と、ポリウレタン繊維を芯として綿繊維を鞘として伸縮機能を有するようにしたCSY(コアスパンヤーン)糸で編成されている。
【0028】
タイツ1を下半身部分に装着すると、表面15が外観を形成し、裏面13が地肌に密着するようになる。伸縮機能を有するCSY(コアスパンヤーン)糸で編成した編み地を用いることにより、下半身の動きに応じてタイツ1の表面が伸縮する。
【0029】
なお、図示していないが、腰部においては、着用の際にタイツ1全体がずり下がらないような締め付け力を有するような加工を施してもよい。
【0030】
例えば、伸縮力の極めて強い帯状部材をタイツ1腰部の表面に貼り付けるように加工してもよい。また、タイツ1腰部のみにおいて、伸縮機能をより高めたCSY糸で編成した編み地を用いるようにしてもよい。
【0031】
表面15は、キュプラ繊維の「細くてしなやか」、「穏やかな光沢」、「腰がある」等の特徴によって、高級感がある外観を形成する。
【0032】
裏面13は、綿繊維の「丈夫」、「吸湿性が良い」、「肌への刺激が少ない」等の特徴によって、機能性および安全性の高い内面を形成する。
【0033】
1−2.編み地
図2Aに、図1に示すタイツ1のX−X断面図の例を示す。この編み地において、タイツの外観となる外側はキュプラ糸21であり、タイツの内側となる肌側はCSY糸23がくるように編成される。
図2Bに、本発明にかかるタイツに用いる編み地の編成の例を示す。この編成において、化学繊維であるキュプラ繊維で紡がれたキュプラ糸21と、ポリウレタン繊維を芯として綿繊維を鞘として伸縮機能を有するようにしたCSY糸23とによるダブルフェイス編で編成されている。
【0034】
このように、ダブルフェイス編を用いて編成することにより、編み地の表面と裏面とを異なる特徴をもつように編成することができる。
【0035】
1−3.CSY糸
図3に、本発明にかかるタイツに用いる編み地を編成するCSY糸23の例を示す。このCSY糸23は、ポリウレタン繊維糸31を芯として綿繊維糸33を鞘としている。
このようなCSY糸23を用いて編成した編み地を用いることで、ポリウレタン繊維の伸縮機能と綿繊維の安全性を両立させたタイツの肌面を形成することができる。
【0036】
1−4.まとめ
本発明にかかる肌着によれば、化学繊維の特徴であるファッション性を有する外観と天然繊維の特徴である機能性および安全性を有する内面を両立させた肌着を提供することができる。
特に、肌に接する内面のみに天然繊維を用いることにより、アトピー性皮膚炎を悪化させることなく、ファッション性を重視した肌着を提供することができる。
【0037】
2.その他の実施形態
上記実施形態においては、タイツを対象にして説明しているが、本発明はこれに限定されることなく肌着全般に適用することができる。特に、肌との密着性が高い肌着全般に有効に適用することができる。
例えば、タイツと形状が同一であるパンティストッキングにも適用可能である。なお、タイツとパンティストッキングとの違いは編み地の厚さであって、一般的には、薄手のものはパンティストッキング、厚手のものはタイツとそれぞれ呼ばれている。
【0038】
また、タイツの一部と形状が同一であるくつ下にも適用可能である。
【0039】
上記実施形態においては、キュプラ繊維を紡いだ化学繊維糸を用いるようにしているが、キュプラ繊維以外の化学繊維を用いるようにしてもよい。例えば、レーヨン、ポリノジック等の再生繊維、アセテート、トリアセテート、プロミックス等の半合成繊維、またはアクリル、ポリエステル、ナイロン、ビニロン、ポリウレタン等の合成繊維がこれに該当する、
上記実施形態においては、キュプラ繊維を紡いだ化学繊維糸をタイツ全体に用いるようにしているが、キュプラ繊維以外の化学繊維をタイツの一部に用いるようにしてもよい。例えば、タイツのつま先部分やかかと部分に、ナイロンのようなキュプラより強い合成繊維を用いるようにしてもよい。
上記実施形態においては、ポリウレタン弾性繊維を芯として綿繊維を鞘としたCSY糸を用いるようにしているが、綿繊維以外の天然繊維を用いたCSY糸を用いてもよい。例えば、麻、毛、絹等がこれに該当する。また、ポリウレタン弾性繊維以外の繊維を芯としたCSY糸を用いるようにしてもよい。
【0040】
上記実施形態においては、ポリウレタン弾性繊維を芯として綿繊維を鞘としたCSY糸を用いるようにしているが、表面が天然素材糸で形成されていれば、他の方法で紡績された糸を用いてもよい。例えば、弾性糸に他の繊維を巻きつけたカバードヤーンがこれに該当する。また、CSY糸に代えて、綿繊維等の天然繊維糸のみを用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の第1の実施形態におけるタイツ外観を示す図である。
【図2】この発明の第1の実施形態におけるダブルフェイス編の編み地を示す例である。
【図3】この発明の第1の実施形態におけるCSY糸の例を示す例である。
【符号の説明】
【0042】
1 タイツ
13 裏面
15 表面
【出願人】 【識別番号】396016445
【氏名又は名称】株式会社フェリシモ
【出願日】 平成15年9月9日(2003.9.9)
【代理人】 【識別番号】100092956
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 栄男

【識別番号】100101018
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 正

【識別番号】100101546
【弁理士】
【氏名又は名称】眞島 宏明

【識別番号】100120709
【弁理士】
【氏名又は名称】河本 一行

【識別番号】100120824
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴本 祥文

【公開番号】 特開2005−82921(P2005−82921A)
【公開日】 平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願番号】 特願2003−316167(P2003−316167)