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【発明の名称】 食品成型装置
【発明者】 【氏名】市丸 謙二
【住所又は居所】京都府船井郡丹波町字富田小字美月61 石井食品関西株式会社内

【要約】 【課題】この発明は、水又はローラなどによる成型工程を経ることなく、ミートボールなどの球状の加工食品を製造することを課題とするものである。

【解決手段】この発明の食品成型装置は、充填プレート1に形成された充填孔6に食品素材を充填し、前記充填孔6を貫通する打抜ピン3で前記食品素材を剥離するようにした装置において、前記充填プレート1の表裏に円弧状の凸条7,8を形成し、前記充填孔6を前記凸条7,8に形成し、前記打抜ピン3の端面は断面凹弧状とて構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填プレートに形成された充填孔に食品素材を充填し、前記充填孔を貫通する打抜ピンで前記食品素材を剥離するようにした装置において、
前記充填プレートは、表裏に円弧状の凸条を有し、前記充填孔は前記凸条に形成され、前記打抜ピンの端面は断面凹弧状としたことを特徴とする、食品成型装置
【請求項2】
充填孔は円形とし、充填孔の直径は凸条の幅と同等とした、請求項1記載の食品成型装置
【請求項3】
充填プレートの裏面には、凸条の表面に長手方向の溝が形成された、請求項1又は2に記載の食品成型装置
【請求項4】
基盤の表裏に円弧状の凸条が形成され、この凸条に食材の充填孔が形成された、食品成型用充填プレート
【請求項5】
食品素材を、両端面が凸弧状をなす略円柱形に打ち抜き、これをそのままフライヤーで熱処理することを特徴とした、球形加工食品の製造方法
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ミートボールその他の球形加工食品の製造に適した装置及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、球形加工食品の製造においては、食品素材を両端面が平面である円柱状に打ち抜きいている。そのために、これをそのままフライヤーで処理すると角が残り球状とすることができない。
そこで、二次成型が必要とされ、打ち抜かれた食品素材の両端縁部を水を用いて角を削った後にフライヤーで熱処理を行っている。
また、特許文献としては以下のものが存在する。
【特許文献1】特開平02−52597号
【0003】
この発明は、モールドドラムから受け取った食品素材を、ローラダイスとセグメントダイスの溝間で球状に成型するものである。
【特許文献2】特許第2572271号
【0004】
この発明も上記と同様に二つの成型ローラを対向設置し、その溝間で食品素材を球形に成型するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記水を用いて成型する方法及び二つの特許文献に示されている発明は、いずれも食品素材を円柱状に打ち抜いた後に再度水又はローラを用いて成型するものであり、成型のための工程が必要とされている。
【0006】
また、水を用いて成型する方法においては、打ち抜かれた食材の角を水で削り取るため、約2%の食材が削り取られて無駄になるほか、削り取られる量にばらつきが生じるために成型加熱後の食品の重量にばらつきが生じる、削りかすのために表面にバリが生じる、袋詰めの工程で袋に削りかすが付着する、食材に水が含まれるためにフライヤーの油の劣化が進む、食材を含んだ水の処理のための設備が必要とされる、などの問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の食品成型装置は、充填プレートに形成された充填孔に食品素材を充填し、前記充填孔を貫通する打抜ピンで前記食品素材を剥離するようにした装置において、前記充填プレートの表裏に円弧状の凸条を形成し、前記充填孔を前記凸条に形成し、前記打抜ピンの端面は断面凹弧状としたことを特徴とするものである。
前記充填孔は円形とし、充填孔の直径は凸条の幅と同等とすることが好ましい(請求項2)が、充填孔は多角形(六角形程度以上)としても、ほぼ球状の食品を得ることができる。
前記充填プレートの裏面には、凸条の表面に長手方向の溝を形成することが好ましい(請求項3)。この長溝はエア抜きとして機能するもので、充填孔のエアによる成型不良が回避される。
前記充填プレート及び打抜ピンの素材はポリプロピレン樹脂製とすると、食材の剥離がよく好ましい。また打抜ピンの端面には蒸気又はエアを吹き出すための小孔を設けることが好ましい。
【0008】
請求項5の発明は球形加工食品の製造方法に関するもので、食品素材を、両端面が凸弧状をなす略円柱形に打ち抜き、これをそのままフライヤーで熱処理することを特徴とするものである。
両端面が凸弧状をなす略円柱形状に食材を打ち抜くことにより、この打ち抜かれた食材を二次成型せずにそのままフライヤーで熱処理すると角のない略球形の加工食品が得られる。
請求項4の発明は、請求項1又は請求項5の発明を実施するための食材充填プレートである。
【発明の効果】
【0009】
この発明の食品成型装置によれば、充填プレートの表裏に円弧状の凸条を形成し、この凸条に充填孔を形成し、打抜ピンの端面は断面凹弧状としたので、充填孔に充填された食材を打抜ピンで打ち抜くと、打ち抜かれた食材の端面は断面凸弧状となる。
そして、打ち抜かれた食材をフライヤーで熱処理すると柱状をなす側壁部分は膨張するので、二次成型をすることなく、略球状の加工食品を得ることができる。
すなわち、この発明によれば二次成型が不要であるから工程が減少し、製造作業が効率化され、コストも低下する。
【0010】
また、水を用いて成型する方法との比較においては、打ち抜かれた食材を削り取ることがないので食材が無駄になることがなく、成型加熱後の食品の重量は均一となり、表面にバリが生ずることもなく平滑となり、袋詰めの工程で袋に削りかすが付着することもない。また、食材に水が加わることもないのでフライヤーの油の劣化が抑制され、食材を含んだ水の処理のための設備も不要となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、この発明の装置の概略図であって、充填プレート1の基部側上方に充填チャンバー2が配設してあり、先端部上方に打抜ピン3が配設してあり、充填プレート1の表面には前記充填チャンバー2と打抜ピン3との間に除去板4が前記充填プレート1に当接させてあり、前記充填プレート1の裏面には、前記充填チャンバー2に対応した位置に、受け板5が前記充填プレート1に当接させてある。
【0012】
前記充填プレート1には充填孔6が形成してあり、図1の左右方向に摺動する。
前記充填チャンバー2は食材ホッパー内の食材を前記充填プレート1の充填孔6に充填するものであり、充填時に充填孔6の下端は前記受け板5で閉鎖されている。
前記前記打抜ピン3は上下に移動し、充填孔6に充填された食材を打ち抜くものであり、前記除去板4は充填時に充填孔6からあふれた食材を除去するものである。
【0013】
上記のように構成された装置において、充填プレート1が図中右側に移動して充填孔6を充填チャンバー2の下方に位置させた状態で、充填チャンバー2から充填孔6に食材を充填した後、充填プレーを1を図中左側に移動して充填孔6を打抜ピン3の下方に位置させた状態で、打抜ピンを下降させて食材を打ち抜く。
【0014】
前記充填プレート1の構成は以下の通りである。
図2は表面側斜視図、図3は裏面側斜視図、図4は側面図である。
充填プレート1の素材はポリプロピレン樹脂であって、その表面に断面凸弧状の凸条7が複数、図1の左右方向(充填プレートの摺動方向)に形成してあり、裏面にも断面凸弧状の凸条8が複数、前記凸条7に対応した位置に形成してある。
前記凸条7.8には平面円形の充填孔6が形成してある。図においては各凸条に3個の充填孔を設けてあるが、充填孔の数は及び凸条の数は充填機に対応して決定するものである。
前記裏面の凸条8には長手方向及び充填孔6を結ぶ位置にエア抜き用の溝9が形成してある。
前記充填プレート1の寸法は、製造しようとする食品の大きさに対応して決定するものであるが、例えば凸条のない部分の板厚を12ミリ、凸条7,8の高さをそれぞれ5ミリm、凸条の幅を22ミリ、充填孔の直径を22ミリとすると、7.5グラム程度のミートボールが得られる。
【0015】
前記打抜ピン3は、図5に示すように有底の円筒状であって、前記充填プレート1の充填孔6の直径よりもやや小径としてある。打抜ピン3の底面10は断面凹弧状であって、この断面形状は前記充填プレート1の凸条7の断面形状と一致させてある。また底面10には小さな透孔11が形成してあり、この透孔から蒸気又はエアを吹き出すことができるようにしてある。
【0016】
前記除去板4及び受け板5は共に前記充填プレート1の凸条7又は8に対応した断面形状の溝12、13が形成してあり、充填プレート1の表面又は裏面に当接し得るようにしてある。
【0017】
以下作用を説明する。
充填チャンバー2から充填孔6に食材を充填すると、食材は上下が断面凸弧状をなした状態となる。これを底面が凹弧状をなす打抜ピン3で打ち抜くと、食材の上面は断面凸弧状を維持したまま打ち抜かれ、図7に示すように上下面が凸弧状をなした食材の成型品14が得られる。
【0018】
この成型品14をそのままフライヤーで加熱処理を行うと、側面が膨張し、図8に示すような球状の加工食品15が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
この発明によれば、二次成型を行うことなく球状の加工食品を得ることができる。そして、充填プレート、打抜ピンなどを交換するのみで、従来の充填・打抜装置を使用して実施することが可能であるから、ミートボールなどの球形加工食品の工業生産に寄与するものとして、産業上の利用可能性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の装置の概略図
【図2】この発明の充填プレートの表面側斜視図
【図3】同じく裏面側斜視図
【図4】同じく側面図
【図5】この発明の打抜ピンの断面図
【図6】この発明の充填プレートと除去板及び受け板の重なり状態を示す側面図
【図7】この発明の装置によって打ち抜かれた食材の正面図
【図8】加工食品の正面図
【符号の説明】
【0021】
1 充填プレート
2 充填チャンバー
3 打抜ピン
4 除去板
5 受け板
6 充填孔
7 凸条
8 凸条
9 溝
10 底面
11 小孔
12 溝
13 溝
14 成型品
15 加工食品
【出願人】 【識別番号】391043413
【氏名又は名称】石井食品株式会社
【住所又は居所】千葉県船橋市本町2丁目7番17号
【出願日】 平成15年10月31日(2003.10.31)
【代理人】 【識別番号】100085693
【弁理士】
【氏名又は名称】峯 唯夫

【公開番号】 特開2005−130783(P2005−130783A)
【公開日】 平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願番号】 特願2003−371583(P2003−371583)