| 【発明の名称】 |
冷却ダイ内の押出物流れを調節する方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】デイヴィッド アレクサンダー
【氏名】ケヴィン リース
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| 【要約】 |
【課題】食品押出用の多流路冷却ダイにおいて、押出物の能動流動制御方法を提供する。
【解決手段】流体押出物の流れを、押出物冷却ダイ内の一つ以上の製品冷却流路を通過するときに、調節する方法であって、前記冷却ダイは、冷却剤の入口点から冷却剤の出口点まで、一つ以上の冷却剤流動流路を通る冷却剤の流れを使用するものであり、押出物の入口温度から押出物の出口温度まで押出物を冷却するために、少なくとも一つの冷却剤流動流路が、製品冷却流路の少なくとも関連する一つに熱的に隣接して位置している。冷却剤の出口点温度から、押出物及び冷却材の流量と温度からなる関数として、押出物の流量を最適化して調節させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 流体押出物の流れを、押出物冷却ダイ内の一つ以上の製品冷却流路を通過するときに、調節する方法であって、前記冷却ダイは、冷却剤の入口点から冷却剤の出口点まで、一つ以上の冷却剤流動流路を通る冷却剤の流れを使用するものであり、押出物の入口温度から押出物の出口温度まで押出物を冷却するために、少なくとも一つの冷却剤流動流路が、製品冷却流路の少なくとも関連する一つに熱的に隣接して位置している方法において、 前記冷却剤の温度を冷却剤出口点で測定し、 前記温度を、押出物の流量、押出物の入口温度、冷却剤の入口点温度および冷却剤の流量の内の少なくとも一つの関数である、所定の期待値と比較し、 前記所定の期待値を達成するために、瞬間冷却剤流量および冷却剤の入口点温度の内の一方から選択された少なくとも一つの変数を上方または下方に調節し、それによって、前記押出物の流量を調節する、 各工程を有してなることを特徴とする方法。 【請求項2】 前記所定の期待値を達成するために、前記冷却剤を実質的に一定の入口点温度で提供し、該冷却剤の流量を上方または下方に調節し、それによって、前記押出物の流量を調節することを特徴とする請求項1記載の方法。 【請求項3】 前記所定の期待値を達成するために、前記冷却剤を実質的に一定の流量で供給し、該冷却剤の入口点温度を上方または下方に調節し、それによって、前記押出物の流量を調節することを特徴とする請求項1記載の方法。 【請求項4】 前記押出物のダイが多流路冷却ダイであり、個々の冷却剤流れを、所定の数の個別の押出物流路を含有する所定の数の個別の冷却ダイ区域に供給するものであり、前記方法が個別の冷却剤流れを介して各区域に適用されることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の方法。 【請求項5】 前記多流路冷却ダイが24個の個別の押出物冷却流路を有し、前記区域の数が6であり、各区域が4個の個別の押出物流路を有することを特徴とする請求項4記載の方法。 【請求項6】 請求項1から5いずれか1項記載の方法を実施するために適用される押出物冷却ダイ。 【請求項7】 請求項1から5いずれか1項記載の方法を実施するために適用される押出物流動調節装置。 【請求項8】 請求項6記載の押出物冷却ダイを備えた設備により製造された押出食品。 【請求項9】 請求項7記載の押出物流動調節装置を備えた設備により製造された押出食品。 【請求項10】 図面を参照して、実質的にここに記載されたような、流体押出物の流れを、押出物冷却ダイ内の一つ以上の製品冷却流路を通過するときに、調節する方法。 【請求項11】 図面を参照して、実質的にここに記載されたような、請求項10記載の方法を実施するために適用される押出物冷却ダイ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は食品押出しの分野に関する。本発明は、特に、多流路冷却ダイの流路内を流動する押出物の流れを調節する方法に関する。 【背景技術】 【0002】 商業的食品製造の分野において、特に、商業的ペットフード製造の分野において、食品が、脂肪のない肉に関連する高い原料費を負わずに、本物の「肉のような」外観を確実に持たせるために、食品基質中に含ませる低コスト肉類似物を製造することがしばしば望ましい。そのような肉類似物を製造するための特に効果的なプロセスが、エッフェム・フーズ社(Effem Foods Pty Ltd.)による特許文献1に開示されている。そこに記載されているプロセスは、高水分のタンパク質ベースの押出物を徐々に固化し、それによって、「繊維質」内部組織を形成するために冷却ダイを使用することを含む。 【0003】 もちろん、高水分押出用途における冷却ダイの商業的使用に対する制限は、そのような冷却ダイは、商業的に実施できる食品を製造するときに要求される多い押出物流量、例えば、押出ユニット当たり毎時200kgを超える食品の流量に対処できる傾向にはないということであった。 【0004】 したがって、この問題を克服するために、押出物冷却ダイの全体の効率を改善することが必要になった。そのような改良設計の一つがエッフェム・フーズ社による特許文献2に開示されている。この文献には、組織模様付きの高水分押出物を、押出ユニット当たり毎時1トン辺りの全体の質量流量で製造できる多流路冷却ダイが開示されている。 【0005】 しかしながら、押出機から吐出される一つの生成物流が、冷却ダイに進入する際に、多数の個別の流れに分割される多流路冷却ダイに一つの潜在的な問題が生じる。各押出物冷却流路内で達成できる製品の品質は、大部分、各個別の流路間とその内部の流量が比較的均一に分布していることを確実にすることに依存する。特許文献2により製造した多流路ダイの動作において、冷却ダイの各個別の流路を通過する押出物の流量の変動は、特に、高流量動作の最中に激しくなる傾向にあるようであることが分かっている。これは、任意の一つの流路内の押出物の流れが減少したときに、この押出物は余計な冷却を受け、これにより、粘度が増加し、流量がさらに減少するからである。この流路内で生じる余計な背圧により、他の流路内での流量が増加する傾向にある。これは、それら他の流路内で流動する押出物がその分冷却を受けなくなり、その粘度が減少し、このことは転じて、流量をさらに増加させることを意味する。これにより、本質的に不安定な系が生成される傾向にある。 【0006】 このことは製品の品質に悪影響を及ぼし得る:ダイを通過するのが遅すぎる押出物は、多すぎるレベルの冷却によって、緻密すぎ、線条が少なく、その結果、それほど「肉のよう」ではない押出物が形成されるので、所望の内部組織を形成できないことがある;ダイを通過するのが速すぎる押出物は、十分には冷却され得ず、その結果、冷却ダイから吐出される際に、膨れるかもしれず、ここでも、過剰に膨張した内部組織のためにそれほど「肉のよう」ではない組織が形成され、これにより、細かいレベルで「ギザギザの」外観を呈する;一貫性のない流れにより、冷却ダイから吐出される際に押出物片の切断長さが許容できないほどばらつくことがある。遅く移動する押出物により微粉の多い短いぶつ切り体が形成され、速く移動する押出物により大きすぎるぶつ切り体が形成される。 【0007】 流体材料の流れを調節するためのよく知られた方法は、それらの容積流量または質量流量を動的に測定し、所定の設定値と比較し、任意の不一致を補正するために、例えば、調節弁により、流体流れへの直接的な物理的影響を開始することである。 【0008】 しかしながら、食品押出機の冷却ダイ用途において、この手法は、実施するのが非常に難しいであろう。高温および高圧で徐々に固化する材料の流れの測定は、食品押出しに経済的に適用できる様式ではうまく行うことができない。このことは、各流路には潜在的に個別のモニタリングと制御が必要であろう多流路冷却ダイに関して特に当てはまる。 【特許文献1】国際公開第00/69276号パンフレット 【特許文献2】国際公開第01/49474号パンフレット 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本発明の目的は、上述した問題のいくつかまたは全てに対処するために、多流路冷却ダイを流動する押出物の能動流動制御を実施する実際的な方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明のある態様によれば、流体押出物の流れを、押出物冷却ダイ内の一つ以上の製品冷却流路を通過するときに、調節する方法であって、冷却ダイは、冷却剤の入口点から冷却剤の出口点まで、一つ以上の冷却剤流動流路を通る冷却剤の流れを使用するものであり、押出物の入口温度から押出物の出口温度まで押出物を冷却するために、少なくとも一つの冷却剤流動流路が、製品冷却流路の少なくとも関連する一つに熱的に隣接して位置している方法において、 冷却剤の温度を冷却剤出口点で測定し、 この温度を、押出物の流量、押出物の入口温度、冷却剤の入口点温度および冷却剤の流量の内の少なくとも一つの関数である、所定の期待値と比較し、 所定の期待値を達成するために、瞬間冷却剤流量および冷却剤の入口点温度の内の一方から選択された少なくとも一つの変数を上方または下方に調節し、それによって、押出物の流量を調節する、 各工程を有してなる方法が提供される。 【0011】 所定の期待値を達成するために、冷却剤を実質的に一定の入口点温度で提供し、冷却剤の流量を上方または下方に調節し、それによって、押出物の流量を調節することが好ましい。 【0012】 あるいは、所定の期待値を達成するために、冷却剤を実質的に一定の流量で供給し、冷却剤の入口点温度を上方または下方に調節し、それによって、押出物の流量を調節してもよい。 【0013】 この方法の利点は、特に、各個別の製品冷却流路内、あるいはそのような流路の群における、押出物の流れについてのある程度の制御が非常に難しいかまたは実施できないであろう、そのような各流路内の実際の流量、押出物の粘度または他のレオロジー特性を直接測定する必要なく可能になることである。このことは、冷却ダイの作用により、ダイの出口点で押出物が少なくともある程度固化し、従来の流動測定が非常に困難になる場合に特に都合よい。 【0014】 このことは、押出物流動流路(すなわち、製品冷却流路)に隣接して流動する冷却剤が、そのような任意の所定の流路内の押出物の流量に関連する傾向にあるという本発明の実施により可能となった。 【0015】 本発明は、したがって、押出機/冷却ダイ制御システムに、一つ以上の押出物冷却流路が、それぞれの関連する冷却剤流動流路についての低い冷却剤出口温度により特徴付けられる、閉塞などのために少ない押出物流れを、または高い冷却剤出口温度により特徴付けられる、サージングのために多い押出物流れを経験する場所を検出させることができる。本発明の方法はさらに、冷却剤の流れを増加させることにより、または冷却剤の温度を低下させることにより、任意の所定の製品冷却流路を冷却するように割り当てられた一つ以上の冷却剤流動流路内で、押出物の固化を促進させ、それによって、その流路内の押出物の過剰な流れを減少させる、もしくは冷却剤の流れを減少させることにより、または冷却剤の温度を上昇させることにより、押出物の固化を制限し、それによって、押出物の流れを増加させる、これらの状況の改善方法を提供する。 【0016】 各個別の製品(押出物)冷却流路内の流れの制御が物流的に難しいかまたは法外なほど高価である用途については、本発明の都合よい実施の形態が提供され、ここで、多数の押出物流路を持つ多流路冷却ダイの場合、個別の冷却剤流れが所定の数の個別の冷却ダイ区域に供給され、各区域は、所定の数の個別の押出物流路を備えており、本発明の方法が、個別の冷却剤流動流れにより各区域に適用される。そのような構成により、押出物の流れをダイの広い領域で比較的等しくできる。もちろん、各領域内の個別の押出物冷却流路内で流れが等しくならないかもしれないが、この実施の形態により、多数の個別の製品冷却流路を制御するという潜在的に高価であり、現実性のない要件なく、押出物の流れを良好なレベルで全体的に制御できる。 【0017】 例えば、多流路冷却ダイが24個の個別の押出物冷却流路を有してなる場合、6つの群の4個の隣接する流路を提供する冷却剤流動流路システムまたはグリッドを提供し、6つの群の各々に本発明の方法を独立して適用することが慎重であろう。あるいは、4つの群の6個の流路、8つの群の3個の流路などの任意の適切な組合せを用いてもよい。 【0018】 本発明の別の態様によれば、上述したもののいずれか一つによる押出物流れの調節構成を含む多流路冷却ダイが提供される。 【0019】 本発明の別の態様によれば、本発明の方法論を実施する押出物流れ調製システムが提供される。 【0020】 本発明のさらに別の態様によれば、上述したものの内のいずれか一つによる押出物流れ調節構成を含む冷却ダイを用いて製造された押出食品が提供される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 ここで、特定の非限定的実施例により、本発明による多流路冷却ダイ内で押出物流れを調節する方法の好ましい実施の形態を説明する。以下の説明から、本発明のさらに好ましい特徴および随意的な特徴が明らかとなる。 【0022】 最初に図1を参照すると、エッフェム・フーズ社により特許文献2に開示されたものによる食品押出機に取り付けるための、積重プレートタイプの多流路冷却ダイが示されている。 【0023】 ダイ組立体10は、同じレイアウトの複数(ここでは18)のディスク形厚型金属プレート14からなるマルチピースダイ本体12、ダイ本体12の軸方向入口端部にある冷却剤(すなわち、冷却流体)入口ヘッダ(または分配)プレート16、軸方向出口端部にある冷却剤出口ヘッダ(または分配)プレート18、およびダイ組立体10を押出機の出口(点線11で概念的に示されている)でレセプタクル・フランジに固定し、個別のダイ本体プレート14を一緒に留め付けるための連結および移行構造を実質的に有してなる。 【0024】 合計で24の押出物流動流路は、ダイ本体12の入口端部とその出口端部との間で軸方向に互いに平行に延在しており、押出物流動流路の部分区分は、ダイ本体12を構成する各プレート部材14を通って延在する「部分流路」または内孔により画成される。図3は、積重され互いに留め付けられたときに、冷却ダイ本体12を形成する冷却ダイプレート14の一つを断面で示している。押出物流動流路を構成する内孔は20により同定される。押出物流動流路20の断面は、同一であり、角の丸まったほぼ矩形である(または長い孔/長楕円の形態にある)。流路20の主寸法または高さは、ダイ本体12の中心軸から実質的に半径方向に延在し、幅の少なくとも2.5倍である。24個の押出物流動流路20は、プレート部材14の円周方向に等間隔で配置されている。 【0025】 図3からさらに情報収集できるように、複数の内孔22は、ダイ本体プレート14内に機械加工され、矩形パターンでその中を延在し、隣接する押出物流動流路20の間に位置しており、一列当たり合計で4つの半径方向に間隔の置かれた内孔が設けられている。個々のダイプレート14が積重されると、これらの内孔22は、ダイ本体12の製品入口端部と出口端部との間で互いに平行に延在する複数の冷却剤流動流路を形成する。 【0026】 上述したように、冷却ダイ本体12の各端部には、ダイ組立体10の製品入口側と出口側で冷却剤流動流路22の末端部を与える冷却流体(すなわち、冷却剤)ヘッダプレート16,18が配置されている。これらは互いに実質的に鏡像状に同一であり、唯一の差は、冷却ダイ、すなわち、入口と出口の端部プレートを通る押出物流れに関する位置である。これらの端部プレート16,18は、一つの供給源からダイプレート組立体12の個々の冷却剤流動流路22に冷却剤を分配する機能、またはそのような冷却剤を受け入れる機能を果たすので、それらは、分配(端部)プレート16,18とも称される。 【0027】 そのような冷却剤ヘッダプレート16の一つを断面で示す図2から分かるように、合計で24個の半径方向に延在する冷却剤供給/排出内孔24が、ディスク形分配プレート16の周囲表面に沿って定間隔に配置されたそれぞれの結合アーマチュア25からその中央に向かって延在し、その中心には達していない。各供給/排出内孔24は、分配プレート中に一方の側からのみ軸方向に機械加工された合計で4個の冷却剤流動内孔22’と流体連絡している。この内孔22’は、断面、構成パターンおよび位置において冷却ダイプレート14内に設けられた冷却剤流動流路22(図3と比較)に対応するような形状であり、内孔22’は、プレート14,16,18が積重されたときに、流動流路22と整合する。 【0028】 さらに図2から分かるように、分配プレート16(18も同様に)も、あるパターンに配列された24個の細長い孔20’を持ち、ダイが組み立てられたときに整合する冷却ダイプレート14(および冷却ダイ本体12)の押出物流動流路20のサイズに対応するサイズを持つ。 【0029】 従来技術では、冷却剤分配マニホールド構造体26は、共通した供給/排出管29に固定された、合計で12個の連結アーマチュア27を備えている。管29は、分配プレート16(および18)の上側または冷却ダイ組立体の任意の他の適した部材にブラケット30を介して固定/固着されている。合計で24個の冷却剤ライン28が連結アーマチュア25および27を連結し、それによって、冷却剤を一つの入口を通して入口端部プレート16にある24個の個々の冷却剤供給ダクト24にマニホールド供給することができる。これと同じ構成が出口端部分配プレート18にもある。 【0030】 製造設備の使用において、押出機からの溶融塊(すなわち、押出物)が、冷却剤分配(端部)プレート16を通過し、冷却プレート部材14の最初のものに進入する前に、押出機の出口を通り取付フランジ片13に入り、押出物分配(すなわち、移行)プレート15に入る。押出物の流れは、全ての製品通路が同じような長さであるために、全ての製品流路1に亘り均一に分配される。押出物が、積重された冷却プレート14の最初のものに一旦入ったら、出口冷却流体分配プレート18を介して冷却ダイから排出される前に、個々の冷却プレートが互いに取り付けられることにより形成された押出物流動流路20を通過する。冷却プレート14の総数は、特定の製品に必要とされる熱伝達区域に応じて異なるであろう。 【0031】 押出物流動流路の冷却剤流動流路への熱的近接、すなわち、それらの物理的近接およびスチールなどの熱伝導材料の比較的小さな区域による隔離は、押出物から冷却剤への熱の伝達に寄与する。これにより、押出物の温度が降下し、冷却剤の温度がそれに伴って上昇する。押出物流路の長手方向に沿って押出物により失われるエネルギー量が、熱的に隣接した冷却剤の流れが得るエネルギー量とほぼ等しくなることが効果的である。 【0032】 FEの一定流量で押出物流路内を流動し、TEIの温度で流入し、TEOの温度で流出する押出物について、FCの所定の一定冷却剤流量で、熱的に隣接した冷却剤流路内でのTCIからTCOまでの冷却剤の温度がそれに伴って上昇することが、本願の発明者によりさらに認識された。また、ダイ自体の内部の押出物から伝達可能なエネルギー量は、一部には、押出物の任意の所定分が冷却剤に熱的に近接したままである時間に依存し、この時間も転じてFEに依存することも認識された。 【0033】 流路を通る押出物の流量FEが減少したら、押出物は冷却剤と熱的に近接した状態でより長くいることなり、TEOが減少する。これにより、TEと冷却剤の温度TCとの間の温度駆動力が減少するので、冷却剤へのエネルギー伝達の速度が減少する。それゆえ、TCOが減少する。流路を通る押出物の流量FEが増加したら、押出物は冷却剤と熱的に近接した状態でいるのがより短くなり、TEOが増加する。これにより、TEとTCとの間の温度駆動力が増加するので、冷却剤へのエネルギー伝達の速度が増加する。それゆえ、TCOが増加する。この原理により、個々の流路内の押出物の流動変化を検出することができる。さらに、冷却水の流れが増加すると、押出物からのエネルギー伝達速度が増加するが、冷却水の温度の上昇は、押出物に熱的に近接した時間が減少するために、小さくなることも認識された。これにより、冷却剤の流れの長手方向に沿って冷却剤の温度がより低く維持される傾向にある。したがって、冷却剤の流量を増加させると、ダイ内を流動するときに押出物のより急激な固化が生じる傾向にあり、このことは転じてFEを減少させる傾向にある。 【0034】 したがって、TCOの変化に応じてFCを上昇させたり降下させたりすることにより、FEを調節することが可能になった。 【0035】 これは実際に、図4に示した流れ図による実用的多流路冷却ダイにおいて実施できる。この実施例において、押出物流れに対して向流で流れる冷却剤が示されている。 【0036】 冷却剤出口に配置された温度センサが各冷却剤流れのTCOを検出する。TCO値が設定値を超えると、押出物流れFEの増加を表示し、プログラム可能な理論制御器(PLC)などの制御装置が、冷却ダイに進入する前に、冷却剤流れ内に配置された電磁弁などの流動制御機構FCを作動させて、冷却剤流れFCを上昇させる。これによりFEが減少する。TCOが設定値よりも低いと、押出物流れFEの減少を表示し、制御装置が流動制御機構を作動させて、冷却剤流れFCを減少させて、FEを増加させる。 【0037】 もちろん、TCOの標的値を決定するために、所定の実験データが必要である。この値は、FE、FC、TCIの変動により、また潜在的に、異なる押出物材料の熱力学的性質およびレオロジーにより必ず変動するので、全ての特定の組の処理条件について異なることが認識される。 【0038】 例えば、特許文献2に開示されたタイプの押出物材料のそこに開示された装置による冷却について、処理条件が: FE=42kg/時 FC=70kg/時 FCI=20℃ の場合、 TCOの標的値は約50℃となることが分かった。 【0039】 別の実施の形態、具体的には、全ての押出物流路への個別の制御ループの適用が難しいか経済的ではない場合において、全体の冷却ダイを、押出物流路の群からなる制御区域に分割し、流動制御方法を、各流路に個別にではなく、その群に適用した場合、通常レベルの流動制御を得ることが可能であった。 【0040】 例えば、多流路冷却ダイの軸の周りに24個の個別の押出物流動流路が円形に配置されている場合、そのダイを4個の押出物流路の6つのセグメントに「分割する」ことが都合よい。6つの単独の流動制御装置を平行に通過する冷却剤流れは、ダイの各6つのセグメント内の4個の押出物流路に対応する熱的に隣接した冷却剤流路に向けられる。個々のセグメントに供給される冷却剤は、ダイを通過する際に、再度組み合わせられ、TCOが測定される。次いで、そのように得られた温度測定値を用いて、ダイの特定のセグメントに対応する流動制御装置を作動させる。もちろん、そのような手法では、各押出物流路について個別のフィードバック制御ループを指定した手法の感度が得られない。しかしながら、実際の実験により、そのようなシステムは経済的な代替案であり、これはそれでもなお、効果的な製品品質制御に実質的に寄与することが示唆される。 【0041】 本発明による、単に上記に例証した制御手法は、本発明の範囲に含まれる様々な異なる様式で実用的多流路冷却ダイに適用してもよいことが当業者には理解されよう。例えば、温度センサ、流動制御装置および制御ハードウェアの選択は、それらの正確な配置および構成のように、無数にある。また、本発明の方法は、動作原理により適切になる様々な多流路冷却または加熱装置、例えば、国際公開第03/004251号パンフレットに開示された縦方向に配置された装置、並びに性質により適切になる事実上無制限な様々な押出物に適用できるであろう。 【0042】 さらに、上述した実施例が、実質的に定温で供給される冷却剤の流量調節を含む場合、本発明は、一定流量での冷却剤の供給を含み、冷却剤の温度を変動させて、押出物レオロジーに所望の効果を与えるシステムにより同様に実施されるであろう。 【図面の簡単な説明】 【0043】 【図1】本発明を適用できる、従来技術による多流路冷却ダイの平面図 【図2】冷却ダイプレート積重体の端部(冷却分配)プレートでの冷却流体流路の詳細を示す、線分A−Aでとられた図1の冷却ダイの断面図 【図3】押出物流動流路および冷却剤流動孔の構成を示す、線分B−Bでとられた図1の冷却ダイの断面図 【図4】本発明による制御構成の概略図 【符号の説明】 【0044】 10 ダイ組立体 12 ダイ本体 14 ダイプレート 16 冷却剤入口ヘッダプレート 18 冷却剤出口ヘッダプレート 20 押出物流動流路 22 冷却剤流動流路
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| 【出願人】 |
【識別番号】390037914 【氏名又は名称】マーズ インコーポレイテッド 【氏名又は名称原語表記】MARS INCORPORATED
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| 【出願日】 |
平成16年8月30日(2004.8.30) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073184 【弁理士】 【氏名又は名称】柳田 征史
【識別番号】100090468 【弁理士】 【氏名又は名称】佐久間 剛
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| 【公開番号】 |
特開2005−130852(P2005−130852A) |
| 【公開日】 |
平成17年5月26日(2005.5.26) |
| 【出願番号】 |
特願2004−249696(P2004−249696) |
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