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【発明の名称】 果菜食品等の手洗い機
【発明者】 【氏名】井野 正敏
【住所又は居所】熊本県菊池郡泗水町大字永2533番地の1 有限会社宝友食機内

【氏名】井野 成人
【住所又は居所】熊本県菊池郡泗水町大字永2533番地の1 有限会社宝友食機内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業高さに設定されある程度の深さを有する手洗い槽と、
手洗い槽の一端側から対向壁側に向けて洗浄水を横方向に噴射する噴射手段と、
手洗い槽の対向壁側に形成され噴射手段からの洗浄水を手洗い槽外に放出させる放出部と、
放出される水内の異物を捕集する捕集手段と、
放出部からの水を再び噴射手段から洗浄水として噴射させる循環機構と、を有し、
放出部は、対向壁の上端部に形成されたオーバフロー部と、
手洗い槽の底壁上面と少なくとも面一あるいはそれより下部位置に下縁を設定した横長のスリット孔と、を含むことを特徴とする果菜食品等の手洗い機。
【請求項2】
手洗い槽の底壁の一部または全部が水の流れ下流に向けた下がり傾斜部を含むことを特徴とする請求項1記載の果菜食品等の手洗い機。
【請求項3】
手洗い槽は対向壁側が両側に隅部を有する隅部体構造を含み、
噴射手段が、それぞれの隅部に噴射方向を設定して交差状に洗浄水を噴射させる複数のノズルを有することを特徴とする請求項1または2記載の果菜食品等の手洗い機。
【請求項4】
手洗い槽の底壁の水流れ中間位置の平坦部あるいは傾斜部に略全幅長さにわたり開口付きの長溝ポケットを凹設し、開口に連通して底壁から下位側に排出する排出パイプを設け、
水中でのより高比重成分を長溝ポケットで捕集して該排出パイプから排出させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の果菜食品等の手洗い機。
【請求項5】
放出部は、対向壁上端部に設けた前記オーバフロー部と、下端部に設けた前記スリット孔と、さらに高さ方向中間部に形成した中間開口と、を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の果菜食品等の手洗い機。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、野菜、果物等の食品の包装出荷前等に行なわれる最終洗浄等での作業者の手洗い工程、あるいはその他の電子、機械部品、産業部品、産業機器等の洗浄工程において使用される手洗いによる洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
野菜、果物その他の食品等に関しては人の体内に直接に取り込まれるものである点から、食品衛生上の厳格な管理が必要とされており、その洗浄を行なう装置として種々のものが提案されている。一般的な野菜等の洗浄装置としては、水槽内に搬送用コンベアを配置し、該コンベアの搬送面の上方位置に払拭用布や板ブラシ、回転ブラシ等の洗浄機構を設置して野菜等の表面に付着した汚れや付着物等を除去するものがある。
【0003】
従来の装置は、野菜類等を多量に処理するために専用のコンベアラインを水中に配置し槽の底部からエアレーションを行って上昇空気により洗浄対象物の表面に付着した異物等を除去するものであり、大型で高価であって、しかも収穫後の土や包装紙等が表面に付着した状態のものの一次洗浄用として使用されるものがほとんどであった。これに対し、出願人は、例えば特開2003−9834号において、コンベヤの配置と駆動方向に着目して毛髪または異物等の除去を確実に行える装置を提案した。
【特許文献1】特開2003−9834号(明細書の特許請求の範囲、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特開2003−9834号の装置では、投入する根菜類等についての人毛を含む異物についてはこれを効果的に除去することが可能である。しかしながら、この装置では大根、なすび、きゅうり等のいわゆる根物やある程度の大きさのブロック状の品物の場合にはコンベア搬送により連続洗浄が可能であるが、野沢菜、高菜、白菜等の葉物の洗浄についてはこの装置を使用しても効果的な洗浄を望めないおそれがある。また、この特許文献の装置は、搬送コンベアを搭載し、ある程度高価であった。また、葉物野菜等は葉と葉との間に砂や土を噛んでいる場合があり、そのまま包装出荷した場合に消費過程で発見されて全ロットが返品とされ、かつ、当該生産者の企業生命にも影響を与える点は、近時の例に見られる。また、人毛等が挟み込まれて付着した場合にはその除去が極めて困難であり、大規模処理の装置ではいったん付着が離れて浮遊する毛髪等が再付着するおそれがある。さらに、果菜類のなかで葉物等を効果的に洗浄する装置であって、零細規模の生産者あるいは加工業者が簡易に入手可能な程度の低コストの装置が今までになく、よって、そのような装置の出現が待望されていた。
【0005】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その1つの目的は、低コストで
ありながら、従来困難であった葉物等の果菜類をも確実に洗浄でき、特に出荷用包装の直
前の洗浄工程での仕上げ洗浄において確実に異物を除去洗浄可能な果菜食品の手洗い
機を提供することである。また、本発明の他の目的は、人毛等の再付着のおそれを可能な
限りなくし、また、手洗い洗浄部分に滞留がなく常時洗浄水の流れを生起させた状態で洗
浄を行うことが可能な果菜食品等の手洗い機を提供することである。また、本発明の他の
目的は食品以外の他の部品、機器等の手洗い洗浄にも適用可能な手洗い機を提供するこ
とである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するために、作業高さに設定されある程度の深さを有する手洗い槽12と、手洗い槽の一端側(24a)から対向壁24b側に向けて洗浄水を横方向に噴射する噴射手段14と、手洗い槽の対向壁24b側に形成され噴射手段14からの洗浄水を手洗い槽外に放出させる放出部16と、放出される水内の異物を捕集する捕集手段と、放出部からの水を再び噴射手段14から洗浄水として噴射させる循環機構18と、を有し、放出部16は、対向壁24bの上端部に形成されたオーバフロー部34と、手洗い槽12の底壁22上面と少なくとも面一あるいはそれより下部位置に下縁を設定した横長のスリット孔36と、を含むことを特徴とする果菜食品等の手洗い機10から構成される。果菜食品の手揉み洗いに十分な程度の大きさの手洗い槽でよいから、コンパクトな構造で構成するとよい。手洗い槽の具体的な形状は楕円状、円形状、多角形状、その他任意形状としてよい。作業高さは作業者が立位の場合には腰の辺りに設定するとよく、また、座位として設定してもよい。放出部の横長スリット孔は1個または分割して複数個設けてもよく、また、水流れに対する全幅方向にわたるスリット孔としてもよい。スリット幅は任意に設定してよいが、オーバフロー部からのオーバフロー流を確保しうる程度の開口とする必要がある。
【0007】
その際、手洗い槽12の底壁22の一部または全部が水の流れ下流に向けた下がり傾斜部221を含むようにするとよい。
【0008】
また、手洗い槽12は対向壁24b側が両側に隅部241A、241Bを有する隅部体構造を含み、噴射手段14が、それぞれの隅部に噴射方向を設定して交差状に洗浄水を噴射させる複数のノズル26a、26bを有するとよい。交差状に洗浄水を噴射させる複数のノズル26a、26bは、槽内の水全体についてその作用を生じさせやすくするために高さ方向では中央部分を含んでそれよりも低く設定するとよい。底壁に噴出水が接するようにノズルを設定する場合には別途に対向壁24bに対して直交状に当たるような流れを生じさせるノズルを設けるとよい。
【0009】
また、手洗い槽12の底壁22の水流れ中間位置の平坦部222あるいは傾斜部221に略全幅長さにわたり開口70,72付きの長溝ポケット701,721を凹設し、開口70,72に連通して底壁から下位側に排出する排出パイプ74を設け、水中でのより高比重成分を捕集して該排出パイプ74から排出させるようにするとよい。
【0010】
さらに、放出部16は、対向壁24b上端部に設けた前記オーバフロー部34と、下端部に設けた前記スリット孔36と、さらに高さ方向中間部に形成した中間開口76と、を含むとよい。中間開口は、実施形態のように丸孔,多角形孔等でもよいが、横長のスリット孔としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、作業高さに設定されある程度の深さを有する手洗い槽と、手洗い槽の一端側から対向壁側に向けて洗浄水を横方向に噴射する噴射手段と、手洗い槽の対向壁側に形成され噴射手段からの洗浄水を手洗い槽外に放出させる放出部と、放出される水内の異物を捕集する捕集手段と、放出部からの水を再び噴射手段から洗浄水として噴射させる循環機構と、を有し、放出部は、対向壁の上端部に形成されたオーバフロー部と、手洗い槽の底壁上面と少なくとも面一あるいはそれより下部位置に下縁を設定した横長のスリット孔と、を含むことを特徴とする果菜食品等の手洗い機から構成することにより、果菜食品の手揉み洗いに十分な程度の大きさの手洗い槽に一方向への速い水流を常時生起させ、さらに、軽比重異物はオーバフロー部から槽外へ、底壁に沈むような高比重異物はスリット孔を介して槽外へ確実に排出するから、根物やブロック物の果菜食品のみならず、特に、葉物食品について有効、確実に異物を洗浄除去させることが可能である。また、簡単な構造により小型でかつ低コストに製造し得る。
【0012】
また、手洗い槽の底壁の一部または全部が水の流れ下流に向けた下がり傾斜部を含む構成とすることにより、手洗い槽内での対流あるいは循環流により水の噴射側へ異物が戻ることが防止され、かつ、そのような対流あるいは循環流を生じにくくし、それによって、放出部のオーバフロー部やスリット孔から異物を有効に排出させることができる。
【0013】
また、手洗い槽は対向壁側が両側に隅部を有する隅部体構造を含み、噴射手段が、それぞれの隅部に噴射方向を設定して交差状に洗浄水を噴射させる複数のノズルを有する構成とすることにより、噴射手段から噴射された洗浄水は、対向壁の手前部分でそれぞれの噴射ノズルからの噴射水が衝突してある程度の乱流となりつつ対向壁の略全面に当たる結果、手洗い槽内部での循環流あるいは対流が生じにくくなり、放出部から効率よく異物を除去し、洗浄効率を向上させ得る。
【0014】
また、手洗い槽の底壁の水流れ中間位置の平坦部あるいは傾斜部に略全幅長さにわたり開口付きの長溝ポケットを凹設し、開口に連通して底壁から下位側に排出する排出パイプを設け、水中でのより高比重成分を捕集して該排出パイプから排出させる構成とすることにより、高比重成分が水の噴出元側に戻ってくるようなことがあったとしても、これを底壁の下方に吸引して排出でき、砂等が手洗い槽内に滞留することなく、常に手洗い槽内に速い流れの水と清潔な槽内を確保させ果菜食品の洗浄を有効に実行し得る。
【0015】
また、放出部は、対向壁上端部に設けた前記オーバフロー部と、下端部に設けた前記スリット孔と、さらに高さ方向中間部に形成した中間開口と、を含む構成とすることにより、対向壁の内側で浮遊しオーバフロー部あるいはスリット孔のいずれからも排出し得ない異物は、高さ中間位置に設けた中間開口を介してバッファ槽側に確実に排出させ、果菜食品の手洗いによる洗浄の実効を確保しうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の果菜食品等の手洗い機の実施の形態について説明
する。本発明に係る果菜食品等の手洗い機は、例えば包装出荷前の最終洗浄工程等に適用
され、根物だけでなく、特に葉物の果菜食品洗浄を確実に行える手洗いによる装置である。
【実施形態1】
【0017】
図1ないし図6は、本発明の実施形態に係る果菜食品等の手洗い機10を示しており、図1において、果菜食品等の手洗い機10は、手洗い槽12と、捕集機構42と、噴射手段14と、放出部16と、循環機構18と、を備えている。
【0018】
手洗い槽12は、本発明の果菜食品等の手洗い機10のうちの構造上の主要な部分であり、図2に示すように、例えば人が機体の前に立って作業しうる作業高さに設定され、かつ、その内部で例えば漬物用の高菜漬けや野沢菜漬けを含む葉物や根菜類等の1本もの、あるいはそれをブロック状に切断した食品を手揉み洗いし得る程度の深さを有する槽体からなる。実施形態において、手洗い槽12は、例えばケース状の金属機枠20に支持されて上面を開口し底壁22及び四周壁24a〜24dを有するステンレス製等の立体矩形槽体から形成され、図上、左右方向に長い立体長矩形形状で構成され、対向壁24bがその両側に隅部241A、241Bを有する隅部体構造、すなわち槽の一端側が箱体形状となっており、簡単に製造しうるようになっている。機枠20に支持されてこの手洗い槽12に隣接してバッファ槽15が設けられている。手洗い槽12の一対の対向壁のうち一方の壁24aには洗浄水の噴射手段14が設けられるとともに、これに対向する壁24bには放出部16が設けられている。
【0019】
実施形態において図2に示すように、底壁24aは、水の流れF方向に向けて下流側に下がり傾斜となる傾斜部221と、傾斜部221の傾斜端に接続され対向壁24bに至るまで平坦状に形成された平坦部222と、を含む。底壁に傾斜部221を含むことにより対向壁24bに当たった後の水が手洗い槽内で対流あるいは循環流となり、水の噴射側へ異物が戻ることが防止され、かつ、そのような対流あるいは循環流を生じにくくしうる。
【0020】
噴射手段14は、手洗い槽12の一端側から対向壁側に向けて洗浄水を横方向に噴射する手段であり、手洗い槽12内に図上左から右方向に一方向の速い流速の水の流れを生起させつつ槽内での葉物等の手揉み洗浄作業時に付着した異物を洗い落とす。本実施形態において、噴射手段14は右方向に向けて開口したノズル26を有する噴射管28を含む。特に、本実施形態では一端壁側から各隅部241A、241B方向に交差状となるようにそれぞれ噴射方向を向けた交差噴射ノズル26a、26bが設けられ図1に示すように対向壁24bの面に対して隅部から正面部分に至る全面に向けて水の流れを生じさせ槽体内部での対流あるいは循環流発生を防止する。本実施形態では、一対の交差噴射ノズル26a、26bは、底壁22の傾斜部221の傾斜終端部寄りに配置され対向壁24bの手前部分でそれぞれの噴射ノズル26a、26bからの噴射水が衝突してある程度の乱流となりつつ対向壁24bの略全面に当たるように設定されている。さらに、この実施形態では、底壁の平坦部222に接しながら該平坦部と平行に流れる流れの噴射水となるようにそれぞれの交差噴射ノズル26a、26bが設けられている。これらの交差噴射ノズル26a、26bは交差方向に噴出す意味では最低一対が必要であるが、ノズルの数自体は一対の設置が確保されていれば、その他は任意の数で設定しても良い。さらに、本実施形態では一端壁24aに互いに平行にして対向壁24bに向かうように他の噴射ノズル30a、30bが設けられ、一端壁24aから対向壁24bに向けての平行な噴射水流を生起させている。これらの平行噴射ノズル30a、30bは、交差噴射ノズル26a、26bよりも高位置に設定されており、実施形態ではこれらの平行噴射ノズル30a、30bの口縁に後述するオーバフロー位置が設定されている。なお、32は、水補充用の管である。
【0021】
放出部16は、噴射手段14から噴射された洗浄水を手洗い槽外に放出させる放出手段であり、実施形態において対向壁24b側に設けられたオーバフロー部34と、スリット孔36と、を含む。オーバフロー部34は、対向壁24bの上端部に設置され溢流方向にせり上がり拡大した溢流促進壁38を有している。液面に浮遊する軽比重の異物はこの溢流促進壁38を介してバッファ槽15側に溢流し金網等の多数の孔を有するフィルタケース40により捕集される。溢流促進壁38の両端側には水の流れを中央側に集めるための変向板41が下流側に向けて水流幅を狭くするように斜めに設けられている。スリット孔36は、横方向に長い孔であり底壁の幅方向中央位置に配置され、砂成分等の大きな比重の成分の異物を手洗い槽外部に排出させる。スリット孔36のスリット幅は例えば0.5mm〜数ミリメートル程度の孔で長さは任意に設定してよい。手洗い槽の底壁部分の高圧側から底部付近に存在する異物はスリット孔36を介して排出される。
【0022】
図2において、バッファ槽15は、手洗い槽12から放出された水をいったん収集し循環ポンプ側に還流させる槽であり、実施形態においてバッファ槽の高さ中間位置に金網等の多孔捕集手段42設けて上下に分割し下位室152には循環機構の吸引部を配置させるとともに、上位室151は手洗い槽の放出部16からの放出水を受けてこれを多孔捕集手段42を介して下位室152側に流し放出部16から異物が排出された場合にはこの多孔捕集手段42により捕集し、最終的にこれを除去する。実施形態において、上位室151は底壁を金網で構成した上面開口のケース体から形成されており受部43により受けられて該上位室に出し入れ自在に設けられている。ケース体の上部には取っ手45が取り付けられている。なお、この上位室151には対向壁24bの外面から突出し、前記したスリット孔の開口下縁から傾斜下方に伸びるスリット孔受け47が取り付けられており、スリット孔36から排出される異物を金網の中央側に誘導して放出させ対向壁24bの外面などに付着しないようにしている。下位室152には水位を保持するための開閉コック付きオーバフロー管44が設けられるとともに、同じく開閉コックつきの排水管46が配置されている。
【0023】
循環機構18は、バッファ槽15内に放出された水を収集して噴射ノズル26,30に圧送供給し放出部からの水を再び噴射手段14から洗浄水として噴射させる水循環手段であり、本実施形態において、循環機構18は、下位室152の水を戻す戻し管48と戻し管に連通接続されたポンプ50と、ポンプ50に連通接続されそれぞれの噴射ノズル26,30から高圧水を噴射させる噴射管28と、を備えている。戻し管48の先端は下位室152内に突出しその突出端に脱着可能なフィルタキャップ52が取り付けられている。
【0024】
なお、図中54、56は、それぞれカバー板であり、カバー板54は、手洗い槽の噴射手段取り付け側を、カバー板56は、バッファ槽15側の上方を被覆する。58,60はキャスタであり、後部側のキャスタ58は機枠20に対して着地高さが調整自在となっている。
【0025】
次に、図5をも参照して実施形態の果菜食品等の手洗い機の作用について説明すると、図示しないスイッチボックスの始動スイッチをオンして吸引圧送装置としてのポンプ50を駆動しそれぞれのノズル26、30から洗浄水Wを横方向に噴出させる。手洗い槽12内では図1に示すように交差噴射ノズル26a、26bからの噴射洗浄水が底壁上面に接するように噴出される。そして対向壁24bの手前側で衝突して乱流状態となり対向壁24bの内面側の略全面に流れが当たる。したがって、この対向壁24bに当たる流れはある程度エネルギーを消耗して水面付近の水はオーバフロー部34から、底壁付近の水はスリット孔36からバッファ槽15側に放出される。さらに、実施形態では平行噴射ノズル30a、30bにより水面付近を平行に対向壁24bに向けて噴出させる流れが作られており、これによって、一方向流を強化している。そして、滞留や循環流を手洗い槽内に形成させることなく一方向への速い流れを槽内に作ることができる。この状態で例えば葉物野菜を手洗い槽12内に漬けた状態で例えば手揉み洗いすると確実に異物を水流で引き離すとともに、軽比重の水面に浮遊しやすい毛髪や藻類R異物はオーバフロー部34から溢流排出し、同時に比較的に大きな比重の例えば砂粒S等の異物は底壁付近に存在してスリット孔36から確実にバッファ槽側に排出される。そして、バッファ槽内の多孔捕集手段で異物が捕集され異物を除去されたバッファ槽内の水は循環機構18の戻し管48、ポンプ50、噴射管28を経由して再び手洗い槽12内に噴射される。このように、コンパクトな構造で常時清浄な水流槽を保持し、葉物等の洗浄を効率よく行える。したがって、手洗い槽12内に洗浄対象物を両手で把持してそのまま速い流れの中に漬けた状態で手揉み洗いができ、簡易な洗浄を効果的に行える。また、単なる大型槽内にホース口を垂らした滞留循環などではなく、オーバフロー部や横長スリット孔等の異物捕集補助手段並びにそれらの捕集手段によりほぼ完全に塵埃や異物除去後の水を循環させるから常にフレッシュな水が供給されており、異物除去を確実に行わせうる。
【0026】
なお、対向壁24bの上部のオーバフロー部34のバッファ槽側には図6に示すように金網等のフィルタ部材62を配置させて毛髪等の軽比重異物を別途の除去工程で除去させるようにしてもよい。
【実施形態2】
【0027】
次に、図7ないし図9に基づいて、本発明の他の実施形態の果菜食品等の手洗い機10−1について説明するが、上記した第1実施形態と同一部材には同一符号を付しその詳細な説明は省略する。この第2実施形態では噴射手段14として平行噴射ノズル30a、30bだけを設け交差噴射ノズル26a、26bは設けられていない。一方、手洗い槽12の底壁22には開口70,72が設けられ、これらは排出パイプ74に連通してバッファ槽15の上位室151側に排出されるようになっている。詳しくは底壁22の水流れ中間位置の平坦部222並びに傾斜部221に略全幅にわたり横長角柱状に凹設する長溝ポケット701、721が形成され、それらの中央位置にそれぞれ排出開口70,72が設けられそれらの開口70,72が排出パイプ74に共通に連通されている。これによって、底壁に沈むおそれの高い水中でのより高比重成分を捕集して該排出パイプ74から排出させる。
【0028】
さらに、本実施形態において、放出部16は、対向壁24bの上端部に設けた前記オーバフロー部34と、下端部に設けた前記スリット孔36と、に加え、さらに高さ方向中間部に形成した中間開口と、を含む。実施形態において、中間開口76は略同じ高さレベルで横に等距離離隔して設けられた円形孔からなり、バッファ槽15側に突出して中空台形状の放出ノズル78がそれぞれ突設されている。放出ノズル78は横方向に放出される水がバッファ槽内で下方に向けて急に曲げられるように断面上部の周面が斜め下がり状にテーパ壁として形成されている。また、本実施形態ではスリット孔36は、それぞれ離隔して4個配置されている。スリット孔36は、手洗い槽12の略横幅全長にわたって1個のみのスリット孔を設けてもよいし、2,3,4個あるいは6個以上の複数個設置してもよい。
【0029】
本実施形態では、洗浄水は平行噴射ノズル30a、30bから対向壁24b側に噴出され、図上、左から右方向への水流を生起させる。その際、対向壁24b付近において、軽比重の水面近くに浮遊する異物はオーバフロー部34から溢流水とともにバッファ槽側に排出される。また、水中の中間で浮遊する異物、例えば塵埃、ナイロン屑、毛髪等はスリット孔36から吸引されて同じくバッファ槽側に排出される。砂等の完全に槽体の底壁面状に沈む異物は、図8のように若干の循環流により底壁の流れ中間側に戻されたとしても底壁の開口70,72から吸引されて排出パイプ74を介してバッファ槽側に排出される。また、対向壁24b付近の砂成分等はスリット孔36から吸引排出される。さらに、対向壁24bの内側で浮遊しオーバフロー部34あるいはスリット孔36のいずれからも排出し得ない異物は、高さ中間位置に設けた中間開口76を介してバッファ槽15側に排出される。
【0030】
また、図10,11のように、図示しない機枠に支持させた受けロッド81に揉み洗い用籠80を必要に応じて手洗い槽12の水内に漬け込み状に支持させ、この状態で、揉み洗い用籠内のブロック状の切削食品M(例えば、3cm角程度の大きさに分割した大根やかぶ等の漬物等)を手揉み洗いしてもよい。
【0031】
また、図12,13のように、水流れ上流側すなわち、実施形態ではカバー板54側に係止ピン82を支持させておき、これらのフック状係止ピン82に例えば高菜や野沢菜などの葉物漬物Mの根元部分を係止させ、葉の部分を水流によりほぐした状態で、手揉み洗いするとより効果的にそれらに付着した異物除去を行える。
【0032】
以上、説明した果菜食品等の手洗い機は、上記した実施の形態にのみ限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を加えても良い。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の果菜食品等の手洗い機は、生の果菜食品や漬物等の一次加工品としての果菜食品の手揉み洗い洗浄に有効に適用され、根菜類、ブロック状の食品から葉物食品についての手洗い洗浄全般について適用しうる。また、電子、機械部品、産業部品、産業機器等の洗浄工程における手洗いによる洗浄にも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の第1実施形態に係る果菜食品等の手洗い機の一部切欠平面説明図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図2のB−B線矢視図である。
【図4】図1の手洗い機の放出部の拡大作用説明図である。
【図5】図2の放出部部分の一部省略拡大作用説明図である。
【図6】バッファ槽のフィルタを2段に構成した例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る果菜食品等の手洗い機の一部切欠平面説明図である。
【図8】図7のC−C線断面図である。
【図9】図8のD−D線断面図である。
【図10】手洗い槽内での手揉み洗いの他の形態を示す説明図である。
【図11】手洗い槽内での手揉み洗いの他の形態を示す説明図である。
【図12】手洗い槽内での手揉み洗いの他の形態を示す説明図である。
【図13】手洗い槽内での手揉み洗いの他の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0035】
10 果菜食品等の手洗い機
12 手洗い槽
14 噴射手段
15 バッファ槽
16 放出部
18 循環機構
22 底壁
24a 一端壁
24b 他端壁
26a、b 交差噴射ノズル
30a,b 平行噴射ノズル
34 オーバフロー部
36 スリット孔
50 ポンプ
70,72 開口
76 中間開口
221 傾斜部
222 平坦部
241A、241B 隅部
F 流れ方向
【出願人】 【識別番号】501263197
【氏名又は名称】有限会社宝友食機
【住所又は居所】熊本県菊池郡泗水町大字永2533番地の1
【出願日】 平成15年9月26日(2003.9.26)
【代理人】 【識別番号】100092163
【弁理士】
【氏名又は名称】穴見 健策

【公開番号】 特開2005−95096(P2005−95096A)
【公開日】 平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願番号】 特願2003−334691(P2003−334691)