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【発明の名称】 農作物供給装置
【発明者】 【氏名】宮田 久典
【住所又は居所】愛媛県松山市高岡町66番地 石井工業株式会社内

【要約】 【課題】農作物の軟弱部分を押し潰すことなく、所定の形状及び姿勢に保持したまま略同一方向に揃えて供給することができる農作物供給装置を提供する。

【解決手段】搬送コンベア2の載置台2a…に載置されたネギAの略中空且つ略軟弱な葉部Acよりも変形が起きにくく、葉部Acよりもやや硬く且つ略中実の分離開始部Adを、農作物供給装置26を構成する上下一対の保持体26a,26aに取り付けた保持パッド24A,24Aで部分的に押圧及び保持し、その保持した分離開始部Ad以外の軟弱な葉部Acに押圧力が付与されるのを回避する。且つ、略中空且つ略軟弱な葉部Acが扁平状態に押し潰されたり、折れ曲がったりせず、軟弱なネギA…を、所定の形状及び姿勢に保持したまま安定して搬送供給する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟弱な農作物を略同一方向に揃えて供給する農作物供給装置であって、
上記農作物の軟弱部分よりも変形が起きにくい部分を保持し、該変形が起きにくい部分以外の軟弱部分に対する押圧が回避される農作物保持手段を備えた
農作物供給装置。
【請求項2】
上記農作物保持手段を、上記農作物の変形が起きにくい部分を保持する一対の保持手段で構成すると共に、該保持手段の保持面を、上記農作物の変形が起きにくい部分が押圧し、該農作物の軟弱部分に対する押圧が回避される形状に形成した
請求項1記載の農作物供給装置。
【請求項3】
上記保持手段の保持面を、上記農作物の変形が起きにくい部分を保持する高位部と、該農作物の軟弱部分に対する押圧が回避される低位部とで構成すると共に、該高位部から低位部に向けて上記農作物の軟弱部分と保持手段の保持面との対向面間が広くなるように形成した
請求項2記載の農作物供給装置。
【請求項4】
上記保持手段の保持面を、上記農作物の変形が起きにくい部分が押し潰されず、該変形が起きにくい部分を保持するのに適した復元力を有する弾性体で形成した
請求項2又は3記載の農作物供給装置。
【請求項5】
上記農作物の変形が起きにくい部分を検出する保持部検出手段と、
上記保持部検出手段で検出した情報に基づいて、上記農作物の変形が起きにくい部分と上記農作物保持手段とを相対向する位置に相対移動する移動手段とを備えた
請求項1記載の農作物供給装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばネギやアスパラガス等の軟弱な農作物を供給する作業に用いられる農作物供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上述例のネギを市場に出荷する場合、ネギの茎部外面を覆っている不必要又は食用に供し得ない表皮を手作業により分離していたが、分離作業に手間及び時間が掛かるため、ネギの表皮を機械的に分離する装置が既に市販されている。その装置としては、例えばノズルから吐出されるエアーをネギの茎部外面に吹き付けて、茎部外面の不要な表皮を、葉部側から根部側に向けて剥ぎ取り分離する特許文献1及び特許文献2の長ねぎ処理装置がある。
【0003】
しかし、ネギの葉部側を、例えばベルトや挟持板等の挟持手段で挟持して搬送及び供給するので、略中空且つ略軟弱な葉部が扁平状態に押し潰されてしまい、葉部が損傷(痛む)したり、繊維細胞が壊れたり、葉部の内液が滲み出したりするため、鮮度及び商品価値が短期間で損なわれてしまう。且つ、ネギの葉部が折れ曲がってしまうため、葉部を切り揃える作業が機械的に行えず、作業性及び作業能率が悪くなるという問題点を有している。
【0004】
【特許文献1】特開平10−108657号公報
【特許文献2】特開2001−163号公報特願
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は上記問題に鑑み、農作物の軟弱部分を押し潰すことなく、所定の形状及び姿勢に保持したまま略同一方向に揃えて供給することができる農作物供給装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、軟弱な農作物を略同一方向に揃えて供給する農作物供給装置であって、上記農作物の軟弱部分よりも変形が起きにくい部分を保持し、該変形が起きにくい部分以外の軟弱部分に対する押圧が回避される農作物保持手段を備えた農作物供給装置であることを特徴とする。
【0007】
上述の農作物は、例えばネギやアスパラガス等の略中空且つ略軟弱な農作物で構成される。また、農作物保持手段は、例えば保持体やチャック、アーム、吸着子等の上下一対(左右一対も含)の保持手段と、ベルトやチェーン等の上下一対(左右一対も含)の無端帯と、ローラやドラム等の上下一対(左右一対も含)の回転体とで構成される。つまり、農作物の軟弱部分(中空部分を含む)よりも変形が起きにくい部分を農作物保持手段により部分的に保持して、その保持した部分以外の軟弱部分に押圧力が付与されるのを回避すると共に、農作物の軟弱部分に変形を起させることなく、所定の形状及び姿勢に保持したまま略同一方向に揃えて供給する。
【0008】
実施の形態として、上記農作物保持手段を、上記農作物の変形が起きにくい部分を保持する一対の保持手段で構成すると共に、該保持手段の保持面を、上記農作物の変形が起きにくい部分が押圧し、該農作物の軟弱部分に対する押圧が回避される形状に形成することができる。且つ、一対の保持手段は、例えば保持体やチャック、アーム、吸着子等の保持手段と、ベルトやチェーン等の無端帯と、ローラやドラム等の回転体とで構成される。
【0009】
また、上記保持手段の保持面を、上記農作物の変形が起きにくい部分を保持する高位部と、該農作物の軟弱部分に対する押圧が回避される低位部とで構成すると共に、該高位部から低位部に向けて上記農作物の軟弱部分と保持手段の保持面との対向面間が広くなるように形成することができる。且つ、保持手段の保持面は、例えば保持手段の保持面や無端帯の搬送面、回転体の外周面等で構成される。
【0010】
また、上記保持手段の保持面を、上記農作物の変形が起きにくい部分が押し潰されず、該変形が起きにくい部分を保持するのに適した復元力を有する弾性体で形成することができる。且つ、弾性体は、例えばスポンジゴムやウレタンゴム等の柔軟性を有するクッション材や合成ゴムで形成した保持パッドで構成され、農作物の変形が起きにくい部分を保持するのに適した柔軟性及び復元力、接触抵抗を有している。
【0011】
また、上記農作物の変形が起きにくい部分を検出する保持部検出手段と、上記保持部検出手段から出力される検出情報に基づいて、上記農作物の変形が起きにくい部分と上記農作物保持手段とを相対向する位置に相対移動する移動手段とを備えることができる。且つ、上述の保持部検出手段は、例えばネギの茎部及び葉部が反射する反射光、茎部及び葉部を透過した透過光を検出又は撮像する光学的計測手段(例えばモノクロ又はカラーの撮像カメラやディジタルカメラ、ビデオカメラ、イメージスキャナー等)と、その光学的計測手段で検出した情報に基づいて、ネギの変形が起きにくい部分を判定する保持部判定手段(例えばパーソナルコンピューターやホストコンピューター、CPU及びROM、RAMを備えた判定制御装置等)とで構成することができる。また、移動手段は、例えば可動枠やガイドレール、牽引チェーン、モータ或いはエアーシリンダ、ロッドレスシリンダ、ソレノイド、チェーン送り機構、ネジ送り機構、カム送り機構、クランク機構等で構成することができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明によれば、農作物の軟弱部分(中空部分を含む)よりも変形が起きにくい部分を農作物保持手段により部分的に保持して、その保持した部分以外の軟弱部分に押圧力が付与されるのを回避するので、農作物の軟弱部分が扁平状態に押し潰されたり、折れ曲がったりせず、所定の形状及び姿勢に保持したまま略同一方向に揃えて供給することができる。且つ、農作物が損傷したり、繊維細胞が壊れたり、内液が滲み出したりせず、農作物の鮮度及び商品価値を長期間一定に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この発明は、農作物の軟弱部分を押し潰すことなく、所定の形状及び姿勢に保持したまま略同一方向に揃えて供給するという目的を、農作物の軟弱部分よりも変形が起きにくい部分を農作物保持手段で保持することで実現した。
【実施例】
【0014】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
【0015】
図面は、農作物の一例であるネギの不要な葉部及び表皮を分離する農作物不要部分離装置に備えられる農作物供給装置を示し、図1に於いて、この農作物不要部分離装置1は、搬送コンベア2の載置台2a…に載置されたネギA…を、搬送路上に設定した検出区間a及び分離区間bに搬送して、ネギAの不要な葉部Ac及び表皮Aeを分離する。
【0016】
上述の搬送コンベア2は、図2にも示すように、長尺のネギAが搬送方向に対して略直交する横長姿勢に載置される凹状の載置台2aを、搬送路上に張架した複数の周回チェーン2b…全長に対して所定間隔に隔てて取り付け、周回チェーン2b…を、減速機付きモータ(図示省略)の駆動力により搬送方向に回転して、載置台2a…を搬送方向に対して所定速度で周回移動する。
【0017】
且つ、後述する農作物供給装置26の保持体26a,26aが出没許容される開口部2cを、載置台2aの右側載置部に設け、ネギAの茎部Abを定位置に保持する凹状の受け部2dを、載置台2aの中央載置部に設け、ネギAの葉部Acを定位置に保持する凹状の受け部2eを、載置台2aの右側載置部に設け、ネギAの葉部Ac側を載置台2aの載置面と略同一又は略水平となる高さに支持する支持台2fを、搬送路右側部に搬送方向と略平行して架設している。また、搬送コンベア2を、例えばベルトコンベアやチェーンコンベア、ローラーコンベア、フリートレイを搬送するコンベア等で構成してもよい。
【0018】
前述の検出区間aに配設した不要部検出装置18は、載置台2aに載置されたネギAの茎部Ab及び葉部Acが反射する反射光、茎部Ab及び葉部Acが透過する透過光(X線を含む)等を撮像する1台又は複数台の撮像カメラ19を搬送路上部に配設し、撮像カメラ19による撮像動作と略同期して、ネギAが載置された載置台2aの識別情報(番地情報やキャリア番号も含む)を読取るための情報読取り装置21を搬送路下部に配設している。なお、情報読取り装置21は、例えば非接触型の情報通信装置=IDアンテナ、磁気ヘッド、書込み装置等で構成することができる。
【0019】
前述の分離区間bに配設した不要部分離装置25は、図3、図4にも示すように、載置台2aの開口部2cに露出するネギAの茎部Ab及び葉部Acの境界部分を保持する農作物供給装置26を、搬送路上部に架設した可動枠31の右側下部に取り付け、根部Aa側を葉部Ac側と略水平となる高さに持ち上げる農作物支持装置27を、可動枠31に垂設した支持枠31aの上側枠部31bに取り付け、ネギAの不要な葉部Ac及び表皮Aeを剥ぎ取り分離する分離ユニット28を、可動枠31上部に架設したガイドレール32に取り付けて、搬送方向と略直交する方向に往復移動自在に設けると共に、装置26,27及びユニット28を、分離区間bに搬送されるネギA…と略対向して複数組配設している。
【0020】
且つ、可動枠31の右側部を、搬送路側部に架設したガイドレール33,33に取り付けて、搬送方向と略平行する方向に往復移動自在に設けると共に、可動枠31右側部に連結した牽引チェーン34aを、搬送路右側下部に配設した減速機付きモータ(図示省略)の駆動力により正逆回転して、装置26,27及びユニット28を、ネギAの葉部Ac及び表皮Aeを剥ぎ取り開始する分離区間bの始端側上方と、その剥ぎ取り終了する終端側上方とに、搬送コンベア2の搬送速度と略同期して所定のピッチ分だけ搬送方向に対して往復移動する。
【0021】
且つ、後述する分離ユニット28の支持枠38に連結した牽引チェーン34bを、可動枠31右側上部に配設した減速機付きモータ35の駆動力により正逆回転して、分離ユニット28及び支持アーム36、エアー吐出部37を、農作物供給装置26及び農作物支持装置27により持ち上げられたネギAの分離開始部Adと対向する分離開始部と、不要な葉部Ac及び表皮Aeが剥ぎ取られ根部Aa先端から抜取られる分離終了位置とに、ネギAの葉部Ac側から根部Aa側に向けて不要な葉部Ac及び表皮Aeが分離される方向に相対移動させ、ネギAの茎部Abに沿って搬送方向と略直交する方向に往復移動する。また、ネギAの分離開始部Adを農作物供給装置26と対向する位置に相対移動してもよい。
【0022】
上述の農作物供給装置26は、図5、図6、図7にも示すように、上下一対の保持体26a,26aを、可動枠31に垂設した支持枠31aの上下枠部31b,31bに水平回動自在(首振り自在)に取り付け、例えばスポンジゴムやウレタンゴム等の柔軟性を有するクッション材や合成ゴムで構成される保持パッド26A,24Aを、保持体26a,26aの対向面に相対向して装着すると共に、搬送コンベア2の載置台2aに載置されたネギAを保持する所定の向き及び方向にコイルスプリング26bの復元力で回動復帰する。
【0023】
且つ、上下の保持パッド24A,24Aは略同一構成であるので、一方の保持パッド24Aの構成を図面に基づいて説明する。上述の保持パッド26Aの保持面を、ネギAの分離開始部Ad直後の略中空且つ略軟弱な葉部Acに押圧力が付与されず、押圧及び接触がなるべく回避されるような側面から見て略階段状(又は略段付き状や略台形状等)に形成している。つまり、保持パッド26Aの保持面を、ネギAの葉部Acよりも変形が起きにくい分離開始部Adを保持する左側端部(高位部)と、ネギAの略中空且つ略軟弱な葉部Acに対する押圧が回避される右側端部(低位部)とで構成すると共に、ネギAの葉部Ac外面と保持パッド24Aの保持面との対向面間の間隔が広くなるように、図5中の左側端部(高位部)から右側端部(低位部)に向けて徐々に低くなるような角度に傾斜し、葉部Acに対する押圧及び接触が回避される斜面形状に形成している。また、その保持面を、左側端部から右側端部に向けて徐々に低くなる滑らかな曲面形状に形成してもよい。
【0024】
且つ、保持パッド24Aの左側端部(高位部)を、ネギAの葉部Acよりもやや硬く且つ略中実の分離開始部Adが押し潰されず、分離開始部Adを保持するのに適した柔軟性(柔らかさ及び復元力)を有する材質で形成している。つまり、後述するネギAの表皮Aeを分離ユニット28で分離するとき、ネギAの保持位置が変位したり、ネギAが抜け落ちたりするのを防止するのに適した接触抵抗を付与する。また、ネギAの分離開始部Adを押圧する保持パッド24Aの左側端部(高位部)のみをクッション材で構成してもよい。或いは、ネギAの分離開始部Ad直後の葉部Acと対向する保持パッド24Aの保持面を、ネギAの葉部Acが扁平状態に押し潰されないような柔軟性を有するクッション材で構成することもできる。
【0025】
且つ、支持枠31a下面に固定した昇降シリンダー26cは、下側保持体26aを、ネギAの分離開始部Adが上側保持体26aの保持パッド26Aに押し付けられ、葉部Ac側が載置台2aから浮き上がった状態に保持される上昇位置と、上側保持体26aの保持パッド26Aに対する押し付けが解除され、ネギAの搬送が許容される降下位置とに上下動する。
【0026】
前述の農作物支持装置27は、側面から見て略Y字状の支持体27aを、載置台2aの左側端部に突出されるネギAの茎部Ab下面と対向して昇降台27bに立設し、昇降台27b下面に固定した昇降シリンダー27cは、支持枠27aを、ネギAの茎部Abが載置台2aよりも上方に持ち上げられる上昇位置と、ネギAの搬送及び載置台2aの移動が許容される降下位置とに上下動する。
【0027】
前述の分離ユニット28は、図8、図9にも示すように、上述の農作物供給装置26により持ち上げられたネギAの茎部Abを、後述するエアー吐出部37から吐出されるエアーGが略均等に吹き付けられる状態に保持及び矯正する一対の支持アーム36と、一対の保持体26aにより保持されたネギAの茎部Ab外面に向けてエアーGを吐出する一対のエアー吐出部37とで構成される。
【0028】
上述の支持アーム36は、支持枠38に軸受した支軸39端部に固定され、その支軸39中間部に連結した連結杆40を連動板41に連結している。且つ、可動枠32に取り付けた開閉シリンダー42は、連結杆40及び連結板41を介して支軸39を正逆回動し、一対の支持アーム36を、一対の保持体26aにより保持されたネギAの茎部Abを保持する閉角度と、その保持が解除される開角度とに回動する。
【0029】
前述のエアー吐出部37は、一対の支持アーム36により保持されるネギAの茎部Ab外周面と対向して支持枠38下面に取り付けられ、例えば送気用ブロワーやコンプレッサー等のエアー供給源(図示省略)に接続された吐出ノズル37a,37bを、葉部Ac及び表皮Aeが引き剥がされた茎部Abの外周面と、引き剥がされた表皮Aeの裏面とに対してエアーGが吹き付けられ、不要な葉部Ac及び表皮Aeが根部Aa側に向けて引き剥がされる角度に設定している。
【0030】
図10は、農作物不要部分離装置1の制御回路ブロック図を示し、判定制御装置22にはCPU、ROM、RAMが内蔵され、CPUは、ROMに格納されたプログラムに沿って、搬送コンベア2と、不要部検出装置18と、農作物供給装置26と、農作物支持装置27との駆動及び停止を制御する。
【0031】
CPUは、画像処理装置20から出力される画像情報(例えば反射光や透過光等の情報)に基づいて、例えば葉部Acの枚数や大きさ、形状、面積、幅、高さ、色相、体積、偏平度、腐り具合、損傷、病気、成熟度、空洞、糖酸度、等階級等を算出すると共に、食用に適した必要部に略対応する葉部Acの付け根位置を判定するか、食用に供し得ない不要部に略対応する葉部Acの付け根位置を判定するか、略中空且つ略軟弱な葉部Acと、その葉部Acよりもやや硬く且つ略中実の茎部Abとの境界部分を判定する等して、その付け根部及び境界部分に相当する軟弱な葉部Acよりも変形が起きにくく、葉部Acよりもやや硬く且つ略中実の分離開始部Adを判定制御装置22で個々に判定及び決定する。
【0032】
上述の画像処理装置20は、前述の撮像カメラ19により撮像された茎部Ab及び葉部Acの画像情報を2値化処理して、判定制御装置22に出力する。且つ、搬送路下部に配設した情報読取り装置21は、載置台2a自体に設定又は載置台2aと対応して搬送コンベア2に設定した識別情報を読取り、その識別情報を判定制御装置22に出力する。
【0033】
且つ、CPUは、ネギA上に設定された分離開始部Adを基準として、農作物供給装置26及び分離ユニット28がネギAの分離開始部Adと略対向する位置に到達するまでの移動距離を算出し、その移動距離情報(分離開始部Adの位置情報も含まれる)と、情報読取り装置21で読取った載置台2aの識別情報とを対応させてRAMに記憶する。また、識別情報を、ネギA又は載置台2aに付設及びネギAと略対応して移動する記録媒体(例えば非接触型情報記録装置=IDタグ、磁気ストライプ、磁気テープ、バーコード等)に記録してもよい。
【0034】
且つ、複数の載置台2a…が分離区間bに移動したとき、載置台2aの識別情報を情報読取り装置21で個々に読取り、その情報読取り装置21から出力される載置台2aの識別情報と対応する移動距離情報を判定制御装置22のRAMから読み出し、その移動距離情報に基づいて後述するモータ35を正逆回転させ、農作物供給装置26及び農作物支持装置27で保持されたネギAを搬送方向と略直交する方向に移動する。
【0035】
且つ、モータ35から出力されるパルス信号に基づいて、農作物供給装置26及び分離ユニット28の移動量を個々に検出し、その検出される移動量情報と、予めRAMに記憶された移動量情報とを比較及び演算する。移動量が略同一であると判定されたとき、モータ35の駆動を停止し、農作物供給装置26及び分離ユニット28をネギAの分離開始部Adと略対向する上方位置に停止する。また、移動量が異なると判定された場合、移動量情報が一致するまでモータ35を正逆回転する。
【0036】
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下、農作物不要部分離装置1によるネギAの皮剥ぎ動作及び農作物供給装置26によるネギAの保持動作を説明する。
【0037】
先ず、図1、図2にも示すように、荷受け工程から供給されるネギA…を、搬送方向に向かってネギAの根部Aaが左向き、葉部Acが右向きとなるように略同一方向に揃えて、搬送コンベア2の載置台2a…に搬送方向と略直交する横長姿勢に1本ずつ載置すると共に、根部Aa側を、載置台2a左側部に対して所定長さ突出する状態に揃えて、検出区間aの不要部検出装置18に供給する。
【0038】
次に、検出区間aにおいて、載置台2aに載置されたネギAの茎部Ab及び葉部Acを不要部検出装置18の撮像カメラ19で撮像し、その画像情報を画像処理装置20で2値化処理して判定制御装置22に出力すると共に、画像処理装置20から出力される画像情報に基づいて、葉部Ac及び表皮Aeの境界部分に相当し、葉部Acよりもやや硬く且つ略中実の分離開始部Adを判定制御装置22で個々に判定及び決定する。
【0039】
且つ、搬送方向と略平行する状態に揃えられた根部Aa側を基準として、農作物供給装置26及び分離ユニット28がネギAの分離開始部Adに到達するまでの移動距離を算出し、その移動距離情報を、情報読取り装置21で読取った載置台2aの識別情報と対応させてRAMに記憶する。一方、ネギA…を、分離区間bの不要部分離装置25に供給する。
【0040】
次に、分離区間bにおいて、図3、図4にも示すように、不要部分離装置25の農作物供給装置26と、農作物支持装置27と、分離ユニット28とを、搬送コンベア2により搬送される所定数のネギA…と略同期して所定のピッチ分だけ搬送方向に移動させながら、載置台2aの開口部2cに露出するネギAの分離開始部Adを、農作物供給装置26を構成する上下一対の保持体26a,26aで保持して持ち上げ、根部Aa側を、農作物支持装置27の支持体27aで所定高さに持ち上げて略水平に支持する。
【0041】
つまり、図5、図6、図7に示すように、ネギA上に設定された分離開始部Adを、保持体26a,26aに取り付けた保持パッド24A,24Aの左側端部(高位部)で押圧及び保持すると、保持パッド26Aの保持面を、左側端部(高位部)から右側端部(低位部)に向けて徐々に低くなるような角度に傾斜しているため、略中空且つ略軟弱な葉部Acを扁平状態に押し潰すような押圧力が付与されず、分離開始部Ad以外の軟弱な葉部Acに対する押圧及び接触が回避されると共に、葉部Ac側が下側保持パッド24Aの保持面と略水平となる高さに支持される。
【0042】
一方、判定制御装置22は、情報読取り装置21で読取った載置台2aの識別情報と対応する移動距離情報をRAMから読み出し、その移動距離情報に基づいて、分離ユニット28を搬送方向と略直交する方向に対して独立して移動させ、ネギA上に設定された分離開始部Adと略対向する上方位置に停止する。
【0043】
続いて、図8、図9にも示すように、分離ユニット28を独立駆動して、左右一対の支持アーム36,36により茎部Abの曲がり部分を矯正しながら、左右一対のエアー吐出部37,37から吐出されるエアーGをネギAの分離開始部Adと対応する茎部Abの外周面に向けて吹付け、不要な葉部Ac及び表皮Aeを根部Aa側に向けて一挙に剥ぎ取り分離する。
【0044】
且つ、根部Aa側に至る直前に、農作物支持装置27の支持体27aを一旦降下して、ネギAの根部Aa側を垂れ下げた状態に保持し、分離ユニット28が根部Aaから抜取られたとき、支持体27aを再び上昇して支持する。続いて、分離ユニット28を搬送路左側部に移動した後、農作物供給装置26の保持体26a,26aによる保持を解除し、農作物支持装置27の支持体27aを待機位置に降下して、皮剥ぎ済みのネギAを載置台2aに再び載置し、次の工程(例えば仕分け工程や箱詰め工程等)に搬送する。以下、上述と同様にして、ネギAの不要な葉部Ac及び表皮Aeを分離する作業を継続して行う。
【0045】
なお、分離作業後において、載置台2a左側部に突出するネギAの根部Aaと、載置台2a右側部に突出するネギAの葉部Acとを、例えば特願平11−178235号、特願平11−332693号等の切揃え装置で切除するか、分離作業前において、ネギAの根部Aa及び葉部Acを切除する等してもよい。
【0046】
以上のように、搬送コンベア2の載置台2a…に載置されたネギAの略中空且つ略軟弱な葉部Acよりも変形が起きにくく、葉部Acよりもやや硬く且つ略中実の分離開始部Adを、農作物供給装置26を構成する上下一対の保持体26a,26aに取り付けた保持パッド24A,24Aで部分的に押圧及び保持するので、その保持した分離開始部Ad以外の軟弱な葉部Acに対する押圧及び接触が回避され、略中空且つ略軟弱な葉部Acが扁平状態に押し潰されたり、折れ曲がったりせず、所定の形状及び姿勢に保持したまま略同一方向に揃えて安定供給することができ、ネギAの葉部Acを切り揃える作業が機械的に行える。且つ、葉部Acの繊維細胞が壊れたり、内液が滲み出したりせず、ネギAの鮮度及び商品価値を長期間一定に保つことができる。
【0047】
且つ、ネギAの葉部Acから内液が滲み出したり、滴り落ちたりせず、上下一対の保持体26a,26aに取り付けた保持パッド24A,24Aに付着するのを防止及び少なくすることができるので、保持パッド24Aの品質が劣化したり、柔軟性が低下したり、損傷を受けたりせず、ネギAの葉部Acよりもやや硬く且つ略中実の分離開始部Adを保持するのに適した柔らかさ及び復元力が長期間得られる。
【0048】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の農作物は、実施例のネギAに対応し、
以下同様に、
農作物の軟弱部分は、ネギAの葉部Acに対応し、
農作物の変形が起きにくい部分は、ネギAの分離開始部Adに対応し、
農作物搬送手段は、搬送コンベア2に対応し、
農作物保持手段及び一対の保持手段は、上下一対の保持体26a及び無端帯46aと、保持パッド24A,46Aとに対応し、
弾性体は、保持パッド24A,46Aとに対応し、
保持部検出手段は、不要部検出装置18に対応し、
移動手段は、可動枠31と、ガイドレール32,33と、牽引チェーン34a,34bと、モータ35とに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0049】
図11は、農作物供給装置26の他の例を示し、例えばベルトやチェーン等で構成される上下一対の無端帯46a,46aの搬送面に装着した保持パッド46A,46Aを、ネギAの分離開始部Adを保持するのに適した形状に前述の保持パッド26Aと略同一の材質で形成してもよく、上述の実施例と略同等の作用及び効果を奏することができる。或いは、ローラやドラム等の回転体の外周面を、ネギAの分離開始部Adを保持するのに適した形状及び材質に形成してもよい。また、搬送コンベア2の載置台2a…を搬送方向に略間欠的に周回移動させながら、ネギAの分離開始部Adで農作物供給装置26を保持することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の農作物供給装置26は、例えばネギAの分離開始部Ad(襟部)を略同一線上に揃えた状態に整列して供給するか、略垂直姿勢及び略斜め姿勢に保持されたネギAの葉部Ac及び表皮Aeを分離するような作業及び装置にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】農作物不要部分離装置の全体構成を示す平面図。
【図2】不要部検出装置による検出方法を示す側面図。
【図3】不要部分離装置による分離動作を示す平面図。
【図4】不要部分離装置による葉部及び表皮の分離動作を示す側面図。
【図5】農作物供給装置を構成する上下保持体の離間状態を示す側面図。
【図6】上下保持体による保持状態を示す側面図。
【図7】上下保持体によるネギの保持部分を示す拡大側面図。
【図8】分離ユニットによる分離動作を示す正面図。
【図9】分離ユニットによる分離動作を示す平面図。
【図10】農作物不要部分離装置の制御回路ブロック図。
【図11】農作物供給装置の他の例を示す拡大側面図。
【符号の説明】
【0052】
A…ネギ
Ab…茎部
Ac…葉部
Ad…分離開始部
1…農作物不要部分離装置
2…搬送コンベア
2a…載置台
18…不要部検出装置
19…撮像カメラ
22…判定制御装置
25…不要部分離装置
26…農作物供給装置
26a…保持体
26A…保持パッド
28…分離ユニット
36…支持アーム
37…エアー吐出部
【出願人】 【識別番号】390008305
【氏名又は名称】エスアイ精工株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市高岡町66番地
【出願日】 平成15年8月11日(2003.8.11)
【代理人】 【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭

【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭

【公開番号】 特開2005−58066(P2005−58066A)
【公開日】 平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願番号】 特願2003−291273(P2003−291273)