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【発明の名称】 凍結乾燥食品
【発明者】 【氏名】深澤 美由紀
【住所又は居所】新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社合成技術研究所内

【氏名】早川 和久
【住所又は居所】新潟県中頸城郡頸城村大字西福島28−1 信越化学工業株式会社合成技術研究所内

【要約】 【課題】大きくても湯戻し時及び湯戻し後の冷却時に形状崩壊せず、本来の食感と同様の優れた食感を有する凍結乾燥食品を提供する。

【解決手段】水溶性セルロースエーテル及び寒天を含有することを特徴とする凍結乾燥食品。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水溶性セルロースエーテル及び寒天を含有することを特徴とする凍結乾燥食品。
【請求項2】
水溶性セルロースエーテルが、メチルセルロース及び/又はヒドロキシアルキルアルキルセルロースであることを特徴とする請求項1記載の凍結乾燥食品。
【請求項3】
凍結乾燥豆腐である請求項1又は2記載の凍結乾燥食品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、湯戻し時及び湯戻し後の冷却時に形状崩壊せず、本来の食感と同様の優れた食感を有する凍結乾燥食品に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで凍結乾燥食品としては、即席麺用の乾燥具材などインスタント食品の具材が一般的であった。しかし、近年、日本人のライフスタイルの変化に伴って、便利で簡単なインスタント食品のニーズは高まっており、冷凍食品・レトルト食品・乾燥食品といった様々な種類のインスタント食品が開発されてきた。中でも乾燥食品は、水分が除去されているので軽くて、形状がコンパクトになり、また冷凍食品のような温度管理も必要がないことから、包装、輸送、保管、流通、調理など様々な面で優位性を持っている。さらに乾燥食品の中でも凍結真空乾燥法を利用した食品は、他の技術に比べ、食材の味を損なうことなく加工できるので、この方法を利用した食品の開発が求められてきた。
【0003】
例えば、野菜類の凍結乾燥法としては、特開昭57−39733号公報(特許文献1)に提案されているように、ブランチング処理をした原料野菜類に糊料を添加混合し、板状に凍結乾燥をする方法が取られてきた。しかし、これまで凍結乾燥された野菜はキャベツ、にら、ネギといったような葉類が多く、ジャガイモ、カボチャといったでんぷん質の野菜類はあまり検討されてこなかった。
【0004】
その理由としては、熱処理したジャガイモに添加剤を加えずに凍結乾燥をすると、湯戻しをした際に、形状が崩壊してしまうからである。通常、凍結乾燥食品の大きさが小さければ崩壊を防ぐことができるので、これまでは、ジャガイモのような野菜は1cm角以下程度の大きさであった。
【0005】
また、豆腐に関しては、日本古来からのタンパク質食品であるが、含有水分が多いことからその保存性が極めて悪く、包装等で様々な工夫がなされてはいるものの、一ヶ月以上の長期にわたる保存性には未だ問題がある。
【0006】
一方、この種の食品の保存では、凍結もしくは乾燥等の手法が一般的に行われているが、豆腐を凍結するとタンパク質が凍結変性し、組織が変化してしまうために凍結前の状態に戻らない。
【0007】
実際に凍り豆腐なる食品は、豆腐を凍結乾燥したものとして知られているが、湯戻ししても凍結前の食感に戻らないことは周知の事実である。
【0008】
この凍結変性を起こさない方法として、豆乳に澱粉類や糖類を添加する方法が知られている(特開昭54−122755号公報、特開昭55−153574号公報、特開平11−137201号公報:特許文献2〜4)。これらの方法による乾燥豆腐は、凍結乾燥したもので、湯戻しによって豆腐状の食感となるものであるが、絹ごし豆腐のような滑らかな食感ではなく、むしろ木綿豆腐のような食感を呈するものであった。
【0009】
また、これらの食感を改良すべく、更にカゼイン類を添加することが試みられている(特公昭63−64186号公報:特許文献5)。しかしながら、この製法においても、得られる豆腐の形状を1cm角程度以上にして湯戻しすると、戻す過程で崩壊が起こるため、大型豆腐は作れなかった。
【0010】
更に、本発明者らは、メチルセルロースを添加して凍結乾燥豆腐を調製することで、大きくても湯戻し可能で、絹ごし豆腐のような食感の豆腐が得られる方法を提案している(特開平7−51017号公報:特許文献6)。この豆腐は、湯戻し時の形状保持に優れているものの、湯戻し後、冷却時の形状保持になお改良の余地があった。
【0011】
【特許文献1】特開昭57−39733号公報
【特許文献2】特開昭54−122755号公報
【特許文献3】特開昭55−153574号公報
【特許文献4】特開平11−137201号公報
【特許文献5】特公昭63−64186号公報
【特許文献6】特開平7−51017号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、大きくても湯戻し時及び湯戻し後の冷却時に形状崩壊せず、本来の食感と同様の優れた食感を有する凍結乾燥食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、水溶性セルロースエーテルと寒天を含有してなる凍結乾燥食品が、大きくても、湯戻し時に形状が崩れることなく、また冷却後にも食品が崩壊することなく、本来の食感と同様の優れた食感が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
【0014】
従って、本発明は、以下の凍結乾燥食品を提供する。
請求項1:
水溶性セルロースエーテル及び寒天を含有することを特徴とする凍結乾燥食品。
請求項2:
水溶性セルロースエーテルが、メチルセルロース及び/又はヒドロキシアルキルアルキルセルロースであることを特徴とする請求項1記載の凍結乾燥食品。
請求項3:
凍結乾燥豆腐である請求項1又は2記載の凍結乾燥食品。
【発明の効果】
【0015】
本発明の凍結乾燥食品は、大きくても湯戻し時及び湯戻し後の冷却時に形状崩壊せず、本来の食感と同様の優れた食感が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の凍結乾燥食品は、水溶性セルロースエーテル及び寒天を含有してなるものであり、通常の食品又は必要に応じて加工した食品にセルロースエーテル及び寒天を混合し、得られる食品を凍結乾燥してなるものである。
【0017】
本発明の凍結乾燥食品の原料としては、通常の食品、あるいは必要に応じて加工した食品を用いることができ、具体的には、粉砕した野菜、すりつぶした畜肉・魚肉加工品、豆乳及び/又は豆乳粉などが挙げられるが、破砕状、粉粒状、ミンチ状、すりつぶした状態等、水溶性セルロースエーテルと寒天とを均一に混合するのに適した形態であれば特に制限されない。
【0018】
本発明で使用される水溶性セルロースエーテルの水溶液は、熱可逆ゲル化性を有している。即ち、水溶性セルロースエーテルの水溶液は、ある一定の温度以上になるとゲル化し、保形性に優れる。そのため、湯戻し時に形状崩壊することを防ぐ。一方、寒天は、ある一定の温度以下になるとゲル化し、保形性に優れる。そのため、湯戻し後、冷却時に形状崩壊することを防ぐ。従って、熱可逆ゲル性を有する水溶性セルロースエーテルと寒天とを併用することで、形状崩壊しない凍結乾燥食品となる。
【0019】
即ち、寒天、及び水溶性セルロースエーテル水溶液もしくは水溶性セルロースエーテル粉と水を、通常の食品又は必要に応じてすりつぶした食品に添加して賦形状態で凍結乾燥すると、水が抜けた部分が孔となった一定形状の凍結乾燥食品が得られる。これを熱湯に適当量添加して数分間湯戻しすると、処理中に熱湯が凍結乾燥食品に浸透し、乾燥した水溶性セルロースエーテル及び寒天が溶け始め、ある一定の温度以上で水溶性セルロースエーテルがゲル化するので、食品は破壊されることなく形が保たれる。
【0020】
更に、これを食べるときには、適当な温度となるよう冷やして食べることができる。この時、水溶性セルロースエーテルは、ゲル化状態から通常の溶液状態に戻り、逆に寒天が一定温度以下でゲル化するため、食するときに、食品はもとの形状に保たれたまま、本来の食感を損なわず、本来の食感を維持して食べることができる。
【0021】
本発明で用いる水溶性セルロースエーテルとしては、セルロースをエーテル化することで水溶性としたセルロースエーテルを用いることができ、いずれも使用し得るが、メチル基を有するメチルセルロース、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシエチル基等のヒドロキシアルキル基をメチル基やエチル基に加えて少量置換したヒドロキシアルキルアルキルセルロースを用いることが好適である。
【0022】
上記メチルセルロースとしては、メトキシル置換度19〜32質量%程度の水溶性メチルセルロースを用いることが好ましく、またヒドロキシアルキルアルキルセルロースとしては、メトキシル置換度19〜32質量%、ヒドロキシプロポキシル置換度4〜12質量%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、メトキシル置換度19〜32質量%、ヒドロキシエトキシル置換度4〜12質量%のヒドロキシエチルメチルセルロース、エトキシル置換度5〜20質量%、ヒドロキシエトキシル置換度4〜60質量%のヒドロキシエチルエチルセルロースを用いることが好ましい。これらは1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
なお、これらの置換度は、J.G.Gobler,E.P.Samsel and G.H.Beaber,Talanta,9,474(1962)に記載されているZeisel−GCによる手法に準じて測定できる。
【0024】
また、本発明のセルロースエーテルの製造方法としては、特に限定されないが、例えば特開平3−146501号公報に記載されているような、分子量の高い綿から得られるリンター材料を用いて製造することができる。
【0025】
セルロースエーテルの重量平均分子量としては特に限定されないが、GPC−MALLS法により測定した値が20,000〜1,000,000g/molであることが好ましい。20,000g/mol未満のものを用いると、熱ゲル形成能が弱くなり、得られた凍結乾燥食品は湯戻しした際に形状が崩壊する場合がある。また、1,000,000g/molを超えるものを用いると、食感が硬くなる場合がある。
【0026】
本発明において、水溶性セルロースエーテルの添加量としては、該当する食品の固形分100質量部に対して1〜6質量部であることが好ましく、1.2〜3質量部であることがより好ましく、1.4〜2質量部であることが更に好ましい。1質量部より少ないと、湯戻し後に形状が崩れるおそれがあり、6質量部を超えると、湯戻しした際に凍結乾燥食品の周りに水溶性セルロースエーテルのゲル層が形成されてしまい、内部まで熱湯が浸透せず、完全に湯戻りしない場合がある。
なお、ここで言う該当する食品の固形分とは、例えば、野菜のような食品の場合には粉砕又は必要により熱処理してすりつぶしたもの、畜肉・魚肉加工品のような食品の場合にはすりつぶした畜肉・魚肉、豆腐のような食品の場合には豆乳及び/又は豆乳粉中の固形分を表す。
【0027】
本発明に使用される寒天は特に限定されるものではなく、いずれのものも使用可能であるが、紅藻類に属するテングサ科やオゴノリ科等の細胞壁成分で熱水抽出することにより得られる多糖類が好適に用いられる。
【0028】
寒天の添加量は、本発明に差し支えない範囲であれば、特に限定されないが、該当する食品の固形分100質量部に対して0.05〜1.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜0.5質量部である。0.05質量部未満では冷却又は放冷したときに形状が崩壊してしまう場合があり、1.0質量部を超える量では食感が悪くなってしまう場合がある。
【0029】
本発明において、保形性を更に向上させるために、アルギン酸ナトリウム等のゲル化剤を該当する食品の固形分100質量部に対して0.05〜1.0質量部、好ましくは0.1〜0.5質量部添加することもできる。また、バインダーとして、ザンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガムなどの水溶性セルロースエーテル以外のバインダーを添加することは、本発明の効果に差し支えない範囲であれば特に問題ない。また、味付けのために、水溶性セルロースエーテルや寒天を加える際に、これらと共に各種の調味料を加えることは、本発明の効果に差し支えない範囲であれば特に問題ない。
【0030】
本発明において、野菜、畜肉・魚肉加工品のような食品においては、必要に応じて熱処理をし、フードプロセッサーやポテトマッシャーのような調理器具を用いてすりつぶし、そこに水溶性セルロースエーテルを粉のまま又は必要に応じて水溶液にして、寒天は熱水溶解して加える。このときの食品中の水分としては40〜70質量%、好ましくは50〜60質量%程度であることが望ましい。水分が40質量%より少ないとすりつぶした食品同士の粘着性が悪く、湯戻しした際に形状が崩壊してしまうおそれがあり、水分が70質量%より多いと凍結乾燥処理をした時に、取り除かれた水分は孔を形成するので食品が必要以上に多孔質になり、湯戻しした時にスポンジ状になって食感が著しく低下するおそれがある。
【0031】
上記のように野菜、畜肉・魚肉加工品等に水溶性セルロースエーテル、寒天やその他各成分を所定量混合したものを、パレット等に充填又は成型して、次いで、これを−20〜−40℃で20〜50時間凍結させた後、真空下で乾燥することにより製造することができる。上記混合、凍結、乾燥装置は特に限定されるものでなく、公知のものを使用することができる。
【0032】
なお、豆腐のような食品においては、豆乳及び/又は豆乳粉を水に分散させたものに、水溶性セルロースエーテルや寒天を水に分散して豆腐を調製するものであり、水の使用量としては、豆乳及び/又は豆乳粉中の固形分100質量部に対して500〜1,500質量部であることが好ましく、600〜1,000質量部であることがより好ましい。
【0033】
また、本発明の凍結乾燥豆腐においては、凝固剤として、硫酸カルシウム、デルタグルコノラクトン、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等を用いることができる。凝固剤の使用量は、豆乳及び/又は豆乳粉中の固形分100質量部に対して2〜6質量部とすることが好ましく、3.5〜5.5質量部とすることがより好ましい。
【0034】
凍結乾燥豆腐は、これら豆乳及び/又は豆乳粉、水溶性セルロースエーテル、寒天、水及びその他の各成分を所定量混合し、沸騰するまで加熱した後、15℃以下に冷却し、凝固剤を所定量加え、パレット等に充填して加熱凝固させる。次いで、これを−20〜−40℃で20〜50時間凍結させた後、真空下で乾燥することにより製造することができる。
ここで、加熱凝固条件としては、70〜100℃で20分〜1時間、特に80〜90℃で30分〜45分間とすることができる。また、上記混合、凍結、乾燥装置は特に限定されるものでなく、公知のものを使用することができる。
【0035】
このようにして得られた本発明の凍結乾燥食品は、2〜8cm×2〜8cm×2〜8cmで、8〜500cm3程度の大型形状とすることができる。またこれらの凍結乾燥食品は、熱水、好ましくは60〜90℃の水により、形状が崩れることなく湯戻しでき、この食品を5〜20℃に冷却しても形状が崩れることなく、本来の食感を損なわない食感となる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0037】
[実施例1]
豆乳粉(第一タンパク社製)200g、アルギン酸ナトリウム(和光純薬製)2.0g、寒天(伊那食品製)1.5g、メチルセルロース(信越化学工業製、重量平均分子量292,000g/mol、メトキシル置換度29.5質量%)5.0gをよく混合した。これに熱水150gを加えて、30分間煮沸水浴中で攪拌した。次いで、この分散液を15℃以下まで攪拌しながら冷却した。凝固剤として硫酸カルシウム(和光純薬製)6質量%水溶液を15g加えて攪拌し、ガーゼでろ過した。ろ液を市販の製氷皿に流し、30分間沸騰水浴中にて加熱した。これを冷却し、−40℃で20時間凍結させた後、真空下で乾燥させることにより、メチルセルロース及び寒天入り凍結乾燥豆腐を作製した。
このメチルセルロース及び寒天入り凍結乾燥豆腐(5×3×3cm)に熱水を加えたところ、湯戻し時、また湯戻し後冷却時に形状を保っていた。また実際に食してみたところ、湯戻りもよく、生の絹ごし豆腐のようなツルッとした優れた食感を呈していた。
【0038】
[比較例1]
実施例1において、メチルセルロースを添加しなかった以外は、実施例1と同様にして凍結乾燥豆腐を作製した。作製した凍結乾燥豆腐は、熱湯を加えたときに形状崩壊してしまった。
【0039】
[比較例2]
実施例1において、寒天を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして凍結乾燥豆腐を作製した。作製した凍結乾燥豆腐は、熱湯を加えたときには形状を維持していたが、冷めたときには形状が崩壊してしまった。
【0040】
[実施例2]
ジャガイモ180gを熱湯中で10分間茹で、皮をむいて、家庭用のポテトマッシャーですりつぶして、100gのマッシュポテトを得た。寒天(伊那食品製)0.6gに熱湯25gを加え、完全に煮溶かした。前述のマッシュポテト100gに、メチルセルロース(信越化学工業製、重量平均分子量292,000g/mol、メトキシル置換度29.5質量%)1.0gを粉のまま加え、さらに寒天溶液を加えてよく混合した。このとき食品中の水分は60質量%であった。これを20gづつに分割して成型し、−40℃で20時間凍結させた後、真空下で乾燥させることにより、メチルセルロース及び寒天入り凍結乾燥ジャガイモを作製した。
このメチルセルロース及び寒天入り凍結乾燥ジャガイモ(4×4×4cm)に熱水を加えたところ、食品内部まで完全に湯戻りし、また湯戻し後冷却時にも形状を保っていた。また実際に食してみたところ、茹でたジャガイモと同様の食感であった。
【0041】
[比較例3]
実施例2において、メチルセルロースを添加しなかった以外は、実施例2と同様にして凍結乾燥ジャガイモを作製した。作製した凍結乾燥ジャガイモは、熱湯を加えたときに形状崩壊してしまった。
【0042】
[比較例4]
実施例2において、寒天を添加しなかった以外は、実施例2と同様にして凍結乾燥ジャガイモを作製した。作製した凍結乾燥ジャガイモは、熱湯を加えたときには形状を維持していたが、冷めたときには形状が崩壊してしまった。
【0043】
[実施例3]
皮をむいた人参120gを熱湯中で10分間茹で、家庭用のフードプロセッサーですりつぶして、140gの人参ペーストを得た。この人参ペーストをガーゼを用いて水分を絞り、100gの人参ペーストと、40gの絞り汁を得た。寒天(伊那食品製)0.6gに加熱した人参の絞り汁25gを加え、完全に煮溶かした。前述の人参ペースト100gに、メチルセルロース(信越化学工業製、重量平均分子量292,000g/mol、メトキシル置換度29.5質量%)1.0gを粉のまま加え、さらに寒天溶液を加えてよく混合した。このとき食品中の水分は60質量%であった。これを20gづつに分割して成型し、−40℃で20時間凍結させた後、真空下で乾燥させることにより、メチルセルロース及び寒天入り凍結乾燥人参を作製した。
このメチルセルロース及び寒天入り凍結乾燥人参(4×4×4cm)に熱水を加えたところ、食品内部まで完全に湯戻りし、また湯戻し後冷却時にも形状を保っていた。また実際に食してみたところ、茹でた人参と同様の食感であった。
【0044】
[比較例5]
実施例3において、メチルセルロースを添加しなかった以外は、実施例3と同様にして凍結乾燥人参を作製した。作製した凍結乾燥人参は、熱湯を加えたときに形状崩壊してしまった。
【0045】
[比較例6]
実施例3において、寒天を添加しなかった以外は、実施例3と同様にして凍結乾燥人参を作製した。作製した凍結乾燥人参は、熱湯を加えたときには形状を維持していたが、冷めたときには形状が崩壊してしまった。
【出願人】 【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区大手町二丁目6番1号
【出願日】 平成16年8月17日(2004.8.17)
【代理人】 【識別番号】100079304
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 隆司

【識別番号】100114513
【弁理士】
【氏名又は名称】重松 沙織

【識別番号】100120721
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 克成

【識別番号】100124590
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 武史

【公開番号】 特開2005−348721(P2005−348721A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2004−237492(P2004−237492)