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【発明の名称】 栄養補助食品
【発明者】 【氏名】青木 勝俊

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
さるなし(マタタビ科の落葉蔓性低木)の果実に酵素を作用させることにより得られる発酵生成分含有することを特徴とする栄養補助食品。
【請求項2】
酵素がリパーゼとプロテナーゼであることを特徴とする請求項1記載の栄養補助食品。
【請求項3】
酵素がリパーゼとプロテナーゼ及びアミラーゼであることを特徴とする請求項1記載の栄養補助食品。
【請求項4】
酵素が麹菌により生産される酵素であることを特徴とする請求項1記載の栄養補助食品。
【発明の詳細な説明】【発明の詳細な説明】
【0001】
〔産業上の利用分野]
本発明は栄養補助食品に関する。詳細には優れた免疫作用を有する不飽和脂肪酸をはじめとして、糖類、アミノ酸、ビタミン類など多種類の栄養素を豊富に含む栄養補助食品に関する。
【0002】
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
近年、健康維持、健康増進を目的とした栄養補助食品が多く上市されている。これらの栄養補助食品にはアミノ酸、脂肪酸、ビタミン類などの各種栄養素が含まれており、該食品を摂取することにより、例えばリノール酸などの脂肪酸の持つ降圧作用、アミノ酸の持つ血管拡張作用など各栄養素が保有する特有の作用が人体に対して働き、健康維持、健康増進といった効果が得られるようになった。
【0003】
本発明者は、マタタビ科の落葉蔓性低木さるなしの果実に含む基質の発酵生成分についての研究を通して、該発酵生成分に含まれる不飽和脂肪酸、アミノ酸、糖類が優れた免疫作用を有し、人体に対し極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0004】
〔課題を解決するための手段〕
即ち、請求項1記載の発明は「さるなしの果実に酵素を作用させることにより得られる発酵生成分を含有することを特徴とする栄養補助食品」をその要旨とするものである。
【0005】
請求項2記載の発明は「酵素がリパーゼとプロテナーゼであることを特徴とする栄養補助食品」をその要旨とするものである。
【0006】
請求項3記載の発明は「酵素がリパーゼとプロテナーゼ及びアミラーゼであることを特徴とする栄養補助食品」をその要旨とするものである。
【0007】
請求項4記載の発明は「酵素が麹菌により生産される酵素であることを特徴とする栄養補助食品」をその要旨とするものである。
【0008】
本発明の栄養補助食品において基質としては、さるなしの果実が最適で、不飽和脂肪酸、各種アミノ酸が等分に含まれており、さらにビタミン類、ミネラル類などが免疫性を有することから好ましい。
【0009】
酵素としては、少なくとも基質中の植物性タンパク質を分解する作用を持つ酵素と植物性脂質を分解する作用を持つ酵素とが必要であり、具体的にはリパーゼとプロテナーゼであり、その他にアミラーゼなどの酵素も加えることができる。
又、リパーゼ、プロテナーゼ、アミラーゼの他に多種類の酵素を生体内で生産する機能を持つ麹菌を用いることもできる。
【0010】
プロテナーゼとしては、最適作用値がpH9〜13のアルカリ性プロテナーゼが最も好ましい。アルカリ性プロテナーゼとしては、バチルス(Bacillus)菌株から得られるプロテナーゼ、バチルス・スブティリス(Bacillus subtilrs)から得られるプロテナーゼ、バチルス・ソヘニホルミス(Bacillus licheniformis)から得られるプロテナーゼ、バチルス・アルカロフィルス(Bacillus alcalophilus)から得られるプロテナーゼ、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)から得られるプロテナーゼ、バチルス・ミコイデス(Bacillus mycoides)から得られるプロテナーゼ等がある。この場合の緩衝液は尿素が好ましく、尿素濃度としては0.1〜1.0モル/リットルが良い。
【0011】
又、このアルカリ性プロテナーゼを中性又は酸性で使用する場合は、例えばパパインをアスペルギウス(Aspergillus)からの真菌プロテナーゼと一緒にするなどして使用することができる。弱アルカリ性−中性プロテナーゼの酵素群(即ち最適作用値がpH6〜8の蛋白質分解素)であるがpH9で十分な安定性を有するもの、例えばストレプトミセス・グリセウス(Streptomyces griseus)からの中性細菌プロテナーゼは、始めからアルカリ性プロテナーゼと共に使用することができる。又、アルカリ性プロテナーゼに動植物プロテナーゼを混合して使用することもできる。例えば、膵臓プロテナーゼ及びpH8〜9以下で最適作用値を有する細菌−及び真菌プロテナーゼであり、例えば、ストレプトミセス・グリセウス(Streptomyces griseus)からのプロテナーゼ複合体及びバチルス・ナト(Bacillus natto)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)及びバチルス・ミコイヂス(Bacillus mycodies)からの酵素、アスペルギウス(Aspergillus)及びアスペルギウス・オリザエ(Asp.orizae)、リズ・シネンシス(Rhiz.Chinensis)、ムコル・プルシス(Mucor.pusillus)などからの酵素、更に、植物性プロテナーゼ、例えばパパイン、フイシン、プロメラインなどである。上記プロテナーゼについて最適な酵素作用を得るためのpH調整は必要であり、前記尿素や炭酸水素ナトリウム、リン酸第1カリウム等の緩衝液を添加することにより調節することができる。
【0012】
リパーゼとしては、各種のカビ、イースト、細菌、体液、臓器からの酵素を用いることができる。具体的には膵臓リパーゼ、肝臓リパーゼ、結核菌リパーゼ、FIBリパーゼ、ヒマリパーゼなどが使用できる。又、前記基質中に含まれる糖類、特に二糖類、三糖類等の多糖類には優れた免疫作用があり、これを分解するため、前記プロテナーゼ、リパーゼにアミラーゼなる酵素を加えてもよい。
【0013】
これらリパーゼ、アミラーゼについても、十分な酵素作用を得るためにはpH調整は必要であり、緩衝液としては、重炭酸ナトリウム−炭酸ナトリウム系、ホウ砂−水酸化ナトリウム系、ホウ砂−炭酸ナトリウム系、第二リン酸ナトリウム−水酸化ナトリウム系、その他類似の緩衝液を使用することができる。尚、使用に際してはこれらの緩衝液から選ばれた2種以上の混合物という形態で使用してもよい。
【0014】
使用する酵素の量は、酵素の種類及び活性により決定する。一般に酵素は基質の重量に対して0.01〜1.0重量%が好ましい。又、リパーゼ、アミラーゼの量はプロテナーゼの量に対し約半量(重量)が好ましい。反応温度は本発明ではさほど重要ではないが、個々に使用する酵素の特性(最適温度、安定範囲など)を維持するのが好ましく、具体的には30〜55℃の範囲を維持するとよい。反応時間は8〜15時間が好ましい。その他殺菌などの前処理としてはオートクレーブ殺菌が望ましい。
【0015】
又、前記リパーゼ、プロテナーゼ及びアミラーゼの全部の酵素を発揮する米麹、麦麹類を使用することも可能である。この場合は基質の重量に対して1〜3重量%が望ましく、反応温度としては40〜50℃、作用時間としては12〜15時間が適当である。尚、基質を分解させる酵素として麹菌を利用する場合には、特別な緩衝液は使用しなくてもよい。
【0016】
有効な酵素の活性を測定するためアンソン(Anson)法から誘導される単位を使用する。これはプロテナーゼ単位(ヘモグロビン)uHbとして示す。uHbはヘモグロビンからトリクロル酢酸に可溶であり40℃(280nmで測定)で毎分チロシン1μモルに等しい部分の熱離を接触する酵素の量に相応する。1muHb=10−3Hb
【0017】
発酵生成物は、上記基質に酵素を作用させることにより得られるものであるが、その発酵生成物について高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析を行ったところ、以下に示す成分を確認することができた。尚、分析はHPLC機器として、検出器(LC−9A島津製作所株式会社製)、カラム(長さ3m)を使用し、移動層としてアセトニトリル溶媒を用い、カラム温度30℃、流速10ml/minの測定条件で行った。
【0018】
測定の結果、当該発酵生成物中には、ミリスチン酸、パルチミン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ドデセン酸、テトラデセン酸、テトラデカジエン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサエン酸、エイコサジエン酸、アラキドン酸、エイコサトリエン酸、ドコセン酸、クルバノドン酸、ドコサヘキサエン酸といった脂肪酸が確認された。又、同じく発酵生成物中には、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、シスチン、フェニルアラニン、チロシン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、アルギニン、アスパラギン酸、アラニン、グルタミン酸、グリシン、プロリン、セリンといったアミノ酸が含まれていることが確認された。その他、糖類、灰分、カルシウム、リン、カロチン、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、パントテン酸、核酸類などの存在も確認された。
【0019】
上記植物性タンパク質及び植物性脂質を含有する基質を分解することにより得られた発酵生成物の成分からも明らかなように、当該発酵生成物には多種類のアミノ酸と脂肪酸とが含まれている。中でも上記成分中の各種アミノ酸及び不飽和脂肪酸の存在は該発酵生成物における免疫作用を高める上できわめて重要であると考えられる。又、基質に対して、プロテナーゼ及びリパーゼと共にアミラーゼを作用させたものや、米麹菌や麦麹菌等の麹菌を作用させたものにあっては、基質中の糖類の分解が行われ、二糖類、三糖類といった多糖類が存在し、これが当該発酵生成物における免疫作用を一層向上させると考えられる。
【0020】
次に、本発明の栄養補助食品の製造方法について説明する。まず、マタタビ科の低木さるなしの果実の基質に酵素を作用させるのであるが、発酵は水性条件下で行なう。基質に作用させる酵素としては、前途したように、プロテナーゼ、リパーゼ、アミラーゼ或いはこれらリパーゼ、プロテナーゼ、アミラーゼの他に、多種類の酵素を生体内で生産する機能を持つ麹菌を用いる。又、リパーゼ、プロテナーゼ、アミラーゼは基質に対し夫々別々に加えてもよいが、混合物という形態で加えてもよい。又、混合物中には他の酵素を加えることにより、分解機能を高めたり、基質中の他の成分の分解を行なうようにしてもよい。発酵温度は30〜55℃が良く、反応時間としては、攪拌下8〜15時間がよい。又、基質のpH濃度は、前述した如く基質に作用させる酵素の種類に応じて適宜決定する。
【0021】
上記発酵条件下で基質に酵素を作用させて得られた発酵生成物を濾過し、この濾液をジュース、飴、醤油など各食品の製造工程で加えることにより本発明の栄養補助食品を得ることができる。
【実施例】
【0022】
実施例1
果実をオートクレーブ中で150〜180℃の熱蒸気により30分間熱処理して殺菌を行った後、取り出して油圧式圧搾機により水分が40%になるまで圧力処理した。一方、MY培地を用いてアスペルギルス・オリーゼとハンゼヌラ・アノラマを個々に予備培養すると共に、バチルス、ズブチリスをブイヨン培地を用いて予備培養した。次いで、圧力処理したさるなしの果実10kgを減菌処理し、この基質中に前記3種の予備培養体を混入した。この混合物を30℃で攪拌しながら保持した。約8時間後温度を45℃に上げ5時間攪拌した。こうして得られた発酵生成物を濾過し、濾液300gを得た。得られた櫨液について成分を分析したところ、その成分は下記の通りであった。
水分 8.5%
アミノ酸類 20.8%
脂肪酸類 55.1%
糖分 2.5%
灰分 8.3%
カルシウム 2.3%
リン 2.2%
カロチン 90μg%
ビタミンB 150μg%
ビタミンB 0.5μg%
ビタミンB 2.5μg%
パントテン酸 5.8μg%
核酸類 116.0μg%
【0023】
実施例2
完熟果実に40重量%となるように水を加え、オートクレーブで25分間熱殺菌を行った。一方、MY培地を用いてアスペルギルス・ソーヤを予備培養すると共に、サッカロマイカス・ズブチリスをブイヨン培地を用いて予備培養した。これら2種の予備培養体に、パパイン、米麹、腎臓リパーゼ、及び炭素水素ナトリウムを加え、前記殺菌処理を行った果実10kgに混入し、45℃にて10時間攪拌した。次いで、この発酵生成物を濾過し、濾液310gを得た。得られた濾液について成分を分析したところ、その成分は下記の通りであった。
糖分 2.0%
アミノ酸類 25.5%
脂肪酸類 65.5%
灰分 12.3%
カロチン 90μg%
ビタミンB 110μg%
ビタミンB 0.5μg%
ビタミンB 1.5μg%
パントテン酸 3.8μg%
核酸類 150μg%
【0024】
免疫テスト
実施例1、2で得た当該濾液を健康ネズミとカゼにかかったネズミについて、それぞれ 5匹についてテストした。口径により1日朝夕2ml生理食塩水と当該濾液を与えた。
健康ネズミ 2匹−生理食塩水−異常なし
3匹−当該濾液−異常なし
5匹とも健康を維持
風邪にかかったネズミ 2匹−生理食塩水−共に5日で死亡
3匹−当分解物−1ヶ月生存した
以上動物実験により当発酵生成物には免疫作用があることが確認された。
【0025】
以下に、当該発酵生成物を含む健康食品として、ジュース、ドロップ、醤油、チューインガムの各食品を例示した。尚、各食品への発酵生成物の添加量としては基質の1〜3%が望ましい。
【発明の効果】
【0026】
上記構成を備えたことにより、本発明記載の栄養補助食品にあっては、優れた免疫作用を有する各種アミノ酸、不飽和脂肪酸をはじめとして、糖類、ビタミン類など多種類の栄養素を豊富に含んでおり、これを摂取することにより、栄養素が保有する特有の作用が人体に働き、健康維持、健康増進効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】504257689
【氏名又は名称】青木 勝俊
【出願日】 平成16年6月9日(2004.6.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−348704(P2005−348704A)
【公開日】 平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願番号】 特願2004−198641(P2004−198641)