| 【発明の名称】 |
新粉末調味料 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡安 誠 【住所又は居所】千葉県野田市野田250番地キッコーマン株式会社内
【氏名】小熊 哲哉 【住所又は居所】千葉県野田市野田250番地キッコーマン株式会社内
【氏名】岡部 弘美 【住所又は居所】千葉県野田市野田250番地キッコーマン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】ロースト香気の好ましさが優れ、またその香気を濃厚に有する新粉末調味料を得る。
【解決手段】粉末醤油、粉末味噌及び粉末蛋白質酵素分解調味料から選ばれる少なくとも1種の粉末調味料と、焙煎した粉末穀類(米粉、大麦粉末、大豆粉及びトウモロコシ粉から選ばれる少なくとも1種)とを混和(粉末調味料に対し焙煎した粉末穀類を5〜50重量%混和)し、該混和物を焙煎(図2に示す斜線の範囲の温度及び時間の条件で加熱)して得られる新粉末調味料。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粉末調味料と焙煎した粉末穀類とを混和し、該混和物を焙煎して得られる新粉末調味料。 【請求項2】 粉末調味料が、粉末醤油、粉末味噌及び粉末蛋白質酵素分解調味料から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の新粉末調味料。 【請求項3】 粉末穀類が、米粉、大麦粉末、大豆粉及びトウモロコシ粉から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の新粉末調味料。 【請求項4】 粉末調味料に対し焙煎した粉末穀類を5〜50重量%混和する請求項1記載の新粉末調味料。 【請求項5】 穀類を図1に示す斜線の範囲の温度及び時間の条件で焙煎した後粉末化して得られる粉末穀類と粉末醤油とを混和し、該混和物を図2に示す斜線の範囲の温度及び時間の条件で焙煎することを特徴とする新粉末調味料の製造法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、ロースト香気の好ましさが優れ、またその香気を濃厚に有する新粉末調味料及びその製造法に関する。なお本発明でいう焙煎とは、被処理物を乾いたまま鍋、扁平な金属容器などに入れ、火熱、電熱、乾熱器、オーブンなどで加熱することを意味する。 【背景技術】 【0002】 従来ロースト香を有する粉末調味料としては、粉末醤油と加熱処理をしていない米粉とを混和し、該混和物を加熱処理する方法(特許文献1参照)が知られている。 また、粉末醤油と加熱処理した米粉とを混和し、該混和物を加熱することなくそのまま製品とする方法(特許文献2参照)が知られている。 このたび本発明者らは上記した方法で得られる粉末調味料は、いずれもロースト香気の好ましさにおいて改良の余地があり、また香りが弱い難点を有することを知った。 【特許文献1】特開平7−115932号公報 【特許文献2】特開平7−213249号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明は、ロースト香気の好ましさが優れ、またその香気を濃厚に有する新粉末調味料を得ることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明者らは上記目的を解決するため鋭意研究を重ねた結果、粉末醤油と焙煎米粉とを混和し、該混和物を焙煎するときは、上記目的を達成できることを知り、この知見に基づいて本発明を完成した。 本発明はこの知見に基づいて完成したものであって、すなわち粉末調味料と焙煎した粉末穀類とを混和し、該混和物を焙煎して得られる新粉末調味料である。 また本発明は、穀類を図1に示す斜線の範囲の温度及び時間の条件で焙煎した後粉末化して得られる粉末穀類と粉末醤油とを混和し、該混和物を図2に示す斜線の範囲の温度及び時間の条件で焙煎することを特徴とする新粉末調味料の製造法である。 【発明の効果】 【0005】 本発明によれば、ロースト香気の好ましさが優れ、またその香気を濃厚に有する新粉末調味料を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 本発明で使用される粉末調味料としては、通常の粉末醤油、粉末味噌、粉末蛋白質酵素分解調味料などが挙げられる。このうち、粉末醤油及び粉末味噌はロースト香の強さと好ましさの点から最も好ましい。 【0007】 また、焙煎した粉末穀類の該穀類としては、米、大麦、大豆、トウモロコシなどが挙げられるが、このうち米がロースト香の強さと好ましさの点から最も好ましい。 【0008】 粉末調味料と焙煎した粉末穀類との混和は、粉末調味料に対し焙煎した粉末穀類を5〜50重量%混和することにより行われる。 混和量が5%未満であるときは、好ましいロースト香を有する粉末調味料を得ることができない。反対に50%を超えると強いロースト香を有する粉末調味料を得ることができない。 【0009】 焙煎した粉末穀類の調製は、穀類を焙煎した後粉末化する方法及び穀類を粉末化した後焙煎する方法が挙げられるが、いずれの方法を用いてもよい。 【0010】 この焙煎は、図1に示す斜線の範囲の温度及び時間の条件で行う。図1は穀類の適正焙煎条件を示す。 すなわち、横軸を温度(℃)、縦軸を時間(分)とした場合に、(230℃、3分)、(200℃、5分)、(170℃、60分)、(150℃、120分)を結ぶ線より上側であって、しかも(230℃、30分)、(200C、120分)、(170℃、240分)及び(150℃、360分)を結ぶ線より下側である図1に示す斜線の範囲の温度及び時間条件で焙煎する。 本発明においてこの焙煎した粉末穀類を用いることは極めて重要であって焙煎しない粉末穀類を用いるときにはロースト香気の好ましさが優れ、またその香気を濃厚に有する粉末調味料を得ることはできない。 【0011】 粉末調味料と焙煎した粉末穀類との混和物の焙煎は、図2に示す斜線の範囲の温度及び時間の条件で行う。図2は混合粉末の適正焙煎条件を示す。 すなわち、横軸を温度(℃)、縦軸を時間(分)とした場合に、(200℃、3分)、(180℃、4分)、(160℃、5分)、(140℃、6分)、(120℃、7分)及び(100℃、30分)を結ぶ線より上側であって、しかも(200℃、4分)、(180℃、10分)、(160℃、20分)、(140℃、50分)、(120℃、100分)及び(100℃、180分)を結ぶ線より下側である図2に示す斜線の範囲の温度及び時間条件で焙煎する。 本発明において、該混和物を焙煎することは極めて重要であって、焙煎しないときは、ロースト香気の好ましさが優れ、またその香気を濃厚に有する粉末調味料を得ることはできない。 【0012】 以下、実施例を示して本発明を更に具体的に説明する。本発明の技術的範囲は、それらの例により、何ら限定されるものではない。 【実施例1】 【0013】 通常の粉末醤油の製造法に従って、濃口醤油を原料として粉末醤油を得た。 一方、精白米を、乾熱器に入れ、品温200℃に設定し、30分焙煎した後粉砕し、目開き0.5mmの篩を通過させ焙煎した米粉を調製した。 【0014】 上記の粉末醤油35gと焙煎した米粉15gとを混和し、該混和物を、アルミホイルを敷いたステンレスのトレイに薄く延ばして、110℃に設定された乾熱器中で30分焙煎し、本発明の新粉末調味料を得た。 【0015】 (比較例1) 一方比較のため、実施例1の新粉末調味料の製造法において、「焙煎した米粉15g」に代えて、下記「生の米粉15g」を用いる以外は全く同様にして比較例1の粉末調味料を得た。 (生の米粉の調製法) 精白米を粉砕し、目開き0.5mmの篩を通過させ生の米粉を調製した。 【0016】 (比較例2) 一方比較のため、実施例1の新粉末調味料の製造法において、該混和物を焙煎することなく、すなわち「アルミホイルを敷いたステンレスのトレイに薄く延ばして、110℃に設定された乾熱器中で30分焙煎する」ことを行わずに比較例2の粉末調味料を得た。 【0017】 これらの3種類の粉末調味料について、ロースト香の強さと好ましさについて官能検査を実施した。 官能検査は、各サンプルの30重量%水溶液について行った。 官能検査は、識別能力を有する訓練されたパネル10名による5段階評価により、香りの強さ(5強い、1弱い)、好ましさ(5良い、1悪い)について評価した。値はその平均値である。 その結果を表1に示した。 【0018】 表1
【0019】 表1の結果から、比較例1及び比較例2で得られる粉末調味料は、ロースト香の好ましさ及びロースト香の強さの点で改良の余地があることが判る。これに対し、本発明で得られる粉末調味料は、ロースト香気の好ましさが優れ、またその香気を濃厚に有することが判る。 【実施例2】 【0020】 市販の漉し味噌(熟成の完了した味噌をみそ漉機、チョッパーで組成を細粒化したもの)1kgに水1000mlを加え溶解したものを常法により凍結乾燥して、粉末味噌約500gを得た。 一方、精白米を、乾熱器に入れ、品温200℃に設定し、30分焙煎した後粉砕し、目開き0.5mmの篩を通過させ焙煎した米粉を調製した。 上記の粉末味噌35gと焙煎した米粉15gとを混和し、該混和物を、アルミホイルを敷いたステンレスのトレイに薄く延ばして、110℃に設定された乾熱器中で30分焙煎し、本発明の新粉末調味料を得た。 【0021】 (比較例3) 一方比較のため、実施例2の新粉末調味料の製造法において、「焙煎した米粉15g」に代えて、下記「生の米粉15g」を用いる以外は全く同様にして比較例3の粉末調味料を得た。 (生の米粉の調製法) 精白米を粉砕し、目開き0.5mmの篩を通過させ生の米粉を調製した。 【0022】 (比較例4) 一方比較のため、実施例2の新粉末調味料の製造法において、該混和物を焙煎することなく、すなわち「アルミホイルを敷いたステンレスのトレイに薄く延ばして、110℃に設定された乾熱器中で30分焙煎する」ことを行わずに比較例4の粉末調味料を得た。 【0023】 これらの3種類の粉末調味料について、ロースト香の強さと好ましさについて官能検査を実施した。官能検査は、上記実施例1と全く同様にして行った。 その結果を表2に示した。 【0024】 表2
【0025】 表2の結果から、比較例3で得られる粉末調味料は、味噌のこげ臭を有し、ロースト香の好ましさの点で改良の余地があることが判る。また比較例4で得られるそれは、ロースト香の好ましさ及び強さが十分でないことが判る。これに対し、本発明で得られる粉末調味料は、ロースト香気の好ましさが優れ、またその香気を濃厚に有することが判る。 【実施例3】 【0026】 液体麹による小麦グルテン酵素分解調味液を、通常の粉末醤油の製造法に従い噴霧乾燥して粉末蛋白質加水分解調味料を得た。 一方、精白米1000gを小型煮炊き攪拌機(カジワラ社製)により、品温200℃で30分焙煎した後粉砕し、目開き0.5mmの篩を通過させ焙煎米粉を調製した。 上記粉末蛋白質加水分解調味料700gに上記焙煎米粉300gを混和し、該混和物を小型煮炊き攪拌機(カジワラ社製)により、品温110℃で30分焙煎し、本発明の新粉末調味料を得た。 【0027】 (比較例5) 一方比較のため、実施例3の新粉末調味料の製造法において、「焙煎した米粉300g」に代えて、下記「生の米粉300g」を用いる以外は全く同様にして比較例5の粉末調味料を得た。 (生の米粉の調製法) 精白米を粉砕し、目開き0.5mmの篩を通過させ生の米粉を調製した。 【0028】 (比較例6) 一方比較のため、実施例3の新粉末調味料の製造法において、該混和物を焙煎することなく、比較例6の粉末調味料を得た。 【0029】 これらの3種類の粉末調味料について、ロースト香の強さと好ましさについて官能検査を実施した。官能検査は、上記実施例1と全く同様にして行った。 その結果を表3に示した。 【0030】 表3
【0031】 表3の結果から、比較例5及び比較例6で得られる粉末調味料は、ロースト香の好ましさ及び強さの点で改良の余地があることが判る。これに対し、本発明で得られる粉末調味料は、ロースト香気の好ましさが優れ、またその香気を濃厚に有することが判る。 【実施例4】 【0032】 圧偏大麦1000gを小型煮炊き攪拌機(カジワラ社製)により、品温200℃で60分焙煎した後粉砕し、目開き0・5mmの篩を通過させ、焙煎大麦粉末を調製した。 市販の粉末醤油(キッコーマン社製)700gに上記の焙煎大麦粉末300gを混和し、小型煮炊き攪拌機(カジワラ社製)により、品温110℃で30分焙煎し、本発明の新粉末調味料を得た。 【0033】 (比較例7) 一方比較のため、実施例4の新粉末調味料の製造法において、「焙煎大麦粉末300g」に代えて、下記「生の大麦粉末300g」を用いる以外は全く同様にして比較例7の粉末調味料を得た。 (生の大麦粉末の調製法) 圧偏大麦を粉砕し、目開き0.5mmの篩を通過させ生の大麦粉末を調製した。 【0034】 (比較例8) 一方比較のため、実施例4の新粉末調味料の製造法において、該混和物を焙煎することなく、比較例8の粉末調味料を得た。 【0035】 これらの3種類の粉末調味料について、ロースト香の強さと好ましさについて官能検査を実施した。官能検査は、上記実施例1と全く同様にして行った。 その結果を表4に示した。 【0036】 表4
【0037】 表4の結果から、比較例7及び比較例8で得られる粉末調味料は、ロースト香の好ましさ及びロースト香の強さで改良の余地を有することが判る。これに対し、本発明で得られる粉末調味料は、ロースト香気の好ましさが優れ、またその香気を濃厚に有することが判る。 【産業上の利用可能性】 【0038】 近年、食生活の多種多様化と共に、調理感の備わった調味料として、またレンジ食品や調理済み食品等の調味料として、多くの焙煎香気が付与された粉末調味料の需要が伸びている。本発明は、このような粉末調味料として好適に利用可能である。 【図面の簡単な説明】 【0039】 【図1】図1は穀類の適正焙煎条件を示す。 【図2】図2は混合粉末の適正焙煎条件を示す。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004477 【氏名又は名称】キッコーマン株式会社 【住所又は居所】千葉県野田市野田250番地
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| 【出願日】 |
平成16年6月1日(2004.6.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100125542 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 英之
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| 【公開番号】 |
特開2005−341829(P2005−341829A) |
| 【公開日】 |
平成17年12月15日(2005.12.15) |
| 【出願番号】 |
特願2004−163039(P2004−163039) |
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