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【発明の名称】 加圧式食品製造装置のシール構造
【発明者】 【氏名】桜沢 初雄
【住所又は居所】群馬県藤岡市篠塚15番地 株式会社冨士製作所内

【要約】 【課題】簡単な構成で内部を高圧とした食品処理室内の圧力低下を防止することができ、コストの低減化を図ることができる加圧式食品製造装置のシール構造を提供する。

【解決手段】外気中の容器20が、シール筒体24内を通過しながら蒸気室2内に向けて搬送されていくと、容器20の搬送方向を向く面の外周全域に固定したシール部材22が弾性変形しながらシール筒体24の内壁に密接する。容器20のシール部材22がシール筒体24の内壁に密接すると、蒸気室2内の蒸気が外気に流れ出るのが遮断され、蒸気室2内の蒸気圧力の低下を防止しながら麺線Nを収容した容器20を蒸気室2内に搬送することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を高圧とした食品処理室内に、容器に収容した食品を搬送する、或いは、前記食品処理室内から前記容器に収容した食品を搬出する加圧式食品製造装置のシール構造であって、
前記容器の外周形状より僅かに大きな開口形状としたシール筒体を、前記高圧の食品処理室の容器出入り口に連結するとともに、前記容器の外周の全域に、当該容器が前記シール筒体内を移動する際に前記シール筒体の内壁と密接する弾性変形自在なシール体を設けたことを特徴とする加圧式食品製造装置のシール構造。
【請求項2】
内部を高圧とした食品処理室内に、容器に収容した食品を搬送する、或いは、前記食品処理室内から前記容器に収容した食品を搬出する加圧式食品製造装置のシール構造であって、
前記容器の外周形状より僅かに大きな開口形状としたシール筒体を、前記高圧の食品処理室の容器出入り口に連結するとともに、前記シール筒体の内壁の全域に、前記容器が前記シール筒体内を移動する際に前記容器の外周と密接する弾性変形自在なシール体を設けたことを特徴とする加圧式食品製造装置のシール構造。
【請求項3】
麺線を前記食品として前記容器に収容し、前記食品処理室は、前記麺線の蒸し工程を行うために内部を所定圧の蒸気雰囲気とした糊化室であることを特徴とする請求項1、又は2記載の加圧式食品製造装置のシール構造。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、内部を高圧とした食品処理室内に、容器に収容した食品を搬送する、或いは、前記食品処理室内から前記容器に収容した食品を搬出する加圧式食品製造装置のシール構造であって、特に麺の糊化工程に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
即席麺を製造する際には、麺線のでんぷんを加水加熱処理によって消化しやすい形態に変化させる、所謂、でんぷんのα化を行うため、麺生地を麺線機で所定の長さに切り出した麺線を糊化装置に送り、所定時間の間蒸して蒸し工程を行っている。
糊化装置は、例えば特許文献1に記載されているように、蒸気が供給されて蒸気雰囲気とした蒸気室を備えており、搬送手段に収容した麺線を蒸気室内に所定の搬送速度で通過させることにより、麺線を蒸して蒸し工程を行うようにしている。
【0003】
ところで、特許文献1の蒸気室は、麺線出入り口を介して蒸気室内と外気とが連通しており、蒸気室内の蒸気が麺線出入り口から外部に流れ出て蒸気室内の蒸気圧力が低下してしまう。このように、蒸気室内の蒸気圧力が低下すると、蒸気室内の蒸気を麺線に均一に接触させることが難しくなり、即席麺の品質安定性の面で問題がある。
そこで、近年、蒸気室に、例えば図5及び図6に示すように、蒸気室2内の蒸気圧力が外部に流れ出るのを遮断する圧力保持装置4を配置している。
【0004】
圧力保持装置4は、蒸気室2の麺線出入り口に連結し、麺線Nを収容した容器12が通過するトンネル状の通路を有するシール筒体6と、外気側寄りの通路を開閉する第1シャッター8aと、蒸気室2側寄りの通路を開閉する第2シャッター8bと、これら第1及び第2シャッター8a,8bの開閉動作を行うアクチュエータ10a,10bとを備えている。第1シャッター8a及び第2シャッター8bの両者が閉じたときに囲まれている通路は、圧力隔壁室14である。
【0005】
そして、第2シャッター8bを閉状態とし、第1シャッター8aを開状態として、麺線Nを収容した容器12を圧力隔壁室14まで搬送し、次いで、第2シャッター8bを開状態とし、第1シャッター8aを閉状態として、圧力隔壁室14の容器12を蒸気室2内に搬送すると、蒸気室2内の蒸気が外気に流れ出るのを第1、第2シャッター8a,8bが遮断するので、蒸気室2内の蒸気圧力の低下を防止しながら麺線Nを収容した容器12を蒸気室2から出し入れすることができ、即席麺の品質安定化を図ることができる。
【特許文献1】特開平15−204766号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上述した圧力保持装置4は、第1、第2シャッター8a,8bの開閉操作を行うアクチュエータ10a,10bを制御するための制御装置が必要であり、装置構成が複雑となって装置コストの高騰化の面で問題がある。
そこで、本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、簡単な構成で内部を高圧とした食品処理室内の圧力低下を防止することができ、コストの低減化を図ることができる加圧式食品製造装置のシール構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、内部を高圧とした食品処理室内に、容器に収容した食品を搬送する、或いは、前記食品処理室内から前記容器に収容した食品を搬出する加圧式食品製造装置のシール構造であって、前記容器の外周形状より僅かに大きな開口形状としたシール筒体を、前記高圧の食品処理室の容器出入り口に連結するとともに、前記容器の外周の全域に、当該容器が前記シール筒体内を移動する際に前記シール筒体の内壁と密接する弾性変形自在なシール体を設けた。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、内部を高圧とした食品処理室内に、容器に収容した食品を搬送する、或いは、前記食品処理室内から前記容器に収容した食品を搬出する加圧式食品製造装置のシール構造であって、前記容器の外周形状より僅かに大きな開口形状としたシール筒体を、前記高圧の食品処理室の容器出入り口に連結するとともに、前記シール筒体の内壁の全域に、前記容器が前記シール筒体内を移動する際に前記容器の外周と密接する弾性変形自在なシール体を設けた。
さらに、請求項3記載の発明は、請求項1、又は2記載の加圧式食品製造装置のシール構造において、麺線を前記食品として前記容器に収容し、前記食品処理室が、前記麺線の蒸し工程を行うために内部を所定圧の蒸気雰囲気とした糊化室である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の加圧式食品製造装置のシール構造によると、シール筒体内を容器が移動するとき、容器とシール筒体の内壁との間に介在するシール体が食品処理室内の圧力低下を防止する。このように、簡便な構造で食品処理室内の圧力低下を防止することができるので、コストの大幅な低減化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の加圧式食品製造装置のシール構造に係る糊化装置の入り口構造について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図5及び図6で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付して説明を省略する。
先ず、図1及び図2は、第1実施形態の糊化装置の出入り口構造を示すものである。
本実施形態の容器20は、3個の麺線Nをそれぞれ収容するように3つの収容室20a,20b,20cを設けた直方体形状の箱体であり、各収容室20a,20b,20cの底面には、蒸気が通過する通気孔(図示せず)が設けられている。
【0011】
そして、この容器20の搬送方向を向く面は矩形状となっているが、この矩形状の面の外周全域に、弾性変形自在な帯状のシール部材22が外方に突出するように一体に固定されている。
また、蒸気室2の麺線入り口に、トンネル形状の通路を有するシール筒体24が連結している。このシール筒体24は、容器20の搬送方向の形状(矩形状の面の形状)より僅かに大きな矩形の開口形状としている。
【0012】
上記構成において、図1及び図2の右側から左側に向けて外気中の搬送手段(図示せず)により搬送されてきた容器20が、シール筒体24内を通過しながら蒸気室2内に向けて搬送されていくと、容器20の搬送方向を向く面の外周全域に固定したシール部材22が弾性変形しながらシール筒体24の内壁に密接する。
容器20のシール部材22がシール筒体24の内壁に密接すると、蒸気室2内の蒸気が外気に流れ出るのが遮断され、蒸気室2内の蒸気圧力の低下を防止しながら麺線Nを収容した容器20を蒸気室2内に搬送することができる。これにより、蒸気室2内の蒸気圧力が低下せず、蒸気室2内の蒸気を麺線Nに均一に接触させることができるので、即席麺の品質安定化を図ることができる。
【0013】
そして、本実施形態では、容器20の搬送方向を向く面の外周全域にシール部材22を固定しただけの構造で、蒸気室2内の蒸気圧力の低下を防止する構造を得ることができるので、コストの大幅な低減化を図ることができる。
次に、図3及び図4は、第2実施形態の糊化装置の出入り口構造を示すものである。本実施形態は、図1及び図2で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付して説明を省略する。
【0014】
本実施形態が第1実施形態と異なる構成は、本実施形態の容器20の搬送方向を向く面には、シール部材が固定されていないことである。そして、本実施形態では、蒸気室2の麺線入り口に連結し、容器20の搬送方向の形状(矩形状の面の形状)より僅かに大きな矩形の開口形状としているシール筒体24の内壁全域に、所定厚さの弾性変形自在なシート状のシール部材26を貼設している。
【0015】
上記構成において、図3及び図4の右側から左側に向けて外気中の搬送手段(図示せず)により搬送されてきた容器20が、シール筒体24内を通過しながら蒸気室2内に向けて搬送されていくと、シール筒体24の内壁全域に貼設したシート状のシール部材26が弾性変形しながら容器20の外周に密接する。
シール筒体24の内壁のシール部材26が容器20の外周に密接すると、蒸気室2内の蒸気が外気に流れ出るのが遮断され、蒸気室2内の蒸気圧力の低下を防止しながら麺線Nを収容した容器20を蒸気室2内に搬送することができる。これにより、蒸気室2内の蒸気圧力が低下せず、蒸気室2内の蒸気を麺線Nに均一に接触させることができるので、即席麺の品質安定化を図ることができる。
【0016】
そして、本実施形態では、シール筒体24の内壁全域にシート状のシール部材26を貼設しただけの構造で、蒸気室2内の蒸気圧力の低下を防止する構造を得ることができるので、コストの大幅な低減化を図ることができる。
なお、第1及び第2実施形態では、蒸気室2の麺線入り口構造について説明したが、蒸気室2の麺線出口構造について適用しても同様の作用効果を奏することができる。
【0017】
また、第1及び第2実施形態では、糊化装置の出入り口構造について説明したが、他の高圧の食品処理室の食品出入り口において食品処理室の圧力低下を防止する構造に適用しても、同様の効果を奏することができる。
さらに、第1及び第2実施形態では、直方体形状の容器20を使用したが、他の形状の麺線Nを収容する容器であってもよく、その場合には、容器の形状にあったシール筒体とし、且つ、容器或いはシール筒体の内壁の少なくとも一方にシール部材を設けることで、前述した効果と同様の効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る第1実施形態の糊化装置の入り口構造を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の糊化装置の入り口構造を示す長手方向断面図である。
【図3】本発明に係る第2実施形態の糊化装置の入り口構造を示す斜視図である。
【図4】第2実施形態の糊化装置の入り口構造を示す長手方向断面図である。
【図5】従来の糊化装置の入り口構造を示す斜視図である。
【図6】従来の糊化装置の入り口構造を示す長手方向断面図である。
【符号の説明】
【0019】
2 蒸気室(内部を高圧とした食品処理室)
2 容器
22 帯状のシール部材(シール体)
24 シール筒体
26 シート状のシール部材(シール体)
N 麺線(食品)
【出願人】 【識別番号】390026631
【氏名又は名称】株式会社冨士製作所
【住所又は居所】群馬県藤岡市篠塚15番地
【出願日】 平成16年5月27日(2004.5.27)
【代理人】 【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也

【識別番号】100075579
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 嘉昭

【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 秀▲てつ▼

【公開番号】 特開2005−333901(P2005−333901A)
【公開日】 平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願番号】 特願2004−158275(P2004−158275)