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【発明の名称】 まぶしタイプのから揚げ粉用顆粒粉
【発明者】 【氏名】稲垣 泰男
【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清フーズ株式会社食品研究所内

【氏名】福留 真一
【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清フーズ株式会社食品研究所内

【氏名】武冨 賢二
【住所又は居所】埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 株式会社日清製粉グループ本社生産技術研究所内

【氏名】樋口 雅弘
【住所又は居所】埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 株式会社日清製粉グループ本社生産技術研究所内

【氏名】米田 広希
【住所又は居所】埼玉県入間郡大井町鶴ヶ岡5丁目3番1号 株式会社日清製粉グループ本社生産技術研究所内

【要約】 【課題】具材の肉質のジューシー感や柔らかさを有し、かつ衣感および衣の食感が良好なから揚げを得ることができる、まぶしタイプのから揚げ粉を提供すること。

【解決手段】α化澱粉を含有する顆粒粉を配合した、まぶしタイプのから揚げ粉。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
α化澱粉を含有することを特徴とするまぶしタイプのから揚げ粉用顆粒粉。
【請求項2】
小麦粉および/または澱粉類に、α化澱粉を加え、攪拌下に加水して混合造粒した後に、乾燥することを特徴とする請求項1記載の顆粒粉の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の顆粒粉または請求項2記載の製造方法により得られた顆粒粉を配合したことを特徴とするまぶしタイプのから揚げ粉。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、肉質のジューシー感や柔らかさを有し、かつ衣感および衣の食感が良好なから揚げを得ることができる、まぶしタイプのから揚げ粉用顆粒粉に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、から揚げの調理にあたっては、鶏肉や豚肉や牛肉などの肉類や魚介類などの具材を調味液に漬け込んで具材に調味液を浸み込ませた後に、穀粉などの衣を付着させて油で揚げる方法が一般に採用されてきた。しかし、この方法では、具材を調味液に漬け込むことで具材の保水力が高まり、油で揚げた際に良好なから揚げを得ることができるが、調味液の調製および調味液への具材の漬け込みが必要であり、手間と時間がかかる。
から揚げの調理を簡単に行うために、具材にから揚げ粉を直接まぶして油で揚げるだけのまぶしタイプのから揚げ粉が種々開発されてきており、から揚げを極めて簡単に、かつ短時間に、調理することができるようになった。
【0003】
まぶしタイプのから揚げ粉において、衣の保水性や皮膜性を向上させるために、から揚げ粉に、デキストリン、ゲル化剤、α化澱粉などを単独、あるいは組み合わせて配合することが試みられているが、から揚げの具材の柔らかさと衣感およびサクミをともに満足させる有効な手段は見出されていない。α化澱粉は、保水性、皮膜性に優れた安価な原料ではあるが、から揚げ粉にそのまま単に配合した場合には、肉質の硬化がある程度防止できるものの、肉質表面が水分でべたついたり、揚げムラができたり、衣感やサクミが乏しいという欠点があった。
【0004】
まぶしタイプのから揚げ粉としては、例えば、膨化処理して粉砕した米粉を含有するから揚げ粉(特許文献1)、膨化処理した小麦粉を含有するから揚げ粉(特許文献2)などがあり、また、α化澱粉を含有するから揚げ粉としては、例えば、溶解度が30%以下で、かつ膨潤度が10%以上の粉末状α化澱粉を含有するから揚げ粉(特許文献3)なども知られている。しかしながら、これらのまぶしタイプのから揚げ粉は、衣の付着性は良くなっても、調理後に衣がへたったり、また、から揚げ粉が肉に付着する際に、肉から水分を吸い取ってしまうため、肉質のジューシー感や柔らかさが得られない。さらに、小麦粉に馬鈴薯澱粉を添加した顆粒状のから揚げ粉(特許文献4)や、顆粒状馬鈴薯澱粉からなるから揚げ粉(特許文献5)も知られているが、これらの顆粒状のから揚げ粉も、肉質のジューシー感や柔らかさに関しては不十分なものであった。
【0005】
【特許文献1】特開昭62−228244号公報
【特許文献2】特開平4−11857号公報
【特許文献3】特開平8−56599号公報
【特許文献4】特公昭56−39621号公報
【特許文献5】特公昭58−10059号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、具材の肉質のジューシー感や柔らかさを有し、かつ衣感および衣の食感が良好なから揚げを得ることができる、まぶしタイプのから揚げ粉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、種々検討した結果、まぶしタイプのから揚げ粉を作る際に、単に粉体原料を配合・混合するのではなく、から揚げ粉のベースに用いる小麦粉および/または澱粉類にα化澱粉を配合・混合した配合物を、顆粒化することにより、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、α化澱粉を含有することを特徴とするまぶしタイプのから揚げ粉用顆粒粉を提供するものである。
また本発明は、該まぶしタイプのから揚げ粉用顆粒粉の製造方法として、小麦粉および/または澱粉類に、α化澱粉を加え、攪拌下に加水して混合造粒した後に、乾燥することを特徴とする顆粒粉の製造方法を提供するものである。
さらに本発明は、上記のまぶしタイプのから揚げ粉用顆粒粉または上記の製造方法により得られた顆粒粉を配合したことを特徴とするまぶしタイプのから揚げ粉を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の顆粒粉を用いた、まぶしタイプのから揚げ粉は、肉類、魚介類などの具材に単にまぶして揚げるだけで、極めて簡単にから揚げを調理でき、かつ衣感および衣の食感を劣化させずに、具材の食感を柔らかく、ジューシーなものにし、高品質のから揚げを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の顆粒粉、その製造方法、およびから揚げ粉について詳細に説明する。
本発明に用いられるα化澱粉としては、水に均一に分散、可溶化することができるものであれば良く、α化馬鈴薯澱粉、α化タピオカ澱粉、α化小麦澱粉、α化コーン澱粉などが挙げられ、またアセチル化処理、リン酸架橋処理などの化学処理が施されたものでもよく、好ましくはα化馬鈴薯澱粉、α化タピオカ澱粉である。斯かるα化澱粉は、通常の方法によって製造することができる。
本発明の顆粒粉におけるα化澱粉の含有量は、α化澱粉のα化度が100%の場合には好ましくは5〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%であり、α化度が100%以下の場合にはα化度が100%の場合を基準にして適宜添加量を決めればよく、例えば、α化度が50%の場合には好ましくは10〜40質量%である。
【0011】
本発明の顆粒粉のα化澱粉以外の構成成分は、小麦粉および/または澱粉類である。
小麦粉としては、特に限定されることはなく、例えば、薄力粉、中力粉、強力粉などが挙げられる。
澱粉類としては、α化処理されていない澱粉類が使用され、例えば、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、トウモロコシ澱粉、タピオカ澱粉、サツマイモ澱粉、米澱粉などが挙げられる。澱粉類はアセチル化処理、リン酸架橋処理などの化学処理が施されたものでもよい。
上記の小麦粉および澱粉類は、小麦粉単独使用でも、澱粉類単独使用でも、または小麦粉と澱粉類との併用でもよい。
【0012】
本発明の顆粒粉の平均粒径は、50〜400μm、好ましくは70〜300μmである。また顆粒粉の水分は、13質量%以下、好ましくは8〜12質量%である。
【0013】
本発明の顆粒粉は、例えば、小麦粉および/または澱粉類に、上記含有量のα化澱粉を加え、攪拌下に加水して混合造粒した後に、乾燥することにより得られる。
混合造粒を行う装置としては、特に限定されないが、粉体への均一加水ができる加水機能付き高速攪拌機を用いるのが好ましい。通常、攪拌機の回転数は1000〜4000rpm程度で、攪拌時の温度は10〜30℃程度であるのが好ましい。また、加水量は、原料粉100質量部に対し、好ましくは10〜25質量部、より好ましくは15〜20質量部である。
乾燥は、例えば、流動層乾燥機を用いて行うことができる。乾燥条件は、熱風流量2.5〜4.0m3 /分、乾燥温度100〜130℃、乾燥時間2〜5分間であることが好ましい。
このようにして得られる顆粒粉は、通常、平均粒径が50〜400μmで、水分は13質量%以下である。
【0014】
本発明のまぶしタイプのから揚げ粉は、上述した本発明の顆粒粉に、必要に応じて、従来のから揚げ粉に配合されている添加物、例えば糖類(例えば単糖類、二糖類、オリゴ糖類、デキストリン、糖アルコールなど)、調味料(例えば食塩、粉末醤油、アミノ酸、化学調味料、天然エキスなど)、香辛料(例えば胡椒粉末、ガーリックパウダー、ジンジャーパウダー、唐辛子粉末など)、および色素(例えばパプリカ色素など)などを添加、混合したものである。
これらの添加物の配合量は、従来のから揚げ粉に配合されている添加物の配合量と同じでよく、好ましくは合計で15.0〜30.0質量%である。
本発明のまぶしタイプのから揚げ粉は、従来のまぶしタイプのから揚げ粉と同様にして用いられる。すなわち、鶏肉、豚肉、牛肉や魚介類など、通常から揚げに用いられる具材に直接まぶして用いることができる。
【実施例】
【0015】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明は以下の実施例および比較例により何ら限定されるものではない。
【0016】
以下の実施例および比較例における、から揚げの具材の食感、衣感および衣の食感の官能評価は、表1および表2に示した評価基準に従って、パネラー10名により点数評価し、その平均値をとった。
【0017】
【表1】


【0018】
【表2】


【0019】
実験例1(実施例1〜3および比較例1)
<顆粒粉の製造>
表3に示す小麦粉(薄力粉)およびα化澱粉(α化度100%)の配合からなる穀紛原料を均一にリボンミキサーで混合した後、回転数3000rpmで内部の羽が回転している、加水機能付き高速攪拌機に、上記穀紛原料を200kg/h、水を40kg/h(穀紛原料に対し、重量比20%)で均一に加水し、含水穀粉原料を得た。当該含水穀粉原料を1.5kg採取し、バッチ式流動層乾燥機に熱風温度110℃、熱風風量(3m3/min)で4分間乾燥し、表3に示す水分および平均粒径の顆粒粉をそれぞれ製造した。
<から揚げ粉の調製>
上記で得られた各々の顆粒粉を用いて、表4に示すから揚げ粉配合に従い、から揚げ粉をそれぞれ調製した。
<から揚げの調理>
鶏モモ肉を適当な大きさに切断し(鶏肉100gを約4個に切断)、上記で調製されたから揚げ粉をまぶし、室温で約3分間放置した。
次いで、から揚げ粉を付着させた鶏肉を160〜170℃に熱したサラダ油で3分間揚げ、鶏肉のから揚げを作った。得られたから揚げを表1および表2の評価基準により10名のパネラーで評価した。その結果を表5に示す。
【0020】
【表3】


【0021】
【表4】


【0022】
【表5】


【0023】
表5に示される通り、本発明の顆粒粉を使用して得られたから揚げは、粉噴き感、衣感があり、カラッとしてサクミがある食感であり、具材は柔らかくて、ジューシーで良好な食感であった。
【0024】
実験例2(実施例4〜8および比較例2)
表6に示す配合に従って穀粉原料に馬鈴薯澱粉を加えた以外は、実験例1と同様にして、表6に示す水分および平均粒径の顆粒粉をそれぞれ製造した。
得られた各々の顆粒粉を用いて、実験例1と同様にして、から揚げ粉をそれぞれ調製し、これらのから揚げ粉を用いて鶏肉のから揚げを調理して、官能評価した。その結果を表7に示す。
【0025】
【表6】


【0026】
【表7】


【0027】
表7に示される通り、本発明の顆粒粉を使用して得られたから揚げは、粉噴き感、衣感があり、カラッとしてサクミがある食感であり、具材は柔らかくて、ジューシーで良好な食感であった。
【0028】
実験例3(実施例9〜10および比較例3)
α化馬鈴薯澱粉の代わりにα化タピオカ澱粉を用い、表8に示す配合とした以外は、実験例2と同様にして、表8に示す水分および平均粒径の顆粒粉をそれぞれ製造した。
得られた各々の顆粒粉を用いて、実験例1と同様にして、から揚げ粉をそれぞれ調製し、これらのから揚げ粉を用いて鶏肉のから揚げを調理して、官能評価した。その結果を表9に示す。なお、比較例3は、比較例2と同じである。
【0029】
【表8】


【0030】
【表9】


【0031】
実験例4(実施例11〜12および比較例4〜5)
表10に示す配合とした以外は、実験例2と同様にして、表10に示す水分および平均粒径の顆粒粉をそれぞれ製造した。
得られた各々の顆粒粉を用いて、実験例1と同様にして、から揚げ粉をそれぞれ調製し、これらのから揚げ粉を用いて鶏肉のから揚げを調理して、官能評価した。その結果を表11に示す。なお、比較例4および5においては、顆粒粉に表10に示す量のα化馬鈴薯澱粉を混合した後、表4に示す配合に従い、から揚げ粉を調製した。また、実施例11は、実施例7と同じであり、実施例12は、実施例8と同じである。
【0032】
【表10】


【0033】
【表11】


【0034】
表11に示される通り、α化澱粉を含まない顆粒粉にα化馬鈴薯澱粉を配合したから揚げ粉を使用して得られた比較例4および5のから揚げは、本発明の顆粒粉を使用した場合の良好な効果は認められず、α化馬鈴薯澱粉を配合しない場合に比して、具材の食感はやや向上するが、衣感および衣の食感は非常に悪いものであった。
【出願人】 【識別番号】398012306
【氏名又は名称】日清フーズ株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区神田錦町一丁目25番地
【出願日】 平成16年5月26日(2004.5.26)
【代理人】 【識別番号】100076532
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 修

【公開番号】 特開2005−333861(P2005−333861A)
【公開日】 平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願番号】 特願2004−155689(P2004−155689)