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【発明の名称】 機能性食材およびその製造方法
【発明者】 【氏名】長田 政司

【要約】 【課題】アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む機能性食材及びその製造方法を提供する。

【解決手段】魚肉として利用されない魚体残滓から同時に抽出された、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む機能性食材;下記の工程を含む、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む機能性食材の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚肉として利用されない魚体残滓から同時に抽出された、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む機能性食材。
【請求項2】
魚類が、鮭及び鱒からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の機能性食材。
【請求項3】
魚体残滓が、頭部、中骨、皮、カマ、尾及びヒレからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項2記載の機能性食材。
【請求項4】
0.5質量%〜5質量%のアンセリンと5質量%〜50質量%のコンドロイチン硫酸を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の機能性食材。
【請求項5】
下記の工程を含む、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む機能性食材の製造方法。
1)魚肉として利用されない魚体残滓を粉砕する工程、
2)粉砕された残滓に、タンパク質分解酵素を作用させてタンパク質を分解する工程、及び
3)タンパク質分解酵素を失活させた後、不溶解成分及び油成分を分離除去して、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む混合物を得る工程。
【請求項6】
さらに、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む混合物を精製する工程を含む請求項5記載の方法。
【請求項7】
精製工程が、合成吸着剤処理を含む脱色及び脱臭工程、及び透析処理を含む脱塩工程を含む請求項6記載の方法。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか1項記載の機能性食材又は請求項5〜7のいずれか1項記載の方法により製造される機能性食材からなる調味料。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか1項記載の機能性食材又は請求項5〜7のいずれか1項記載の方法により製造される機能性食材を含む食品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鮭、鱒等の魚類由来のアンセリンとコンドロイチン硫酸を含む機能性食材、その用途及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
鮭、鱒等の魚類にはアンセリンとコンドロイチン硫酸が比較的多く含まれることは従来から知られており、石狩鍋などではアンセリンとコンドロイチン硫酸を同時に摂取することができるが、健康のため毎日食べることは事実上不可能なことである。
また、鮭、鱒等の魚類は加工工場で処理されるとき全体の約40%が食用として利用されるのみで、大半は残滓としてミールに加工されて飼料または肥料として利用されているに過ぎず、残滓の高度利用が期待されている。
残滓中には、コンドロイチン硫酸及びアンセリンなどの有用成分が含まれている。一方、ほとんどの魚が漁獲技術の進歩による獲り過ぎ、あるいは地球環境の変化に伴い資源の減少が叫ばれる中、人工的に孵化・養殖されている鮭はほぼ毎年決まった数量水揚げされ、発生する残滓の量も安定しており、工業原料として適しているといえる。
鮭、鱒等の魚類は、頭部に氷頭と呼ばれる鼻軟骨を有しており、その鼻軟骨の酢付けは「氷頭ナマス」と呼ばれ珍重されている。最近、この鼻軟骨よりコンドロイチン硫酸を製造する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、鼻軟骨の収量は頭部全体から見て8〜10%の歩留りであり、これを残滓全体から見ると1.5%以下であり、この方法では、資源が有効に利用されているとは言えず、さらにコスト的にも大きな無理がある。従って、この方法はほとんど実施されていないのが実情である。
【0003】
コンドロイチン硫酸は、コラーゲンと共に結合組織の基となるプロテオグルカンの構成成分として、鮭、鱒等の魚類の鼻軟骨、血管、皮膚、骨および角膜などに分布していることが確認されている。しかしながら、今まで提案されている鮭からのコンドロイチン硫酸の製造技術は、鼻軟骨を主に出発原料としており(特許文献2〜5)、血管、皮膚、骨および角膜は出発原料として全く着目されていなかった。
コンドロイチン硫酸は、医薬品として関節痛、神経痛、五十肩、神経性難聴及び疲労回復などの効用が認められており、また、機能性食材としても広く使用されている。
一方、アンセリンはカツオ、マグロおよび鮭などの回遊魚の筋肉に多く含まれている呈味成分の一種として知られており、アラニンとヒスチジンからなるジペプチドで、最近、抗疲労物質としても注目されており、機能性食材として幾つかの用途特許が出願されている(例えば、特許文献6〜11)。
【0004】
アンセリンは筋肉中に遊離アミノ酸の一種として存在しており、鼻軟骨を含む軟骨中には存在しない。従って、従来の鼻軟骨を出発原料とするコンドロイチン硫酸の製造法ではアンセリンを含有する機能性食材を得ることはできない。
【0005】
【特許文献1】特開2000−175617
【特許文献2】特開2000−273102
【特許文献3】特開2001−231497
【特許文献4】特開2001−247602
【特許文献5】特開2003−299497
【特許文献6】特開2003−192611
【特許文献7】特開2002−338473
【特許文献8】特開2001−57869
【特許文献9】特開2001−78702
【特許文献10】特開平9−20661
【特許文献11】特開平9−20660
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む機能性食材を提供することである。
本発明の他の目的は、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む上記機能性食材を含有する調味料、呈味改善組成物、食品を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む上記機能性食材の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の機能性食材、その製造方法、及びそれを含む食品を提供するものである。
1.魚肉として利用されない魚体残滓から同時に抽出された、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む機能性食材。
2.魚類が、鮭及び鱒からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記1記載の機能性食材。
3.魚体残滓が、頭部、中骨、皮、カマ、尾及びヒレからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む上記2記載の機能性食材。
4.0.5質量%〜5質量%のアンセリンと5質量%〜50質量%のコンドロイチン硫酸を含む、上記1〜3のいずれか1項記載の機能性食材。
5.下記の工程を含む、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む機能性食材の製造方法。
1)魚肉として利用されない魚体残滓を粉砕する工程、
2)粉砕された残滓に、タンパク質分解酵素を作用させてタンパク質を分解する工程、及び
3)タンパク質分解酵素を失活させた後、不溶解成分及び油成分を分離除去して、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む混合物を得る工程。
6.さらに、アンセリンとコンドロイチン硫酸を含む混合物を精製する工程を含む上記5記載の方法。
7.精製工程が、合成吸着剤処理を含む脱色及び脱臭工程、及び透析処理を含む脱塩工程を含む上記6記載の方法。
8.上記1〜4のいずれか1項記載の機能性食材又は上記5〜7のいずれか1項記載の方法により製造される機能性食材からなる調味料。
9.上記1〜4のいずれか1項記載の機能性食材又は上記5〜7のいずれか1項記載の方法により製造される機能性食材を含む食品。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
前述のとおり、コンドロイチン硫酸の製造方法としては、鮭、鱒等の魚類の頭部より鼻軟骨を分離し、この分離された鼻軟骨からコンドロイチン硫酸を抽出分離する方法が一般的である。しかしこのような方法では、資源の有効利用が十分に為されているとは言えないだけでなく、頭部より鼻軟骨を分離する工程が、長時間を要し、煩雑にして歩留りが悪いため製造コストが高くなる。さらに、鼻軟骨を出発原料とするコンドロイチン硫酸の製造法ではアンセリンを含む食材を得ることができない。
本発明者は、魚肉として利用される以外の残滓部分について、従来機能性食材の製造原料として使用されている頭部は勿論のこととして、従来全く着目されていなかった血管、皮膚、骨および角膜等を含めた残滓をそのままの状態で出発原料として使用した場合に、意外にも従来のコンドロイチン硫酸の製造法に比べて残滓当りのコンドロイチン硫酸の収率が著しく向上し、然もアンセリンとコンドロイチン硫酸を含む機能性食材を安価に且つ効率良く製造できる事を見出し本発明を完成した。
【0009】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の機能性食材の製造原料としては、特に資源的に安定しており、且つアンセリンとコンドロイチン硫酸を比較的多く含む魚類、例えば、鮭、鱒、カツオ、マグロ等の魚類の魚体構成成分のうち、魚肉としては利用されない部分を使用する。すなわち、従来はミールとして飼料あるいは肥料などに利用されているに過ぎない、鮭、鱒等の魚類の加工工場から発生する残滓を出発原料として使用する。この明細書において「残滓」とは、魚体構成部分のうち、魚肉として食用に供される部分を除去した部分、特に頭部、中骨、皮、カマ、尾、ヒレなどを示し、これらの部分に除去されずに残された魚肉部分を含むものであっても差し支えない。
【0010】
本発明方法は、出発原料である魚類の残滓(例えば、頭部、中骨、皮、カマ、尾、ヒレ等)を、必要により水洗し、サイレントカッターあるいはチョッパーなどで5mm以下に細断する。
細断した原料100質量部に、水0〜200質量部を加え、これにタンパク質分解酵素を添加してタンパク質分解酵素を作用させ、タンパク質を分解し可溶化する。
添加するタンパク質分解酵素としては、酸性、中性及びアルカリプロテアーゼのいずれの使用も可能であるが、好ましくはpH5以上で効果のある中性又はアルカリプロテアーゼが使用される。本発明方法では、例えば、中性プロテアーゼでは天野エンザイム製「プロテアーゼNL「アマノ」G」及び新日本化学工業製「スミチームFP」、アルカリプロテアーゼではノボザイム社製「アルカラーゼ」及びナガセケムテック製「ビオブラーゼSP−15FG」など食品加工用に一般に市販されているものが使用できるがこれらに限定されるものではない。タンパク質分解酵素としては、特に、ノボザイム社製「アルカラーゼ」が好ましい。
【0011】
タンパク質分解酵素の添加量は、残滓100質量部に対して好ましくは0.005〜2質量部、更に好ましくは0.01〜0.5質量部である。
温度は、好ましくは30℃〜85℃、更に好ましくは40℃〜80℃の範囲である。
又、攪拌時間は、好ましくは10分〜3時間、更に好ましくは30分〜2時間である。
分解終了後、所定の温度で所定の時間、例えば、90℃で5分間程度加熱して酵素を失活させる。
冷却後、分解液を適当な手段で、例えば2mm角の金網に通し骨を濾し分けた後、適当な分離手段、例えば、遠心分離に掛けて不溶解成分と油成分を除去し、淡黄色から褐色で特有の魚臭のする溶液を得る。この溶液はアンセリンとコンドロイチン硫酸を含んでいる。
【0012】
次に、必要によりこの溶液を脱色、脱臭処理する。
例えば、出発原料100質量部に対して5〜200容量部、好ましくは80〜100容量部の合成吸着剤による処理を行う。例えば、多孔性非極性樹脂と接触させ、具体的には樹脂をカラムに充填し、溶液を10℃〜60℃(通常は室温)で通すことにより精製して、着色成分と臭気成分を吸着除去し、ほとんど無色から微黄色で無臭の溶液を得る。この場合、樹脂の細孔構造特性として高分子のコンドロイチン硫酸と低分子のアンセリンは合成吸着剤を通過するが、着色成分と臭気成分はそれぞれの分子サイズが細孔サイズに合致することで樹脂に吸着されるので、アンセリン及びコンドロイチン硫酸を含む溶液の脱色、脱臭ができる。合成吸着剤の多孔性非極性樹脂は、細孔に捕捉された色素成分と臭気成分を40〜70%のアルコール水で脱着・再生することにより、繰り返し使用することができる。合成吸着剤で着色成分及び臭気成分を除去することで、アンセリンとコンドロイチン硫酸の含有量を45質量%以上に上げることができる。
【0013】
本発明方法で使用される合成吸着剤の多孔性非極性樹脂の例としては、DIAION[HP20]、[HP21]、及びSEPABEADS SPシリーズ(SP−850、SP−825)(三菱化学社製)や、アンバーライトXAD(ローム&ハース社製)などが挙げられる。
【0014】
また、脱色、脱臭処理として、活性炭処理をしてもよい。少量の活性炭(例えば、出発原料100質量部に対して0.1〜10質量部、好ましくは1〜2質量部)を添加し、所定の温度(例えば、40℃〜60℃)で所定の時間(例えば、30分〜2時間)、例えば、50℃に加温しながら1時間攪拌後、活性炭を濾過するとほとんど無色、無臭の透明な溶液となる。
好ましくはさらに脱塩処理を行う。例えば、この溶液を透析、好ましくは電気透析して溶液中の無機塩類を除去する。
次に、溶液を濃縮し、噴霧乾燥或いは凍結乾燥後粉砕すると、微黄色でわずかに特有の臭いのする粉末混合物が得られる。この粉末混合物は0.5〜5質量%のアンセリンと15〜50質量%のコンドロイチン硫酸を含んでいる。
即ち、本発明によれば、アンセリンとコンドロイチン硫酸を高濃度で含み、アンセリンの機能とコンドロイチン硫酸の機能の両方を有する新規な機能性食材を提供することができる。
本発明の機能性食材はアンセリンの呈味性を有するため調味料として様々な食品成分に添加してアンセリンとコンドロイチン硫酸の機能を有する新しい食品を造ることもできる。
添加食品の例としては、麺類(うどん、そば、パスタ等)、パン類(食パン、菓子パン、調理パン等)、調味料類(味噌、醤油、酢、ドレッシング、みりん、マヨネーズ等)、一般加工食品(豆腐、納豆、ハム、ソーセージ、ベーコン、かまぼこ、ちくわ、さつま揚げ等)、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズ、バター等)、菓子類(チョコレート、キャンディー、クッキー、スナック菓子、ゼリー、バータイプ菓子等)、飲料(果汁、茶、清涼、スポーツ、アルコール等)が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の機能性食材は、食品成分100質量部に対して、好ましくは0.5〜50質量部、更に好ましくは1〜10質量部添加することが望ましい。
【0015】
又、本発明の乾燥前の精製液を分画分子量13000〜20000のモジュールを用い、限外濾過することで濃縮液側には高純度のコンドロイチン硫酸、透過液側には高濃度のアンセリンを含む液が得られ、それぞれを溶液のまま又は必要により濃縮、乾燥後、混合することでアンセリンとコンドロイチン硫酸を任意の比率で含む機能性食材を製造する事もできる。
或いは又、合成樹脂又は活性炭で精製した溶液又は粉体を、固形分の5〜30倍の60%アルコールで処理し、コンドロイチン硫酸を沈殿させ、沈殿物を5〜20倍の水に溶解し、コンドロイチン硫酸の30〜80倍の陽イオン交換樹脂を通して精製後、精製液をNaOHで中和し、濃縮・乾燥して90%以上の高純度のコンドロイチン硫酸ナトリウムを製造する事もできる。
本発明の機能性食材中のアンセリンはアミノ酸自動分析法で定量する事ができる。
本発明で使用したアミノ酸自動分析法(絶対検量線法)の手順を以下に説明する。
試料0.3gに、10w/v%のスルホサリチル酸溶液25mlを添加し、20分間振とうする。次いで、3mol/lの水酸化ナトリウム溶液を添加し、更にクエン酸ナトリウム緩衝液(pH2.2)を添加してpHを2.2に調整し全容量を100mlとした後、メンブランフィルター(0.45μm)で濾過し試験溶液を得る。アミノ酸自動分析計によって試験溶液からアミノ酸の含有量を測定した。アミノ酸自動分析計の操作条件は次の通りである。
機種 :L−8800形高速アミノ酸分析計(株式会社 日立製作所)。
カラム:日立カスタムイオン交換樹脂、直径4.6mmx長さ60mm(株式会社 日立製作所)。
移動相:L−8500緩衝液(PF)(和光純薬工業株式会社)。
反応液:ニンヒドリン試薬(和光純薬工業株式会社)。
又、コンドロイチン硫酸は、「コンドロイチン硫酸ナトリウム」の定量法(食品添加物公定書第7版、第253頁)に準じ、イオウ含量を測定し、次式に従ってコンドロイチン硫酸含量に換算してコンドロイチン硫酸の含有量として測定した。
コンドロイチン硫酸含有量(%)=(イオウ含量(%)/6.36)x100
以下に本発明を実施例を以って更に詳しく説明する。
【実施例】
【0016】
(実施例1)
水洗いした、鮭の頭部、中骨、皮、カマ、尾、ヒレなどを含む残滓2.04kgをサイレントカッターで5mm以下のミンチにし、60℃の熱水1Lの入った容器に入れ、タンパク質分解酵素としてアルカラーゼ(ノボザイム社製)を2g添加し、60℃に加温しながら2時間攪拌してタンパク質を分解後、2mmの金網を通し、骨を濾し分けて分解液2682gを得た。この分解液を5,000rpmで10分間遠心分離し、不溶解物を沈殿物として分離し、液層を分液ロートに移して油分を分離して、2049gの半透明の淡黄褐色で魚特有の臭いのある溶液を得た。
この溶液を90℃で5分間加熱し酵素を失活させた後、合成吸着剤として多孔性非極性樹脂HP‐20(三菱化学社製)を2000cm3充填したカラムに通し、洗浄液も含めて2650cm3の微黄色で無臭の溶液を得た。この溶液に活性炭10gを添加し、50℃に加温しながら1時間攪拌処理を行った後、珪藻土を30g添加し、濾過して、ほとんど無色、無臭の溶液を得た。
次に、この溶液を電気透析装置G3型(旭化成製)を用い、15Vの定圧電流で4時間脱塩し、塩分濃度を0.4質量%まで低下させ、容量約500cm3まで濃縮し、凍結乾燥して、淡黄色でわずかに特有の臭いのする粉末混合物85.2gを得た。
この粉末混合物について、アンセリンの定量を上述のアミノ酸自動分析法で、又コンドロイチン硫酸は上述の「コンドロイチン硫酸ナトリウム」の定量法で測定した結果、3.2質量%のアンセリンと24.0質量%のコンドロイチン硫酸を含んでいた。出発原料である鮭の残滓1kg当りのコンドロイチン硫酸の収率は約1.0%であった。
【0017】
(実施例2)
水洗いした、鮭一匹分の中骨、皮、カマ、尾、ヒレなどを含む残滓1.2kgをサイレントカッターで5mm以下に細断し、60℃の熱水1Lを入れた容器に入れ、タンパク質分解酵素としてアルカラーゼを1.2g添加し、60℃に加温しながら2時間攪拌してタンパク質を分解後、2mmの金網で骨を濾し分けて2400gの分解液を得た。この分解液を実施例1と同様に遠心分離処理し、不溶解物および油分を分離して、淡黄色で魚特有の臭いのする半透明の溶液1844gを得た。
この溶液のアンセリン含有量は固形分換算で2.6質量%であり、コンドロイチン硫酸含有量は固形分換算で10.6質量%であった。
この溶液を実施例1と同様に酵素を失活後、冷却しSEPABEADS SP−850(三菱化学社製)を1000cm3充填したカラムに通してほとんど無色・無臭の溶液とし、実施例1と同様に脱塩し、これを250gまで減圧濃縮後、凍結乾燥して45.4gの微黄色で無臭の粉末混合物を得た。
この粉末混合物について実施例1と同様の測定方法でアンセリンとコンドロイチン硫酸の定量測定を行った結果、3.5質量%のアンセリンと18.2質量%のコンドロイチン硫酸を含んでいた。出発原料である鮭の残滓1kg当りのコンドロイチン硫酸の収率は約0.7%であった。
【0018】
(実施例3)
鮭の頭部をサイレントカッターで5mm以下に細断したもの1kgを60℃の熱水1Lを入れた容器に入れ、タンパク質分解酵素としてアルカラーゼを1.0g添加し、60℃に加温しながら2時間攪拌してタンパク質を分解後、2mmの金網で骨を濾し分け2100gの分解液を得た。この分解液を実施例1と同様に遠心分離処理し、1743gの褐色で特有の魚臭のする半透明の溶液を得た。この溶液のアンセリン含有量は固形分換算で0.28質量%であり、コンドロイチン硫酸含有量は固形分換算で26.1質量%であった。
この溶液を実施例1と同様に酵素を失活後、多孔性非極性樹脂HP‐20(三菱化学社製)を1000cm3充填したカラムに通し、洗浄液も含めて1920cm3の淡黄色で無臭の溶液を得た。この溶液に活性炭10gを添加し50℃で1時間攪拌処理を行った後、珪藻土を30g添加して濾過し微黄色で無臭の溶液を得た。
次に、この溶液を実施例1と同様に脱塩し、約300gまで減圧濃縮後凍結乾燥して、34.4gの淡黄色の粉末混合物を得た。
この粉末混合物について実施例1と同様の測定方法でアンセリンとコンドロイチン硫酸の定量測定を行った結果、0.53質量%のアンセリンと47.1質量%のコンドロイチン硫酸を含んでいた。出発原料である鮭の頭部1kg当りのコンドロイチン硫酸の収率は1.6%であった。
【0019】
(比較例1)
鮭の頭部10kgを熱水中でバラし、鼻軟骨を920g得た。この鼻軟骨にアルカラーゼ0.6gと水450gを添加し、60℃で2時間処理して鼻軟骨を溶解し、淡褐色の乳濁した溶液を得た。この溶液を実施例1と同様に遠心分離により不溶解分と油分を分離し、半透明の淡褐色の溶液1320gを得た。この溶液を実施例1と同様に脱色、脱臭及び脱塩等の精製工程に掛け、微黄色で僅かに特有の臭いのある粉末43.6gを得た。この粉末について実施例1と同様の測定方法によって得られたコンドロイチン硫酸の含有量は52.7%であったがアンセリンは含まれていなかった。頭部からのコンドロイチン硫酸の収率は0.23%であり、実施例3と比較して凡そ1/7であった。
【出願人】 【識別番号】504200021
【氏名又は名称】長田 政司
【出願日】 平成16年5月24日(2004.5.24)
【代理人】 【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男

【識別番号】100084009
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信夫

【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤

【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治

【識別番号】100114007
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 孝二

【公開番号】 特開2005−333813(P2005−333813A)
【公開日】 平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願番号】 特願2004−153367(P2004−153367)