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【発明の名称】 大豆飲料
【発明者】 【氏名】秋元 光代
【住所又は居所】宮崎県延岡市旭町2丁目1番3号 旭化成ケミカルズ株式会社内

【要約】 【課題】粘度を上げることなく、大豆飲料に含まれる不溶性成分の凝集が抑制されるとともに沈殿現象が抑制あるいは緩和され、沈殿の再分散性が改善された、大豆飲料を提供する。

【解決手段】微細セルロースと親水性高分子を含む分散性のセルロース複合体を含有させることによって、大豆飲料中に存在する不溶性成分の凝集を抑制するとともに沈殿現象を抑制あるいは緩和させ、沈殿の再分散性を改善する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大豆粉末、および微細セルロースと親水性高分子からなるセルロース複合体を含有することを特徴とする大豆飲料。
【請求項2】
前記セルロース複合体が、微細セルロース20〜98質量%、親水性高分子2〜80質量%を含む組成物であることを特徴とする請求項1記載の大豆飲料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は大豆粉末を使用した飲料に関する。
【背景技術】
【0002】
食生活の欧米化により心臓疾患や高血圧等をはじめとする生活習慣病罹患率が増加している。最近の研究で大豆にコレステロール低下作用、血圧上昇抑制作用、整腸作用、ガン抑制効果、更年期障害の緩和、骨粗鬆症の緩和、抗酸化作用、糖尿病予防作用等さまざまな生理活性機能があり生活習慣病の予防や抑制に効果があることが証明されたことや、米国食品医薬品局(FDA)により大豆たんぱくが冠状動脈性心臓病のリスクを軽減する旨のヘルスクレームが認められたこととが、消費者の健康志向に合致したことにより大豆を原料とする食品、特に豆乳の消費量は急激な伸びを示している。
【0003】
しかし、豆乳の製造には多量の水が必要である上に、大豆の漬浸から豆乳が出来上がるまでに長時間を要し、さらには産業廃棄物としてオカラ(繊維質)が大量に発生するために製造コストがかさみ結果的に商品価格が高くなる。また豆乳の製造工程で発生する多量の産業廃棄物は環境問題にも発展する可能性がある。そのため豆乳と同等あるいはそれ以上の生理活性機能を有する大豆粉末を使用した飲料の提供が望まれている。ただし大豆粉末を使用して製造した飲料は大豆由来の不溶性成分が多いために豆乳に比べて不溶性成分の沈殿や凝集の発生量が多く、大豆粉末の中でも特に大豆全粒粉(全脂大豆粉)はオカラ(繊維質)が除去されていないため沈殿や凝集の発生量が多い傾向にある。このような不溶性成分の沈殿や凝集は飲料としての見栄えを損ない商品価値を大きく低下させるので問題であった。
【0004】
大豆粉末を使用して豆乳様飲料を製造する方法(特許文献1)が提案されている。しかしながらこの方法では多量の不溶性成分の沈殿や凝集が発生し、沈殿の再分散性も不良であるため保存安定性に問題があった。また大豆飲料にセルロース複合体以外の増粘剤を添加して沈殿や凝集を抑制すると、激しい増粘により糊状感が大きくなって口当たりが悪くなるという問題があった。
【特許文献1】特開2004−16120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は大豆飲料にセルロース複合体を含有させることによって、増粘を引き起こすことなく、大豆飲料に含まれる不溶性成分の凝集が抑制されるとともに、沈殿現象が抑制あるいは緩和され、沈殿の再分散性が改善された大豆飲料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、前記課題を解決するため大豆飲料に含まれる不溶性成分の凝集を抑制するとともに、沈殿現象を抑制あるいは緩和し、沈殿の再分散性が改善され、かつ低粘度で口当たりの良い大豆飲料を提供するために鋭意研究を重ねた結果、特定のセルロース複合体を配合することにより課題を解決できることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、下記の通りである。
(1)大豆粉末、および微細セルロースと親水性高分子からなるセルロース複合体を含有することを特徴とする大豆飲料。
【0007】
(2)前記セルロース複合体が、微細セルロース20〜98質量%、親水性高分子2〜80質量%を含む組成物であることを特徴とする(1)記載の大豆飲料。
【発明の効果】
【0008】
本発明は大豆飲料にセルロース複合体を含有させることによって、増粘させることなく、大豆飲料に含まれる不溶性成分の凝集が抑制されるとともに、沈殿現象が抑制あるいは緩和され、沈殿の再分散性改善をはかることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明について、特にその好ましい形態を中心に、具体的に説明する。本発明に使用されるセルロース複合体とは、すくなくとも微細セルロース20〜98質量%と親水性高分子2〜80質量%を含む組成物であり、水等を媒体として安定な懸濁液をあたえるもので、たとえば、水中で機械的に攪拌すると、後述の方法で測定した場合に平均粒径20μm以下、好ましくは10μm以下の微細セルロース粒子に分散する。本発明の分散性のセルロース複合体としては公知のものを使用することが可能であり、例えば特公昭40−14174号公報、特公昭62−43661号公報、特開平6−335365号公報に記載のものが使用できる。
【0010】
本発明で用いられる分散性のセルロース複合体は、好ましくは、木材パルプ、ケナフパルプ、稲わらパルプ、麦わらパルプ、バガスパルプ、精製リンター、穀物又は果実由来の食物繊維等のセルロース系素材を酸加水分解、アルカリ酸化分解、爆砕、酵素分解等により解重合処理したのち、親水性高分子と混合して湿式共磨砕して乾燥することにより得られる。またセルロース系素材を解重合処理した後、磨砕して得られた微細セルロースに親水性高分子を均一に混合して均質なスラリーとし、これを乾燥する方法で調製しても良い。
本発明で言う微細セルロースとは、水中で機械的に攪拌し後述の方法で測定した場合に平均粒径20μm以下、好ましくは10μm以下となるように解重合処理されたセルロースのことをいう。
【0011】
本発明で使用される親水性高分子とは、水あるいは冷水中で膨潤、ゲル化、溶解するような水との親和性が高い高分子を意味する。その例としてはアラビアガム、アラビノガラクタン、アルギン酸およびその塩、カードラン、ガッティーガム、カラギーナン、カラヤガム、寒天、キサンタンガム、グアガム、酵素分解グアガム、クインスシードガム、ジェランガム、タラガム、ゼラチン、タマリンドシードガム、難消化性デキストリン、トラガントガム、ファーセラン、プルラン、ペクチン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、グルコマンナン等がある。これら親水性高分子は単独で使用しても良いし複数を選択して使用しても良い。親水性高分子として好ましいのはカラギーナン、カラヤガム、キサンタンガム、ジェランガム、難消化性デキストリン、ペクチン、カルボキシメチルセルロースナトリウムである。特に好ましいのはカラヤガム、キサンタンガム、難消化性デキストリン、カルボキシメチルセルロースナトリウムである。
【0012】
また、必要に応じ微細セルロースと親水性高分子に加えて、親水性物質がセルロース複合体に含まれていても良い。親水性物質とは、冷水への溶解性が高く、粘性を殆どもたらさない25℃で固体状の有機物であり、澱粉加水分解物、デキストリン類、トレハロース、ショ糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、異性化糖、カップリングシュガー、パラチノース、ネオシュガー、還元澱粉糖化飴、キシロース、ソルボース、ラクツロース、ポリデキストロース等の水溶性糖類、マルチトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール等の糖アルコール類等が挙げられる。好ましくは、澱粉加水分解物、デキストリン類、ブドウ糖、果糖、庶糖、乳糖、麦芽糖、ポリデキストロース、マンニトール、ソルビトールである。これらの親水性物質は単独で使用しても良いし複数を使用しても良い。さらにセルロース複合体の分散を妨げなければ、微細セルロース、親水性高分子、親水性物質以外に、油脂類、乳化剤等のその他成分を配合することは自由である。
【0013】
本発明の大豆飲料における分散性のセルロース複合体の配合量は、0.01〜1.0質量%が好ましい。さらに好ましくは0.1〜0.8質量%である。これら分散性のセルロース複合体は単独で使用しても良いし、同時に複数のセルロース複合体を使用しても良い。例えば微細セルロースと天然由来親水性高分子を含むセルロース複合体と、微細セルロースとカルボキシメチルセルロースナトリウムを含むセルロース複合体を組み合わせて使用すると、不溶性成分の凝集抑制・沈殿抑制・沈殿の再分散性改善に対し、単独で使用する場合よりもさらに高い効果が期待できる。
本発明における大豆飲料とは大豆粉末を使用した飲料のことであり、濃度は特に限定されないが、好ましくは大豆固形分として0.5〜25%、大豆たんぱく質換算としては0.9〜25%である。また本発明における大豆飲料は豆乳という区分からは除外される。これは日本農林規格(JAS)に、大豆を粉末にしたものを使用した場合は豆乳に区分されないと規定されていることを根拠とする。
【0014】
本発明で使用する大豆粉末とは、大豆全粒粉(全脂大豆粉)、脱脂大豆粉、粉末状濃縮大豆たんぱく、粉末状抽出大豆たんぱく、粉末状分離大豆たんぱくの中のすくなくとも1つを含み、好ましくは、平均粒径が0.1〜300μm、より好ましくは1〜50μmのものである。また、これらの原料となる大豆は脱皮処理を施されたものを使用しても良い。
本発明で使用される大豆全粒粉(全脂大豆粉)とは大豆を乾燥、粉砕することによってえられる粉末のことでありオカラ(繊維質)を多く含有している。脱脂大豆粉とは、大豆から搾油した後の脱脂大豆を乾燥、粉砕することによってえられる粉末のことである。粉末状濃縮大豆たんぱくとは、脱脂大豆粉からホエー画分である糖類その他の可溶性成分を除去して乾燥させたものである。粉末状抽出大豆たんぱくとは脱脂大豆を水に懸濁させてたんぱく質と可溶性成分を抽出し、不溶画分であるオカラ(繊維質)を除去してから濃縮、乾燥させた粉末のことである。粉末状大豆たんぱくとは、脱脂大豆粉から希アルカリ処理によりたんぱく質を抽出して不溶成分を遠心分離で除去したのち、抽出液に希酸を加えたんぱく質を沈殿させ、沈殿したたんぱく質を乾燥させたものである。
【0015】
上記、大豆粉末とセルロース複合体を水中に分散・混合させることにより、本発明の大豆飲料をえることができる。分散効率を上げるために、分散時の液温は60℃以上であることが好ましい。また分散工程でpH調整剤、増粘剤、安定剤、乳化剤、消泡剤、発泡剤、牛乳、クリーム、全脂粉乳、脱脂粉乳、練乳、豆乳、糖類、塩類、ココア、抹茶、きなこ、ごま、麦芽、コーヒー、紅茶、ビタミン、ミネラル、食物繊維、香料、色素、酸味料、油脂類、果汁、野菜汁、たんぱく質、ペプチド、アミノ酸等を添加することは特に制限されない。
【0016】
分散液の分散処理は、好ましくは、マントンゴーリン型ホモジナイザーのような高圧ホモジナイザーを使用して行うが、処理圧力は5MPa以上であることが好ましい。特に好ましくは15MPa以上である。また必要に応じて超高圧ホモジナイザーを使用しても良い。市販の超高圧ホモジナイザーの例としては、ナノマイザー〔ナノマイザー(株)製〕やマイクロフルイダイザー〔Microfluidics社製〕がある。この処理は必要に応じて複数回実施しても良い。
【0017】
このようにしてえられた、本発明の大豆飲料を殺菌処理する方法としては、HTST殺菌法、UHT殺菌法、レトルト殺菌法、ホットパック殺菌法等があるが、必要に応じて適した殺菌法を選択することができる。
本願発明の大豆飲料は、たとえば、紙パック、テトラパック、PET容器、缶、ビン、カップ等に充填され、冷蔵又は室温で流通、保存される。
【0018】
次に実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。なお本願発明にかかる物質の諸物性の評価は以下の手法に拠った。
(a)大豆粉末平均粒径の測定:固形分換算で10gの大豆粉末サンプルに純水を加えて全量を1000gとし、500rpmで5分間プロペラ攪拌する。この分散液をレーザー回折式粒度分布測定装置〔堀場製作所(株)製、商標、LA−910〕を用いて、1分間超音波分散した後、相対屈折率1.20で測定した時の積算体積50%の粒径を平均粒径とした。
【0019】
(b)セルロース複合体分散粒子平均粒径の測定:固形分換算で3gの乾燥セルロース複合体サンプルに純水を加えて全量を300gとし、エクセルオートホモジナイザー〔商標、日本精機(株)製〕にて15000rpmで5分間分散させる。この分散液をレーザー回折式粒度分布測定装置〔堀場製作所(株)製、商標、LA−910〕を用いて、1分間超音波分散した後、相対屈折率1.20で測定した時の積算体積50%の粒径を平均粒径とした。
(c)大豆飲料粘度測定:製造後5℃中で、7日間および31日間保存した後に、B形粘度計〔東京計器(株)製〕、ローター回転数60rpmで測定した。
【0020】
(d)大豆飲料中沈殿及び容器付着物の目視観察:製造後5℃及び25℃中で、7日間及び31日間保存した後に、容器底面部と容器側面部に沈積した不溶性成分の沈殿・付着物を目視観察し以下のように評価した。
◎:容器底部に沈殿無し。
○:容器底部に少量の沈殿が認められる。
△:容器底部に沈殿が認められる。
×:容器底部に密で固着した沈殿が認められる。
××:容器底部に密で固着した沈殿が認められ、かつ容器側面部に固着した付着物が認められる。
【0021】
(e)大豆飲料中不溶性成分の凝集状態:製造後5℃中で31日間保存した後に、それぞれの容器底部から不溶性成分をスポイトで採取して光学顕微鏡で観察した。観察倍率は40倍とし以下のように評価した。
◎:不溶性成分の凝集無し。(10μm以上の凝集物が無い。)
○:不溶性成分の弱い凝集有り。(10μm以上、20μm未満の小さい凝集物がわずかに存在するものの、20μm以上の大きな凝集物は無い。)
△:不溶性成分の強い凝集有り。(20μm以上の大きな凝集物が少量存在する。)
×:不溶性成分の強い凝集有り。(20μm以上の大きな凝集物が多量に存在する。)
【0022】
(f)大豆飲料の再分散回数:製造後5℃及び25℃中で、7日間及び31日間保存した後に再分散回数を数えた。再分散回数とは保存高濃度紅茶抽出液が入った200mLガラス製容器を倒立して元に戻す操作を1回と数え、この倒立と元に戻す操作の繰り返しによって容器底部に沈積した不溶性成分の沈殿が解消されるまでに要した回数のことである。
【0023】
(g)大豆飲料の官能評価:製造後5℃で7日間保存した後に、15人のパネラーに糊状感の有無を判定してもらい以下のように評価した。
◎:糊状感有りと答えたパネラー数が0〜2人
○:糊状感有りと答えたパネラー数が3〜5人
△:糊状感有りと答えたパネラー数が6〜8人
×:糊状感有りと答えたパネラー数が9〜15人
【実施例】
【0024】
本発明を実施例に基づいて説明する。
[実施例1]
(1)セルロース複合体Aの調製:市販DPパルプ(平均重合度850)を裁断後、7%塩酸中で105℃、20分間加水分解処理を行い、純水にて濾過洗浄し、ウェットケークを得た。このウェットケークに、セルロース/カラヤガム/デキストリン=80/10/10の比率となるようにカラヤガムとデキストリンを配合し、ニーダーにて練合・磨砕を行った。次いで手でもみほぐしてから熱風乾燥し、ハンマーミルにて粉砕することにより、セルロース複合体Aを得た。前記(b)の手法により測定した、セルロース複合体Aの分散粒子平均粒径は、7.3μmであった。
【0025】
(2)セルロース複合体処理大豆飲料の調製:大豆全粒粉〔日清オイリオ(株)製〕240g、グラニュー糖〔第一糖業(株)製〕60g、セルロース複合体A10gを混合したものに25℃の水を加えて3000gとし、500rpmで5分間プロペラ攪拌した後、攪拌を続けながら10分間で80℃まで昇温し、80℃に達温してからさらに3分間攪拌する。続いてマントンゴーリン型ホモジナイザーを用いて圧力15MPaで分散液を処理し、次にHTST殺菌機を用いて140℃で60秒間殺菌処理して、セルロース複合体を含有する大豆飲料を得た。この大豆飲料を200mLガラス製容器に分注し、容器を10回倒立した後、5℃及び25℃で31日間保存した。
(3)大豆飲料の評価:(2)で調製した、大豆飲料を、前記(c)〜(g)の手法により物性評価をおこなった。結果を表1、表2、表3、表4に示す。
【0026】
[実施例2]
(1)セルロース複合体Bの調製:実施例1で調製したウェットケークに、微細セルロース/カルボキシメチルセルロースナトリウムの比率が89/11となるようにカルボキシメチルセルロースナトリウムを加え、ニーダーにて練合・磨砕を行った。次いで手でもみほぐしてから熱風乾燥し、ハンマーミルにて粉砕することにより、セルロース複合体Bを得た。前記(b)の手法により測定した、セルロース複合体Bの分散粒子平均粒径は、8.3μmであった。
【0027】
(2)セルロース複合体Cの調製:実施例1で調製したウェットケークに純水を加え、セルロース系素材の解重合処理物が固形分換算で10質量%になるように水分散液を調製した。これを超高圧ホモジナイザーで、125MPaの圧力で2回破砕処理を行い、ペースト状の微細セルロースを得た。このペーストに微細セルロース/キサンタンガム/デキストリンの比率が75/5/20となるようにキサンタンガムとデキストリンを配合し、純水を加えて、総固形分濃度が7質量%の分散液を調製した。この分散液を平滑なアルミニウム板上に約3mmの厚さで伸展し、熱風乾燥機を使用して80℃で60分間乾燥し、得られたフィルム状物を手でもみほぐし、鱗片状のセルロース複合体Cを得た。前記(b)の手法により測定した、セルロース複合体Cの分散粒子平均粒径は、3.1μmであった。
【0028】
(3)セルロース複合体処理大豆飲料の調製:大豆全粒粉〔日清オイリオ(株)製〕240g、グラニュー糖〔第一糖業(株)製〕60g、4gのセルロース複合体B、3gのセルロース複合体Cを混合したものに25℃の水を加えて3000gとし、500rpmで5分間プロペラ攪拌した後、攪拌を続けながら10分間で80℃まで昇温し、80℃に達温してからさらに3分間攪拌する。続いてマントンゴーリン型ホモジナイザーを用いて圧力15MPaで分散液を処理し、次にHTST殺菌機を用いて140℃で60秒間殺菌処理して、セルロース複合体を含有する大豆飲料を得た。この大豆飲料を200mLガラス製容器に分注し、容器を10回倒立した後、5℃及び25℃で31日間保存した。
(4)大豆飲料の評価:(3)で調製した、大豆飲料を、前記(c)〜(g)の手法により物性評価をおこなった。結果を表1、表2、表3、表4に示す。
【0029】
[実施例3]
(1)セルロース複合体処理大豆飲料の調製:実施例2の(1)で調整したセルロース複合体Bと実施例2の(2)で調整したセルロース複合体Cを使用した。大豆全粒粉〔日清オイリオ(株)製〕240g、グラニュー糖〔第一糖業(株)製〕60g、6.5gのセルロース複合体B、5.5gのセルロース複合体Cを混合したものに25℃の水を加えて3000gとし、500rpmで5分間プロペラ攪拌した後、攪拌を続けながら10分間で80℃まで昇温し、80℃に達温してからさらに3分間攪拌する。続いてマントンゴーリン型ホモジナイザーを用いて圧力15MPaで分散液を処理し、次にHTST殺菌機を用いて140℃で60秒間殺菌処理して、セルロース複合体を含有する大豆飲料を得た。この大豆飲料を200mLガラス製容器に分注し、容器を10回倒立した後、5℃及び25℃で31日間保存した。
(2)大豆飲料の評価:(1)で調製した、大豆飲料を、前記(c)〜(g)の手法により物性評価をおこなった。結果を表1、表2、表3、表4に示す。
【0030】
[実施例4]
(1)セルロース複合体処理大豆飲料の調製:実施例2の(1)で調整したセルロース複合体Bと実施例2の(2)で調整したセルロース複合体Cを使用した。粉末状分離大豆たんぱく〔フジプロテインテクノロジー(株)製〕90g、グラニュー糖〔第一糖業(株)製〕80g、3.5gのセルロース複合体B、2.5gのセルロース複合体Cを混合したものに80℃の水を加えて2000gとし、温度を保ちながら600rpmで15分間プロペラ攪拌した。続いてマントンゴーリン型ホモジナイザーを用いて圧力15MPaで分散液を処理し、次にHTST殺菌機を用いて140℃で60秒間殺菌処理して、セルロース複合体を含有する大豆飲料を得た。この大豆飲料を200mLガラス製容器に分注し、容器を10回倒立した後、5℃及び25℃で31日間保存した。
(2)大豆飲料の評価:(1)で調製した、大豆飲料を、前記(c)〜(f)の手法により物性評価をおこなった。結果を表5、表6、表7、表8に示す。
【0031】
[実施例5]
(1)セルロース複合体処理大豆飲料の調製:実施例2の(1)で調整したセルロース複合体Bと実施例2の(2)で調整したセルロース複合体Cを使用した。粉末状分離大豆たんぱく〔フジプロテインテクノロジー(株)製〕60g、グラニュー糖〔第一糖業(株)製〕80g、ココア〔バンホーテン社製〕30g、3.5gのセルロース複合体B、2.5gのセルロース複合体Cを混合したものに80℃の水を加えて2000gとし、温度を保ちながら600rpmで15分間プロペラ攪拌した。続いてマントンゴーリン型ホモジナイザーを用いて圧力15MPaで分散液を2回処理し、次にHTST殺菌機を用いて140℃で60秒間殺菌処理して、大豆飲料を得た。この大豆飲料を200mLガラス製容器に分注し、容器を10回倒立した後、5℃及び25℃で31日間保存した。
(2)大豆飲料の評価:(1)で調製した、大豆飲料を、前記(c)〜(f)の手法により物性評価をおこなった。結果を表5、表6、表7、表8に示す。
【0032】
[比較例1]
(1)大豆飲料の調製:大豆全粒粉〔日清オイリオ(株)製〕240g、グラニュー糖〔第一糖業(株)製〕60gを混合したものに25℃の水を加えて3000gとし、500rpmで5分間プロペラ攪拌した後、攪拌を続けながら10分間で80℃まで昇温し、80℃に達温してからさらに3分間攪拌する。続いてマントンゴーリン型ホモジナイザーを用いて圧力15MPaで分散液を処理し、次にHTST殺菌機を用いて140℃で60秒間殺菌処理して大豆飲料を得た。この大豆飲料を200mLガラス製容器に分注し、容器を10回倒立した後、5℃及び25℃で31日間保存した。
(2)大豆飲料の評価:(1)で調製した、大豆飲料を、前記(c)〜(g)の手法により物性評価をおこなった。結果を表1、表2、表3、表4に示す。
【0033】
[比較例2]
(1)大豆飲料の調製:大豆全粒粉〔日清オイリオ(株)製〕240g、グラニュー糖〔第一糖業(株)製〕60g、キサンタンガム6g〔三栄源エフ・エフ・アイ(株)製〕を混合したものに25℃の水を加えて3000gとし、500rpmで5分間プロペラ攪拌した後、攪拌を続けながら10分間で80℃まで昇温し、80℃に達温してからさらに3分間攪拌する。続いてマントンゴーリン型ホモジナイザーを用いて圧力15MPaで分散液を処理し、次にHTST殺菌機を用いて140℃で60秒間殺菌処理して大豆飲料を得た。この大豆飲料を200mLガラス製容器に分注し、容器を10回倒立した後、5℃及び25℃で31日間保存した。
(2)大豆飲料の評価:(1)で調製した、大豆飲料を、前記(c)〜(g)の手法により物性評価をおこなった。結果を表1、表2、表3、表4に示す。
【0034】
[比較例3]
(1)大豆飲料の調製:粉末状分離大豆たんぱく〔フジプロテインテクノロジー(株)製〕90g、グラニュー糖〔第一糖業(株)製〕80gを混合したものに80℃の水を加えて2000gとし、温度を保ちながら600rpmで15分間プロペラ攪拌した。続いてマントンゴーリン型ホモジナイザーを用いて圧力15MPaで分散液処理し、次にHTST殺菌機を用いて140℃で60秒間殺菌処理して大豆飲料を得た。この大豆飲料を200mLガラス製容器に分注し、容器を10回倒立した後、5℃及び25℃で31日間保存した。
(2)大豆飲料の評価:(1)で調製した、大豆飲料を、前記(c)〜(f)の手法により物性評価をおこなった。結果を表5、表6、表7、表8に示す。
【0035】
[比較例4]
(1)大豆飲料の調製:粉末状分離大豆たんぱく〔フジプロテインテクノロジー(株)製〕60g、グラニュー糖〔第一糖業(株)製〕80g、ココア〔バンホーテン社製〕30gを混合したものに80℃の水を加えて2000gとし、温度を保ちながら600rpmで15分間プロペラ攪拌した。続いてマントンゴーリン型ホモジナイザーを用いて圧力15MPaで分散液を2回処理し、次にHTST殺菌機を用いて140℃で60秒間殺菌処理して大豆飲料を得た。この大豆飲料を200mLガラス製容器に分注し、容器を10回倒立した後、5℃及び25℃で31日間保存した。
(2)大豆飲料の評価:(1)で調製した、大豆飲料を、前記(c)〜(f)の手法により物性評価をおこなった。結果を表5、表6、表7、表8に示す。
【0036】
【表1】


【0037】
【表2】


【0038】
【表3】


【0039】
【表4】


【0040】
【表5】


【0041】
【表6】


【0042】
【表7】


【0043】
【表8】


【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、飲料に含まれる不溶性成分の凝集抑制効果、沈殿の抑制あるいは緩和効果、沈殿の再分散性改善効果を示し、飲料用途として好適である。
【出願人】 【識別番号】303046314
【氏名又は名称】旭化成ケミカルズ株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区有楽町一丁目1番2号
【出願日】 平成16年5月24日(2004.5.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−333805(P2005−333805A)
【公開日】 平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願番号】 特願2004−153088(P2004−153088)