| 【発明の名称】 |
トコトリエノール含有家禽卵 |
| 【発明者】 |
【氏名】築野 卓夫 【住所又は居所】和歌山県伊都郡かつらぎ町大字新田94番地 築野食品工業株式会社内
【氏名】南 晴康 【住所又は居所】和歌山県伊都郡かつらぎ町大字新田94番地 築野食品工業株式会社内
【氏名】加藤 浩司 【住所又は居所】和歌山県伊都郡かつらぎ町大字新田94番地 築野食品工業株式会社内
【氏名】辻脇 里美 【住所又は居所】和歌山県伊都郡かつらぎ町大字新田94番地 築野食品工業株式会社内
【氏名】金谷 由美 【住所又は居所】和歌山県伊都郡かつらぎ町大字新田94番地 築野食品工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トコトリエノール含有植物油抽出物を家禽に飼料として与えることによって得られる卵黄100gに対し0.3mg以上のトコトリエノールを含有する家禽卵。 【請求項2】 米糠油抽出物を家禽に飼料として与えることによって得られる卵黄100gに対し0.3mg以上のトコトリエノールを含有する家禽卵。 【請求項3】 米糠油抽出物を家禽に飼料として与えることによって得られる抗酸化作用を有する家禽卵。 【請求項4】 米糠油抽出物を家禽に飼料として与えることによって得られる過酸化脂質を減じた家禽卵。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はトコトリエノールを含有する家禽卵およびその生産方法に関する。より詳しくは、トコトリエノール含有植物油抽出物、特に米糠油抽出物を家禽に飼料として与えることによって得られる、トコトリエノールを豊富に含有し、また抗酸化作用を有し、さらに過酸化脂質が少ない家禽卵に関するものである。 【背景技術】 【0002】 古くから、米糠はビタミンB群やミネラルが多く、家禽家畜の栄養補給を目的として飼料として利用されてきた。しかし、米糠には最近さまざまな機能性物質が発見されており、健康食品への応用がなされている。米糠の機能性は人にのみ対するものではなく、家禽家畜に対しても期待できる。しかしながら、いまだ米糠及び米糠抽出物を家禽家畜の飼料としたときの、明確な機能性のデータは得られていない。 【0003】 一方、鶏卵をはじめ、家禽卵は日常もっとも身近なタンパク源の1つであるが、脂質含量が高いために、倦厭する消費者がいるのも実情である。さらに、脂質含量が高いと、一般的に過酸化物の含量も高くなる。過酸化物を人が摂取すると、異常に多い場合は下痢や発熱を発し、これら症状を発しない場合でも、体内で蓄積されて、あるいは正常な脂質まで過酸化することにより、さらに過酸化物の蓄積が増加して、動脈硬化症や癌の発症因子となる。 【0004】 すでに、家禽に飼料を与えることによって抗酸化作用を有する機能性卵を製造する技術については、特開2003−52338と特開平7−143864に記載されている。前者は、抗酸化作用を家禽卵に保有させるためにクリプトキサンチンを、後者はアスタキサンチンを与えている。両者ともビタミンAの前駆体であり、ビタミンAは欠乏症だけでなく、過剰症も知られており、適切な摂取量が難しいと言われている。 【0005】 また、特開平8−308509には植物油の精製工程で発生する脱臭スカム油を飼料として家禽に与えると、低コレステロール卵が得られるとの記載がある。特開平8−308509の発明者らは卵を低コレステロール化する成分は、脱臭スカム油に含まれる植物ステロールと考えている。脱臭スカム油にはトコフェロールが含まれるとしているが、トコトリエノールについては一切記載されておらず、まったくの考察外である。更に、本発明でトコトリエノールを多く含むとして注目した米糠についても、植物の原料として一切の記述はない。 【0006】 トコトリエノールは、最近強い抗酸化力が注目され、それにより動脈硬化症や癌を抑制することが分かってきている。トコトリエノールを高含する家禽卵が開発されれば、人間にとって米糠よりも摂取しやすい形で食することができ、またその抗酸化作用によって、鶏卵の品質向上、さらには本発明の鶏卵を食した人の健康増進にまでつながる画期的な発明である。 【特許文献1】特開2003−52338号公報 【特許文献2】特開平7−143864号公報 【特許文献3】特開平8−308509号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明の目的は、他の植物からは摂取が困難なトコトリエノールを、摂取しやすい形態で、食することができる鶏卵を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明者らは、前記課題を解決するために、多種類のトコトリエノール含有植物油抽出物を家禽用飼料に添加し、得られた家禽卵の分析を細部にわたるまで丁寧に研究・検討した結果、特に米糠油抽出物を与えた場合に、家禽の卵黄にトコトリエノールが増加することを発見した。さらに卵黄の過酸化脂質が低下し、卵自身にも抗酸化作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0009】 すなわち、本発明においてはトコトリエノール含有植物油抽出物、特に米糠油抽出物を家禽用飼料に添加するだけで前記課題を解決できる。米糠には、他の植物からは摂取が困難なトコトリエノールが豊富に含まれている。トコトリエノールはビタミンEの一種とも言われている。ビタミンEは、摂取量の多い人のほうが寿命が長いという疫学研究の結果も知られており、人間にとって、ビタミンEの一種を摂取しやすい家禽卵という形態で食できることは大変有意義なことである。 【0010】 トコトリエノールは、ビタミンEの一種といっても、一般的にいうビタミンE、つまりα−トコフェロールよりも吸収がよいことが分かっている。また、抗酸化力も強大である。最近では、トコトリエノールの抗酸化作用に着目して、動脈硬化症や癌などに対する研究も行われている。 【0011】 現在トコトリエノールは、既にパームから抽出されて製品化されているものもある。本発明で述べるトコトリエノール含有植物油抽出物は、米糠由来だけではなく、パーム由来のものも考えられる。そのほか、大麦、小麦、オート麦、ココナッツ、ブドウ、大豆、ひまわり、とうもろこし、ごま、なたね、落花生、オリーブ等の種子植物も本発明のトコトリエノール含有植物油抽出物の原料となる。 【0012】 本発明に用いるトコトリエノール含有植物の内、米糠に関しては、発明者は日常の企業活動の中で大量の米糠を原料に米油を製造しているため、米糠の大量収集が容易である。加え、トコトリエノールを高含する米糠抽出物を調製する技術もすでに保有しており、本発明の実現化に際し非常に可能性が高い。 【0013】 本発明で特に言及する米糠油抽出物は、トコトリエノールを含有する米糠油抽出物であって、トコトリエノールにまで単離する必要はない。米糠から米油を精製する過程で得られる米糠原油、脱ガム油、脱酸油、脱ロウ油、米油脱臭留出物、米油、およびこれらを濃縮あるいは精製することによって得られる油溶性の抽出物が、本発明の米糠油抽出物に挙げられる。 【0014】 これら米糠油抽出物を一般の家禽用飼料に添加し、摂餌させるだけで、特別な飼育は必要ない。米糠油抽出物は、飼料に対し0.01〜20%添加することが出来る。より適切な配合率は0.1〜7.5%である。この配合率により、平均的な家禽卵のトコトリエノール含量(卵黄100gに対し0.29mg)以上のトコトリエノールを、すなわち卵黄100gに対し0.3mg以上に増強させた家禽卵を、効率よく生産することができる。 【0015】 米糠油抽出物以外のトコトリエノール含有植物油抽出物を飼料に添加する場合も、米糠油抽出物と同じ配合率で、卵黄100gに対しトコトリエノールを0.3mg以上に増強した家禽卵を生産することができる。 【発明の効果】 【0016】 家禽に飼料として所要量のトコトリエノール含有植物油抽出物、特に米糠油抽出物を与えると、ビタミンEの一種であるトコトリエノールが卵黄100gに対し0.3mg以上に増強された家禽卵を生産することができる。 【0017】 さらには、卵黄中の過酸化脂質を低減することができ、本発明の家禽卵を摂取する人への過酸化脂質の摂取を最小限にすることができる。 【0018】 加え、本発明の家禽卵は、抗酸化作用を有しているので、摂取した人の体内で過酸化物を消去あるいが減少することができ、ビタミンE類の摂取という栄養面だけではなく、健康に寄与できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 本発明に用いられるトコトリエノール含有植物油抽出物、あるいは米糠油抽出物は、油溶性の抽出物であるから、配合飼料の脂質含量として添加するのが好ましい。添加は、油状のまま練りこんでも良いし、粉体化して混和しても良いが、米糠由来の場合にはトコトリエノールをはじめとした抗酸化成分が含まれていることから、油に対する抗酸化剤を敢えて添加する必要はない。 【0020】 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【実施例1】 【0021】 米糠油抽出物(米油脱臭留出物)を通常の産卵用飼料に0.5%添加し、4週間、産卵鶏(20羽)に給与した。調製した米油脱臭留出物の組成は、ケン化価122.6、不ケン化物34.8%、トコフェロール2.2%、トコトリエノール2.0%であった。 飼育期間中、産卵鶏生存率、産卵率および卵重量を測定した結果を表1に示す。 (比較例1) 【0022】 実施例1と比較するために、通常の産卵用飼料のみを4週間、産卵鶏(20羽)に給与した。同様に、飼育期間中、産卵率および卵重量を測定した結果を表1に示す。 【0023】 【表1】
【0024】 表1の結果、産卵率および卵重量は、米糠油抽出物添加により増強することはなかったが、産卵鶏は全く死亡せず、米糠油抽出物は安全面でも特別問題がなかった。 【実施例2】 【0025】 実施例1の試験において、4週目の卵黄を取り出し、卵黄に含まれるビタミンE含量を液体クロマトグラフィーで測定した。トコフェロール含量とトコトリエノール含量を表2に示す。 (比較例2) 【0026】 比較例1の試験において、実施例2と同様に4週目の卵黄を取り出し、卵黄に含まれるビタミンE含量を測定した。トコフェロール含量とトコトリエノール含量を表2に示す。 【0027】 【表2】
【0028】 表2の結果より、米糠油抽出物を添加した飼料を産卵鶏に与えると、鶏卵中のトコフェロールおよびトコトリエノール含量が増加した。また、米糠油抽出物(米油脱臭留出物)0.5%の添加で、トコフェロール、トコトリエノール含量が約3倍に増加し、トコトリエノールは卵黄100gに対し0.85mgの含有量となった。 【実施例3】 【0029】 実施例1の飼育で得られた4週目採卵の卵黄について、過酸化物含量をチオバルビツール法を用いて測定した結果を表3に示す。 (比較例3) 【0030】 実施例3と同様に、比較例1で得られた鶏卵の卵黄について、過酸化物含量を測定した(表3)。 【0031】 【表3】
【0032】 表3より、米糠油抽出物(米油脱臭留出物)は、卵黄中の過酸化物を減じた。過酸化物を減少させる作用は、0.5%米油脱臭留出物で約50%と強かった。 【実施例4】 【0033】 実施例1で4週間飼育して採取した卵黄と比較例1の卵黄を潰し、クロロホルム:メタノール(容量比1:1)で油分を抽出し、50℃に保存した。油脂分析法による過酸化物価を測定したところ、実施例1の卵黄の方が酸化速度が遅く、米糠油抽出物添加飼料で飼育した産卵鶏の卵黄に抗酸化作用が認められた。 【0034】 本発明によれば、トコトリエノール含有植物油抽出物、特に米糠油抽出物を家禽に飼料として摂取させることによって、トコトリエノールを増強した家禽卵を得ることができる。トコトリエノールは米糠に多く含まれているが、米糠を摂取するのは味や臭いの面から摂取しづらい。しかし、トコトリエノールは人体にとって、有用な物質であるから、摂取しやすい形態を検討した結果、卵という形態で提供することが可能となった。しかもその方法は、家禽用飼料としてトコトリエノール含有植物油抽出物等の米糠油抽出物を添加するだけである。本発明のトコトリエノール含有家禽卵は米糠より摂取しやすく、実用的で手軽である。 本発明の機能性卵は卵黄中の過酸化物を減じており、ビタミンEの一種であるトコトリエノールを含んでいること、さらにトコトリエノール等により抗酸化力を有することからも、人の栄養補給および健康維持に非常に有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591066362 【氏名又は名称】築野食品工業株式会社 【住所又は居所】和歌山県伊都郡かつらぎ町大字新田94番地
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| 【出願日】 |
平成16年5月13日(2004.5.13) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−323518(P2005−323518A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月24日(2005.11.24) |
| 【出願番号】 |
特願2004−143021(P2004−143021) |
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