| 【発明の名称】 |
米飯類用油脂組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 康明 【住所又は居所】千葉県千葉市美浜区新港56 理研ビタミン株式会社千葉工場内
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| 【要約】 |
【課題】炊飯釜中での油脂の分散性に優れた米飯類用油脂組成物を提供する。
【解決手段】(a)油脂、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび(c)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含むことを特徴とする米飯類用油脂組成物。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)油脂、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび(c)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含むことを特徴とする米飯類用油脂組成物。 【請求項2】 (b)ポリグリセリン脂肪酸エステルがジグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする請求項1に記載の米飯類用油脂組成物。 【請求項3】 請求項1または2に記載の米飯類用油脂組成物を含有することを特徴とする米飯類。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、食用油脂を基材とする米飯類用油脂組成物、およびそれを含有する米飯類に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、米飯の艶、食味などの向上、ほぐれ性の改良、あるいは炊飯釜への米飯の付着防止、へら切れ、型離れなどの作業性の改善などを目的として、炊飯時に油脂を添加することが行われている。しかし油脂を単独で添加した場合、油脂が炊飯釜全体に均一に分散せず、炊きあがりの米飯への油脂の付着にむらができるという問題があった。そこで、油脂の分散性を高めるために乳化剤を添加する方法が数多く提案されている。 【0003】 即ち、それらは例えば、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルとデカグリセリンペンタ脂肪酸エステルを含有する炊飯用油脂組成物(特許文献1参照)、食用油脂と、その乳化剤としてエルカ酸エステルとを含有することを特徴とする米飯類用油脂組成物(特許文献2参照)、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびレシチンを必須成分として含有することを特徴とする炊飯用油脂組成物(特許文献3参照)、食用油脂100重量部に対して、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.05〜1重量部及びショ糖脂肪酸エステル0.05〜2重量部を配合してなる炊飯用油脂組成物(特許文献4参照)、食用油脂100重量部に対して、ポリグリセリン脂肪酸エステル0.05〜1重量部、ショ糖脂肪酸エステル0.05〜2重量部及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル0.01〜0.2重量部を配合してなる炊飯用油脂組成物(特許文献5参照)、などである。しかしながら、これらの技術はいずれも未だ完全に満足し得るものではなかった。 【0004】 【特許文献1】特開平09−191839号公報 【特許文献2】特開2001−017100号公報 【特許文献3】特開2001−161266号公報 【特許文献4】特開2002−153209号公報 【特許文献5】特開2003−339317号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明は、炊飯釜中での油脂の分散性に優れた米飯類用油脂組成物を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明者らは、上記課題に対して鋭意・検討を行った結果、(a)油脂、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび(c)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含むことを特徴とする米飯類用油脂組成物の開発に成功すると共に、該米飯類用油脂組成物が上記の課題を解決することを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。 【0007】 即ち、本発明は、次の1〜3からなっている。 1.(a)油脂、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび(c)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含むことを特徴とする米飯類用油脂組成物。 2.(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルがジグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする前記1に記載の米飯類用油脂組成物。 3.前記1または2に記載の米飯類用油脂組成物を含有することを特徴とする米飯類。 【発明の効果】 【0008】 本発明になる米飯類用油脂組成物は炊飯釜中での分散性に優れ、その結果、ほぐれ性、艶などが極めて良好で、かつ風味、食感に優れた米飯類を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0009】 本発明は、(a)油脂、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび(c)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを含むことを特徴とする米飯類用油脂組成物に関する。 【0010】 本発明で用いる油脂としては、食用可能な油脂であれば特に制限はなく、例えば大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、米糠油、コーン油、椰子油、パーム油、パーム核油、落花生油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油、ハイオレイックヒマワリ油などの植物油脂や牛脂、ラード、魚油、乳脂などの動物油脂、さらにこれら動植物油脂を分別、水素添加、エステル交換したもの、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等が挙げられ、好ましくは大豆油、菜種油、コーン油などである。 【0011】 本発明で用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応など自体公知の方法で製造される。 【0012】 上記ポリグリセリンは、通常グリセリンまたはグリシドールあるいはエピクロルヒドリン等を加熱し、重縮合反応させて得られる重合度の異なるポリグリセリンの混合物である。本発明で用いられるポリグリセリンとしては平均重合度が約2〜10程度のもの、例えば、具体的にはジグリセリン(平均重合度2)、トリグリセリン(平均重合度3)、テトラグリセリン(平均重合度4)、ヘキサグリセリン(平均重合度6)、オクタグリセリン(平均重合度8)またはデカグリセリン(平均重合度10)などが挙げられ、好ましくはジグリセリン、トリグリセリンまたはテトラグリセリン、より好ましくはジグリセリンが挙げられる。 【0013】 上記ジグリセリンとしては、グリセリンの平均重合度が約1.5〜2.4のジグリセリン組成物、またはグリセリン2分子からなるジグリセリンの含有量が約50質量%以上、好ましくは約70質量%以上、より好ましくは約90質量%以上であるジグリセリン組成物が挙げられる。ジグリセリンを高濃度化するための精製法としては、例えば蒸留あるいはカラムクロマトグラフィーなど自体公知の方法が用いられる。 【0014】 上記脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖の飽和または不飽和脂肪酸、好ましくは炭素数8〜18の直鎖の飽和または不飽和脂肪酸、より好ましくは炭素数18の直鎖の不飽和脂肪酸が挙げられる。例えば、具体的にはオレイン酸、リノール酸およびリノレン酸の群から選ばれる一種または二種以上の脂肪酸が挙げられ、好ましくはオレイン酸を約50質量%以上、より好ましくは約70質量%以上含有する脂肪酸または脂肪酸混合物が挙げられる。 【0015】 本発明で用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例として、ジグリセリンモノ脂肪酸エステルを高濃度に含むジグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。即ち、上記高純度のジグリセリンと脂肪酸を、例えば等モルで、エステル化反応させることにより、未反応のジグリセリン、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、ジグリセリンジ脂肪酸エステル、ジグリセリントリ脂肪酸エステルまたはジグリセリンテトラ脂肪酸エステルなどを含む混合物が得られる。次に、該混合物から自体公知の方法で未反応のジグリセリンなどを除き、さらに、該混合物を高真空蒸留、例えば分子蒸留することにより、留分として、例えばジグリセリンモノ脂肪酸エステルを約70質量%以上含むジグリセリン脂肪酸エステルが得られる。 【0016】 本発明で用いられるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルはソルビタン脂肪酸エステルに酸化エチレンを付加重合させることにより製造され、別名(ポリソルベート)と呼称されているものである。それらは、市場において、例えばアトラス パウダー(Atlas Powder)社からトゥイーン(商標登録)という製品名で販売されており、その構成脂肪酸の種類に応じてトゥイーン20(商標登録)、トゥイーン40(商標登録)、トゥイーン60(商標登録)、またはトゥイーン80(商標登録)等がある。 【0017】 ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルは、ソルビタン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の種類、エステル化度、または酸化エチレンの付加重合平均モル数等によってその特性が変化し、上記以外にも多くの製品がある。本発明で用いられるポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルとして、そのものの風味および水に対する溶解性の点から、トゥイーン40(商標登録)、トゥイーン60(商標登録)、またはそれらの相当品が好ましく用いられる。 【0018】 本発明に係る油脂組成物を製造するための装置としては、特に限定されないが、例えば、攪拌機、加熱用のジャケット、邪魔板等を備えた通常の攪拌・混合槽を用いることができる。攪拌機に装備する攪拌翼の形状はプロペラ型、かい十字型、ファンタービン型、ディスクタービン型またはいかり型等のいずれを用いても良いが、好ましくはプロペラ型である。 【0019】 本発明に係る油脂組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば油脂、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルを、約20〜100℃、好ましくは約50〜70℃にて攪拌下、混合・溶解することにより製造することができる。 【0020】 本発明に係る油脂組成物中には、(a)油脂が約20〜99質量%、好ましくは約40〜95質量%、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルが約0.1〜80質量%、好ましくは約5〜50質量%、および(c)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが約0.1〜10質量%、好ましくは約0.5〜5質量%の量で混合され、溶解されていることが好ましい。各成分の含有量は組成物全体が100質量%となるよう選択する。 【0021】 尚、本発明に係る油脂組成物中には、本発明の目的を阻害しない範囲で、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルまたはレシチン等の食品用乳化剤を加えることができる。ここで、グリセリン脂肪酸エステルには、グリセリンと脂肪酸のエステルの外、グリセリン酢酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル、またはポリグリセリン縮合リシノール酸エステルなどが含まれる。またレシチンには、分別レシチン、酵素分解レシチンまたは酵素処理レシチンなどが含まれる。 【0022】 本発明になる米飯類用油脂組成物は米飯の炊飯時に使用され、その使用方法に特に制限はない。具体的には、例えば(a)予め洗米と該油脂組成物を軽く混合した後炊飯器に入れ、そこへ水を加えて炊飯する方法、(b)炊飯器に洗米と水を入れ、そこへ該油脂組成物を添加した後炊飯する方法、(c)炊飯器に該油脂組成物を入れ、そこへ洗米と水を加えて炊飯する方法、あるいは(d)炊飯器に洗米を入れ、そこへ水の一部または全部と該油脂組成物を混合した分散液を加え炊飯する方法、などが挙げられる。 【0023】 また連続炊飯ラインの洗米に適用する場合には、予め洗米と該油脂組成物を軽く混合して用いるか、洗米の上から該油脂組成物を散布して混合して用いる。また連続炊飯ラインの蒸気加熱後の米飯に加える場合には、加熱して熱いうちに、または冷却後に噴霧して攪拌し、均一に該油脂組成物が米飯粒を覆うようにする。その場合、該油脂組成物をそのまま用いることもできるが、好ましくは水と該油脂組成物を混合した分散液として噴霧する方法である。 【0024】 本発明になる米飯類用油脂組成物の使用量は、米飯類の種類、米飯以外の配合物、水加減などにより異なり一様ではないが、例えば、生米に対して0.01〜5質量%、好ましくは0.05〜3質量%、更に好ましくは0.1〜2質量%である。 【0025】 本発明で言うところの米飯類としては、精白米を炊飯して得られる米飯の外に、例えば玄米ご飯、赤飯、こわ飯、炊き込みご飯、ピラフ、ドライカレーなどが挙げられる。また、おにぎりなどのようにそれらを加工した成形米飯類、あるいはそれらを冷凍した冷凍米飯類も本発明で言う米飯類に含まれる。 【実施例】 【0026】 以下、実施例をもって本発明を具体的に説明する。もちろん、本発明が以下に記載された実施例に限定されるものではないことは言うまでもない。 【0027】 [実施例1〜4、比較例1〜4]油脂組成物の作製 (1)油脂組成物作製用原材料 ・菜種油(吉原製油社) ・コーン油(日本食品化工社) ・ジグリセリンモノオレート(製品名:ポエムDO-100V;理研ビタミン社) ・テトラグリセリンモノオレート(製品名:SYグリスターMO-310;阪本薬品工業社) ・デカグリセリンモノオレート(製品名:ポエムJ-0381;理研ビタミン社) ・ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(製品名:Lamesorb SMS20;グルノー社) ・ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート(製品名:NIKKOL TS-30;日光ケミカルズ社) 【0028】 (2)上記原材料を種々の配合割合にて配合して種々の油脂組成物を作製した(実施例1〜4および比較例1〜4)。実施例1〜4にて作製した油脂組成物の配合組成を表1、更に比較例1〜4にて作製した油脂組成物の配合組成を表2に示した。 【0029】 【表1】
表中数値の単位は質量%である。 【0030】 【表2】
表中数値の単位は質量%である。 【0031】 (3)実施例1〜4および比較例1〜4の油脂組成物の作製方法 表1および表2に示した原材料の配合割合に基づいて、所定の原材料を300ml容ビーカーに入れ、60℃に加熱し、撹拌機(製品名:スリーワンモーター、型式:FBL−600、HEIDON社製)を用いて、200rpmにて撹拌しながら配合物を混合・溶解した。実施例および比較例の処理量は各々が200gになるようにした。なお、油脂組成物の着色のため、β−カロテン(30%懸濁液;ロッシュ社)を全量に対して2%添加した。 【0032】 [実施例5〜8、比較例5〜8]米飯の作製と評価 (1)米飯の作製 生米(新潟産コシヒカリ)300gを洗米し、常温(15〜25℃)の水に30分間浸漬後ざるに移して水を切った。この米を3合炊き電気炊飯器に入れ、水400gと前記油脂組成物1.5gを加えて炊飯し、米飯を得た。炊飯時に用いた油脂組成物を表3に示す。 【0033】 【表3】
【0034】 (2)米飯の評価 上記で得られた米飯を、下記表4に示す評価基準に従い10名のパネラーで評価試験を行った。結果は10名の評点の平均値として求め、以下の基準に従って記号化し、表5に示した。 ◎:極めて良好 平均値3.5以上 ○:良好 平均値2.5〜3.4 △:やや悪い 平均値1.5〜2.4 ×:悪い 平均値1.4以下 【0035】 【表4】
【0036】 【表5】
【0037】 実施例5〜8の米飯は比較例5〜8の米飯と比較して明らかに優れており、特に油脂の分散性、米飯のほぐれ性および艶において本発明品(実施例1〜4の油脂組成物)の効果が顕著に認められた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390010674 【氏名又は名称】理研ビタミン株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区三崎町2丁目9番18号
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| 【出願日】 |
平成16年4月28日(2004.4.28) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−312344(P2005−312344A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月10日(2005.11.10) |
| 【出願番号】 |
特願2004−133051(P2004−133051) |
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