| 【発明の名称】 |
レトルト粥の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉田 佳弘 【住所又は居所】東京都府中市住吉町5丁目13番地の1キユーピー株式会社研究所内
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| 【要約】 |
【課題】レトルト処理により過度に加熱されているにも拘わらず、鍋等で炊飯した手作りお粥と同様の風味を有するレトルト白粥の製造方法を提供する。
【解決手段】米、清水、及び不活性ガスを耐熱性容器に充填しレトルト処理を施すレトルト粥の製造方法において、前記米として精米に対し清水10%以下を添加あるいは無添加の状態で除糠用の粘着物質により糠層が除去された無洗米、及び前記不活性ガスとして炭酸ガスをそれぞれ用いて、13〜20%の水分とした無洗米、及び清水を耐熱性パウチに充填し、パウチのヘッドスペースの気体を炭酸ガス置換した後、レトルト処理を施すレトルト粥の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 米と清水を耐熱性パウチに充填し、パウチのヘッドスペースを不活性ガス置換した後密封してレトルト処理を施すレトルト粥の製造方法において、 前記米として精米に対し清水を10%以下を添加あるいは無添加の状態で除糠用の粘着物質により糠層が除去された無洗米及び前記不活性ガスとして炭酸ガスをそれぞれ用いて、13〜20%の水分とした無洗米及び清水を耐熱性パウチに充填し、パウチのヘッドスペースの気体を70容量%以上炭酸ガス置換した後、レトルト処理を施すことを特徴とするレトルト粥の製造方法。 【請求項2】 前記パウチのヘッドスペースの気体を90容量%以上炭酸ガス置換した請求項1記載のレトルト粥の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、レトルト処理により過度に過熱されているにも拘らず、鍋等で炊飯した手作りお粥と同様の大変好ましい風味を有するレトルト粥の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 レトルト処理を施されたレトルト粥は、常温で長期間保存でき単に温めるだけで簡便に喫食することが可能であり、しかも低カロリーであることから、近年の健康志向により、その需要が増加している。これらの代表的な製造方法としては、洗米浸漬した精米と清水をレトルトパウチ等の耐熱性容器に充填密封し、炊飯と殺菌を兼ねてレトルト処理を施す方法等が挙げられる。 【0003】 しかしながら、このようなレトルト粥は、その製造工程にレトルト処理による過度の熱がかかることが避けられないことから、単に、洗米浸漬した精米と清水を用い上述の方法で製しただけでは、通常の鍋等で炊飯した手作りお粥に比べ風味が劣るという問題があった。 【0004】 従来より、上述の方法で製し、レトルト粥の風味を改善することを目的とした製造方法に関する発明がいくつか提案されている。例えば、レトルト粥の風味を改善する方法としては特許第2986243号公報(特許文献1)に、洗米・浸漬した精米を清水とともに、耐熱性があり実質的に酸素透過性のない容器に充填した後、加圧加熱殺菌処理を行うレトルト食品米飯類の製造方法において、容器内の酸素量を常温で生米100g当たり2〜10mgとなるようにヘッドスペース中の酸素量及び水中の酸素量を調整するとともに、レトルトによる炊飯と殺菌を、初期品温を0〜40℃とし、100℃までの昇温時間を8〜12分とすることを特徴とするレトルト食品米飯類の製造方法が記載されている。そして、その実施例には、容器内の酸素量を調節するために、脱気水を使用し、ヘッドスペースを窒素置換したパウチ入りレトルト粥が記載されている。 【0005】 また、特許第3224806号公報(特許文献2)には、手作りお粥と同様の風味を有するとともに長期保存しても風味低下の抑制されたレトルト粥を得るために、容器の器壁全面がアルミ箔層を有している酸素バリア層を含む多層構造からなり、少なくともその一部が該酸素バリア層の内側に配した酸素吸収剤を含有する層を有するレトルト処理可能な耐熱性容器へ洗米・浸漬した精米を充填密封後、レトルト処理を施すレトルト粥の製造方法が記載されている。 【0006】 これらの技術はいずれも容器内の酸素量を調整することにより、具体的には、ヘッドスペースの窒素置換や脱気水の使用により、特許文献2においては更に酸素吸収層を有する容器によりレトルト粥の風味を改善する技術である。 【0007】 しかしながら、これらの従来技術により、確かに鍋等で炊飯した手作りお粥に近い風味のものが得られるものの依然として満足できる程の風味とは言い難いものであった。 【0008】 【特許文献1】特許第2986243号公報 【特許文献2】特許第3224806号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 そこで、本発明の目的は、レトルト処理を施されているにも拘らず、鍋等で炊飯した手作りお粥と同様、大変好ましい風味を有するレトルト粥の製造方法を提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明者等は、上記目的を達成すべくレトルト粥の原料や充填密封方法等、また様々な諸条件について鋭意研究を重ねた結果、特定の米を用い、且つヘッドスペースを特定の不活性ガス置換することにより、意外にも手作りお粥と同様の風味が得られることを見出し本発明を完成するに至った。 【0011】 つまり、本発明は、 (1)米と清水を耐熱性パウチに充填し、パウチのヘッドスペースを不活性ガス置換した後密封してレトルト処理を施すレトルト粥の製造方法において、前記米として精米に対し清水を10%以下を添加あるいは無添加の状態で除糠用の粘着物質により糠層が除去された無洗米、及び前記不活性ガスとして炭酸ガスをそれぞれ用いて、13〜20%の水分とした無洗米及び清水を耐熱性パウチに充填し、パウチのヘッドスペースの気体を70容量%以上炭酸ガス置換した後、レトルト処理を施すレトルト粥の製造方法、 (2)前記パウチのヘッドスペースの気体を90容量%以上炭酸ガス置換した(1)記載のレトルト粥の製造方法、 である。 【発明の効果】 【0012】 以上の構成により、本発明のレトルト粥は、レトルト処理により過度に加熱されているにも拘わらず、従来の方法で製されたレトルト粥と比べ、手作りお粥と同様、大変好ましい風味を有するレトルト粥が得られることから、レトルト粥の更なる需要の拡大が期待される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。 【0014】 本発明のレトルト粥の製造方法は、従来の一般的な製造方法である米と清水を耐熱性パウチに充填し、パウチのヘッドスペースを不活性ガス置換後密封してレトルト処理を施す製造方法において、まず、その原料である米が特定のものであり、また充填する米の状態に特徴を有する。つまり、本発明では、精米に対し清水10%以下を添加あるいは無添加の状態で除糠用の粘着物質により糠層が除去された無洗米を、当該無洗米の水分が13〜20%の状態で充填することに特徴を有する。 【0015】 ここで、「糠層が除去された無洗米」とは、炊飯の際の水洗作業を不要にしたいわゆる無洗米を言い、水分13〜16%、白度40%以上、濁度90ppm以下のものを言う。 【0016】 無洗米の製造方法としては、様々な方法が知られている。例えば、特開2000−354773号公報等に記載されているような精米機によりとう精された精米を研磨ブラシで除糠する方法、特許第2615314号公報等に記載されているような精米を極めて短時間に水中とう精した後、脱水乾燥する方法、特許第3206752号公報等に記載されているような精米をタピオカ等の除糠用の粘着物質を用いて除糠する方法、あるいは、糠からなる除糠用粘着物質を用いて除糠する方法等が挙げられる。 【0017】 これらの方法で製した無洗米は、実際に市販されており、本発明では、これら無洗米のうち、精米に対し清水10%以下を添加あるいは無添加の状態で除糠用の粘着物質により糠層が除去された無洗米を用いる。前記除糠用粘着物質としては、精米表面の糠層を吸着する性質を有するものであれば、特に限定するものではないが、例えば、粟、稗、蕎麦、高粱、米、麦、タピオカ等の穀粒の粉砕物や米糠等が挙げられる。本発明で用いる無洗米は、これらの除糠用粘着物質を混合等の方法で精米と接触させ精米表面に残存する糠層を除去する際に、精米に対し清水を10%以下添加あるいは無添加の状態で行った無洗米である。具体的には、例えば、精米に対し清水を5%程度添加した状態でタピオカにより糠層を除去する(株)サタケ製のネオ・テイスティ・ホワイト・プロセス(NTWP)と称する無洗米製造装置で製された無洗米、あるいは米糠で糠層を除去する(株)東洋精米機製作所製のBG米装置と称する無洗米製造装置で製された無洗米等が挙げられる。 【0018】 本発明は、後述するように水分を13〜20%とした無洗米及び清水をパウチに充填し炭酸ガス置換する必要があるが、上述した精米に対し清水10%以下添加あるいは無添加の状態で除糠用の粘着物質により糠層が除去された無洗米を用いることで手作り品と同様の大変好ましい風味を有するレトルト粥が得られる。一方、後述の比較例で示すように、本発明の除糠用粘着物質を用いずに研磨ブラシで除糠する方法で製した無洗米、あるいは精米に対して水を10%超添加した状態で除糠する方法で製した無洗米を用いた場合は、手作り品と同様の風味を有するレトルト粥が得られ難く好ましくない。 【0019】 なお、無洗米の水分は、常法である105℃での乾燥法により蒸発した水分の試料全量に対する重量比を求めた値であり、本発明では、他の無洗米の水分も同様の方法で求めた値である。また、白度は、白度計を用いて測定した値である。そして、濁度は、洗米水濁度試験法、すなわち、15℃の清水200mLに20gの試料米を入れ、10分間振とうし、その液50mLを採取して10倍に希釈した液を濁度計を用いて測定した値である。 【0020】 通常、お粥を含めた米飯類に無洗米を用いる場合でも、清水で30分以上(室温の清水を用いた場合)浸漬処理する等、ある程度吸水させた無洗米を用いることが美味しい米飯を炊飯するためには必要と言われており、特許文献1及び2も精米に対し1.1倍量となるように吸水させた米(水分=約23%)を用いているが、本発明においては、充填する際の無洗米の水分を13〜20%とすることが肝要である。無洗米の水分が20%より多いと、当該水分がレトルト処理による炊飯の際の米粒の状態に影響したためか、あるいは、充填機等で充填する際の物理的な衝撃によって米粒が傷つき易いためか、後述の比較例に示すように手作り品と同様の風味を有するレトルト粥が得られ難く好ましくない。 【0021】 前記無洗米の水分を13〜20%とする方法としては、例えば、無洗米の水分は13〜16%であることから、無洗米を清水に浸漬処理等、吸水させずにそのまま用いる方法、あるいは水分が20%を越えない程度に無洗米を清水に短時間浸漬する方法等が挙げられる。特に、無洗米を吸水させずにそのまま用いる方法は、手作り品と同様の風味を有するレトルト粥が得られ易く好ましい。 【0022】 また、本発明で前記無洗米と共に充填する清水は、レトルト粥で一般的に使用されている清水、例えば水道水、イオン交換水、蒸留水、ミネラルウォーター、ナチュラル、海洋深層水、又はこれらの清水を加熱した温水、熱水等を用いればよく、本発明では、特に限定するものではないが、これらの清水から酸素を除去した脱気水、窒素等の不活性ガスを含気させた含気水等を用いることが好ましい。 【0023】 本発明は、上述したとおり特定の無洗米を特定水分量の状態で清水と共にパウチに充填することを特徴とするが、本発明では、更に当該充填物のヘッドスペースを炭酸ガスで置換することを特徴とする。ヘッドスペースを炭酸ガスに置換する方法は、ヘッドスペースに炭酸ガスを吹きつけて行なえば良く、吹きつけの風速は、吹きつけにより内容物の米や清水が飛び散り、シール部に米粒や米由来の微生物等が付着し、その後の密封でシール不良(密封が不十分なこと)が問題とならない程度に行なうと良い。 【0024】 また、炭酸ガス置換における炭酸ガスの量は、ヘッドスペースの気体の70容量%以上、好ましくは90容量%以上である。これにより、より手作り品と同様の大変好ましい風味のレトルト粥が得られる。一方、前記範囲より炭酸ガス置換率が低いと、後述の比較例に示すように手作り品の風味が得られ難い傾向がある。なお、ヘッドスペースの炭酸ガスの置換率は、ヘッドスペースの気体を水中置換法で捕集した後、該捕集した気体の酸素量を常法により測定し、前記酸素量からヘッドスペースの炭酸ガス置換率を換算した。 【0025】 つまり、製品を水槽中で開封し、ヘッドスペースの気体をガラス捕集器具等に捕集した後該捕集した気体を、例えば東レエンジニアリング(株)製溶存酸素計「LC−700F」等で測定する。この測定した値(酸素量)が、6.3容量%、あるいは2.1容量%であると、ヘッドスペースの気体は前者が70容量%、後者が90容量%炭酸ガスが置換されたことに相当する。これは、大気組成が酸素21容量%、窒素78容量%、アルゴン1容量%の比率(化学大辞典)であるから、前記ヘッドスペースの70容量%を炭酸ガス置換したとすると、30容量%が大気と判断できる。該30容量%である大気の21容量%が酸素であるため、前記酸素量の値6.3容量%であれば、前記ヘッドスペースの70容量%を炭酸ガス置換したと言える。また、前記ヘッドスペースの90容量%を炭酸ガス置換したとすると、10容量%が大気と判断できる。該10容量%である大気の21容量%が酸素であるため、前記酸素量の値2.1容量%であれば、前記ヘッドスペースの90容量%を炭酸ガス置換したと言える。 【0026】 なお、本発明では本発明の効果を損なわない範囲で、炭酸ガス置換に加え、窒素、アルゴン等の不活性ガスによる置換を併用してもよい。 【0027】 以上述べたように、本発明のレトルト粥の製造方法は、精米に対し清水10%以下を添加あるいは無添加の状態で除糠用の粘着物質により糠層が除去された無洗米を、13〜20%の水分とした特定の無洗米、及び清水を耐熱性パウチに充填し、パウチのヘッドスペースの気体を炭酸ガス置換した後、レトルト処理を施すものであり、これにより、手作り品と同様の大変好ましい風味を有するレトルト粥が得られる。 【0028】 ここで、耐熱性パウチとは、耐熱性を有するパウチであれば特に制限はないが、酸素透過性の低い例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、塩化ビニリデン(PVDC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、アルミニウム箔、その他のガスバリア材料等からなるガスバリア層を含有した耐熱性パウチが好ましい。 【0029】 また、レトルト処理(加圧加熱殺菌)を施すとは、当該食品の中心部の品温を120℃で4分間相当の加熱をすること又はこれと同等以上の効力を有する条件で処理を施すことをいう。 【0030】 また、本発明のレトルト粥の製造にあたっては、本発明の効果を損なわない範囲で、米と清水の他に、卵や鮭等の具材や調味料等の副原料を加えても良いが、本発明は、米の風味に着眼したレトルト粥の風味改善であることから、風味の強い副原料を加えない米と清水のみを原料としたレトルト白粥の製造において好適に実施できる。 【0031】 以下、本発明のレトルト粥の製造方法について、実施例及び比較例に基づき、具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定するものではない。 【実施例】 【0032】 [実施例1] 精米に対し清水5%程度添加した状態で、タピオカにより糠層が除去された無洗米[(株)サタケ製のNTWPと称される無洗米製造装置で製された無洗米、水分約15%]を用意した。この無洗米25gと清水(脱気水)225gを耐熱性アルミパウチに充填し、ヘッドスペースに炭酸ガスを吹きつけた。吹きつけの風速は、吹きつけにより内容物の米や清水が飛び散り、シール部に米粒や米由来の微生物等が付着し、その後の密封でシール不良(密封が不十分なこと)が問題とならない程度に行なった。そして密封後、炊飯と殺菌を兼ねて加圧加熱(レトルト)殺菌機を用い120℃で20分間の条件でレトルト処理を施した。前記方法によりレトルト白粥を製した。上記方法で得られた製品をランダムに10袋選択し、かかる酸素量の平均を算出したところ、2.1容量%以下であった。すなわちパウチのヘッドスペースの気体を90容量%以上炭酸ガス置換したことになる。製したレトルト白粥を温めて食したところ、手作り品と同様の大変好ましい風味を有するものであった。 【0033】 なお、手作り品は、精米30gを洗米し1時間水浸漬したものを土鍋に入れ、これに、合計配合量が330gになるように清水を加えた。そして、蓋をして最初強火にかけ、沸騰してきたら弱火にして吹きこぼれないように蓋をずらして仕上がり重量が約300gとなるように約50分間炊いて製した。以後の実施例及び比較例の手作り品も上述の方法で製した。 【0034】 [実施例2] 実施例1において、無洗米として、米糠で糠層が除去された無洗米[(株)東洋精米機製作所製のBG米装置と称される無洗米製造装置で製された無洗米、水分約15%]を用い、この無洗米を短時間水浸漬した後水切りして水分18%の無洗米とし、この吸水させた無洗米と清水の合計配合量を250gとした他は、同じ製造方法でレトルト白粥を製した。実施例1と同様にパウチの置換率を測定するために、上記方法で得られた製品をランダムに10袋選択し、かかる酸素量の平均を算出したところ、2.1容量%以下であった。すなわちパウチのヘッドスペースの気体を90容量%以上炭酸ガス置換したことになる。製したレトルト白粥を温めて食したところ、手作り品と同様の好ましい風味を有するものであった。 【0035】 [比較例1] 実施例1において、無洗米として、精米に対し清水15%程度添加した状態で、糠層が除去された無洗米[(株)サタケ製のスーパージフライス装置と称される無洗米製造装置で製された無洗米、水分約15%]を用いた他は、同じ配合と製造方法でレトルト白粥を製した。製したレトルト白粥を温めて食したところ、手作り品とは異なる好ましくない風味を有するものであった。 【0036】 [比較例2] 実施例1において、無洗米として、研磨ブラシで糠層が除去された無洗米[(株)クボタ製のリ・フレと呼ばれる無洗米製造装置で製された無洗米、水分約15%]を用いた他は、同じ配合と製造方法でレトルト白粥を製した。製したレトルト白粥を温めて食したところ、手作り品とは異なる好ましくない風味を有するものであった。 【0037】 [比較例3] 実施例1において、実施例1の無洗米を用い、この無洗米を水浸漬した後水切りして水分が23%の無洗米とし、この吸水させた無洗米と清水の合計配合量を250gとした他は、同じ製造方法でレトルト白粥を製した。製したレトルト白粥を温めて食したところ、手作り品とは異なる好ましくない風味を有するものであった。 【0038】 [実施例3] 精米に対し清水5%程度添加した状態で、タピオカにより糠層が除去された無洗米[(株)サタケ製のNTWPと称される無洗米製造装置で製された無洗米、水分約15%]を用意した。この無洗米25gと清水(脱気水)225gを耐熱性アルミパウチに充填し、ヘッドスペースがなくなるように密封した。そして、炭酸ガスを3.5cc及び大気を1.5cc注入し、レトルト白粥を製した。実施例1と同様にパウチの置換率を測定するために上記方法で10袋測定を繰り返し、かかる測定値の平均を算出したところ、6.2容量%以下であった。すなわちパウチのヘッドスペースの気体を70容量%以上炭酸ガス置換したことになる。製したレトルト白粥を温めて食したところ、手作り品と同様の好ましい風味を有するものであった。 【0039】 [比較例4] 実施例3において炭酸ガスを1.0cc及び大気を4.0cc注入し、レトルト白粥を製した他は、同じ配合と製造方法でレトルト白粥を製した。製したレトルト白粥を温めて食したところ、 実施例1及び実施例3により製したレトルト白粥に比べて手作り品とは異なる好ましくない風味を有するものであった。 【0040】 [比較例5] 実施例3において炭酸ガスに代えて窒素ガスを用いた他は、同じ配合と製造方法でレトルト白粥を製した。パウチの置換率を測定するために実施例1と同様の測定方法で10袋測定を繰り返し、かかる測定値の平均を算出したところ、6.2容量%以下であった。すなわちパウチのヘッドスペースの気体を70容量%以上窒素ガス置換したことになる。製したレトルト白粥を温めて食したところ、実施例3により製したレトルト白粥の好ましいご飯の香りを有するものではないものの、手作り品と同様の好ましい風味を有するものであった。 【0041】 [比較例6] 実施例3において炭酸ガスに代えて窒素ガスを用い、且つ窒素ガスを4.5cc及び大気を0.5cc注入した他は、同じ配合と製造方法でレトルト白粥を製した。パウチの置換率を測定するために実施例1と同様の測定方法で10袋測定を繰り返し、かかる測定値の平均を算出したところ、2.1容量%以下であった。すなわちパウチのヘッドスペースの気体を90容量%以上窒素ガス置換したことになる。製したレトルト白粥を温めて食したところ、実施例1により製したレトルト白粥の好ましいご飯の香りを有するものではないものの、手作り品と同様の好ましい風味を有するものであった。 【0042】 以上のことから、米と清水を耐熱性パウチに充填し、パウチのヘッドスペースを不活性ガス置換した後密封してレトルト処理を施すレトルト粥の製造方法において、前記米として精米に対し清水を10%以下を添加あるいは無添加の状態で除糠用の粘着物質により糠層が除去された無洗米及び前記不活性ガスとして炭酸ガスをそれぞれ用いて、13〜20%の水分とした無洗米及び清水を耐熱性パウチに充填し、パウチのヘッドスペースの気体を90容量%以上炭酸ガス置換した後レトルト処理を施したレトルト白粥は、精米に対し清水10%以下を添加あるいは無添加の状態で除糠用の粘着物質により糠層が除去された無洗米を用いていない比較例1及び比較例2、充填する無洗米の水分を13〜20%としていない比較例3、パウチのヘッドスペースの気体を20容量%炭酸ガス置換した比較例4、並びにパウチのヘッドスペースの気体を70容量%窒素ガス置換した比較例5により得られたレトルト白粥と比べ、手作り品と同様の好ましい風味を有するレトルト白粥が得られることが理解できる。 【0043】 また、パウチのヘッドスペースの気体を70容量%窒素ガス置換した比較例5により得られたレトルト粥に比べ、パウチのヘッドスペースの気体を70容量%炭酸ガス置換した実施例3により得られたレトルト粥の方が手作り品と同様の好ましい風味を有するレトルト粥が得られることが理解できる。 【0044】 更に、パウチのヘッドスペースの気体を90容量%窒素ガス置換した比較例6により得られたレトルト白粥に比べ、パウチのヘッドスペースの気体を90容量%炭酸ガス置換した実施例1の製造方法で得られた本発明のレトルト白粥の方がより手作り品と同様の好ましい風味を有するレトルト白粥が得られることが理解できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001421 【氏名又は名称】キユーピー株式会社 【住所又は居所】東京都渋谷区渋谷1丁目4番13号
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| 【出願日】 |
平成16年4月27日(2004.4.27) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−312312(P2005−312312A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月10日(2005.11.10) |
| 【出願番号】 |
特願2004−131082(P2004−131082) |
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