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【発明の名称】 加工塩及びその製造方法
【発明者】 【氏名】井上 繁樹
【住所又は居所】兵庫県赤穂市加里屋字加藤974番地 赤穂海水株式会社内

【要約】 【課題】昆布の特徴的な風味及び色を残し、かつ食用塩と昆布が一体化した加工塩及びその製造方法を提供する。

【解決手段】昆布粉末と液状物を食用塩に添加し、及び/又は昆布粉末を液状物に添加、混練した混合物として食用塩に添加し、混合しながら乾燥することによって、昆布粉末が食用塩の結晶の表面に結着することを特徴とする製造方法であり、該加工塩に対してMg濃度で0.03重量%以上含有するように調整することにより昆布の色調を維持すること特徴とする加工塩及びその製造方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用塩に対して0.1〜30重量%の昆布粉末と液状物を食用塩に添加し、及び/又は昆布粉末を液状物に対して混練した混合物として食用塩に添加し、水分が1重量%以下になるように乾燥した、昆布粉末が食用塩の結晶の表面に結着したことを特徴とする加工塩。
【請求項2】
食用塩に対して0.1〜30重量%の昆布粉末と液状物を食用塩に添加し、及び/又は昆布粉末を液状物に対して混練した混合物として食用塩に添加し、液状物及び/又はマグネシウム含有物により加工塩に対してMg濃度で0.03重量%以上含有するように調整し、水分が1重量%以下になるように乾燥した、昆布粉末が食用塩の結晶の表面に結着し、昆布の色相を保持したことを特徴とする加工塩。
【請求項3】
液状物が、水、海水、マグネシウム含有物、食用塩を溶解した塩水、及び旨味溶液の内1つ以上を含んだものであることを特徴とする請求項1又は2記載の加工塩。
【請求項4】
食用塩に対して0.1〜30重量%の昆布粉末と液状物を食用塩に添加し、及び/又は昆布粉末を液状物に対して混練した混合物として食用塩に添加し、食用塩に対して均一に分布させながら水分が1重量%以下になるまで乾燥して、該食用塩の結晶表面に昆布の粉末を結着させることを特徴とする加工塩の製造方法。
【請求項5】
該液状物及び/又はマグネシウム含有物により加工塩に対してMg濃度を0.03重量%以上含有するように調整して昆布粉末の色相の変化を抑制することを特徴とする請求項4記載の加工塩の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の加工塩を混合または付着した状態で含有して提供される食品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、食品工業、食品の調理、食品の加工分野の様な食用塩分野において広く利用することができる加工塩及びそれを含む食品に関する。更に詳しくは、昆布粉末が食用塩の結晶表面に結着していることにより、従来に無い特有のまろやかな塩味と昆布の風味と色合いを合わせ持つことから、菓子類、調味塩、漬物、食卓塩等に利用できる、優れた特性を持つ新しい食用塩、該食用塩の製造方法、及び該食用塩を含む食品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、加工塩は、食用塩にグルタミン酸ナトリウムを添加して旨味を付与したものがあるが、昆布等から抽出した旨味成分を加えただけで、昆布の風味、その栄養分である食物繊維、ミネラルは含まれない。特許文献1に提案されているように水分を2.0〜10.0重量%を持った塩に昆布粉末を混合して昆布を食用塩結晶に付着させる昆布塩及びその製造方法があるが、この昆布塩は、水分を多く含んだ湿塩であるため、流動性が悪く、用途が限定される問題がある。また、特許文献2に提案されているように、旨味成分と食用塩を溶解させ、両者を一体的に結合された粒状の溶解乾燥物にする加工塩及びその製造方法があるが、この方法は、食用塩と旨味成分を共に溶解して、乾燥した溶解乾燥物であることから、原料とする食用塩の形状とは完全に異質なものとなる。
その他、容易に類推できる方法として、乾燥した食用塩に昆布粉末を混合する方法が考えれるが、この方法では昆布粉末は食用塩の結晶の表面に乗っているだけで、流動させると容易に分離して偏在してしまうという問題がある。
【0003】
昆布粉末は、通常クロロフィルを含み緑色をしている。この色素は、植物体に存在し、組織が健全な呼吸を行っている場合、分解、生成の平衡が保たれて比較的安定で、特有の緑色を呈するのである。昆布粉末は、加熱、光照射等の作用を受けるとクロロフィルがフェオフィチン等に分解され、緑色から黄色、更に分解されて褐色を帯びるようになる。
【0004】
従来、特許文献1に記載のもののように、水分を含んだ状態であれば分離はしないが、昆布は変色して褐色になってしまう。また特許文献2に記載のもののように、加熱乾燥して溶解乾燥物にする場合にも、加熱により昆布は褐色に変色してしまう。更に、乾燥した食用塩に昆布粉末を混合する方法では、昆布の変色は抑制できるが、昆布と食用塩の結晶は分離して偏在してしまう。乾燥状態で昆布粉末が食用塩の結晶に結着し、しかも昆布の褐変を抑制する方法は従来提案されていないのである。
【特許文献1】特開2003−88326
【特許文献2】特許第2853946号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
こうした課題に対して、本発明は、原料とする食用塩の形状を保持しながら、該表面に昆布粉末を結着させることによって、まろやかな塩味、昆布の風味と色調を持ち、しかも、水分が1重量%以下の乾燥状態で流動性が良く、使いやすさも併せ持った、従来に無い新しい加工塩を提供することを目的とする。
また、本発明は、昆布粉末を食用塩の結晶表面に結着させ、特定の水分量まで乾燥させた、特定の物性と昆布の性状を合わせ持った加工塩の製造方法を提供する。
また、本発明は、該加工塩を混合、付着した食品を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、
(1) 食用塩に対して0.1〜30重量%の昆布粉末と液状物を食用塩に添加し、及び/又は昆布粉末を液状物に対して混練した混合物として食用塩に添加し、水分が1重量%以下になるように乾燥した、昆布粉末が食用塩の結晶の表面に結着したことを特徴とする加工塩。
(2) 食用塩に対して0.1〜30重量%の昆布粉末と液状物を食用塩に添加し、及び/又は液状物に対して混練した混合物として食用塩に添加し、液状物及び/又はマグネシウム含有物により加工塩に対してMg濃度で0.03重量%以上含有するように調整し、水分が1重量%以下になるように乾燥した、昆布粉末が食用塩の結晶の表面に結着し、昆布の色相を保持したことを特徴とする加工塩。
(3) 液状物が、水、海水、マグネシウム含有物、食用塩を溶解した塩水、及び旨味成分の内1つ以上を含んだものであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の加工塩。
(4) 食用塩に対して0.1〜30重量%の昆布粉末と液状物を食用塩に添加し、及び/又は昆布粉末を液状物に対して混練した混合物として食用塩に添加し、食用塩に対して均一に分布させなから水分が1重量%以下になるまで乾燥して、該食用塩の結晶表面に昆布の粉末を結着させることを特徴とする加工塩の製造方法。
(5) 該液状物及び/又はマグネシウム含有物により加工塩に対してMg濃度を0.03重量%以上含有するように調整して昆布粉末の色相の変化を抑制することを特徴とする前記(4)記載の加工塩の製造方法。
(6) (1)〜(3)のいずれか1項に記載の加工塩を混合または付着した状態で含有して提供される食品。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、昆布粉末を液状物との混合物として食用塩に添加、混合して乾燥し、水分が1重量%以下になるまで乾燥することにより食用塩の結晶表面に昆布粉末が結着した状態の加工塩を調製することができ、好ましくは加工塩中のMg濃度が0.03重量%以上にすることにより、昆布の色合いを保持した加工塩を調製することができる。該加工塩は、昆布の風味と色合いを持ち、食用塩の塩味がまろやかな特有の食用塩とすることができる。
さらに、昆布粉末が食用塩の結晶表面に結着した乾燥状態の加工塩であるため、食品へ振りかけ、付着、混和、溶解等の色々な形で使用する場合においても昆布粉末が分離せず、均一に分布させることができる等の物性を持つことから、優れた加工性、調味性を得ることができる。
次に、本発明の詳細について説明する。
まず、本発明の加工塩の原材料について説明する。
【0008】
食用塩
本発明に用いられる食用塩は、食用に供せられる塩であれば何れでも良い。食用塩には、塩化ナトリウムの含有率の高い乾燥状態の塩、苦汁等を含有して湿潤状態の塩などがあるが、何れも使用することができる。
また、食用塩の粒度は、1000μm程度の大きなものから、数十μmの小さいものまで、広く使用されているが、本発明にはこれら各種の粒度の食用塩を用いることができる。更に、食用塩には、立方体を基本形状とするもの、フレーク状のもの、球形に近いもの、粉砕等で不定形をしたものなど、各種形状を持った食用塩があり、本発明は、形状について特に制限を受けるものではない。
【0009】
昆布粉末
昆布には、原料昆布を切断して使用しやすいサイズにしたもの、これを更に小さく裁断して数十mmにしたもの、粉砕して微粉末にしたものなどがある。本発明に用いる昆布は、粉砕した昆布粉末であって、好ましくは200μmの篩いを通過したものである。より好ましくは、100μmの篩いを通過したものである。
昆布粉末は、後で述べる液状物と混合することにより、昆布粉末が吸水して膨潤し、液状物と一体化した混合物となる。この混合物を食用塩に添加し、混練することにより、食用塩に均一に分布させながら乾燥して、水分を蒸発させると、昆布粉末が食用塩の結晶の表面に強固に付着して、容易に乖離しない状態になる。また、昆布粉末と液状物を別々に食用塩に添加して混合することにより、食用塩の結晶表面で、昆布粉末と液状物が一体化し、これを混合しながら乾燥しても前記と同様の状態になる。
通常用いられる食用塩と昆布粉末を混合する方法では、食用塩の結晶の表面に昆布粉末が乗っている状態で、流動等で容易に食用塩と昆布粉末が分離してしまう問題がある。本発明の加工塩は、食用塩と昆布粉末が結着しているため、このような問題がないと言う特徴がある。
【0010】
液状物
液状物は、水、海水、食用塩を溶解した塩水、旨味成分を含んだ溶液、マグネシウム含有物の溶液の何れでも用いることができる。水は、食用に適した水道水、ミネラルウオーター等を利用することができる。海水は、取水した海水は勿論、海水を水等で希釈したもの、海水を濃縮したものを、また食用塩を水、海水等で溶解した塩水も用いることができる。更に、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸、グアニル酸等の旨味成分を溶解して水溶液としたもの、鰹、椎茸、昆布等の出汁、及び昆布エキス液のような各種エキス類、これを希釈、濃縮した溶液を用いることができる。
【0011】
ただし、昆布エキス液のように添加物に色があるものは、本発明の一つである昆布の色調を失う場合があり、利用目的等を考慮して用いることが必要である。
海水やマグネシウム含有物を用いる目的は、昆布粉末に含まれるミネラルに加えて、海水やマグネシウム含有物のミネラルを加え、食用塩中のミネラルバランス、ミネラル濃度を調整するためでもある。本発明では、昆布粉末を食用塩に結着させるだけでなく、ミネラル分を補充したり、バランス取ったりすることもできるのである。
【0012】
(4)マグネシウム含有物
マグネシウム含有物は、苦汁、及びマグネシウム化合物である。苦汁は、膜濃縮製塩法、天日塩田法、及び海水を濃縮して製塩する方法の何れの方法でも、製塩して塩を分離した後に残った苦汁、苦汁を水等で希釈したもの、苦汁を濃縮した濃厚なものを用いることができる。
マグネシウム化合物は、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等で、好ましくは水溶液で用いる。
【0013】
次に、本発明の加工塩の製造方法について説明する。
昆布粉末に含まれるアルギン酸やフコイダンと言った多糖類等の粘性物質は、水と混合することにより溶出し、粘性のある混合物となる。この混合物と食用塩を混練して均一に分布するようにすると、昆布粉末から溶出した粘性物質が食用塩の結晶表面と昆布粉末を接着する糊のような役目をして、食用塩と昆布粉末を接着させる。この状態を保持したまま乾燥することにより、食用塩と昆布粉末は、強固に結合することになる。走査型電子顕微鏡で観察すると、食用塩の結晶表面に昆布粉末が貼り付いていることが分かる。
【0014】
本発明の加工塩の水分は、1重量%以下、好ましくは0.5重量%以下の乾燥状態であることが必要である。この状態まで乾燥することにより、食用塩に昆布粉末が強固に付着した加工塩を得ることができるからである。
【0015】
乾燥方法は、大気圧下で混合しながら加熱乾燥する方法、減圧下で加熱乾燥する方法等、通常の乾燥方法を用いることができるが、混合しながら乾燥する必要がある。こうすることにより、食用塩と混合物が均質に分布する状態のままで乾燥して、昆布粉末を食用塩の結晶に均一に結着させることができるからである。
混合方法は、容器固定形でも容器回転形でも、食用塩と混合物が均質化できる方法であれば構わない。
【0016】
勿論、食用塩に添加する際に、昆布粉末と液状物を混練して混合物を形成して使用する以外に、昆布粉末と液状物を別々に食用塩に添加して、食用塩の結晶表面で、昆布粉末と液状物が一体化できるように混合等を行っても構わない。
【0017】
液状物は、水に溶解した状態は勿論、必ずしも水に溶解していない状態でも、分散した状態、浮遊した状態、ゲル状態等何れも問題なく使用することができる。
【0018】
昆布粉末の食用塩に対する割合は、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。この割合は、昆布粉末を食用塩の結晶の表面に結着させ場合に、昆布粉末が過剰となり、食用塩から分離して、凝集してしまわない濃度である。食用塩の粒度、形状により表面積に差異があり、該結晶の表面に結着できる昆布粉末の量も異なるが、本発明で設定した範囲内に最適な添加量を見いだすことができる。
【0019】
昆布粉末を液状物に添加する割合は、1〜90重量%、好ましくは1〜50重量%、更に好ましくは1〜20重量%である。昆布粉末は、液状物に添加して混練すると粘性が発生する。昆布粉末と液状物が一体化するような混合割合を設定すれば良い。
勿論、昆布粉末を液状物に添加し混練する際に、加熱しながら混練しても良い。
【0020】
マグネシウム含有物は、液状物に添加しても、直接食用塩に添加しても構わない。添加した後、食用塩と均質に分布する状態にして乾燥すれば、昆布の色調の保持に効果を発揮し、本発明の加工塩を得ることができるのである。マグネシウム含有物は、加工塩に対してMg濃度として0.03重量%以上、好ましくは0.03重量%以上、0.5重量%未満、更に好ましくは,0.03重量%〜0.1重量%である。
マグネシウムは主として塩化マグネシウムの形で含有し、この物質の持つ潮解性のため、マグネシウム濃度が高くなると水分が増加して、流動性の低下,昆布粉末の褐変の進行等の問題が発生する。このため,Mg濃度は前記の濃度範囲が好ましいのである。
【0021】
昆布の色素であるクロロフィルは、タンパク質と弱い結合状態で存在するが、加熱されると、タンパク質との結合が切断され、同時に、昆布中に存在する有機酸によりフェオフィチンに変化する。このクロロフィルからフェオフィチンへの変化は、クロロフィルの中心にあるMgが遊離することにより起こる。
本発明の特徴の一つである昆布の褐変の抑制は、昆布粉末の周囲、つまりクロロフィル分子の周囲にMgイオンが豊富に存在するために、クロロフィル中のMgの遊離を抑え、このことにより昆布の褐変を抑制しているものと考えられる。
【0022】
このように、本発明は、昆布粉末が食用塩の結晶表面に結着していることにより、従来に無い特有のまろやかな塩味と昆布の風味と色調を合わせ持つことから、菓子類、調味塩、漬物、食卓塩等に利用できる、優れた特性を持つ新しい食用塩、その製造方法、及び該食用塩を含む食品に関するものであり、これらの内容は、本発明者により得られた新しい知見である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
実施例1
太平洋機工製プローシュアーミキサーWB−10型に、赤穂海水(株)製の並塩5kgを投入して、更に赤穂海水(株)製の苦汁を100g添加して80rpmで攪拌する。別に、水道水1000mlに対して、兵海カラフト(株)製昆布粉末Cを100g添加し、加熱しながら攪拌して昆布粉末の玉がないように混練して混合物とする。これを徐徐に前記食塩に添加し、5分間攪拌する。続いて、蒸気圧2.1kg/cm2に調整した水蒸気で加熱し、32分間、80rpmで撹拌しながら乾燥させて調製した。
【0025】
得られた加工塩の水分、Mg濃度、Ca濃度、K濃度、及び官能検査結果を表1に示す。比較例として、赤穂海水(株)製の食塩を同様に表2示す。なお、水分、Mg濃度、Ca濃度、K濃度は、財団法人塩事業センター発行の塩試験方法第2版に従い測定した。
Mg濃度、Ca濃度、K濃度は、昆布のミネラルが付加されたため、比較例の食塩に比較して高くなっている。味特性は、比較例の食塩に比較して、塩味がまろやかで昆布の風味を感じると言う結果であった。また、色特性は、実施例1の塩の色は、昆布の色を残し、緑灰色を呈していた。
【0026】
また、本発明の加工塩と前記比較例の食塩を走査型電子顕微鏡(倍率150倍)で観察した結果を、それぞれ図1、図2に示す。図1は、本発明の加工塩の走査型電子顕微鏡写真による微細構造を、図2は、前記比較例の食塩の走査型電子顕微鏡写真による微細構造である。図1から明確なように、本発明の加工塩は、食塩結晶の表面に昆布粉末が結着した構造となっており、従来の食塩とは異なるものである。
【0027】
〔使用例1〕
熱湯にタイの切り身を入れ4分煮込み、だしを作る。これにだしの重量に対して0.8重量%の実施例1の加工塩を入れ溶解させて使用例1の澄まし汁を作った。また、比較例1として、同様に食塩0.8重量%を添加して澄まし汁を作る。この実施例1を用いた澄まし汁とした。
使用例1と比較例1の官能検査を行った結果、比較例1に対して、使用例1の方が中味から後味にかけてコクを感じた。
【0028】
〔使用例2〕
白菜を適当な大きさにカットし、実施例1の加工塩を溶解して12重量%の塩水を作り、重量単位で白菜10に対して塩水3の割合で一昼夜漬け込んで使用例2とした。また、食塩を用いた塩水を用いて、使用例2と同様に白菜を漬け比較例2とした。
使用例2と比較例2の官能検査を行った結果、比較例2に対して、使用例2の方が、塩かどが少なく、中味から後味にかけてコクを感じた。
【0029】
実施例2
太平洋機工製プローシュアーミキサーWB−10型に、赤穂海水(株)製の食塩5kgを投入して、80rpmで攪拌する。別に、海水500mlに対して、兵海カラフト(株)製昆布粉末Cを150g添加し、加熱しながら攪拌して昆布粉末の玉がないようにした混練して混合物とする。これを徐徐に前記食塩に添加して、5分攪拌する。続いて、蒸気圧2.1kg/cm2に調整した水蒸気で加熱し、30分間、80rpmで撹拌しながら乾燥させて調製した。
得られた加工塩の水分、Mg濃度、Ca濃度、K濃度、及び官能検査結果を表1に示す。比較例として、赤穂海水(株)製の食塩を同様に表2示す。
Mg濃度、Ca濃度、K濃度は、昆布のミネラルが付加されたため、比較例の食塩に比較して高くなっている。味特性は、比較例の食塩に比較して、塩味がまろやかで昆布の風味を感じると言う結果であった。また、色特性は、実施例2の塩の色は褐色であった。
【0030】
実施例3
太平洋機工製プローシュアーミキサーWB−10型に、赤穂海水(株)製の食塩5kgを投入して、80rpmで攪拌する。別に、水道水500mlに対して、兵海カラフト(株)製昆布粉末Cを100gと兵海カラフト(株)製昆布エキスAM1を100ml添加し、攪拌して昆布粉末の玉がないようにした混練して混合物とする。これを徐徐に前記食塩に添加して、5分攪拌する。続いて、蒸気圧2.1kg/cm2に調整した水蒸気で加熱し、32分間、80rpmで撹拌しながら乾燥させて調製した。
得られた加工塩の水分、Mg濃度、Ca濃度、K濃度、及び官能検査結果を表1に示す。比較例として、赤穂海水(株)製の食塩を同様に表2示す。
Mg濃度、Ca濃度、K濃度は、昆布のミネラルが付加されたため、比較例の食塩に比較して高くなっている。味特性は、比較例の食塩に比較して、塩味がまろやかで昆布の風味を感じると言う結果であった。また、色特性は、実施例3の塩の色は褐色であった。
【0031】
実施例4
太平洋機工製プローシュアーミキサーWB−10型に、赤穂海水(株)製の食塩5kgを投入して、更に20重量%に調整した赤穂化成(株)製の食品添加物仕様の塩化マグネシウム水溶液を80g添加して80rpmで攪拌する。別に水道水500mlに対して、兵海カラフト(株)製昆布粉末Cを100g添加して昆布粉末の玉がないように混練した混合物を、徐徐に前記食塩に添加し5分攪拌する。続いて、蒸気圧1.9kg/cm2に調整した水蒸気で加熱し、38分間、80rpmで撹拌しながら乾燥させて調製した。
得られた加工塩の水分、Mg濃度、Ca濃度、K濃度、及び官能検査結果を表2に示す。比較例として、赤穂海水(株)製の食塩を同様に表2に示す。
Mg濃度、Ca濃度、K濃度は、昆布のミネラルが付加されたため、比較例の食塩に比較して高くなっている。味特性は、比較例の食塩に比較して、塩味がまろやかで昆布の風味を強く感じると言う結果であった。また、色特性は、昆布の色が維持され、緑灰色であった。
【0032】
【表1】


【0033】
【表2】


【0034】
実施例5
実施異例1の加工塩を100mlの共栓付きメスシリンダーに80ml充填し、振幅約50mmで上下に5回振って、加工塩の外観を観察した。実施例1の加工塩は、昆布粉末の偏在がなく、殆ど外観上の変化がなかった。
【0035】
比較例3
比較例の食塩5kgに、実施例1で用いた昆布粉末100gを添加して、実施例1で用いたミキサーで10分間混合した。該混合塩を100mlの共栓付きメスシリンダーに80ml充填し、振幅約50mmで上下に5回振って、該混合塩の外観を観察した。該混合塩は、昆布粉末が偏在したところが2箇所見られ、この部分に昆布粉末が集合しているのが観察された。また、振ることで、混合塩の表面から昆布の粉末が盛んに飛散しているのが観察された。本発明の加工塩と、上記の混合しただけの塩を乾燥状態で比較すると、明らかに昆布粉末と食用塩との結合の状態に差異が見られた。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の加工塩の走査型電子顕微鏡写真による微細構造を示す。
【図2】食塩の走査型電子顕微鏡写真による微細構造を示す。
【出願人】 【識別番号】000191135
【氏名又は名称】株式会社日本海水
【住所又は居所】東京都中央区東日本橋三丁目7番17号
【出願日】 平成16年4月27日(2004.4.27)
【代理人】 【識別番号】100116713
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 正己

【識別番号】100094709
【弁理士】
【氏名又は名称】加々美 紀雄

【識別番号】100117145
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 純

【公開番号】 特開2005−312310(P2005−312310A)
【公開日】 平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願番号】 特願2004−130700(P2004−130700)