| 【発明の名称】 |
高機能性健康食品、及び高機能性健康食品の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 誠
【氏名】佐渡山 恵一
【氏名】宮城 健
【氏名】北本 大
【氏名】井村 知弘
【氏名】柳下 宏
|
| 【要約】 |
【課題】健康食品素材の有する生理活性を高活性化させ、従来の有効量より少量で、同等又はそれ以上の生理活性を示す高機能性健康食品を提供する。
【解決手段】健康食品素材と、天然物由来のリン脂質とが機械的に分散処理された混合物からなる高機能性健康食品であって、健康食品素材が、担子菌類抽出物、フコイダン、又はウコン抽出物より選ばれる少なくとも1種であり、天然物由来のリン脂質が、卵黄リン脂質又は大豆リン脂質より選ばれる少なくとも1種である高機能性食品とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 健康食品素材と、天然物由来のリン脂質とが機械的に分散処理された混合物からなる高機能性健康食品であって、 前記健康食品素材が、担子菌類抽出物、フコイダン、又はウコン抽出物より選ばれる少なくとも1種であり、前記天然物由来のリン脂質が、卵黄リン脂質又は大豆リン脂質より選ばれる少なくとも1種である ことを特徴とする高機能性食品。 【請求項2】 前記機械的分散処理が、高速回転分散処理、超音波分散処理、高圧ホモジナイザー分散処理より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の高機能性健康食品。 【請求項3】 前記混合物に、にがりを含有させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の高機能性健康食品。 【請求項4】 担子菌類抽出物、フコイダン、又はウコン抽出物より選ばれる少なくとも1種からなる健康食品素材と、卵黄リン脂質又は大豆リン脂質より選ばれる少なくとも1種からなる天然物由来のリン脂質とを混合し、得られた混合物の高速回転分散処理を行うことを特徴とする高機能性健康食品の製造方法。 【請求項5】 前記混合を行う前に、前記健康食品素材と、前記天然物由来のリン脂質のそれぞれに対して、別個に予備分散処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の高機能性健康食品の製造方法。 【請求項6】 前記高速回転分散処理の後に、前記混合物の超音波分散処理又は高圧ホモジナイザー分散処理を行うことを特徴とする請求項4又は5に記載の高機能性健康食品の製造方法。 【請求項7】 前記混合にあたり、合わせてにがりを混合することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の高機能性健康食品の製造方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、健康食品素材の生理活性を高活性化させた健康食品に関し、特に担子菌類、フコイダン、ウコンの抽出物が有する生理活性を高活性化させ、従来の有効量よりも少量で、同等又はそれ以上の生理活性を示す高機能性健康食品、及び高機能性健康食品の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、担子菌類やフコイダンに含まれる生理活性成分である多糖類は、比較的分子量が大きいため、消化管粘膜からの膜透過性が悪く、経口投与した場合、消化管から吸収されにくいという問題があった。 このため、現在、経口摂取により多糖類が有する生理活性を得ることを目的として、多糖類に化学的処理や酵素処理を施してその分子量を小さくし、消化管からの吸収効率を上げる方法や、多糖類を多量に摂取することにより吸収量を増加させる方法が検討されている。 【0003】 一方、ウコンに含まれる生理活性成分であるクルクミン又はクルクミン誘導体は、油溶性である場合が多いため、消化管粘膜からの膜透過性が悪く、担子菌類やフコイダンの場合と同様に、経口投与した場合、消化管から吸収されにくいという問題があった。 このため、現在、経口摂取によりウコンが有する生理活性を得る方法としては、ウコン抽出物を油と一緒にカプセル化して摂取する方法(例えば、特許文献1参照。)や、ウコン抽出物を多量に摂取するといった方法が講じられている。 【0004】 【特許文献1】特開平13−86931号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、担子菌類やフコイダンについては、その多糖類の分子量を小さくし、オリゴ糖以下の分子量にした場合に、期待される生理活性が発現されるかどうかは明らかになっていない。また、多量摂取は人的苦痛を伴うため、その摂取自体が困難であり、健康食品として望ましいものではないという問題があった。 さらに、ウコンについても、同様に、多量摂取は、人的苦痛を伴うために摂取自体が困難である。 また、この多量摂取のために、加工や製造面において、濃厚なレトルト食品や、カプセル品、特殊な顆粒品、打錠品にするなどの煩雑な食品加工技術が必要となったり、製造工程の増加をまねくという問題がある。 ウコン抽出物をカプセル化して摂取する場合についても、同様に、煩雑な食品加工技術の必要性や製造工程の増加といった問題があり、これらの方法では、相当の製造費用が生じるのが現状である。 【0006】 このため、本発明者らは、担子菌類、フコイダン、又はウコンを用いた健康食品の製造プロセスにおいて、粉体分散、細胞壁破壊、均質化、脱ガス等の目的で高速回転分散処理を行い、この際に、その他の食品素材を加えることによって、相乗効果により担子菌類、フコイダン、又はウコンが有する生理活性が高活性化されることを期待した。 その生理活性が高活性化すれば、これらを比較的少量摂取するだけで効果を得ることができ、従来の多量摂取等の問題を解決することができるためである。 【0007】 そこで、数ある食品素材の中から鋭意検討した結果、卵黄リン脂質あるいは大豆リン脂質を、担子菌類、フコイダン、又はウコンに混合して高速回転分散処理を施すことにより、従来の有効量よりも少量で、担子菌類及びフコイダンが有する腫瘍細胞増殖抑制効果、又はウコンが有する肝障害抑制効果を、従来の有効量を用いた場合と同等又はそれ以上に高活性化できることを見いだし、本発明を完成させた。 本発明は、担子菌類抽出物、フコイダン、ウコン抽出物の有する生理活性を高活性化させ、従来の有効量より少量で、同等又はそれ以上の生理活性を示す高機能性健康食品、及び高機能性健康食品の製造方法を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記目的を達成するため、本発明の高機能性健康食品は、健康食品素材と、天然物由来のリン脂質とが機械的に分散処理された混合物からなる高機能性健康食品であって、健康食品素材が、担子菌類抽出物、フコイダン、又はウコン抽出物より選ばれる少なくとも1種であり、天然物由来のリン脂質が、卵黄リン脂質又は大豆リン脂質より選ばれる少なくとも1種であることを特徴としている。 高機能性健康食品をこのようなものにすれば、担子菌類、フコイダン、又はウコンに、卵黄リン脂質又は大豆リン脂質を混合して、機械的に分散処理することができ、担子菌類若しくはフコイダンが有する腫瘍細胞増殖抑制効果、又はウコンが有する肝障害抑制効果を、向上させることができる。 このため、本発明の高機能性健康食品によれば、従来の有効量よりも少量で、従来と同等又はそれ以上の上記各効果を得ることが可能となる。 【0009】 また、本発明の高機能性健康食品は、機械的分散処理として、高速回転分散処理、超音波分散処理、高圧ホモジナイザー分散処理より選ばれる少なくとも1種により分散されたものであることが好ましい。 高機能性健康食品をこれらのような機械的分散処理を施すことによって得たものとすることより、より生理活性を向上させたものとすることが可能となる。 【0010】 また、本発明の高機能性健康食品は、混合物に、にがりを含有させて機械的に分散処理されたものとすることが好ましい。 このようにすれば、担子菌類、フコイダン、又はウコンが有する生理活性をより一層高活性化させることが可能となる。 【0011】 また、本発明の高機能性健康食品の製造方法は、担子菌類抽出物、フコイダン、又はウコン抽出物より選ばれる少なくとも1種からなる健康食品素材と、卵黄リン脂質又は大豆リン脂質より選ばれる少なくとも1種からなる天然物由来のリン脂質とを混合し、得られた混合物の高速回転分散処理を行う方法としている。 高機能性健康食品の製造方法をこのような方法とすることにより、担子菌類抽出物、フコイダン、及びウコン抽出物の生理活性を高活性化することが可能となる。 【0012】 また、本発明の高機能性健康食品の製造方法を実施するにあたり、健康食品素材と、天然物由来のリン脂質を混合する前に、これらのそれぞれに対して、別個に予備分散処理を行うことが好ましく、高速回転分散処理の後に、混合物の超音波分散処理又は高圧ホモジナイザー分散処理を行うことが好ましい。さらに、上記混合にあたり、合わせてにがりを混合することが好ましい。 これらによって、より一層各健康食品素材の生理活性を高活性化することが可能となる。 【発明の効果】 【0013】 本発明によれば、担子菌類抽出物、フコイダン、ウコン抽出物にリン脂質を混合し、機械的分散処理を施すことによって、それぞれより少ない摂取量で、より高い生理活性を得ることができる。 すなわち、担子菌類及びフコイダンが有する腫瘍細胞増殖抑制効果、又はウコンが有する肝障害抑制効果を、従来の有効量よりも少ない摂取量で期待することが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 本発明は、高機能性健康食品及びその製造方法であって、生理活性を有する健康食品素材に、リン脂質を加え、機械的分散処理を施すことを特徴とする。以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。 本発明で使用する生理活性を有する健康食品素材とは、担子菌類抽出物、フコイダン、ウコン抽出物であり、これらのうちの一を、又は二以上を合わせて使用することができる。 【0015】 (担子菌類) 本発明に使用する担子菌類は、有用な菌種であれば特に制限されないが、例えば、アガリクス茸,メシマコブ,シイタケ,ヤマブシ茸,チョレイマイ茸,タモギ茸,オオシロアリ茸,レイシ等とすることができ、特にアガリクス茸菌糸体とすることが好ましい。下記にアガリクス茸の学名、生理活性、及び有効量を記載する。 [アガリクス茸] 学名:Agaricus blazei Murill 生理活性:抗腫瘍効果,制癌作用,血糖降下作用,血圧降下作用等(これでわかる薬用植物 新星図書出版 P313) 有効量:116mg/kg/日 【0016】 (フコイダン) 本発明で使用するフコイダンは、褐藻類のオキナワモズク属,イトモズク属,モズク属,コンブ属,カジメ属,アラメ属,ワカメ属,ヒバマタ属のうち少なくとも1種以上より抽出されたものからなるものである。好ましくはオキナワモズク属由来のフコイダンである。下記にオキナワモズク属由来のフコイダンの属名、学名、生理活性、及び有効量を記載する。 [フコイダン] 属名:Cladosiphon okamuranus TOKIDA 学名:fucoidan 生理活性:抗血液凝固活性,抗腫瘍効果,コレステロール低下作用,抗HIV作用,血液上昇抑制,抗アレルギー作用(薬理と治療 Vol.28 No.1 2000 P63-70) 有効量:200mg/kg/日 【0017】 (ウコン) 本発明で使用するウコンは、例えば、秋ウコン,春ウコン,紫ウコン等とすることができ、特に秋ウコンとすることが好ましい。下記に秋ウコンの学名と生理活性、及び有効量を記載する。 [秋ウコン] 学名:Curcuma longa Linn 生理活性:蓄膿症,胆のう,黄疸,肺炎,胆石症,腎臓炎,肝炎,胃炎,関節炎,消化不良,浮腫(おきなわの薬草百科 新星図書出版 P66) 有効量:100mg/kg/日 【0018】 ここで「有効量」とは、経口摂取により、有意な生理活性作用、例えば、腫瘍細胞増殖抑制効果や、肝障害抑制効果(例えば、血清中のグルタミン酸−オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(以下、GOTという。)活性値や、グルタミン酸−ピルビン酸トランスアミナーゼ(以下、GPTという。)活性値の増加抑制作用)を単発的あるいは持続的に示し、かつ病態改善が期待される量をいう。その量は当業者であれば、検査値及び臨床症状などから決定することができる。 【0019】 (リン脂質) 本発明で使用するリン脂質としては、例えば、卵黄リン脂質,大豆リン脂質等とすることができ、これらのうちいずれか一方を使用するほか、双方を合わせて使用することもできる。 また、本発明では、これらを所定の酵素で処理したもの、あるいはこれらの水素添加物を用いることもできる。 さらに、これらのリン脂質としては、一般に食品添加物として用いられている物が望ましい。また、その純度は30%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。 【0020】 (製造方法) 次に、本発明の高機能性健康食品の製造方法について説明する。 本発明の高機能性健康食品の製造方法は、担子菌類抽出物、フコイダン、又はウコン抽出物より選ばれる少なくとも1種からなる健康食品素材と、卵黄リン脂質又は大豆リン脂質より選ばれる少なくとも1種からなる天然物由来のリン脂質とを混合し、得られた混合物の高速回転分散処理(高速回転処理)を行うことが可能で有れば、特に限定されるものではないが、例えば以下のように、抽出工程、予備分散処理工程、及び分散処理工程を有する方法とすることが好ましい。 【0021】 [抽出工程] まず、担子菌類又はウコンの抽出物を健康食品素材とする場合は、それらの抽出物の調整を行う。 その方法としては、担子菌類抽出物又はウコン抽出物を得ることができるものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、担子菌類又はウコンを、所定の抽出溶媒に加えることにより抽出することができる。 そして、所定の温度で所定時間抽出を行った後、抽出残渣を除いて得られた抽出エキスを凍結乾燥機で処理することにより、これらの抽出物を調整することができる。 【0022】 抽出溶媒としては、食品衛生法上許容される溶剤であれば特に限定されないが、例えば、熱水、エタノール、アセトン、ヘキサン等を使用することができる。 また、本発明においては、これらの抽出溶媒のなかでは、安全性の点から、特に熱水及びエタノールが、好適に使用し得るものである。 また、これらの抽出溶媒を、単独で使用するのみならず、二以上を混合して用いることも好ましい。 【0023】 [予備分散処理工程] まず、健康食品素材を水に加え、機械的攪拌を行うことによって、予備分散させる。このとき、健康食品素材の濃度としては、例えば、20g/100ml未満とすることができ、1〜10g/100mlとすることが好ましい。 この予備分散処理は、例えば、高速回転型分散機により1,000〜4,000rpmにて約5〜15分間行うことが好ましい。また、その処理温度は、例えば、約20〜70℃とすることができ、30〜60℃とすることが好ましい。 【0024】 また、リン脂質を水に加え、機械的攪拌を行うことによって、予備分散させる。このとき、リン脂質の濃度としては、例えば、30g/100ml未満とすることができ、1〜20g/100mlとすることが好ましい。また、この予備分散は、健康食品素材と同様の条件にて行うことが好ましい。 そして、健康食品素材を予備分散させた健康食品素材分散液に、リン脂質を予備分散させたリン脂質分散液を、上記予備分散処理と同様の機械的攪拌を保ちながら添加する。このリン脂質の添加は、100〜3,000ml/分の速度で行うことが好ましい。 健康食品素材分散液に、リン脂質分散液を添加し終えたら、次に分散処理工程によって、機械的攪拌による高速回転分散処理を行う。 【0025】 [分散処理工程] この分散処理は、例えば、高速回転型分散機により4,000〜20,000rpmにて行うことができ、8,000〜13,000rpmで行うことが好ましい。 その処理時間としては、約10〜60分とすることができ、20〜40分とすることが好ましい。 その処理温度としては、約20〜70℃とすることができ、40〜60℃とすることが好ましい。 そして、この分散処理工程により得られた健康食品素材とリン脂質の懸濁液を、高機能性健康食品とすることができる。 【0026】 なお、この懸濁液は、液状のまま高機能性健康食品として用いることができ、例えば、飲料などの液状の食品とすることができる。また、この懸濁液を、噴霧乾燥や凍結乾燥して乾燥物とすることにより、錠剤、顆粒、チュアブルタブレットなどの固形の食品に利用することもできる。さらに、その食品に応じた食品素材、食品添加物などと組み合わせて、通常の方法により調製することも可能である。また、担子菌類抽出物及びフコイダンが有する腫瘍細胞増殖抑制効果、及び、ウコン抽出物が有する肝機能改善効果に応じた健康食品、機能性食品、特定保健用食品、病者用食品等の用途に用いることも可能である。 【0027】 高機能性健康食品を、にがりを含有させたものとする場合は、上記予備分散工程において、健康食品素材分散液に、リン脂質分散液を添加する際、同時ににがりを加えることが好ましい。 にがりの添加量としては、使用する健康食品素材やリン脂質の組成により変動しうるが、例えば、にがり:リン脂質の重量比を1:6〜1:1にすることが可能である。 【0028】 なお、本発明における高機能性健康食品の製造方法は、上記の例示のみに限定されるものではなく、例えば、水に健康食品素材とリン脂質を同時に投入して、機械的攪拌によって予備分散させた後、高速回転分散処理を施すようにすることも可能である。 ただし、健康食品素材とリン脂質を別々に予備分散して調整した方が、担子菌類抽出物、フコイダン、ウコン抽出物の有する生理活性が一層高活性化されるため、上記の例示の方法によることがより好ましい。 【0029】 本発明の高機能性健康食品を製造する際に使用する水としては、特に限定されないが、例えば、脱イオン水、市水、蒸留水、電解水等を使用することができる。 また、本発明において使用する高速回転型分散機としては、ディゾルバー型、ホモミキサー型、櫛歯型等の種々の食品分野で汎用されている高速回転型分散機を挙げることができる。 さらに、上記分散処理工程における分散処理として、高圧ホモジナイザーや超音波式ホモジナイザーによる精密分散を行うこともできる。また、このような精密分散を、高速回転型分散機による分散と組み合わせて使用することも好ましい。 【0030】 本発明による高機能性健康食品の懸濁液は、使用する健康食品素材やリン脂質の組成によっても異なるが、リポソーム、ゲル状化合物、高分子体分散物のいずれか、あるいは、これらの形態のうち、一又は二以上が混在したものにより構成される。 このリポソームについては、従来からその有効性に関する各種報告がなされている。例えば、通常経口投与では無効とされていたインスリンを、リポソームに封入することによって、経口投与時のインスリンのバイオアベイラビリティーが増加することが報告されている(Takeuchi H et al. Pharam. Res. 13, 896, 1996,Muramatsu K et al. Biol. Pharam. Bull. 19, 1055, 1996,Iwanaga K et al. J.Pharm. Sci. 88, 248, 1999等)。また、エリスロポエチンをリポソームに封入することにより、そのバイオアベイラビリティーが上昇することも報告されている(Maitani Y et al. J. Pharam. Sci. 85, 440, 1996等)。 このことから、本発明の高機能性健康食品において、リポソームが混在していれば、生理活性が一層上昇することが期待できる。 【0031】 ここで、リポソーム自体は公知のものであり、その製造方法については常法のものがある。また、リポソームの粒径やpHについても各種研究が既に行われている。例えば、粒径に関するものとしては Biochemica et Biophysica Acta, 557, 9 (1979)、同601, 559 (1980)、Journal of Pharmaceutical Sciences, 71, 806 (1982)等を挙げることができる。また、pHに関するものとしては、特開昭63−96193号公報、特開昭64−85920号公報、特開平4−9337号公報等を挙げることができる。 【0032】 しかしながら、これらの報告は、すべてリポソームの一般的な物性や、本発明が対象としていない生理活性ペプチド(特開平15−171262号公報)、その他特別な薬物含有リポソーム(Takeuchi H et al. Pharam. Res. 13, 896, 1996,Muramatsu K et al. Biol. Pharam. Bull. 19, 1055, 1996,Iwanaga K et al. J.Pharm. Sci. 88, 248, 1999,Maitani Y et al. J. Pharam. Sci. 85, 440, 1996等)など、主に低分子化合物に関する報告であり、本発明の高機能性健康食品で使用する担子菌類抽出物やフコイダンが有する多糖類、ウコン抽出物が有するクルクミン類とは、全く異なるものである。また、生理活性の面でも、担子菌類抽出物やフコイダンが有する腫瘍細胞増殖抑制効果、ウコン抽出物が有する肝機能改善効果の向上について開示するものではなく、本発明の高機能性健康食品に関連するものではない。 【0033】 なお、上記実施形態において、健康食品素材として、担子菌類抽出物、フコイダン、又はウコン抽出物のいずれかを使用することができるのみならず、これらの二以上を組み合わせたものとすることも好ましい。これによって、それぞれの生理活性を合わせ持つ高機能性健康食品を製造することが可能となる。 また、同様に、リン脂質として、卵黄リン脂質又は大豆リン脂質の一方を使用することができるのみならず、これらを組み合わせて使用することも可能である。 【実施例】 【0034】 以下、本発明の実施例について説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例1〜3は、健康食品素材として、担子菌類の一種であるアガリクス菌糸体を使用したものである。実施例4及び5は、健康食品素材として、ウコンのうち、秋ウコンを使用したものである。また、試験例は、各実施例の高機能性健康食品を評価するものであり、試験例1は、実施例1〜3に関するもの、試験例2は、実施例4及び5に関するものである。 【0035】 アガリクス菌糸体抽出物としては、アガリクス菌糸体バガス培養物(株式会社沖縄発酵化学製)1kgを、市水2700mlとエタノール6300mlの混合溶媒によって、80℃で、1時間抽出を行った後に、抽出残渣を除き、得られた抽出エキスを凍結乾燥機で処理することにより調整したものを使用した。 秋ウコン抽出物としては、沖縄県産秋ウコン200gを、市水1200mlとエタノール800mlの混合溶媒によって、80℃で、1時間抽出を行った後に、抽出残渣を除き、得られた抽出エキスを凍結乾燥機で処理することにより調整したものを使用した。 【0036】 (実施例1) アガリクス菌糸体抽出エキス粉末3g、大豆由来のリン脂質(SLP-WHITE、ツル−レシチン工業株式会社製)3g、及び市水300mlを、500mlトールビーカーに入れて、高速回転型分散機(T.K.ホモミキサーMARK II fmodel 特殊機化工業株式会社。以下同様。)により、常温、大気圧下(開放)、回転数1,500rpmで、5分間予備分散した。 【0037】 その後、高速回転分散機の回転数を13,000rpmにし、60℃で、30分間運転した。 この処理物をサンプル1とした。さらに、サンプル1を半分に分け、その一方を超音波処理機(UD−201 株式会社TOMY精工。以下同様。)によって、60℃、大気圧下(開放)で、30分間超音波分散処理(超音波処理)し、この処理物をサンプル2とした。 【0038】 (実施例2) アガリクス菌糸体抽出エキス粉末3g、及び市水200mlを、500mlトールビーカーに入れて、高速回転型分散機により、常温、大気圧下(開放)、回転数1,500rpmで、5分間予備分散し、これをA液とした。 また、実施例1で使用した大豆由来のリン脂質3g、及び市水100mlを、300mlビーカーに入れて、上記と同様の条件で予備分散処理を行い、これをB液とした。 【0039】 次に、調整したA液を、高速回転型分散機にて、常温、大気圧下(開放)、回転数1,500rpmの条件で攪拌しながら、B液を1分間かけて徐々に加えた。 B液をすべて加えた後、高速回転分散機の回転数を13,000rpmにし、60℃で、30分間運転した。 この処理物をサンプル3とした。さらに、サンプル3を半分に分け、その一方を超音波処理機によって、60℃、大気圧下(開放)で、30分間超音波分散処理し、この処理物をサンプル4とした。 【0040】 (実施例3) 実施例2のA液に代え、アガリクス菌糸体抽出エキス粉末3g、にがり(沖縄県多良間島産)1.44g、及び市水200mlを入れて、高速回転型分散機により、常温、大気圧下(開放)、回転数1,500rpmで、5分間予備分散した。 そして、実施例2と同様の操作を行って、高速回転処理のみを行ったサンプル5と、さらに超音波分散処理まで行ったサンプル6を調整した。 【0041】 (実施例4) 秋ウコン抽出エキス粉末3g、実施例1で使用した大豆由来のリン脂質3g、及び市水300mlを、500mlトールビーカーに入れて、高速回転型分散機によって、常温、大気圧下(開放)、回転数1,500rpmで、5分間予備分散した。 その後、高速回転分散機の回転数を13,000rpmにし、60℃で、30分間運転した。 この処理物をサンプル7とした。さらに、サンプル7を半分に分け、その一方を超音波処理機にて、60℃、大気圧下(開放)で、30分間超音波分散処理し、この処理物をサンプル8とした。 【0042】 (実施例5) 秋ウコン抽出エキス粉末3g、及び市水200mlを、500mlトールビーカーに入れて、高速回転型分散機により、常温、大気圧下(開放)、回転数1,500rpmで、5分間予備分散し、これをC液とした。 また、実施例1で使用した大豆由来のリン脂質3g、及び市水100mlを、300mlビーカーに入れて、上記と同様の条件で予備分散処理を行い、これをD液とした。 【0043】 次に、調整したC液を、高速回転型分散機にて、常温、大気圧下(開放)、回転数1,500rpmの条件で攪拌しながら、D液を1分間かけて徐々に加えた。 D液をすべて加えたら、高速回転分散機の回転数を13,000rpmにし、60℃で、30分間運転した。 この処理物をサンプル9とした。さらに、サンプル9を半分に分け、その一方を超音波処理機によって、60℃、大気圧下(開放)で、30分間超音波分散処理し、この処理物をサンプル10とした。 【0044】 (試験例1) <腫瘍細胞増殖抑制試験> 実施例1〜3において得られた高機能性健康食品(アガリクス菌糸体抽出物含有,サンプル1〜6)を担癌動物に投与し、腫瘍容積の変化を以下の方法に従って調べることにより、本発明の高機能性健康食品における腫瘍細胞増殖抑制効果を評価した。 【0045】 (1)試験方法 まず、試験群(試験物質投与群)としては、以下の各試験物質を投与する合計8群を設定した。 ・試験群I アガリクス菌糸体抽出物 ・試験群II アガリクス菌糸体抽出物と大豆リン脂質の混合物(実施例1と同様の成分及び配合比で、機械的処理を行っていない未処理の組成物) ・試験群III サンプル1(アガリクス菌糸体抽出物 高速回転処理/素材を同時に予備分散/にがり無) ・試験群IV サンプル2(アガリクス菌糸体抽出物 高速回転処理+超音波処理/素材を同時に予備分散/にがり無) ・試験群V サンプル3(アガリクス菌糸体抽出物 高速回転処理/素材を別々に予備分散/にがり無) ・試験群VI サンプル4(アガリクス菌糸体抽出物 高速回転処理+超音波処理/素材を別々に予備分散/にがり無) ・試験群VII サンプル5(アガリクス菌糸体抽出物 高速回転処理/素材を別々に予備分散/にがり有) ・試験群VIII サンプル6(アガリクス菌糸体抽出物 高速回転処理+超音波処理/素材を別々に予備分散/にがり有) 【0046】 そして、これらの試験群I〜VIIIと、対照群(対照物質投与群)の合計9群について、マウス(ヌードマウス,BALB/c−nu,雄,4週齢,n=10,入手先:日本チャールスリバー社)を用意し、腫瘍細胞を接種した後に、これらのマウスにそれぞれの物質を投与して飼育し、その腫瘍容積の変化を調べた。 腫瘍細胞の接種は、マウス由来腫瘍細胞株Sarcoma180の生理食塩水分散液(細胞数1×107個/ml)100μlを、注射針25G、ツベルクリー用1mlシリンジを用いて背部皮下に行った。 【0047】 接種後、各試験群には、ツベルクリー用1mlシリンジ及びマウス用経口ゾンデを用いて、それぞれの試験物質をアガリクス菌糸体抽出物が固形量で50mg/kgとなるように強制的に経口投与した。 投与時刻は、腫瘍測定のある日の投与は、腫瘍測定終了後の午後とし、腫瘍測定のない日の投与もほぼ同時刻で行った。投与回数は、1日1回とした。投与期間は、21日間とした。 対照群のマウスには、上記と同様にして市水を投与した。試験群の構成と投与物質の内容等を図1に示す。 【0048】 また、各マウスの腫瘍容積(mm3)は、腫瘍の長径(a)、短径(b)、高さ(c)をノギスにてmm単位で測定し、(a)×(b)×(c)/2の式によって求めた。 測定ポイントは、試験物質投与後、5,10,15日の3ポイントで、測定は1日1回とした。 【0049】 (2)効果の判定 試験物質の投与後、5,10,15日目に、各投与群の推定腫瘍容積の平均値を算出し、この値を用いて、対照群と各試験群との間でt検定を実施し、腫瘍細胞増殖抑制効果の判定を行った。図2は、各試験群の推定腫瘍容積の変化の推移を示す図である。 【0050】 同図において、本発明の機械的処理を施していない試験群I及びIIについては、対照群に対し、いずれも有意差が確認されなかった。 また、本発明の機械的処理において、アガリクス菌糸体抽出物及び大豆リン脂質を同時に予備分散した試験群III及びIVについては、t検定に従えば、対照群に対して有意ではないが、腫瘍細胞の増殖は、明らかな低下傾向を示した。 【0051】 また、本発明の機械的処理において、アガリクス菌糸体抽出物及び大豆リン脂質を別々に予備分散した試験群V及びVIについては、対照群に対して10日目及び15日目に有意差(p<0.05)が確認された。 さらに、本発明の機械的処理において、アガリクス菌糸体抽出物及び大豆リン脂質を別々に予備分散するとともに、にがりを加えた試験群VII及びVIIIについては、対照群に対して10日目に有意差(p<0.05)が、15日目に有意差(p<0.01)が確認された。 また、試験群III〜試験群VIIIについては、本発明の機械的処理において、超音波分散処理を施したものの方が、腫瘍細胞の増殖は、低下傾向を示していた。 【0052】 以上の結果から、実施例1において製造した高機能性健康食品(サンプル1〜6:試験群III〜VIII)に、腫瘍増殖抑制作用が期待できるものと考えられ、本発明の機械的処理を行うことで初めて、腫瘍細胞増殖抑制効果が発現されることが明らかとなった。 すなわち、本試験例1において、使用しているアガリクス菌糸体抽出物は、50mg/kg/日であり、上述した従来の有効量(116mg/kg/日)を下回っているため、この健康食品素材を単に含有するもの(試験群I及びII)は、有効な腫瘍細胞増殖抑制効果を示していない。 しかしながら、実施例1〜3において製造したアガリクス菌糸体抽出物を含有する本発明の高機能性健康食品は、50mg/kg/日の投与量で腫瘍細胞増殖抑制効果を示しており、従来よりも少量で、腫瘍細胞増殖抑制効果を発現することが明らかとなった。 【0053】 特に、本発明の機械的処理において、アガリクス菌糸体抽出物と大豆リン脂質を同時に予備分散するよりも、別々に予備分散して調整した方が、より高い腫瘍増殖抑制効果を期待できることが明らかとなった。 また、本発明の機械的処理において、高速回転分散処理だけでなく、超音波分散処理を施した方が、より一層高い腫瘍増殖抑制効果を期待できることが明らかとなった。 さらに、本発明の高機能性健康食品に、にがりを含有させることで、更に一層高い腫瘍細胞増殖抑制効果が発現されることが明らかとなった。 【0054】 (試験例2) <肝障害抑制試験> 実施例4及び5において得られた高機能性健康食品(秋ウコン抽出物,サンプル7〜10)を実験動物に連続投与し、その後、肝障害を発症したマウスにおけるのGOT、GPT活性値の影響を以下の方法に従って調べることにより、本発明の高機能性健康食品における肝障害抑制効果を評価した。 【0055】 (1)試験方法 まず、試験群としては、以下の各試験物質を投与する合計6群を設定した。 ・試験群I 秋ウコン抽出物 ・試験群II 秋ウコン抽出物と大豆リン脂質の混合物(実施例4と同様の成分及び配合比で、機械的処理を行っていない未処理の組成物) ・試験群III サンプル7(秋ウコン抽出物 高速回転処理/素材を同時に予備分散) ・試験群IV サンプル8(秋ウコン抽出物 高速回転処理+超音波処理/素材を同時に予備分散) ・試験群V サンプル9(秋ウコン抽出物 高速回転処理/素材を別々に予備分散) ・試験群VI サンプル10(秋ウコン抽出物 高速回転処理+超音波処理/素材を別々に予備分散) 【0056】 そして、これらの試験群I〜VIと、対照群の合計7群について、マウス(ddyマウス,雄,4週齢,n=7,入手先:日本チャールスリバー社)を用いて試験を行った。 試験群I〜VIのマウスには、ツベルクリー用1mlシリンジ及びマウス用経口ゾンデを用いて、それぞれの試験物質を秋ウコン抽出物が固形量で50mg/kgとなるように強制的に経口投与した。 投与時間は、午前中とし、投与回数は、1日1回とした。また、投与期間は、8日間とした。 対照群のマウスには、上記と同様にして市水を投与した。試験群の群構成と投与物質の内容等を図3に示す。 【0057】 次に、8日間の投与期間が終了すると、各試験群及び対照群のマウスの腹腔内に、四塩化炭素を投与して肝障害を発症させ、翌日に飼育を終了すると共に各マウスから採血を行った。この採血にあたり、マウスをエーテル麻酔下、裁断鋏で断頭して得られた切断部分から、血液を採取した。そして、採取した血液を、3000rpm、20分、5℃の条件で遠心分離機にかけ、上清として血漿を得た。得られた血漿は、GOT、GPT値の測定に供されるまでは、−40℃で保存した。 【0058】 次に、肝障害の指標となる血液中のGOT、GPTの活性値を測定した。この活性値の測定は、市販の測定キット(TA−LNカイノス 株式会社カイノス製)を用いて、各試験群及び対照群から得られた血漿中のGOT、GPT量を測定することによって行った。 【0059】 (2)効果の判定 上記のように測定したGOT、GPT活性値の平均値を用いて、対照群と各試験群との間でt検定を実施し、肝障害抑制効果の判定を行った。この結果を図4に示す。同図において、試験群におけるGOT、及びGPT活性値の右側に上付きで示したアスタリスクは、1個のものが有意差p<0.05、2個のものが有意差p<0.01で、有意差が認められることを意味するものである。 【0060】 同図において、本発明の機械的処理を施していない試験群I及びIIについては、対照群に対し、いずれも有意差が確認されなかった。 また、本発明の機械的処理において、秋ウコン抽出物及び大豆リン脂質を同時に予備分散した試験群III及びIVについては、t検定に従えば、対照群に対して有意ではないが、GOT、及びGPT活性値は、大きく低減していることが認められた。 また、本発明の機械的処理において、秋ウコン抽出物及び大豆リン脂質を別々に予備分散した試験群Vについては、対照群に対して有意差(p<0.05)が確認され、さらに超音波分散処理を施した試験群VIについては、対照群に対して有意差(p<0.01)が確認された。 【0061】 以上の結果から、本発明の機械的処理を行うことで初めて、肝障害抑制効果が発現されることが明らかとなった。 すなわち、本試験例2において、使用している秋ウコン抽出物は、50mg/kg/日であり、上述した従来の有効量(100mg/kg/日)を下回っているため、この健康食品素材を単に含有するもの(試験群I及びII)は、有効な肝障害抑制効果を示していない。 しかしながら、実施例4及び5において製造した秋ウコン抽出物を含有する本発明の高機能性健康食品は、50mg/kg/日の投与量で肝障害抑制効果を示しており、従来よりも少量で、肝障害抑制効果を発現することが明らかとなった。 【0062】 また、本発明の機械的処理において、秋ウコン抽出物と大豆リン脂質を同時に予備分散するよりも、別々に予備分散して調整した方が、より高い肝障害抑制効果を期待できることが明らかとなった。 さらに、本発明の機械的処理において、高速回転分散処理だけでなく、超音波分散処理を施した方が、より一層高い肝障害抑制効果を期待できることが明らかとなった。 【0063】 (実施例6) アガリクス菌糸体抽出エキス粉末20g、及び市水230mlを、500mlトールビーカーに入れて、高速回転型分散機(MR-1 ウルトラミキサー型 みずほ工業株式会社製。以下同様。)により、常温、大気圧下(開放)、回転数1,500rpmで、5分間予備分散し、これをA液とした。 また、大豆由来のリン脂質(SLP-WHITE、辻製油株式会社製。以下同様。)100g、及び市水650mlを、2,000mlビーカーに入れて、上記と同様の条件で予備分散処理を行い、これをB液とした。 【0064】 次に、調整したB液を、高速回転型分散機にて、常温、大気圧下(開放)、回転数1,500rpmの条件で攪拌しながら、A液を1分間かけて徐々に加えた。A液をすべて加えた後、高速回転分散機の回転数を4,500rpmにし、30℃で、15分間運転した。 この処理物をサンプル11とした。さらに、サンプル11を半分に分け、その一方を超高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザーM-110EH型 みずほ工業株式会社製。以下同様。)によって、分散処理し、この処理物をサンプル12とした。 超高圧ホモジナイザーの操作条件としては、圧力を100Mpaとし、合計3パス行なった。1〜3パスにおける投入温度・取り出し温度はともに30℃とした。以下の実施例においても同様である。 【0065】 (実施例7) ウコン抽出エキス粉末20g、及び市水230mlを、500mlトールビーカーに入れて、高速回転型分散機により、常温、大気圧下(開放)、回転数1,500rpmで、5分間予備分散し、これをA液とした。 また、大豆由来のリン脂質100g、及び市水650mlを、2,000mlビーカーに入れて、上記と同様の条件で予備分散処理を行い、これをB液とした。 【0066】 次に、調整したB液を、高速回転型分散機にて、常温、大気圧下(開放)、回転数1,500rpmの条件で攪拌しながら、A液を1分間かけて徐々に加えた。A液をすべて加えた後、高速回転分散機の回転数を4,500rpmにし、30℃で、15分間運転した。 この処理物をサンプル13とした。さらに、サンプル13を半分に分け、その一方を超高圧ホモジナイザーよって、分散処理し、この処理物をサンプル14とした。 【0067】 (試験例3) <粒子径測定試験> 実施例6及び7において得られた高機能性健康食品(サンプル11〜14)の粒子径を以下の方法で評価した。 (1)試験方法 上記のサンプル11〜14について、光散乱光度計(FPAR-1000、大塚電子株式会社製)を用いて動的光散乱方により粒度分布と標準偏差を測定した。図5にその測定結果を示す。同図は、サンプル11〜14についての粒度分布とその標準偏差を示すものである。また、同図におけるサンプル名の括弧内の数字は、超高圧ホモジナイザーのパス数を示している。 (2)効果の判定 図5に示されるように、高速回転型分散処理と超高圧ホモジナイザー分散処理とを行ったサンプルにおける粒子径は、高速回転型分散処理のみを行ったサンプルにおける粒子径に比較して、著しく小さくなっている。また、その粒子径の分布は狭くなっている。 すなわち、本発明の高機能性健康食品は、高速回転型分散処理のみを行った場合に比べて、その後に超高圧ホモジナイザー分散処理を行った方が、粒子径が細かく、かつその分布範囲が狭く、薬効成分の高吸収率が期待できるとともに、内容物の安定性の向上が期待できる。 このように超高圧ホモジナイザー分散処理を行うことによって、本発明の高機能性健康食品の効果がより向上すると考えられる。 【0068】 (試験例4) <腫瘍細胞増殖抑制試験> 実施例6において得られた高機能性健康食品(アガリクス菌糸体抽出物含有,サンプル11,12)を担癌動物に投与し、腫瘍容積の変化を以下の方法に従って調べることにより、本発明の高機能性健康食品における腫瘍細胞増殖抑制効果を評価した。 (1)試験方法 まず、試験群(試験物質投与群)としては、以下の各試験物質を投与する合計3群を設定した。 ・試験群I アガリクス菌糸体抽出物 ・試験群II サンプル11(アガリクス菌糸体抽出物 高速回転処理) ・試験群III サンプル12(アガリクス菌糸体抽出物 超高圧ホモジナイザー処理) 【0069】 そして、これらの試験群I〜IIIと、対照群(対照物質投与群)の合計4群について、マウス(ヌードマウス,BALB/c−nu,雄,4週齢,n=10,入手先:日本チャールスリバー社)を用意し、腫瘍細胞を接種した後に、これらのマウスにそれぞれの物質を投与して飼育し、その腫瘍容積の変化を調べた。 腫瘍細胞の接種は、マウス由来腫瘍細胞株Sarcoma180の生理食塩水分散液(細胞数1×107個/ml)100μlを、注射針25G、ツベルクリー用1mlシリンジを用いて背部皮下に行った。 【0070】 接種後、各試験群には、ツベルクリー用1mlシリンジ及びマウス用経口ゾンデを用いて、それぞれの試験物質をアガリクス菌糸体抽出物が固形量で20mg/kgとなるように強制的に経口投与した。 投与時刻は、腫瘍測定のある日の投与は、腫瘍測定終了後の午後とし、腫瘍測定のない日の投与もほぼ同時刻で行った。投与回数は、1日1回とした。投与期間は、21日間とした。対照群のマウスには、上記と同様にして市水を投与した。 【0071】 また、各マウスの腫瘍容積(mm3)は、腫瘍の長径(a)、短径(b)、高さ(c)をノギスにてmm単位で測定し、(a)×(b)×(c)/2の式によって求めた。 測定ポイントは、試験物質投与後、5,10,15日の3ポイントで、測定は1日1回とした。 【0072】 (2)効果の判定 試験物質の投与後、5,10,15日目に、各投与群の推定腫瘍容積の平均値を算出し、この値を用いて、対照群と各試験群との間でt検定を実施し、腫瘍細胞増殖抑制効果の判定を行った。図6は、各試験群の推定腫瘍容積の変化の推移を示す図である。 【0073】 同図において、本発明の機械的処理を施していない試験群Iについては、対照群に対し、有意差が確認されなかった。 また、本発明の機械的処理において、高速回転分散処理した試験群IIについては、t検定に従えば、20日目に対照群に対して有意ではないが、腫瘍細胞の増殖は、明らかな低下傾向(p<0.10)を示した。 【0074】 また、本発明の機械的処理において、超高圧ホモジナイザー分散処理した試験群IIIについては、対照群に対して20日目に有意差(p<0.05)が確認された。 以上の結果から、実施例6において製造した高機能性健康食品(サンプル11,12:試験群II,III)に、腫瘍増殖抑制作用が期待できるものと考えられ、さらに、超高圧ホモジナイザー分散処理を行うことで、高速回転分散処理に比し、更なる腫瘍細胞増殖抑制効果が発現されることが明らかとなった。 【0075】 すなわち、本試験例4において、使用しているアガリクス菌糸体抽出物は、20mg/kg/日であり、従来の有効量(116mg/kg/日)を下回っているため、この健康食品素材を単に含有するもの(試験群I)は、有効な腫瘍細胞増殖抑制効果を示していない。 しかしながら、実施例6において製造したアガリクス菌糸体抽出物を含有する本発明の高機能性健康食品は、超高圧ホモジナイザー分散処理を行ったもの(試験群III)については、20mg/kg/日の投与量で腫瘍細胞増殖抑制効果を示しており、従来よりも少量で、腫瘍細胞増殖抑制効果を発現することが明らかとなった。 【0076】 特に、この超高圧ホモジナイザー分散処理を行ったもの(試験群III)については、実施例2において調整したアガリクス菌糸体抽出物の処理物の有効量50mg/kg/日より更に少ない投与量で高い腫瘍増殖抑制効果を期待できることが明らかとなった。 よって、本発明の機械的処理において、超高圧ホモジナイザー分散処理を施すことで、より一層高い腫瘍増殖抑制効果を期待できることが明らかとなった。 【0077】 (試験例5) <胃酸耐性試験> 健康食品中の薬効成分は、経口投与すれば胃酸(pH2.3)と胃内の消化酵素により壊変するものが多い。このため、このようなものについては、多量摂取によって薬効を発揮する方法が一般的に採られている。しかしながら、このような多量摂取には、人的苦痛が伴うものである。 一方、本発明における機械的処理を施した高機能健康食品は、健康食品中の薬効成分を胃酸から保護する作用がある。 このため、本発明の高機能健康食品によれば、従来の健康食品の薬効が期待できる有効量の摂取が必要でなく、多量摂取による人的苦痛の軽減に大きく貢献することが可能である。 【0078】 そこで、実施例7において得られた高機能性健康食品(ウコンエキス含有,サンプル13,14)に胃酸耐性試験を施し、ウコンエキスに含有される有効成分であるクルクミンの量を測定することで、本発明の高機能性健康食品における薬効成分の胃酸耐性効果を評価した。 【0079】 (1)試験方法 まず、被験物質としては、以下の合計3サンプルを設定した。 ・被験物質I ウコンエキス(未処理) ・被験物質II サンプル13(ウコンエキス 高速回転処理) ・被験物質III サンプル14(ウコンエキス 超高圧ホモジナイザー処理) 【0080】 これらの被験物質I〜IIIと、対照物質の合計4サンプルについて人工胃酸処理後のクルクミン測定を行った。 試験管中にて、実施例7のサンプル13,14、及びこれらと同量のウコンエキス(2%)に、0.1M HCl・KCl緩衝液にペプシンを0.2%になるように溶解させて、HClでpHを2に調製した人工胃液を全体の10%になるように加え、各々を37℃で浸漬してインキュベーションした。 【0081】 インキュベーション120分後について、人工胃液中のサンプル13,14、ウコンエキス、及び対照物質(人工胃酸未処理のウコンエキス)中のクルクミン量を、高速液体クロマトグラフィー(LC−VP series 島津製作所製)にて測定した。 図7は、この測定結果を表わすものであり、対照物質、人工胃液処理後の被験物質I〜IIIにおけるクルクミン量、及びそれぞれの壊変率を示している。 ここで、壊変率(%)は次式によって計算される。
【0082】 (2)効果の判定 本発明における機械的処理を施していない被験物質Iは、胃酸処理試験によって、対照物質に対して43%のクルクミンが壊変している。 一方、本発明における機械的処理を施している実施例7の被験物質は、いずれも25%以下の壊変率を示すにとどまっている。 【0083】 特に、超高圧ホモジナイザー分散処理を施した被験物質IIIについては、対照物質に比べて、壊変率がわずか7%であることが確認された。このことから、本発明における機械的処理、特に、超高圧ホモジナイザー分散処理を施すことで、ウコンの薬効成分であるクルクミンの胃酸によるダメージが大きく軽減されることが明らかとなった。 すなわち、本発明における機械的処理、特に、超高圧ホモジナイザー分散処理を施すことで、健康食品に含有する薬効成分の胃酸による壊変が軽減され、これによって、より少ない投与量で、より効果の高い薬効効果を一層期待することが可能となる。 【産業上の利用可能性】 【0084】 本発明は、飲料などの液状の食品や、錠剤、顆粒、チュアブルタブレットなどの固形の食品に利用することができる。また、担子菌類抽出物及びフコイダンが有する腫瘍細胞増殖抑制効果、並びにウコン抽出物が有する肝機能改善効果に応じた健康食品、機能性食品、特定保健用食品、病者用食品等の用途に利用することができる。 【図面の簡単な説明】 【0085】 【図1】本発明の試験例1における試験群の構成、投与物質の配合組成、及び投与物質の機械的処理の有無を示す図である。 【図2】本発明の試験例1における腫瘍容積の変化の推移を示す図である。 【図3】本発明の試験例2における試験群の構成、投与物質の配合組成、及び投与物質の機械的処理の有無を示す図である。 【図4】本発明の試験例2におけるGOT、GPTの活性値を示す図である。 【図5】本発明の試験例3における高機能性食品の粒子径を示す図である。 【図6】本発明の試験例4における腫瘍容積の変化の推移を示す図である。 【図7】本発明の試験例5における胃酸処理後のクルクミン量及び壊変率を示す図である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】397040993 【氏名又は名称】株式会社沖縄発酵化学 【識別番号】301021533 【氏名又は名称】独立行政法人産業技術総合研究所
|
| 【出願日】 |
平成17年2月23日(2005.2.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086759 【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 喜平
|
| 【公開番号】 |
特開2005−304488(P2005−304488A) |
| 【公開日】 |
平成17年11月4日(2005.11.4) |
| 【出願番号】 |
特願2005−47359(P2005−47359) |
|