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【発明の名称】 ナスニン等の抽出及びその製造方法。
【発明者】 【氏名】佃 康正

【氏名】金行 孝雄

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナスの果皮部を剥き取り、その果皮を加熱処理して、ポリフェノールオキシターゼ効力を失わせ、10℃以下の温度で保存をすることを特長とするナスの果皮の処理・保存方法。
【請求項2】
請求項1記載の、ナスの果皮をpH2.5以下になるよう酸を加えた水溶液に浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、濾別して抽出液を得る。得られた抽出溶液を蒸発、乾固させることからなるナスニン等の製法。
【請求項3】
請求項1記載の、ナスの果皮をpH2.5以下になるよう酸を加えた水溶液に浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、濾別して抽出液を得る。得られた抽出溶液から公知の分離技術を用いて30v/v%エタノール酸性溶液で溶出された画分を回収することからなるナスニン等の製法
【請求項4】
ナス果皮の粉末をpH2.5以下になるよう酸を加えた水溶液に浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、濾別して抽出液を得る。得られた抽出溶液を蒸発、乾固させることからなるナスニン等の製法。
【請求項5】
ナス果皮の粉末をpH2.5以下になるよう酸を加えた水溶液に浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、濾別して抽出液を得る。得られた抽出溶液は公知の分離技術を用いて30v/v%エタノール酸性溶液で溶出された画分を回収することからなるナスニン等の製法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
この発明は、ナスの果皮部の加工に関するものである。
{背景技術}
【0002】
従来、ナスニンについては特開2002−322055の{0021}ナスニンの調製で、ナスの果皮を5%酢酸水溶液を用いて4℃で1週間浸漬し抽出と記載されている。他には、ナスニンの製造方法はみあたらない。ナスの果皮だけの製品は採算にあわないと思われていたことやナス及びナスニンを有効に利用する人がいなかったためと思われる。特願2003−431317で提案したものに加えて技術改良した。
{発明の開示}
{発明が解決しょうとする課題}
【0003】
ナスの果皮部に含まれているナスニンに強力なスーパーオキシドアニオンラジカル除去作用と過酸化防止作用があることが、本発明者の一人金行孝雄により見出されていることから、経済的なナスニンの製法を提案する。従来、ナスニンの抽出は、生の果皮を5%酢酸水溶液を用いて4℃で1週間浸漬し抽出と記載され、時間を要している抽出時間を短縮すること。ナスの生産地では、収穫末期や収穫期に需要をこえる生産量あることや規格外という理由で、良質のナスを大量に廃棄したり、見切り処分されている実態がある。そのため。ナスの有効利用と同時に付加価値の高い製品にすることを目指した。第一に、ナスの果皮を長期間保存しても変質しない技術を確立するため、素早くナスの皮を加工して保存できることを、第二に、保存した果皮で随時、生産できる製品を開発するため、ナスニンに着目し、経済的なナスニン等の抽出及びその製造方法を提供することを、第二に、果皮を剥いた後の、果肉部も付加価値の高い製品にすることを目的としている。
{課題を解決するための手段}
【0004】
収獲末期や収穫期等に、大量に廃棄したり、見切り処分されている良質のナスの活用法に伴うナスニン等の抽出及びその製造方法は、まず、ナスの果皮部の保存法を開発することである。何故なら、ナス及びナスの果皮は新鮮であるので、腐敗しやすくナスニン等の色素の減退、変質が憂慮される。ナスの加工保存法は、ナスの果皮部を剥き取り、その果皮を加熱処理して、ポリフェノールオキシダ−ゼ活性を失わせ、
10℃以下の温度で保存をすることを特長とする、ナスの果皮の保存法を開発することである。つまり長期間保存しても、ナスの果皮が変質しない技術である。 即ち、ナスの、果皮自体に含まれている、ポリフェノールオキシダーゼにより褐変減色して、ナスニン等が減少、変質するので、褐変減色阻止のために、ナスの果皮を剥きとり素早くその果皮を加熱処理することで、ポリフェノールオキシダ−ゼ活性を失わせ、ナスの果皮に含まれるナスニン等の色素残存率を保持するため10℃以下で保存する技術である。
並びに、ナスの果皮を加熱処理する過程で、色素が凝縮してナスニン等の抽出の条件が整い、従来、ナスニンの抽出は、生の果皮を5%酢酸水溶液を用いて4℃で1週間浸漬し抽出に時間を要していたが、保存したナスの果皮からは5℃で2時間浸漬し抽出できることで、大幅な抽出時間の短縮である。
【0005】
次に、保存したナスの果皮からの、ナスニン等の抽出及びその製造方法を説明する。
1) 保存したナスの果皮をpH2.5以下になるよう酸を加えた水溶液に浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、濾別して抽出液を得る。得られた抽出溶液を蒸発、乾固させることからなるナスニン等の製法。
2) 保存したナスの果皮をpH2.5以下になるよう酸を加えた水溶液に浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、濾別して抽出液を得る。得られた抽出溶液は公知の分離技術を用いて30v/v%エタノール酸性溶液で溶出された画分を回収することからなるナスニン等の製法。
【0006】
次に、特願2003−431317で提案したナスの果皮を乾燥、粉末化して、その粉末からのナスニン等の抽出及びその製造方法を説明する。
1) ナス果皮の粉末をpH2.5以下になるよう酸を加えた水溶液に浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、濾別して抽出液を得る。得られた抽出溶液を蒸発、乾固させることからなるナスニン等の製法。
2) ナス果皮の粉末をpH2.5以下になるよう酸を加えた水溶液に浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、濾別して抽出液を得る。得られた抽出溶液は公知の分離技術を用いて30v/v%エタノール酸性溶液で溶出された画分を回収することからなるナスニン等の製法。
【0007】
最後に果皮を剥き取った後の果肉部は、半割りにした果肉を個別包装して加熱処理することで、個別包装のままで解凍ができ、衛生的で解凍時水分の蒸発が少なく味覚が変らない。個別包装は小人数には使い勝手がよく、解凍又は温めですぐ食べられる。蒸しナスにすることで有効に利用できる。また、カット果肉に加工して、過熱処理してポリフェノールオキシダーゼ効力を失わせ冷却してフリーズドライ又はフリーズドライに近い乾燥をして、皮なし凍みナス、として付加価値のある保存食品として活用する。そして、ナスニン等を抽出した後の果皮の残渣も活用できる酸性水溶液を使用する。また、保存したナスの果皮を原料とした果皮を含んだ食品も開発する。
発明の効果}
【0008】
この発明によれば
1) 従来、ナスニン等の抽出に、生の果皮を5%酢酸水溶液を用いて4℃で1週間浸漬し抽出に時間を要していたが、保存したナスの果皮からは5℃で2時間浸漬し抽出できる。
2) ナスの果皮を数分間、熱処理することにより、成分の変化や変質なしで保存できる果皮の処理である。
3) 保存したナスの果皮はポリフェノールオキシダ−ゼを除去しているのでナスニン等の抽出、精製時も、色素成分に悪影響をあたえない。
4) 保存したナスの果皮はポリフェノールオキシダ−ゼを除去しているのでナスニン等の抽出、精製時にポリフェノールオキシダ−ゼを除去する作業がいらない。
5) 熱処理すること等で、ナスの果皮を長期間保存できること。
6) 熱処理の作業が簡単で、短時間で大量にナスの果皮を処理、保存できること。
7) 保存したナスの果皮から、随時、ナスニン等の抽出、精製ができること。
8) 保存したナスの果皮を原料とした食品が随時、加工製造ができる。
9) 従来、ナスニン等の抽出に、生の果皮を5%酢酸水溶液に4℃で1週間浸漬し抽出に時間を要していたが、ナス果皮を乾燥・粉末にしたものからの、ナスニン等の抽出は5℃で1.5時間浸漬し抽出できる。果皮に対して酸性溶液の量も2分の1で行える特長があり、抽出溶液を濃縮・精製する過程や、蒸発・乾固させる時間も短縮され、経済的なナスニン等の製造ができる。(実施例4参照)
10) ナスの果皮から分離精製して得られるナスニン等は、高濃度の色素溶液、色素粉末、などとして食品,飲料、医薬品及びその加工品などの安全な染色剤や健康食品として、各種の製品を生み出すことができること。
11)果皮を剥いたあとの果肉も付加価値のある、蒸しナス、皮なし凍みナス、に活用できること。
12)ナスニン等の抽出した後の残渣も飼料、肥料に活用できる。
13)全国のナスの産地で廃棄処分されているナスの有効利用ができること。
14)規格外のナスも付加価値の高い製品にできること。
15)ナスの栽培農家ばかりでなく、地域の産業にも寄与できる。
{発明を実施するための最良の形態}
【0009】
本発明を実施するための最良の形態を、具体的に説明する。収獲末期等に、大量に廃棄したり、見切り処分されている良質のナスの活用法に伴う、ナスニン等の抽出及びその製造方法は、まず、果皮部の保存法を開発することである。何故なら、新鮮なナス及びナスの果皮は腐敗しやすくナスニン等の色素の減退、変質が憂慮されるからである。その、加工保存法は、ナスの果皮自体にも含まれているポリフェノールオキシタ−ゼにより果皮が容易に褐変減色して,果皮に含まれるナスニン等が減少したり変質するので、褐変減色阻止のため、ナスの果皮部を剥き取り、その果皮を加熱処理して、ポリフェノールオキシダ−ゼ活性を失わせ、10℃以下の温度で保存することを特長とするナスの果皮の処理方法にある。即ち、ナスに付着している汚れ及びヘタを取り除き、褐変減色阻止のために、素早く皮むき器等でナスの果皮部を剥き取り、その果皮を低温乾燥から100℃以下の熱風乾燥で水分含有量を70%以下にして、ポリフェノールオキシタ−ゼ活性を失わせる。そして、ナスの果皮に含まれるナスニン等の色素残存率を保つため10℃以下に保存することにより、長期間保存してもナスの果皮は変質しないことを確認した。10〜15℃での保存では色素残存率が低下し、微生物汚染の可能も生じる。又経済効率等は少し落ちるが、ナスの果皮を真空パックにして低温保存してもよい。又、ナスの果皮を加熱処理する過程で色素が凝縮してナスニン等の抽出の条件が整い、従来、ナスニンの抽出は、生の果皮を5%酢酸水溶液を用いて4℃で1週間浸漬し抽出に時間を要していたが、保存したナスの果皮からは5℃で2時間浸漬し抽出できる。
【0010】
次に、保存したナスの果皮からの、ナスニン等の抽出及びその製造方法を説明する。
1) 保存したナスの果皮を、果皮に対して5倍量の5重量%酸性水溶液pH2.5以下、温度4〜7℃に2時間浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、濾別して抽出液を得る。得られた抽出溶液を色素残存率が100%に近い熱安定温度で乾燥して仕上げるナスニン等の製法。
2) 保存したナスの果皮を、果皮に対して5倍量の5重量%酸性水溶液pH2.5以下、温度4〜7℃に2時間浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、濾別して抽出液を得る。得られた抽出溶液は公知の分離技術を用いて30v/v%エタノール酸性溶液で溶け出された画分を回収することからなるナスニン等の製法。
尚、酸性水溶液は有機酸、無機酸より選択される。画分を回収する酸性溶液はエタノールとしているが、メタノ−ルでもよい。
【0011】
次に、特願2003−431317で提案した、ナスの果皮部を乾燥、粉末化して、その粉末からの、ナスニンの抽出等及びその製造方法を説明する。
1) ナス果皮の粉末を、粉末に対して10〜20倍量の5重量%酸性水溶液pH2.5以下、温度4〜7℃に1.5時間浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、濾別して抽出液を得る。得られた抽出溶液を色素残存率が100%に近い熱安定温度で乾燥して仕上げるナスニン等の製法。
2) ナス果皮の粉末を、粉末に対して10〜20倍量の5重量%酸性水溶液pH2.5以下、温度4〜7℃に1.5時間浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、濾別して抽出液を得る。得られた抽出溶液は公知の分離技術を用いて30v/v%エタノール酸性溶液で溶出された画分を回収することからなるナスニン等の製法。
尚、酸水溶液は有機酸、無機酸より選択される。画分を回収する酸性溶液はエタノールとしているが、メタノ−ルでもよい。
{実施例}
{実施例1}
【0012】
千両ナス350kgを用い、付着している汚れ及びヘタを取り除き、皮むき器等で、ナスの果皮部を剥き取り、15kgの果皮を得た。褐変 減色防止のため、素早くその果皮を温度20〜40℃、50分以内で低温除湿乾燥して100℃以下の熱風乾燥3分間で、水分の含有量を約10%にして、ポリフェノールオキシダーゼ活性を失わせて、2.4kgの乾燥させた果皮を得た。ナスの果皮を袋詰めにして、色素残存率100%の熱安定温度0〜5℃で3ヶ月間保存した。 その、保存したナスの果皮240gを、6リットルの5重量%酢酸水溶液pH2.5、温度4〜7℃に、2時間浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、抽出液をNo.2濾紙にて濾過した。その抽出溶液を蒸発乾固させて、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を50g製造した。
{実施例2}
【0013】
3ヶ月間保存したナスの果皮240gを、6リットルの5重量%の酢酸水溶液pH2.5、温度4〜7℃に、2時間浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、抽出液をNo.2濾紙にて濾過した。その抽出溶液を濃縮した。濃縮液をアンバーライトXAD2000に吸着させた後、70%エタノール画分を集め蒸発乾固してナスニン分画とした。そして、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を25g製造した。
{実施例3}
【0014】
3ヶ月間保存したナスの果皮240gを、6リットルの5重量%の酢酸水溶液pH2.5温度4〜7℃に、2時間浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、抽出液をNo.2濾紙にて濾過した。その抽出溶液をODS−C18(コスモシール140C18−OPEN)に吸着させ、洗浄の後、フラッシュクロマトにより、30%エタノール画分を集め蒸発乾固してナスニン分画とした。そして、ナスニンを20g製造した。
尚、新鮮なナスの果皮中のナスニン含有量と実施例3で製造した後、3ヶ月保存した、ナスの果皮中のナスニン含有量には新鮮な原料に換算して比較したら両者のあいだには収量に差がなかったので、この加工保存法が有用であることを実証した。
{実施例4}
【0015】
千両ナス350kgを用い、付着している汚れ及びヘタを取り除き、皮むき器等で、ナスの果皮部を剥き取り、15kgの果皮を得た。褐変・減色防止のため、素早くその果皮を温度20〜40℃、50分以内で低温除湿乾燥して100℃以下の熱風乾燥3分間で水分の含有量を4%にしてポリフェノールオキシダ−ゼ活性を失わせた。その果皮を粉末化して1.5kgの粉末を得た。粉末を袋詰めにして色素残存率100%の熱安定温度0〜5℃で3ヶ月間保存した。
保存したナスの果皮の粉末150gを、3リットルの5重量%の酢酸水溶液pH2.5温度4〜7℃に、1.5時間浸漬して、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を抽出した後、抽出液をNo.2濾紙にて濾過した。その抽出溶液を蒸発乾固させて、ナスニンをはじめとするアントシアニン類を51g製造した。
【0016】
又、この発明は次の様な実施態様をとることができる。
ナスの皮の保存方法で熱処理以外、新鮮なナスの果皮は、1)pH処理はナスニン等の色素残存率を保持するため、酸性化で10℃以下に保存する方法。2)冷凍保存。3)真空冷温保存。4)低いpH,真空保存。(サイレージ)5)塩漬保存。6)低水分、低温保存(水分70%以下)。等の保存法で保存をする。
{産業上の利用可能性}
【0017】
ナスの果皮に含まれるナスニンには、強力なスーパーオキシドアニオンラジカル除去作用と過酸化防止作用を示した。ナスニン等の抽出、濃縮、精製で得られたナスニンを使った付加価値の高い製品の製造をしたり、果皮を剥いた果肉部をヘルシー食品に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
{図1}は本発明の実施例3における、ナスニンの高速液体クロマトグラフィーでの分析チャートである。
【出願人】 【識別番号】596002206
【氏名又は名称】佃 康正
【識別番号】504202955
【氏名又は名称】金行 孝雄
【出願日】 平成16年4月24日(2004.4.24)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−304466(P2005−304466A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−156904(P2004−156904)