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【発明の名称】 呈味性の改善された低カロリー飲料および甘味料組成物
【発明者】 【氏名】磯谷 尚子
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の素株式会社内

【氏名】佐藤 敬子
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の素株式会社内

【氏名】富山 恭行
【住所又は居所】神奈川県川崎市川崎区鈴木町1−1 味の素株式会社内

【要約】 【課題】嗜好性に優れた、且つカロリーを制限した食品、特に炭酸飲料、および同様の特性を有する甘味料組成物を提供すること。

【解決手段】高甘味度甘味料であるAce−KおよびスクラロースならびにAPM、さらにこれらに糖類または/および糖アルコールを一定の重量比で含有せしめることで甘味付けした低カロリーでかつ嗜好性に優れた低カロリー飲料、および有効成分としてAce−KおよびスクラロースならびにAPM、さらにこれらに糖類または/および糖アルコールを上記一定の重量比で含有せしめた、同様の特性を有する甘味料組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
甘味料として、スクラロースおよびアセスルファームK(以下、Ace−Kと略す)を含有させ、それらの重量比がスクラロース:Ace−K=1:0.5〜1:4としたことを特徴とする呈味性の改善された低カロリー飲料。
【請求項2】
甘味料として、アスパルテーム(以下、APMと略す)ならびにスクラロースおよびAce−Kを含有させ、最前者(A)と後2者の合計(B)との重量比がA:B=0.1:1〜10:1であり、かつ、後2者間の重量比が請求項1記載の重量比としたことを特徴とする呈味性の改善された低カロリー飲料。
【請求項3】
該重量比をA:B=1:1〜5:1としたことを特徴とする請求項2に記載の呈味性の改善された低カロリー飲料。
【請求項4】
該重量比をA:B=1:1〜3.5:1としたことを特徴とする請求項2に記載の呈味性の改善された低カロリー飲料。
【請求項5】
糖類または/および糖アルコールが1〜10重量%配合されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の低カロリー飲料。
【請求項6】
低カロリー飲料が炭酸飲料であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の低カロリー飲料。
【請求項7】
有効成分として、スクラロースおよびアセスルファームKを含有し、それらの重量比がスクラロース:Ace−K=1:0.5〜1:4であることを特徴とする呈味性の改善された低カロリー甘味料組成物。
【請求項8】
有効成分として、アスパルテーム(以下、APMと略す)ならびにスクラロースおよびAce−Kを含有し、最前者(A)と後2者の合計(B)との重量比がA:B=0.1:1〜10:1であり、かつ、後2者間の重量比が請求項7記載の重量比であることを特徴とする呈味性の改善された低カロリー甘味料組成物。
【請求項9】
該重量比がA:B=1:1〜5:1であることを特徴とする請求項8に記載の呈味性の改善された低カロリー甘味料組成物。
【請求項10】
該重量比がA:B=1:1〜3.5:1であることを特徴とする請求項8に記載の呈味性の改善された低カロリー甘味料組成物。
【請求項11】
さらに糖類または/および糖アルコールが0.5〜15重量%配合されていることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の低カロリー甘味料組成物。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、高甘味度甘味料であるアセスルファームK(Ace−K)およびスクラロース、またはこれらに加えてアスパルテーム(APM)をも、さらにはこれらに加えて糖類または/および糖アルコールをも、一定の割合で甘味料として含有させたことを特徴とする呈味性の改善された低カロリー飲料および甘味料組成物に関する。なお、このような高甘味度甘味料を前記一定の割合で含有する甘味料組成物は自然な甘味を有する、優れた甘味料組成物であって、新規組成物である。
【背景技術】
【0002】
APMやAce−Kやスクラロースなどの高甘味度甘味料は、その高い甘味倍率から甘味料としてダイエット食品(飲料を含む。)に幅広く使用されている。特に、消費量の多い飲料分野では、カロリーオフやノンカロリーなどの低カロリー飲料及び砂糖不使用のコンセプトとして各種飲料に使用されている。
【0003】
しかし、消費者は砂糖や果糖ブドウ糖液糖(以下、HFCSと略す)を使用した、いわゆるレギュラー品の味に長年慣れ親しんでおり、上記コンセプトの食品の甘味には不快感を示す者もいる。
【0004】
APMは、フレーバーエンハンス効果や共存物質の苦味、エグ味低減などの利用効果がある反面、後甘味の強さや保存安定性が問題点として挙げられる。
【0005】
また、スクラロースは、高い安定性を有するが、フレーバーを抑制したり、後甘味のしつこさなどが問題点として挙げられる。
【0006】
そして、Ace−Kは、高い安定性を有し、APMとの相乗効果によって、甘味強度の上昇及び相互の呈味性が改善されるなどの特性を有するが、苦味やエグ味が強く単一甘味料としての使用は難しい。
【0007】
これら3種類の高甘味度甘味料については、トレハロースやエリスリトール等の併用(特許文献1)、食物繊維の併用(特許文献2)或いはα−グルコシル化ステビア抽出物との併用(特許文献3)をはじめ種々検討されているが、砂糖やHFCSの味に慣れ親しんだ消費者の嗜好を満足するには至っていないのが現状である。
【0008】
一方、年々特に米国などの先進国においては肥満問題が深刻化しており、砂糖やHFCSの糖類や油脂などの使用制限を推奨している。しかし、米国においては、炭酸飲料の消費量は年々増加している。
【0009】
以上のような背景技術のもとにおいて、カロリーをコントロールし、且つ嗜好性にも優れた食品が、特に炭酸飲料の分野において望まれている。
【特許文献1】特開2002−51723号公報
【特許文献2】特開2004−41118号公報
【特許文献3】特開2002−34501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記背景技術のもとにおいて、本発明の目的は、嗜好性に優れた、且つカロリーを制限した食品、特に炭酸飲料、および同様の特性を有する甘味料組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、前項記載の目的を達成すべく鋭意検討を重ねる中で、砂糖やHFCSなどの糖類に、上記3種の高甘味度甘味料を適当な割合で併用することにより、意外なことに、砂糖やHFCSを使用したレギュラー品に呈味的に近づき、嗜好性の優れた、且つカロリーがコントロールされた食品を提供できることを見出した。例えば、砂糖とHFCSにスクラロースを併用した配合に対して、APMとAce−Kを併用させたところ、意外なことに砂糖とHFCSのみを使用したレギュラー品のカロリーを下げつつも、呈味をこれに近づけることができることを見出した。本発明者は、さらに、検討を重ねる中で、糖類を併用しなくとも、前記高甘味度甘味料はこれらを適切な割合で併用すれば、嗜好性に優れ、且つカロリーが更にコントロールされた食品を提供できることを見出した。本発明者はかかる知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、高甘味度甘味料であるAce−KおよびスクラロースならびにAPM、さらにこれらに糖類または/および糖アルコールを一定の重量比で含有せしめることで甘味付けした低カロリーでかつ嗜好性に優れた低カロリー飲料に関する。また、本発明は、有効成分としてAce−KおよびスクラロースならびにAPM、さらにこれらに糖類または/および糖アルコールを上記一定の重量比で含有せしめた、同様の特性を有する甘味料組成物に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】
先ず、本発明の低カロリー飲料について説明する。
【0015】
本発明の方法で低カロリー化されるべき飲料としては、コーラなどの炭酸飲料、スポーツ飲料、果汁飲料、乳性飲料、茶系飲料などを挙げることができるが、先に言及したように、特に大量飲用により肥満の問題の生ずる炭酸飲料が格好のターゲットと言うことができる。
【0016】
本発明の低カロリー飲料の調製には、甘味料として所定の高甘味度甘味料、またはこれに加えて糖類または/および糖アルコールを一定の割合で使用することを除いては、適宜、常法によることができる。
【0017】
ここに、一定の割合とは、スクラロースおよびAce−Kを使用して甘味付けをする場合は、両者の重量比は前者:後者=1:0.5〜1:4の範囲内である。この範囲外では嗜好性の観点から好ましくない。
【0018】
スクラロースおよびAce−Kに加えてAPMをも使用して甘味付与もすることができるが、この場合は、APMの重量(A)と重量比が上記の割合のスクラロースおよびAce−Kの合計の重量(B)との割合は、A:B=0.1:1〜10:1、好ましくは1:1〜5:1、さらに好ましくは1:1〜3.5:1の範囲内である。これらの範囲外では、嗜好性の点で好ましくない。
【0019】
上記高甘味度甘味料に加えて、砂糖、HFCS、果糖、ブドウ糖などの糖類または/およびエリスリトール、マルチトール、キシリトールなどの糖アルコール類を併用することもできるが、この場合の一定の割合は、飲料の場合、飲料全体の1〜10重量%であり、そして甘味料組成物の場合、甘味料組成物全体の0.5〜15重量%程度である。
【0020】
次に、本発明の甘味料組成物について説明する。
【0021】
この甘味料組成物における甘味有効成分は、低カロリー飲料に関して上に説明した、スクラロースとAce−K、これらに加えてAPM、さらにこれらすべてに加えて糖類または/および糖アルコールである。
【0022】
このような甘味料組成物には、有効成分が高甘味度甘味料という、その使用勝手から、甘味付与の対象食品における本発明の目的の妨げとならない適宜の賦形剤、例えばコーラ飲料用には食物繊維などの賦形剤を配合することもできる。このような賦形剤などの添加物を加えてない、所定の高甘味度甘味料のみからなる、またはこれに加えての糖類または/および糖アルコールのみからなる組成物(混合物)も、本発明の甘味料組成物の範囲内にある。
【0023】
因みに、本発明に従って食品を低カロリー化する場合、所定の高甘味度甘味料、またはこれに加えての糖類または/および糖アルコール、を一旦本発明の甘味料組成物に調製して、これを使用して食品に甘味付けすることもできるが、そのような甘味料組成物を経ることなく、上記高甘味度甘味料、またはこれに加えての糖類または/および糖アルコール、を一定の割合で直接に甘味を付与すべき食品に添加してもよいことは言うまでもない。
【実施例】
【0024】
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれ等によって限定されるものではない。
【0025】
実施例1:カロリーハーフコーラ
下記表1の配合組成に従い、コーラを調製した。甘味料専門家(N=8)で評価したところ、本発明品(Sample 1)が比較品であるHFCSと砂糖とスクラロース併用品(Sample 2)よりもレギュラー品のコントロール(対照)に呈味性が近似することを確認した。
【0026】


【0027】
評価は、シェッフェの一対比較法により行った。結果を後掲図1に示す。図1から理解されるように、後甘味の強さにおいては、Sample2がコントロールよりも強いのに比べ、本発明品は限りなくコントロールに近づいている。苦味、エグ味の強さにおいても、Sample2がコントロールよりも強いのに比べ、本発明品は限りなくコントロールに近づいている。また、コーラフレーバーの強さに関しては、Sample2がコントロールよりも著しく低下しているのに対して、本発明品はコントロールと同等の強さを示している。
【0028】
因みに、図1において、縦軸の数値は、次のようにして求めたものである。すなわち、コントロールに対する、各各評価項目を、-3(とても弱い)/-2(弱い)/-1(やや弱い)/0(同じ)/1(やや強い)/2(強い)/3(とても強い)の7段階で評価し、各パネルの評点平均値を表したものである。なお、「総合的な近似度」のみ、0(同等)/1(やや異なる)/2(異なる)/3(とても異なる)の評点平均値で表した。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明によれば、嗜好性に優れた、且つカロリーを制限した食品、特に炭酸飲料、および同様の特性を有する甘味料組成物が容易に提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、第1表に示す3種の配合のコーラの官能特性評価結果を示す。
【出願人】 【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
【住所又は居所】東京都中央区京橋1丁目15番1号
【出願日】 平成16年4月26日(2004.4.26)
【代理人】 【識別番号】100064687
【弁理士】
【氏名又は名称】霜越 正夫

【識別番号】100102668
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 憲生

【公開番号】 特開2005−304440(P2005−304440A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−129274(P2004−129274)