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【発明の名称】 発酵処理物及びその製造方法
【発明者】 【氏名】稲福 直

【氏名】有銘 興博

【氏名】鳥居 恭好

【氏名】大澤 俊彦

【要約】 【課題】金属触媒を用いて製造されたものとは異なり、微生物の発酵処理を使用して、食品素材や食品として安全であり、テトラヒドロクルクミン類を高収率で得ることができ、顕著な抗酸化作用を有するテトラヒドロクルクミン類の含有量が高く、優れた抗酸化作用を有する食品素材、食品の原料としての利用価値が高い発酵処理物や、その製造方法、これを用いた食品素材や食品を提供する。

【解決手段】クルクミン類に、シクロデキストリンを添加した後、発酵処理をして得られたテトラヒドロクルクミン類を含有することを特徴とし、クルクミン類が、式(1)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クルクミン類に、シクロデキストリンを添加した後、発酵処理をして得られたテトラヒドロクルクミン類を含有することを特徴とする発酵処理物。
【請求項2】
クルクミン類が、式(1)
【化1】


[式中、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素原子、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示す。]で表され、テトラヒドロクルクミン類が、式(2)
【化2】


[式中、R1、R2、R3及びR4は、式(1)におけるR1、R2、R3及びR4と同じものを示す。]で表されることを特徴とする請求項1記載の発酵処理物。
【請求項3】
クルクミン類が、ウコン植物由来であることを特徴とする請求項1又は2記載の発酵処理物。
【請求項4】
発酵処理が、酵母類を含む微生物を用いた処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の発酵処理物。
【請求項5】
クルクミン類に、シクロデキストリンを添加した後、発酵処理を行うことを特徴とするテトラヒドロクルクミン類を含有する発酵処理物の製造方法。
【請求項6】
クルクミン類が、式(1)
【化1】


[式中、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素原子、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示す。]で表され、テトラヒドロクルクミン類が、式(2)
【化2】


[式中、R1、R2、R3及びR4は、式(1)におけるR1、R2、R3及びR4と同じものを示す。]で表されることを特徴とする請求項5記載のテトラヒドロクルクミン類を含有する発酵処理物の製造方法。
【請求項7】
クルクミン類が、ウコン植物由来であることを特徴とする請求項5又は6記載のテトラヒドロクルクミン類を含有する発酵処理物の製造方法。
【請求項8】
発酵処理が、酵母類を含む微生物を用いた処理であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか記載のテトラヒドロクルクミン類を含有する発酵処理物の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか記載の発酵処理物を含有することを特徴とする食品素材又は食品。


【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、クルクミン類に、シクロデキストリンを添加して発酵処理をして得られた発酵処理物やその製造方法、これを含有する食品素材や食品に関する。
【背景技術】
【0002】
クルクミン類は、ショウガ科クルクマ属の多年草のウコン、特にその根茎に多く含まれ、香辛料、着色料として用いられるウコンの根茎の乾燥粉末のターメリックは、抗酸化作用、抗炎症作用、コレステロール低減作用、発癌抑制作用等の薬効を有することが明かにされたことから、食品由来の安全な薬効成分に用いられている。このようなクルクミン類の還元体であるテトラヒドロクルクミン類は、クルクミン類より更に抗酸化作用が強く、抗白内障効果や大腸癌抑制効果がクルクミン類より高いことが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。テトラヒドロクルクミン類の製造方法としては、金属触媒を用いたクルクミンの水素添加による製造法が知られているが、この方法により製造された合成テトラヒドロクルクミンを飲食品用途で使用することは食品衛生上問題がある。食用に利用可能なテトラヒドロクルクミン類を製造する方法として、微生物の菌体等とクルクミンを混合して保温するテトラヒドロクルクミン類の製造方法(例えば、特許文献3参照)が知られている。
【0003】
しかしながら、クルクミンの水の溶解度は常温で0.1μg/ml以下と低く、菌等の微生物を使用する発酵処理を行なう場合、水に難溶性のクルクミン類はエタノール等クルクミン類を溶解する有機溶媒でまず溶解して用いているが、発酵処理物を摂取する関係上使用する有機溶媒の種類が制限され、使用量を増加すると菌等が不活性化してしまう等の不都合があった。有機溶媒を使用せずに水難溶性の化合物を水に分散させる技術としてエマルジョン化技術が知られているが、化合物の構造を変換するものではない。クルクミン類からその構造を変換したテトラヒドロクルクミン類を得る方法として、油脂成分と、乳化剤又は界面活性剤と、水性媒体とを混合、処理して得られるエマルジョンの存在下でクルクミン類に微生物を作用させ、テトラヒドロクルクミン類を含有する組成物を製造する方法(例えば、特許文献4参照)が報告されているが、テトラヒドロクルクミンへの変換率の更なる向上が望まれている。
【0004】
一方、シクロデキストリンは、複数のグルコピラノース基がα−1,4−グルコシド結合により結合して環を形成したオリゴ糖であって、ファンデルワールス結合や水素結合により分子内に疎水性化合物を包接した包接化合物のホストとして用いられることが知られている。ウコン粉末を超臨界状態の炭酸ガスに接触させることにより抽出したクルクミンを水とエタノールの混合溶媒に溶解しシクロデキストリンに包接させたクルクミン−シクロデキストリン複合体を得る方法(例えば、特許文献5参照)が報告されている。しかしながら、これらの方法においては、異臭、苦味を除去することを目的するものであって、特定の成分を発現させることにより、抗酸化活性作用を強化させたり、また、特定成分を選択的に増加させた発酵処理物を食品や食品素材として活用することは全く考えられていない。
【0005】
【特許文献1】特開平2−49747号公報
【特許文献2】特開平2−51595号公報
【特許文献3】特開平11−235192号公報
【特許文献4】特開2003−33195号公報
【特許文献5】特開平6−9479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、食品素材や食品として安全なテトラヒドロクルクミン類をクルクミン類から効率よく得ることができるテトラヒドロクルクミン類の製造方法や、得られる発酵処理物、食品素材や食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、顕著な抗酸化作用を有するテトラヒドロクルクミン類をクルクミン類を還元して得る方法として、微生物の発酵処理を用いる方法が、食品素材や食品として安全なテトラヒドロクルクミン類の製造方法であることに着目し、水に難溶なクルクミン類を、水の存在下で行なう微生物の発酵処理に適用することができるかについて鋭意研究の結果、クルクミン類にシクロデキストリンを添加して発酵処理をすることにより、極めて効率よくテトラヒドロクルクミン類を得ることができるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、クルクミン類に、シクロデキストリンを添加した後、発酵処理をして得られたテトラヒドロクルクミン類を含有することを特徴とする発酵処理物に関し、好ましくは、クルクミン類が、式(1)
【0009】
【化3】


【0010】
[式中、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素原子、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示す。]で表され、テトラヒドロクルクミン類が、式(2)
【0011】
【化4】


【0012】
[式中、R1、R2、R3及びR4は、式(1)におけるR1、R2、R3及びR4と同じものを示す。]で表されることを特徴とする請求項1記載の発酵処理物(請求項2)や、クルクミン類が、ウコン植物由来であることを特徴とする請求項1又は2記載の発酵処理物(請求項3)や、発酵処理が、酵母類を含む微生物を用いた処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の発酵処理物(請求項4)に関する。
【0013】
また、本発明は、クルクミン類に、シクロデキストリンを添加した後、発酵処理を行うことを特徴とするテトラヒドロクルクミン類を含有する発酵処理物の製造方法(請求項5)や、クルクミン類が、式(1)
【0014】
【化5】


【0015】
[式中、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素原子、ヒドロキシ基又は低級アルコキシ基を示す。]で表され、テトラヒドロクルクミン類が、式(2)
【0016】
【化6】


【0017】
[式中、R1、R2、R3及びR4は、式(1)におけるR1、R2、R3及びR4と同じものを示す。]で表されることを特徴とする請求項5記載のテトラヒドロクルクミン類を含有する発酵処理物の製造方法(請求項6)や、クルクミン類が、ウコン植物由来であることを特徴とする請求項5又は6記載のテトラヒドロクルクミン類を含有する発酵処理物の製造方法(請求項7)や、発酵処理が、酵母類を含む微生物を用いた処理であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか記載のテトラヒドロクルクミン類を含有する発酵処理物の製造方法(請求項8)に関する。
【0018】
また、本発明は、請求項1〜4のいずれか記載の発酵処理物を含有することを特徴とする食品素材又は食品(請求項9)に関する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の発酵処理物の製造方法は、金属触媒を用いて製造されたものとは異なり、微生物の発酵処理により得ることができるため、食品素材や食品として安全であり、テトラヒドロクルクミン類を高収率で得ることができる。本発明の発酵処理物は、顕著な抗酸化作用を有するテトラヒドロクルクミン類の含有量が高く、優れた抗酸化作用を有する医薬組成物や、食品素材、食品の原料としての利用価値が高い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の発酵処理物は、クルクミン類に、シクロデキストリンを添加した後、発酵処理をして得られたテトラヒドロクルクミン類を含有するものであれば、特に限定されるものではない。
【0021】
本発明におけるクルクミン類としては、式(1)
【0022】
【化7】


で表され、式中、R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素原子、ヒドロキシ基又はメトキシ基、エトキシ基、プロピロオキシ基、ブトキシ基等の低級アルコキシ基を示すクルクミン類が好ましく、これらのアルコキシ基はアルキル基等の置換基を有していてもよい。クルクミン類として、これらのいずれかの1種、又は2種以上を混合して用いてもよく、これらを粉末等にして直接、又はエタノール等の溶媒に溶解あるいは分散して用いてもよい。
【0023】
かかるクルクミン類として、例えば、1,7−ビス(4´−ヒドロキシ−3´−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン(U1)、4−ヒドロキシシンナモイル(フェルロイル)メタン(U2)、ビス(4−ヒドロキシシンナモイル)メタン(U3)、1,7−ビス(3´,4´−ジメトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン(DMU1)、1,7−ビス(3´,4´−ジヒドロキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン(DHU1)等を挙げることができ、具体的には、クルクミンパウダー(ライオン(株)社製)等を用いることができる。
【0024】
また、本発明におけるクルクミン類として、ウコン植物由来のものであってもよい。ウコン植物としては、ショウガ科(Zingiberaceae)クルクマ属に属し、春ウコン(Curcuma aromatica Salisbury)や、秋に開花する秋ウコン(Curcuma longa L.)等を具体的に挙げることができる。かかるウコン植物として使用する部位は、葉、茎、根等いずれであってもよいが、根茎等の地下部がクルクミン類の含有量が多く好適であり、生体であっても、乾燥体であってもよいが、特に、乾燥体が保存等の点で好ましく、0.1〜3mmの粒径としたものは発酵処理における微生物との混合により発酵の進行が促進されるため、好ましい。
【0025】
本発明におけるシクロデキストリンとしては、複数のグルコピラノース基がα−1,4−グルコシド結合により結合して環を形成したオリゴ糖であれば、特に限定されるものではなく、α、β、γ、δ等いずれのものであってもよく、具体的には、商品名:デキシパールK−100(株式会社横浜国際バイオ研究所)等を挙げることができる。
【0026】
シクロデキストリンはそのまま添加することもできるが、溶液として添加することができ、溶媒としては特に制限されるものではないが、その後に行なわれる発酵処理を考慮すると、水を使用することが好ましい。シクロデキストリン水溶液の濃度としては、0.05〜1重量%、好ましくは0.1重量%前後であり、シクロデキストリンの使用量は、クルクミン類に対して、0.05〜10重量%、好ましくは1重量%前後である。
【0027】
本発明における発酵処理としては、酵母、細菌、放線菌、糸状菌、キノコ、藻類等の微生物を用いることができ、かかる微生物として酵母類や、乳酸菌等を含むことが好ましい。酵母類としては、例えば、デバリョマイセス属(Debaryomyces )、カンジダ属(Candida)、サッカロマイセス属(Saccharomyces)に属する菌等を挙げることができ、乳酸菌としては、例えば、ストレプトコッカス属(Storeptococcus)、ラクトバシルス属(Lactobacillus)、ロイコノストック属(Leuconostoc)、ペディオコッカス属(Pediococcus)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)又はテトラジェノコッカス属(Tetragenococcus)等を挙げることができる。これらの菌類は単独で、又は組合せて使用することができ、組合せて使用する場合は、各々菌を培養後、培地へ添加する前に予め混合して用いることができる。これらの菌類の使用量は、クルクミン類に対し、2〜500重量部とすることができる。これらの菌類の発酵は、これらの菌類が生育できる通常の培養に用いられる天然培地、半合成培地、合成培地等を用い、発酵形式として液体培養法、攪拌培養法等を採用して行なうことができ、発酵の進行を促進するため、クルクミン類に対し、1〜1000重量部、好ましくは、100〜1000重量部程度の水分が存在することが好ましい。発酵温度は10〜80℃、好ましくは10〜60℃、特に好ましくは20〜40℃であり、pH2〜11、pH3〜10、好ましくはpH5〜8であり、培地のpH調整にはアンモニア水や炭酸アンモニウム溶液等を用いることができる。
【0028】
また、本発明における発酵処理には、上記微生物の他、粗酵素を用いることができ、かかる粗酵素としては、ブタ小腸上皮の粗酵素を挙げることができる。
【0029】
本発明における発酵処理として、発酵時間は、pHや、菌数等の条件による発酵の進行状況や、嗜好により適宜選択することができるが、製造規模が拡大された場合48時間以内、より好ましくは24時間以内とすることができ、例えば、試験管レベルの場合、発酵温度30℃、pH4〜5であれば、約1時間前後とすることが好ましい。
【0030】
かかる発酵処理において、菌類等の資化剤として炭素源や窒素源を添加することができる。資化剤としての炭素源は澱粉、デキストリン、シュクロース、グルコース、マンノース、フルクトース、ラフィノース、ラムノース、イノシトール、ラクトース、キシロース、アラビノース、マンニトール、糖蜜等を挙げることができる。さらに、菌の資化能によっては炭化水素、アルコール類、有機酸等を用いてもよい。窒素源としては塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、尿素、ペプトン、肉エキス、酵母エキス、乾燥酵母、コーン・スターチ・リカー、大豆粉、カザミノ酸等を挙げることができる。更に、その他、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸二水素カリウム、硫酸第一鉄、塩化カルシウム、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅等の無機塩類や、ビオチン、サイアミン又はニコチン酸等のビタミン類やβ−アラニン又はグルタミン酸等のアミノ酸類等の微量成分を資化剤として用いることができる。これらの資化剤は1種を単独で、又は2種以上を混合して用いてもよい。これら資化剤の添加量としては培地当たり1〜5重量%等とすることができる。
【0031】
発酵終了後、発酵培養液そのまま、あるいは、発酵培養液の濃縮、乾燥、冷凍、冷蔵、凍結乾燥、加熱、加圧、超音波破砕、界面活性剤又は有機溶媒処理、溶菌酵素処理等により発酵処理物が得られる。発酵処理物中には、クルクミン類が変換された式(2)
【0032】
【化8】


【0033】
[式中、R1、R2、R3及びR4は、式(1)におけるR1、R2、R3及びR4と同じものを示す。]で表されるテトラヒドロクルクミン類が含有される。
【0034】
本発明のテトラヒドロクルクミン類を含有する発酵処理物の製造方法としては、クルクミン類に、シクロデキストリンを添加した後、発酵処理を行うことを特徴とする方法であれば、特に制限されるものではなく、クルクミン類、シクロデキストリンも上記説明と同じものを用いることができ、発酵処理も上記説明と同様の処理を挙げることができる。
【0035】
本発明の食品素材としては、本発明の発酵処理物自体や、発酵処理物から抽出したエキスから作製するタブレット、顆粒、カプセル等や、ティーバック、ペットボトル、缶、ドリンク剤用の茶葉を挙げることができ、また、発酵処理物自体や抽出したエキスから作製する顆粒等から得られるふりかけ等を挙げることができ、本発明の食品としては、本発明の発酵処理物自体や、抽出したエキスや顆粒を飲用水や、ジュース等に溶解した飲料や、パン、ケーキ、煎餅などの焼き菓子、羊羹などの和菓子、冷菓、チューインガム、ゼリー等のパン・菓子類や、うどん、そば等の麺類や、かまぼこ、ハム、魚肉ソーセージ等の魚肉練り製品や、みそ、しょう油、ドレッシング、マヨネーズ、甘味料等の調味類や、チーズ、バター、ヨーグルト、アイスクリーム、プディング等の乳製品や、豆腐、こんにゃく、その他佃煮等の各種総菜に配合した食品を挙げることができる。
【0036】
また、本発明の発酵処理物のエキス等を抗酸化活性組成物や抗白内障剤や腫瘍抑制剤等の医薬品として用いることもでき、その場合は、薬学的に許容される通常の担体、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤、等張剤などの各種調剤用配合成分を添加することができる。かかる医薬品としての投与形態は通常用いられる投与形態、例えば粉末、顆粒、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の剤型で経口的な投与形態や、あるいは、例えば溶液、乳剤、懸濁液等の剤型にしたものを注射の型で非経口的な投与形態とすることもできる他、スプレー剤の型で鼻孔内投与形態とすることもできる。
【0037】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0038】
[発酵処理物の製造]
デバリョマイセス・ハンセニイ(Debaryomyces hansenii)(PRISCA、LACTO LABO社)をYM培地(ニッスイ社製)で、25℃で2昼夜培養し50ml選択管で3,000rpmで10分間、遠心分離し、菌体を得た。得られた菌体をOD660=0.2〜0.3になるように水を加え菌懸濁液を調製した。
【0039】
シクロデキストリン(商品名:デキシパールK−100(株式会社横浜国際バイオ研究所社製)1mgを1mlの水に溶解した水溶液を調製した。
【0040】
クルクミン(ライオン(株)社製)1mgに上記シクロデキストリン水溶液100μlを添加してクルクミンを包接化後、上記菌懸濁液1mlを添加した。30℃で1時間、振蕩培養機(TAITEC社製)により振蕩培養した。オートクレーブにて121℃に加熱し発酵を停止させた後、培養液中のテトラヒドロクルクミンをHPLC(CLASS−VP:(株)島津製作所社製)を用いて測定した。HPLC測定条件は、カラム:Develosil ODS−HG−5 内径4.6×250mm、溶媒:アセトニトリル:水=50:50(v/v)(0.1%TFA含有)、流速:1ml/分、注入量:10μl、検出:280nmで行った。結果を表1、図1に示す。
【0041】
比較例として、シクロデキストリンを添加しない他は、実施例1と同様に1時間発酵処理を行い、培養液中のテトラヒドロクルクミンを測定した。結果を表1、図1に示す。
【0042】
また、菌を添加しない他は、実施例1と同様に1時間振蕩し、水溶液中のテトラヒドロクルクミンを測定した。結果を表1、図1に示す。
【0043】
結果からも本発明の発酵処理物はテトラヒドロクルクミンの生成量が高く、発酵処理を行わない場合は、テトラヒドロクルクミンが全く生成されないことが明らかである。
【0044】
【表1】


【実施例2】
【0045】
発酵処理時間を変更した他は、実施例1と同様の処理を行い、培養液中のテトラヒドロクルクミンを実施例1と同様に測定した。結果を表2、図2に示す。結果から、この条件で1時間前後の発酵によるテトラヒドロクルクミンの生成量が最も高いことが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の発酵処理物における1時間の発酵時間によるテトラヒドロクルクミンの生成量を示す図である。
【図2】本発明の発酵処理物における発酵処理時間の違いによるテトラヒドロクルクミンの生成量を示す図である。
【出願人】 【識別番号】504160851
【氏名又は名称】鳥居 恭好
【識別番号】597136629
【氏名又は名称】大澤 俊彦
【識別番号】397031784
【氏名又は名称】株式会社琉球バイオリソース開発
【出願日】 平成16年4月22日(2004.4.22)
【代理人】 【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀

【識別番号】100102255
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 誠次

【識別番号】100118957
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 晴子

【識別番号】100123168
【弁理士】
【氏名又は名称】大▲高▼ とし子

【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也

【公開番号】 特開2005−304401(P2005−304401A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−126749(P2004−126749)