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【発明の名称】 ジャーキーの製造方法およびジャーキー製造用ダイス
【発明者】 【氏名】永井 光男
【住所又は居所】広島県広島市安芸区船越南一丁目6番1号 株式会社日本製鋼所内

【氏名】西見 裕介
【住所又は居所】広島県広島市安芸区船越南一丁目6番1号 株式会社日本製鋼所内

【氏名】二宮 俊幸
【住所又は居所】広島県広島市安芸区船越南一丁目6番1号 株式会社日本製鋼所内

【要約】 【課題】表面に皺のあるジャーキーらしいジャーキーを安価に製造することができるジャーキーの製造方法を提供する。

【解決手段】タンパク質、澱粉、カルシウム等からなるジャーキー原料を押出機(SB)によりクッキングしてダイス(1)の押出芯部流路(34,34,…)からジャーキーの芯部となる原料を押し出すときに、この芯部となる原料の表面を包み込むようにしてジャーキーの表皮部となる原料を押出表皮流路(36,36,…)から押し出す。このとき、前記芯部となる原料の温度を発泡温度以下で、そして前記表皮部となる原料の温度を発泡が起こる温度以上の温度で押し出す。発泡することにより表皮に皺が生じ、収縮することにより表皮部と芯部が一体化される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンパク質、澱粉、カルシウム等からなるジャーキー原料をダイスから芯部となる第1の部分を押し出すときに、前記第1の部分の表面を包み込むようにして表皮部となる第2の部分を押し出して、芯部と表皮部とが一体化されたジャーキーを製造する方法であって、
前記第1の部分の温度を発泡温度以下で、そして前記第2の部分の温度を、発泡が起こる温度以上の温度で押し出すことを特徴とするジャーキーの製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法において、ジャーキー原料を、シリンダバレルと該シリンダバレル内に回転駆動可能に設けられているスクリュとからなる押出機によりクッキングして押し出す、ジャーキーの製造方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の製造方法において、ジャーキー原料をダイスの入り口近傍で第1の部分と第2の部分とに分流させ、そして出口端部で合流させる、ジャーキーの製造方法。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの項に記載の製造方法において、複数本のジャーキーを同時に製造する、ジャーキーの製造方法。
【請求項5】
押出機の先端部に取り付けられ、芯部と該芯部の表面に一体化された表皮部とからなるジャーキーを製造するダイスであって、
前記ダイスには、芯部成形用のジャーキー原料が流れる第1の流路と、表皮部成形用のジャーキー原料が流れる第2の流路とが軸方向に設けられ、
前記第1、2の流路の少なくとも第1の流路は、温度が制御されるようになっていると共に、前記第1、2の流路は前記ダイスの上流側において分岐し、そして下流側の出口端部において、前記第2の流路は前記第1の流路を外周部から包み込むようにして合流しているいることを特徴とするジャーキー製造用ダイス。
【請求項6】
押出機の先端部に取り付けられ、芯部と該芯部の表面に一体化された表皮部とからなるジャーキーを製造するダイスであって、
前記ダイスには、芯部成形用のジャーキー原料が流れる第1の流路と、表皮部成形用のジャーキー原料が流れる第2の流路とが軸方向に設けられ、
前記第1、2の流路の少なくとも第1の流路は、温度が制御されるようになっていると共に、前記第1、2の流路は前記ダイスの上流側において分岐し、その所定量下流側において前記第2の流路は前記第1の流路を外周部から包み込むように設けられ、そして最下流側の出口端部において、前記第2の流路は前記第1の流路を外周部から包み込むようにして合流しているいることを特徴とするジャーキー製造用ダイス。
【請求項7】
請求項5または6に記載のダイスにおいて、第1の流路はダイスの外周部寄りに複数個設けられ、第2の流路は中心部寄りに1個設けられているジャーキー製造用ダイス。
【請求項8】
押出機の先端部に取り付けられ、芯部と該芯部の表面に一体化された表皮部とからなるジャーキーを製造するダイス(1)であって、
前記ダイス(1)は、押出機の先端部に取る付けられるダイホルダ(3)と、該ダイホルダに取り付けられるダイス本体(10)と、該ダイス本体(10)に同様に取り付けられる成形枠体(30)とからなり、
前記ダイホルダ(3)と前記ダイス本体(10)とにより、分流する形で中心路(13)と複数個の側流路(15、15、…)とが構成され、前記ダイス本体(10)と前記成形枠体(30)とにより複数個の表皮流路(33、33、…)が構成され、
前記ダイス本体(10)には、その周辺部に芯部成形用のジャーキー原料が流れる複数個の第1の流路(17、17、…)が、そして中心部に表皮部成形用のジャーキー原料が流れる第2の流路(16)が軸方向にそれぞれ形成され、前記第1、2の流路の少なくとも第1の流路(17、17、…)は、温度が制御されるようになっており、
前記成形枠体(30)には、その周辺部に複数個の押出芯部流路(34、34、…)と、該押出芯部流路(34、34、…)を取り囲むようにして押出表皮流路(36、36、…)が軸方向に、その終端部が開放するように形成され、
前記ダイス本体(10)の複数個の第1の流路(17、17、…)の一方は前記複数個の側流路(15、15、…)に、そして他方は前記成形枠体(30)の複数個の押出芯部流路(34、34、…)にそれぞれ連通し、前記ダイス本体(10)の第2の流路(16)の一方は前記中心路(13)に、そして他方は前記押出表皮流路(36、36、…)にそれぞれ連通しているジャーキー製造用ダイス。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ジャーキーの製造方法およびジャーキー製造用ダイスに関するもので、具体的には、芯部とこの芯部を包み込んでいる皺の寄った表皮部とが一体化されたジャーキーを製造するジャーキーの製造方法およびこの製造方法の実施に使用されるジャーキー製造用ダイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ジャーキーの製造方法は、従来から色々提案され、その一つとして、高水分のジャーキー原料をポンプで棒状に押し出し成形し、そして乾燥庫内で乾燥する製造方法が知られている。乾燥庫内では、押し出されたジャーキーの表面から水分が蒸発し、所定の水分を含んだ製品になるまで比較的高度に乾燥される。この乾燥により、製品の全体に収縮が起こり、表面に皺が寄ったジャーキーが得られる。これにより、ジャーキーに特有の風合いが造りだされる。しかしながら、この製造方法によると、乾燥に多大のエネルギを必要とし、また長時間乾燥する必要があり、さらには乾燥中の品質チエックなどに人手を必要とするなど生産コスト、生産性の両面で問題がある。また、特許文献1には、鳥獣肉に小麦粉と調味料とを加え混練した生地をローラ式圧延装置により圧延し、圧延したものを切断し、そして蒸煮加熱して乾燥するペット用ジャーキーの製造方法が示されている。この製造方法にも乾燥工程が含まれているので、上記したような乾燥時のエネルギの問題は残っている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−56260号公報
【0004】
一方、近年のペットブームにより、ペット用のジャーキーの需要が急激に伸び、これに対応するために、生産コスト、生産性等が大幅に改善された押出機による製造方法が開発され、大量のジャーキーが生産されるようになっている。押出機によると、ポンプでは押し出すことが不可能な低水分の原料を押し出すことができるので、乾燥工程が不要となり、大幅な生産コストの低減と生産性の向上が可能となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、ポンプを使用すると、水分の多いジャーキー原料を押し出すことができ、そして乾燥させることにより表面に皺が寄ったジャーキーを製造することができるが、乾燥に多大のコストがかかる欠点がある。これに対し、押出機によると低水分のジャーキー原料を押し出すことができるので、乾燥工程が不要となり、生産コストが低減する利点は得られる。しかしながら、乾燥工程を経ていないのでジャーキーの表面は滑らかなままで、ジャーキーとしての風合いに乏しいジャーキーしか得られない欠点がある。この製造方法によると、押出機を使用しているので、ジャーキー原料をダイスから押し出すときの温度を高くして、ダイスから押し出されたときに、原料に含まれている水分により僅かに発泡させ、大気中で冷却させることにより気泡を収縮させて表面に変化を付けることはできる。しかしながら、この方法によると、押し出されたジャーキーの内部から収縮が起こっているので、製品全体が凹凸なものとなり、表面に皺が寄った望ましい形状のジャーキーとはほど遠いものしか得られない。
したがって、本発明は、表面に皺のあるジャーキーらしいジャーキーを安価に製造することができるジャーキーの製造方法およびこの製造方法の実施に直接使用されるジャーキー製造用ダイスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、ジャーキーを芯部と、この芯部を包んでいる表皮部とからなるように製造し、このとき表皮部に皺が寄るように製造することにより達成される。表皮部の皺は、本発明では発泡により形成される。すなわち、ジャーキー原料をダイスから押し出すとき、芯部成形用のジャーキー原料の温度は発泡温度よりも低く、表皮部成形用のジャーキー原料の温度は発泡温度よりも高くして、芯部成形用のジャーキー原料を包み込むようにして押し出す。これにより、押し出された表皮部は発泡し皺が寄る。また、瞬時に収縮して、芯部に密着し一体化される。
【0007】
ダイスから押し出すときは、シリンダバレルとこのシリンダバレル内に回転駆動可能に設けられているスクリュとからなる押出機を使用するのが望ましい。シリンダバレルの外周部には加熱ヒータが設けられているので、この加熱ヒータの発熱温度を制御することにより、ジャーキー原料生地をクッキングすることができる。押出機から押し出されたジャーキー原料は、1個のダイス内で芯部成形用のジャーキー原料と表皮部成形用のジャーキー原料とに分流させ、そしてダイスの出口端部で表皮部成形用のジャーキー原料が芯部成形用のジャーキー原料を包み込むように合流させるのが望ましい。1個のダイスを使用することにより、複数個のダイスを組み合わせて使用するときに比較して安価に製造することができる。
押出機からクッキングされて押し出されるジャーキー原料の温度は、一般に発泡温度よりも高い。したがって、温度を制御することなく、すなわち冷却することなく押し出すと、芯部も発泡し、全体が凹凸状になり品質を落とす。本発明では、芯部成形用のジャーキー原料が流れる流路は、発泡温度以下に温度制御される。これに対し、表皮部成形用のジャーキー原料の温度は、クッキングして押し出されるので、一般に発泡温度以上になっている。したがって、そのまま押し出すことができる。
【0008】
以上のような理由により、温度の制御を格別に必要としない表皮部成形用のジャーキー原料が流れる流路は、ダイスの実質的に軸心の中心部に1個設け、芯部成形用のジャーキー原料が流れる流路は、ダイスの周囲に複数個設けるのが望ましい。周囲に設けることにより温度の制御装置例えば冷却管の配置が容易になる。また、複数個設けることにより、複数本のジャーキーを同時に製造することができる。このような芯部成形用のジャーキー原料が流れる流路の断面形状は、円形、その他の形状からなっている。
【0009】
かくして、請求項1に記載の発明は、前記目的を達成するために、タンパク質、澱粉、カルシウム等からなるジャーキー原料をダイスから芯部となる第1の部分を押し出すときに、前記第1の部分の表面を包み込むようにして表皮部となる第2の部分を押し出して、芯部と表皮部とが一体化されたジャーキーを製造する方法であって、前記第1の部分の温度を発泡温度以下で、そして前記第2の部分の温度を、発泡が起こる温度以上の温度で押し出すように構成される。請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の製造方法において、ジャーキー原料を、シリンダバレルと該シリンダバレル内に回転駆動可能に設けられているスクリュとからなる押出機によりクッキングして押し出すように、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の製造方法において、ジャーキー原料をダイスの入り口近傍で第1の部分と第2の部分とに分流させ、そして出口端部で合流させるように、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の製造方法において、複数本のジャーキーを同時に製造するように構成される。
請求項5に記載の発明は、押出機の先端部に取り付けられ、芯部と該芯部の表面に一体化された表皮部とからなるジャーキーを製造するダイスであって、
前記ダイスには、芯部成形用のジャーキー原料が流れる第1の流路と、表皮部成形用のジャーキー原料が流れる第2の流路とが軸方向に設けられ、前記第1、2の流路の少なくとも第1の流路は、温度が制御されるようになっていると共に、前記第1、2の流路は前記ダイスの上流側において分岐し、そして下流側の出口端部において、前記第2の流路は前記第1の流路を外周部から包み込むようにして合流している。請求項6に記載の発明は、押出機の先端部に取り付けられ、芯部と該芯部の表面に一体化された表皮部とからなるジャーキーを製造するダイスであって、前記ダイスには、芯部成形用のジャーキー原料が流れる第1の流路と、表皮部成形用のジャーキー原料が流れる第2の流路とが軸方向に設けられ、前記第1、2の流路の少なくとも第1の流路は、温度が制御されるようになっていると共に、前記第1、2の流路は前記ダイスの上流側において分岐し、その所定量下流側において前記第2の流路は前記第1の流路を外周部から包み込むように設けられ、そして最下流側の出口端部において、前記第2の流路は前記第1の流路を外周部から包み込むようにして合流している。そして請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載のダイスにおいて、第1の流路はダイスの外周部寄りに複数個設けられ、第2の流路は中心部寄りに1個設けられている。
請求項8に記載の発明は、押出機の先端部に取り付けられ、芯部と該芯部の表面に一体化された表皮部とからなるジャーキーを製造するダイスであって、前記ダイスは、押出機の先端部に取る付けられるダイホルダと、該ダイホルダに取り付けられるダイス本体と、該ダイス本体に同様に取り付けられる成形枠体とからなり、前記ダイホルダと前記ダイス本体とにより、分流する形で中心路と複数個の側流路とが構成され、前記ダイス本体と前記成形枠体とにより複数個の表皮流路が構成され、前記ダイス本体には、その周辺部に芯部成形用のジャーキー原料が流れる複数個の第1の流路が、そして中心部に表皮部成形用のジャーキー原料が流れる第2の流路が軸方向にそれぞれ形成され、前記第1、2の流路の少なくとも第1の流路は、温度が制御されるようになっており、前記成形枠体には、その周辺部に複数個の押出芯部流路と、該押出芯部流路を取り囲むようにして押出表皮流路が軸方向に、その終端部が開放するように形成され、前記ダイス本体の複数個の第1の流路の一方は前記複数個の側流路に、そして他方は前記成形枠体の複数個の押出芯部流路にそれぞれ連通し、前記ダイス本体の第2の流路の一方は前記中心路に、そして他方は前記押出表皮流路にそれぞれ連通するように構成される。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明によると、タンパク質、澱粉、カルシウム等のジャーキー原料をダイスから芯部となる第1の部分を押し出すときに、前記第1の部分の表面を包み込むようにして表皮部となる第2の部分を押し出して、芯部と表皮部とが一体化されたジャーキーを製造する方法であって、前記第1の部分の温度を発泡温度以下で、そして前記第2の部分の温度を、発泡が起こる温度以上の温度で押し出すので、第1の部分は発泡しないが第2の部分はダイスから押し出されると直ちに発泡する。発泡により皺が形成される。また、瞬時に収縮するので、芯部に一体化される。これにより、表面にだけ皺が寄ったジャーキーらしい風合いのジャーキーが得られる。また、他の発明によると、ジャーキー原料をシリンダバレルと該シリンダバレル内に回転駆動可能に設けられているスクリュとからなる押出機によりクッキングして押し出すので、効率的にジャーキーを製造できる。請求項3に記載の発明によると、ジャーキー原料をダイスの入り口近傍で第1の部分と第2の部分とに分流させ、そして出口端部で合流させるので、すなわち合流させるのに複数個のダイスを使用していないので、ダイスの構造が簡単になり、したがって安価にジャーキーを製造することができる。請求項4に記載の発明によると、複数本のジャーキーを同時に製造することができ、生産性を上げることができる。請求項8に記載の発明によると、ダイスが押出機の先端部に取る付けられるダイホルダと、該ダイホルダに取り付けられるダイス本体と、該ダイス本体に同様に取り付けられる成形枠体とから構成されているので、流路等の製作加工コストが低く、また保守転換が容易にできるという、効果がさらに得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態に係わるジャーキー製造用ダイスの概略を示す断面図であるが、同図に示されているように、ジャーキー製造用ダイス1は、押出機を構成しているシリンダバレルSBの先端部に複数本の取付ボルト2、2、…により組み立て自在に取り付けられているダイホルダ3、このダイホルダ3に同様に複数本の取付ボルト4、4、…で取り付けられているダイス本体10、同様に複数本の取付ボルト5、5、…によりダイ本体10の先端部に着脱自在に取り付けられている成形枠体30等から構成されている。
【0012】
押出機は、従来周知のように軸方向に所定長さのシリンダバレルSBを備えている。そして、このシリンダバレルSB内に回転駆動可能にミキシング部も備えているスクリュが設けられている。シリンダバレルSBの外周部には、個々に発熱温度が制御されるヒータが設けられている。したがって、ジャーキー原料生地を所定温度でクッキングしてダイス1から押し出すことができる。また、シリンダバレルSBには、図1には示されていないが、蒸気を抜くベント口も設けられている。このベント口から適宜蒸気を抜くことにより、乾燥処理という多大のエネルギを消費する特別な後処理を必要としないでジャーキーが得られる。
【0013】
ダイホルダ3は、押出機のシリンダバレルSBから押し出されるジャーキー原料をダイス本体10に分流して導く作用を奏するもので、そのために軸方向に原料通路が形成されている。この原料通路は、シリンダバレルSBの出口径と実質的に同径の受入通路6と、この受入通路6から漏斗状に絞られている絞通路7と、この絞通路7から逆漏斗状に拡大している拡散部8からなっている。この拡散部8により、詳しくは後述するダイス本体10と共働してジャーキー原料を複数個に分流させる分岐通路が構成される。このように構成されているダイホルダ3は、複数本の埋設式の取付ボルト2、2、…により、前述したようにシリンダバレルSBの先端部に取り付けられている。
【0014】
ダイス本体10は、図1において左方に位置している頭部11と右方に位置している末端部12とを有するように軸方向に所定長さに形成されている。頭部11は、上流側に向かって全体としてテーパ状に絞られている。このように絞られている頭部11には、その中心部に中心路13が形成され、この中心路13の周囲からは複数個例えば4個の凹溝14、14、…が半径外方に形成されている。したがって、図1に示されているように、ダイス本体10をダイホルダ3に取り付けると、ダイホルダ3の拡散部8とダイス本体10の頭部11とにより、ジャーキーの表皮部を成形する原料が流れ込む1個の中心路13と、ジャーキーの芯部を成形する原料が流れる4個の側流路15、15、…が構成される。この構造により、押出機から押し出されるジャーキー原料は中心路13と複数個の側流路15、15、…とに分流する。ダイス本体10の実質的に中心部には、ジャーキーの表皮部を成形する原料が流れる第2の流路16が形成されている。この第2の流路16は、中心路13と整合し、そして末端部12に開口している。第2の流路16は、末端部12において、漏斗状に広がった拡散部20となっている。また、ダイス本体10の周部には、ジャーキーの芯部を成形する原料が流れる第1の流路17、17、…が4個形成されている。これらの4個の第1の流路17、17、…の上流側は、4個の側流路15、15、…にそれぞれ整合し、そして末端部12に開口している。
【0015】
第1の流路17、17、…は、より正確には、本実施の形態によると、図2の(イ)の断面図に示されているように、ダイス本体10に形成されている透孔17’、17’、…に所定径の管18、18、…が挿入され、この管18、18、…の内側に第1の流路17、17、…が形成されている。そして、透孔17’、17’、…の内周面と管18、18、…の外周面との間が温度制御用の流体が流れるジャケット19、19、…となっている。したがって、これらのジャケット19、19、…に温度制御された例えば冷却水を冷却水供給口19’から矢印方向に流すと、第1の流路17、17、…を流れる芯部を成形する高温のジャーキー原料は、発泡しない温度以下に冷却される。なお、第1の流路17、17、…には、その断面積を調整するための流量制御弁21、21、…が進退自在に設けられている。
【0016】
成形枠体30の上流側は、上流側に向かって凸の頭部31となっている。そして、この頭部31には、中心部から半径外方に向かって4個の凹溝32、32、…が形成されている。したがって、成形枠体30をダイス本体10に取り付けられると、成形枠体30の4個の凹溝32、32、…とダイス本体10の拡散部20とにより4個の表皮流路33、33、…が構成される。一方、成形枠体30の外周部寄りには、図1に示されているように組み立てられたとき、ダイス本体10の第1の流路17、17、…とそれぞれ整合する4個の押出芯部流路34、34、…が形成されている。これらの押出芯部流路34、34、…は、より正確には図2の(ロ)に示されているように、成形枠体30に形成されている透孔34’、34’、…に、これらの透孔34’、34’、…より所定量だけ小経の管体35、35、…が挿入され、これらの管体35、35、…の内部が押出芯部流路34、34、…となっている。さらに詳しくは、小経の管体35、35、…と管18、18、…はメタルシールされている。そして、これらの小経の管体35、35、…の端部は、スペーサ40、40、…により成形枠体30の透孔34’、34’、…の内壁に固定されている。スペーサ40、40、…には、複数個の透孔が軸方向に開けられ、ジャーキー原料はこれらの透孔を通って下流側へ圧送される。このようにして、成形枠体30に形成されている透孔34’、34’、…の内周面と小経の管体35、35、…の外周面との間が、表皮成形用のジャーキー原料が流れる押出表皮流路36、36、…となっている。押出表皮流路36、36、…は、図2の(ハ)に示されているように、成形枠体30の上流端で表皮流路33、33、…とそれぞれ連通している。これらの押出表皮流路36、36、…は、成形枠体30の末端まで延び、押出芯部流路34、34、…と共に大気中に開口している。これにより、押出芯部流路34、34、…と押出表皮流路36、36、…は合流している。なお、表皮流路33、33、…にも流量を制御する流量調整弁37、37、…が設けられている。
【0017】
次に、上記実施の形態の作用について説明する。押出機のシリンダバレルSBに、ダイホルダ3、ダイス本体10および成形枠体30からなるジャーキー製造用ダイス1を取り付ける。そうすると、図1に示されているように、組み立てられ、前述したような流路が構成される。シリンダバレルSBの発熱温度をクッキング温度に設定する。また、第1の流路17、17、…には、発泡温度以上のジャーキー原料が流れるので、ジャケット19、19、…に流す冷却水の温度を設定する。さらには、流量調整弁21、37、…によりジャーキー原料の流量を設定する。そうして、押出機にタンパク質、澱粉、カルシウム等からなるジャーキー原料生地を供給する。そうすると、ジャーキー原料生地はスクリュの回転により下流側へ送られる過程で水分は適宜抜かれ、クッキングされて、ダイホルダ3に所定圧力で押し出される。このとき、ジャーキー原料はクッキングされて発泡温度以上になっている。
【0018】
クッキングされて押し出されたジャーキー原料は、中心路13と側流路15、15、…とに分流して、ダイス本体10の第2の流路16と第1の流路17、17、…とを流れる。第2の流路16を流れるジャーキー原料は、押出機から押し出された温度、すなわち発泡温度以上に保たれているが、第1の流路17、17、…を流れるジャーキー原料は、ジャケット19、19、…を流れる冷却水により発泡温度以下に冷却される。そして、成形枠体30の押出芯部流路34、34、…を流れる。一方、第2の流路16を流れたジャーキー原料は、表皮流路33、33、…を通って、成形枠体30の押出表皮流路36、36、…を流れる。押出表皮流路36、36、…は、流れ方向に所定距離あるので、この間にジャーキー原料は押出表皮流路36、36、…内を隈無く流れ、芯部成形用のジャーキー原料を周囲から均一に包むことになる。
【0019】
このようにして、押出芯部流路34、34、…を流れているジャーキー原料は、図2の(ニ)において参照符号Cで、そして押出表皮流路36、36、…を流れているジャーキー原料は符号Sでそれぞれ示されている。押出芯部流路34、34、…を流れて成形枠体30から押し出されたジャーキー原料は、冷却されているので発泡することなく、芯部JCとなる。これに対して、押出表皮流路36、36、…を流れて成形枠体30から押し出されたジャーキー原料は瞬時に発泡し、収縮して表皮部JSとなる。発泡することにより表皮部JSには皺が生じ、収縮することにより芯部JCと一体化される。このようにして、芯部JCと表皮部JSとからなり、表皮部に皺が寄ったジャーキーJが製造されている状態が、図2の(ニ)に示されている。
【0020】
本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、色々な形で実施できることは明らかである。例えば、クッキングされたジャーキー原料を単なる押出機により押し出すこともできる。また、上記実施の形態によると、ダイス1はダイホルダ3、ダイス本体10および成形枠体30から構成されているので、ジャーキー原料が流れる流路等の製作加工が容易で、また保守点検も容易にできるが、芯部を成形するための流路と、表皮部を成形するための流路とがあり、そして出口近傍で表皮部を成形するための流路が芯部を成形するための流路を包み込むように合流する構造であれば、同様に実施できる。これらの流路が個別に設けられていても、大気中に開放される端部で上記のように合流していれば、同様に実施できることは明らかである。このように実施するとき、これらの流路の温度を制御することは当然である。また、図2の(ホ)に示されているように、管体35、35、…を短くして、成形枠体30の内部で合流させるように実施することもできる。内側で合流するように実施しても、芯部JCを成形するジャーキー原料Cと表皮部JSを成形するためのジャーキー原料Sは、両者の境界部で多少混合されるが、熱伝導は低いので温度の移動もなく、略そのままの状態で成形枠体30から押し出される。このように実施すると、芯部JCと表皮部JSとがより一体化されたジャーキーJが得られる。
【0021】
実施例1:次の要件でテストした。
押出機には、株式会社日本製鋼所製の二軸押出機TEX47Fを使用した。この押出機のスクリュ外径は47mm、軸方向の長さLと直径Dとの比L/Dは21,ダイスは図1に示されている構造で、孔径が6mmの4個の押出芯部流路を有する。
原料には、牛、鶏からなる畜肉20〜30重量%、小麦粉10〜30重量%、植物性蛋白5〜20重量%、ふすま1〜10重量%、植物性油脂1〜5重量%、保湿剤1〜10重量%の範囲内で配合割合を色々変えたものを用いた。
押出条件として、シリンダバレルの温度は、中間部で150〜165℃、先端部で50〜70℃、スクリュの回転数200〜250rpmの範囲で色々変化して運転した。また、ダイスのジャケットには55℃の温水を循環させた。押出機の先端の押出圧力は4〜4.9MPaであった。
いずれの方法で得られたジャーキーも、その表面には皺が寄っており、芯部と表皮部は一体化されていた。
なお、ポンプにより80〜85%の水分を含んだ畜肉50〜80重量%、小麦粉5〜10重量%、植物性蛋白5〜10重量%、ふすま0〜5重量%、植物性油脂0.5〜3重量%、保湿剤0.5〜5重量%からなるジャーキー原料を、単なる円形の穴から押し出し、そして乾燥して得られるジャーキーと比較して、表面の皺に関しては遜色はなかった。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施の形態を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態の詳細を示す図で、その(イ)、(ロ)は図1において、それぞれ矢視イーイ方向、ローロ方向に見た拡大断面図、その(ハ)は図1においてハで示す部分の拡大詳細図、その(ニ)はジャーキーを製造している成形枠体部分の拡大断面図、その(ホ)はジャーキーを製造している成形枠体部分の他の実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 ジャーキー製造用ダイス 3 ダイホルダ
10 ダイス本体 16 第2の流路
17 第1の流路 18 管
19 ジャケット 30 成形枠体
34 押出芯部流路 36 押出表皮流路
【出願人】 【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
【住所又は居所】東京都千代田区有楽町一丁目1番2号
【出願日】 平成16年4月22日(2004.4.22)
【代理人】 【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭

【識別番号】100089130
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 靖侑

【公開番号】 特開2005−304392(P2005−304392A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−126455(P2004−126455)