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【発明の名称】 きな粉組成物
【発明者】 【氏名】別所 加奈子

【氏名】上岡 秀也

【要約】 【課題】きな粉のなきを防止すること

【解決手段】きな粉ときな粉以外の食用粉末とを少なくとも含有するきな粉組成物であって、該組成物と同質量の水との均一混合物の水分活性が0.95未満である、きな粉組成物が提供される。好ましい食用粉末がセルロースであり、きな粉100質量部に対して前記セルロースが1〜50質量部の割合で含有される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
きな粉ときな粉以外の食用粉末とを少なくとも含有するきな粉組成物であって、該組成物と同質量の水との均一混合物の水分活性が0.95未満である、きな粉組成物。
【請求項2】
前記食用粉末がセルロースである、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
きな粉100質量部に対して前記セルロースが1〜50質量部の割合で含有される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかの項に記載のきな粉組成物が表面にふりかけられた食品。
【請求項5】
前記食品が、わらび餅、おはぎ、だんご、ケーキ、およびムースからなる群から選択される、請求項4に記載の食品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、きな粉組成物に関する。さらに詳しくは、きな粉の「泣き」を防止するきな粉組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
わらび餅、おはぎ、だんごなどの和菓子には、調味、味覚の改善、外観などを考慮して、きな粉がふりかけられる。また、近年、ケーキ、ムースなどの洋菓子にもきな粉がふりかけられるなど、和洋折衷の菓子も販売されている。以下、このような和菓子および洋菓子を総称して、菓子類という。しかし、ふりかけられたきな粉が菓子類の本体から水分を吸収して湿潤すると、いわゆる「泣き状態」となる。この泣きの状態の菓子類は、見栄えが悪く、さらに食感も低下して、商品価値が低下する。
【0003】
このきな粉の「泣き」を解消するために、特許文献1には、乾燥卵白と、砂糖またはショ糖脂肪酸エステルとを水に溶解して泡立て、これにきな粉を混練し、ノズルから適当な大きさにカットしながら噴出して顆粒状のきな粉を製造する方法が記載されている。
【0004】
しかし、この方法はコストがかかる上、顆粒状であるので通常のきな粉とは、食感および味が全く異なったものとなるため、菓子類には使用しにくいという問題がある。
【特許文献1】特開平5−336926号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、製法が簡単で、従来のきな粉と味覚も外観もほとんど変わらず、かつ、きな粉の泣きを有効に防止できるきな粉組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、きな粉ときな粉以外の食用粉末とを少なくとも含有するきな粉組成物であって、該組成物と同質量の水との均一混合物の水分活性が0.95未満である、きな粉組成物を提供する。
【0007】
好ましい実施態様においては、前記食用粉末がセルロースである。
【0008】
別の好ましい態様においては、きな粉100質量部に対して前記セルロースが1〜50質量部の割合で含有される。
【0009】
また、本発明は、前記きな粉組成物が表面にふりかけられた食品を提供する。
【0010】
好ましい実施態様では、前記食品がおはぎ、だんご、ケーキ、およびムースからなる群から選択される。
【発明の効果】
【0011】
本発明のきな粉組成物は、適切な水分活性を有するように、きな粉と食用粉末とを適切な量混合するだけで調製できるので、きな粉の味覚、外観を維持したまま、きな粉の泣きを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明のきな粉組成物は、きな粉ときな粉以外の食用粉末とを混合し、そして、この混合物と同質量の水とを均一に混合したときの水分活性が0.95未満となるように調整することによって得られる。水分活性は0.94以下であることが好ましく、0.93以下であることがより好ましく、0.91以下であることがさらに好ましい。
【0013】
本発明において、水分活性というときは、きな粉組成物に、きな粉組成物と同質量の水を加えて均一に混合して得られる混合物の水分活性をいう。水分活性(AW)は、食品を入れた密閉容器内での蒸気圧(P)とその温度における最大水蒸気圧(P)との比で表されたものであり、AW=P/Pで求められる。水分活性の測定には、例えば、フロイント水分活性測定器などの測定器が用いられる。
【0014】
なお、きな粉自体に同質量の水を加えた均一混合物の水分活性は約0.95である。本発明のきな粉組成物は、きな粉に、食用粉末(例えば、後述のセルロース)を水分活性が0.95未満となるように配合することによって調製される。水分活性がこの範囲にあれば、その他の成分、たとえば砂糖などの甘味料を添加してもよい。本発明の組成物の好ましい水分活性の範囲は上記の通りである。
【0015】
きな粉と混合される粉末としては、セルロース、デンプン、乳化剤、粉末油脂などが挙げられる。セルロース粉末が好ましく用いられる。きな粉100質量部に対してセルロース粉末を1質量部配合すると、水分活性が0.95未満となるため、セルロース粉末は1質量部以上配合することが好ましい。5質量部以上が好ましく、10質量部以上がさらに好ましい。20質量部以上配合されてもよい。他方で、あまり多く配合すると、きな粉組成物中のきな粉の相対量が低下し、味覚に悪影響を与える可能性があり、コストも上昇するので、50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましく、30質量部以下がさらに好ましい。好ましくは、セルロース粉末は、きな粉100質量部に対して5〜20質量部、より好ましくは、10〜20質量部配合される。
【0016】
本発明のきな粉組成物は、例えば、わらび餅、おはぎ、だんごなどの和菓子、およびケーキ、ムースなどの洋菓子などの菓子類に用いられる。これらの菓子類の表面に本発明のきな粉組成物をまぶした状態でプラスチック容器にいれ、30℃のインキュベーター中で16時間放置した場合でも、いわゆる、きな粉の泣きはみられない。特に水分活性が0.91以下の場合、まぶした時と同じ状態を維持し、きな粉の泣きはみられない。
【実施例】
【0017】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、この実施例が本発明を制限することはない。
【0018】
(実施例1)
きな粉100質量部に、セルロース粉末を5質量部配合し、混合物を得た。この混合物の一部をとり、同質量の水を加えて均一に混合し、水分活性を測定した。なお、水分活性は、フロイント水分活性測定機を用いて測定した。
【0019】
他方、わらび粉90質量部、水400質量部、および砂糖180質量部を混合し、撹拌しながら加熱した。混合物が透明になった時点で加熱を終了し、型に流して荒熱をとり、2cm×1cm×0.5cm程度にカットした。カット片を氷水で冷却した後、水きりしてわらび餅を調製した。
【0020】
このわらび餅に上記混合物をまんベんなく付着させ、プラスチック容器に入れて、インキュベーター中で、30℃で16時間保存し、この混合物の泣きの状態を目視で観察した。結果を表1に示す。
【0021】
(実施例2〜3)
セルロース粉末の配合量をそれぞれ10質量部および20質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、水分活性および泣きの状態を目視で観察した。結果を表1に示す。
【0022】
(比較例1)
セルロース粉末を配合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、水分活性および泣きの状態を目視で観察した。結果を表1に示す。なお、表1において、×はきな粉が泣いた状態、○はきな粉が泣いていない状態、◎はまぶしたときとほとんど変らない状態を示す。
【0023】
【表1】


【0024】
また、図1は、きな粉100質量部に対して10質量のセルロース粉末を配合したきな粉組成物(実施例2)を用いた場合、およびきな粉のみを用いた場合(比較例1)のきな粉の泣きの状態を示す。図1から明らかなように、実施例2のきな粉組成物は、まぶした時と同じ状態が維持されていた。
【0025】
これらの結果から明らかなように、水分活性が0.95未満であれば、きな粉の泣きは解消され、水分活性が0.91以下であれば、まぶした時とほぼ同じ状態が維持される。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明のきな粉組成物は、水分を多く含む食品(例えば、わらび餅、おはぎ、だんごなどの和菓子、ケーキ、ムースなどの洋菓子に代表される菓子類)にふりかけて長時間放置した場合でも、きな粉が泣きの状態にならないので、外観が維持されるうえ、食感も維持される。従って、食品、特に和菓子、洋菓子などの菓子類に好ましく用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明のきな粉組成物(実施例2)を用いた場合の泣きの状態を、従来のきな粉(比較例)の泣きの状態と比較した写真である。
【出願人】 【識別番号】591021028
【氏名又は名称】奥野製薬工業株式会社
【出願日】 平成16年4月19日(2004.4.19)
【代理人】 【識別番号】100104673
【弁理士】
【氏名又は名称】南條 博道

【公開番号】 特開2005−304341(P2005−304341A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−123251(P2004−123251)