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【発明の名称】 水中油型乳化組成物
【発明者】 【氏名】寺岡 聡
【住所又は居所】東京都府中市住吉町5丁目13番地の1キユーピー株式会社研究所内

【氏名】杉野原 康次
【住所又は居所】東京都府中市住吉町5丁目13番地の1キユーピー株式会社研究所内

【要約】 【課題】口溶けに優れ、しかも冷蔵下で長期間保存してもぼそぼそした物性を呈しない耐冷蔵性に優れたマヨネーズ・ドレッシング等の水中油型酸性調味料をはじめとした水中油型乳化組成物を提供する。特に、卵黄が少ない系においても同様な効果を奏する水中油型乳化組成物を提供する。

【解決手段】オクテニルコハク酸処理澱粉及びゼラチン加水分解物を含有した水中油型乳化組成物であって、前記オクテニルコハク酸処理澱粉がアミロースを15%以上含有した澱粉を原料としてオクテニルコハク酸処理した化工澱粉である水中油型乳化組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オクテニルコハク酸処理澱粉及びゼラチン加水分解物を含有した水中油型乳化組成物であって、前記オクテニルコハク酸処理澱粉がアミロースを15%以上含有した澱粉を原料としてオクテニルコハク酸処理した化工澱粉であることを特徴とする水中油型乳化組成物。
【請求項2】
水中油型乳化組成物の粘度が50Pa・s以上であることを特徴とする請求項1記載の水中油型乳化組成物。
【請求項3】
オクテニルコハク酸処理澱粉のアミロースを15%以上含有した原料澱粉が、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉(但し、ワキシコーンスターチを除く)、うるち米澱粉、小麦澱粉又はタピオカ澱粉から選択された1種又は2種以上の澱粉であることを特徴とする請求項1又は2記載の水中油型乳化組成物。
【請求項4】
ゼラチン加水分解物が平均分子量1,000〜10,000であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
【請求項5】
水中油型乳化組成物全体に対しオクテニルコハク酸処理澱粉を0.5%以上含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
【請求項6】
水中油型乳化組成物全体に対しゼラチン加水分解物を0.01%以上含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、口溶けに優れ、しかも冷蔵下で長期間保存してもぼそぼそした物性を呈しない耐冷蔵性に優れたマヨネーズ・ドレッシング等の水中油型酸性調味料をはじめとした水中油型乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
マヨネーズ・ドレッシング等の水中油型酸性調味料をはじめとした水中油型乳化組成物は、一般的に乳化力に優れ、しかも入手が容易な天然素材である卵黄を乳化材として使用している。
【0003】
一方、卵黄(主に鶏卵)は、季節によりその固形分が変動する。また工業的規模で製せられている卵黄は、鶏卵を割卵し卵白と分離することを機械的に高速で行なっているため、卵黄中に卵白が一部混入し、その混入量も一定していない。そのため、食品工業的に使用されている卵黄は、その品位をある程度コントロールするため工業的に製せられた卵黄に更に卵白を添加して全体の固形分を調整している。
【0004】
しかしながら、食品工業的に使用されている卵黄には、上述したとおりその一部に卵白を含有しており、卵白はアレルギーの原因となる物質である。したがって、アレルギー対策としてこのような卵黄を使用しない又は削減した水中油型乳化組成物が望まれている。
【0005】
また、卵黄中にはその成分としてコレステロールを含有しているが、近年、高齢化社会に伴い健康志向を重視する傾向にありコレステロールを気にする方が増加している。そのため、コレステロールの摂取量を削減するために卵黄を使用しない又は削減した水中油型乳化組成物が望まれている。
【0006】
このような状況下、マヨネーズ・ドレッシング等の水中油型乳化組成物の乳化材としては卵黄以外に種々あるが、乳化力が比較的高く取り扱い易い等の点からオクテニルコハク酸処理澱粉が注目されている。
【0007】
オクテニルコハク酸処理澱粉を用いたマヨネーズ・ドレッシング等の水中油型乳化組成物は、既に知られいる。例えば、特開2001−327247号公報(特許文献1)には、オクテニルコハク酸処理澱粉と、卵白、ラクトアルブミンあるいはその分画物、ゼラチン等の蛋白質の1種以上とを含有させた長期冷凍保存後解凍しても乳化が安定し、且つ耐熱性に優れたマヨネーズ・ドレッシング等の水中油型乳化組成物が提案されている。また、同特許文献1には、実施例において、オクテニルコハク酸処理澱粉として松谷化学工業(株)の「エマルスター30A」を使用した例が記載されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の「エマルスター30A」を使用した水中油型乳化組成物は、確かに冷凍保存後の解凍時の乳化安定性及び耐熱性においてある程度優れたものが得られるものの、口溶けが悪く商品価値として必ずしも好ましいものではなかった。特に、卵黄を乳化材として使用しないあるいは削減した具体的には、食用油脂20部に対し卵黄(生卵黄換算)が1部以下の水中油型乳化組成物では、安定な乳化組成物を得るために上記乳化材の添加量を増加する必要があり、そのため口溶けの悪さが顕著になる傾向にあった。
【0009】
本発明者等は、上記問題を解決すべく、まずオクテニルコハク酸処理澱粉に使用されている原料澱粉に着目し鋭意研究を重ねた。その結果、アミロースを15%以上含有した澱粉を原料としたオクテニルコハク酸処理澱粉を使用するならば、口溶けに優れた水中油型乳化組成物が得られることが分かった。しかしながら、その一方で冷蔵下で長期間保存するとぼそぼそした物性を呈し耐冷蔵性が劣る傾向にあった。
【0010】
【特許文献1】特開2001−327247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明の目的は、口溶けに優れ、しかも冷蔵下で長期間保存してもぼそぼそした物性を呈しない耐冷蔵性に優れたマヨネーズ・ドレッシング等の水中油型酸性調味料をはじめとした水中油型乳化組成物を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者等は、上記目的を達成すべく、口溶けに優れた乳化組成物が得られ易いアミロースを15%以上含有した澱粉を原料としたオクテニルコハク酸処理澱粉を使用しつつ、その欠点である冷蔵下での安定性を改善するため種々の添加剤について鋭意研究を重ねた。その結果、アミロースを15%以上含有した澱粉を原料としたオクテニルコハク酸処理澱粉を含有した水中油型乳化組成物にゼラチン加水分解物を添加したところ、意外にも口溶けに優れ、しかも冷蔵下で長期間保存してもぼそぼそした物性を呈しない耐冷蔵性に優れたマヨネーズ・ドレッシング等の水中油型乳化組成物が得られること、また卵黄が少ない系においても同様な効果を奏することを見出し本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は、
(1) オクテニルコハク酸処理澱粉及びゼラチン加水分解物を含有した水中油型乳化組成物であって、前記オクテニルコハク酸処理澱粉がアミロースを15%以上含有した澱粉を原料としてオクテニルコハク酸処理した化工澱粉である水中油型乳化組成物、
(2) 水中油型乳化組成物の粘度が50Pa・s以上である(1)の水中油型乳化組成物、
(3) オクテニルコハク酸処理澱粉のアミロースを15%以上含有した原料澱粉が、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉(但し、ワキシコーンスターチを除く)、うるち米澱粉、小麦澱粉又はタピオカ澱粉から選択された1種又は2種以上の澱粉である(1)又は(2)の水中油型乳化組成物、
(4) ゼラチン加水分解物が平均分子量1,000〜10,000である(1)乃至(3)のいずれかの水中油型乳化組成物、
(5) 水中油型乳化組成物全体に対しオクテニルコハク酸処理澱粉を0.5%以上含有する(1)乃至(4)のいずれかの水中油型乳化組成物、
(6) 水中油型乳化組成物全体に対しゼラチン加水分解物を0.01%以上含有する(1)乃至(5)のいずれかの水中油型乳化組成物、
である。
【発明の効果】
【0014】
本発明のマヨネーズ・ドレッシング等の水中油型酸性調味料をはじめとした水中油型乳化組成物は、口溶けに優れ、しかも冷蔵下で長期間保存してもぼそぼそした物性を呈しない耐冷蔵性に優れたものであることから、開封後でも冷蔵保管さえすれば細菌的問題を考慮することなく長期に渡り使用することができ汎用性に優れている。また、卵黄を乳化材として使用しないあるいは削減した水中油型乳化組成物であっても同様な効果を奏することから、アレルギーあるいはコレステロールが気になる方用として最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
【0016】
本発明の水中油型乳化組成物は、食用油脂が水相中に略均一に分散し乳化状態が維持されたマヨネーズ・ドレッシング等の水中油型酸性調味料等をはじめとした乳化物である。本発明の水中油型乳化組成物は、アミロースを15%以上含有した澱粉を原料としてオクテニルコハク酸処理したある特定のオクテニルコハク酸処理澱粉とゼラチン加水分解物とを含有することを特徴とし、これにより、従来のオクテニルコハク酸処理澱粉を含有した水中油型乳化組成物において課題となっていた口溶け感を改善しつつ、新たに課題となった冷蔵下で長期間保存するとぼそぼそした物性を呈するという耐冷蔵性を改善したものである。このような課題は、ある程度以上の粘性を有した乳化組成物に起こり易く、具体的には、50Pa・s以上の粘度を有したものであり、本発明の組成物も50Pa・s以上の粘度を有したものに好適である。なお、前記粘度は、BH型粘度計を用い、回転数:2rpm、ローター:No.6、品温:20℃の測定条件で、2回転後の示度から換算した値である。また、水中油型酸性調味料とは、pH4.6以下の乳化タイプの調味料のことである。
【0017】
本発明のオクテニルコハク酸処理澱粉とは、澱粉を加水して懸濁液とし、これに無水オクテニルコハク酸を添加して反応された後乾燥して得られる化工澱粉であり、本発明で用いるオクテニルコハク酸処理澱粉は、当該原料澱粉に特徴を有する。つまり、澱粉は、D−グルコースがα−1,4結合した直鎖状の分子であるアミロースと、D−グルコースのα−1,4結合とα−1,6結合を有する分岐状の分子であるアミロペクチンの2種類の分子から構成されているが、本発明で用いるオクテニルコハク酸処理澱粉は、アミロース含量が15%以上の澱粉を原料として製せられたものを用いる必要がある。このようなアミロース含量が15%以上の澱粉としては、例えば、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉(但し、ワキシコーンスターチはアミロペクチン約100%なので除く)、うるち米澱粉、小麦澱粉又はタピオカ澱粉等が挙げられ、これらより1種又は2種以上を選択すると良い。また、これらのうち、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、小麦澱粉等は、アミロース含量が20%以上と高く、このようなアミロース含量が高い澱粉を原料としたオクテニルコハク酸処理澱粉を用いると、より口溶けに優れ、しかも後述するゼラチン加水分解物と組み合わせることで冷蔵下で長期間保存してもぼそぼそした物性を呈し難く耐冷蔵性に非常に優れた水中油型乳化組成物が得られ好ましい。また、本発明のアミロースを15%以上含有した原料澱粉には、上述した澱粉そのものばかりでなく当該澱粉の加水分解物も含まれる。この場合乳化材として使用する本発明のオクテニルコハク酸処理澱粉の乳化安定性の点で澱粉の分解程度を示すDE(デキストロースエキュイバレント)が5以下のものが好ましい。
【0018】
本発明のゼラチン加水分解物とは、豚、牛、鯨、兎等の真皮や骨の中にあるコラーゲンを加熱して生成される可溶化蛋白質であるゼラチンを、蛋白質分解酵素、酸材、アルカリ材等の1種又は2種以上で処理して分解したものをいう。本発明においては、加水分解されたゼラチンであれば、その分解の程度は問わないが、耐冷蔵性に優れたものが得られ易いことから、平均分子量が1,000〜10,000の範囲となるように加水分解したものが好ましく、2,000〜6,000がより好ましい。このような平均分子量をコントロールしたゼラチン加水分解物としては、工業的規模で製し易いことから、少なくとも蛋白質分解酵素により加水分解したゼラチン酵素分解物が好ましい。
【0019】
マヨネーズ・ドレッシング等の水中油型乳化組成物である水中油型酸性調味料は、一般的に卵黄を乳化材として使用している。卵黄としては、例えば、上述したとおり機械的に鶏卵を割卵し卵白と分離し固形分をコントロールした卵黄をはじめとして、これを殺菌したもの、冷蔵若しくは冷凍したもの、スプレードライ若しくはフリーズドライ等で乾燥したもの、ホスフォリパーゼA、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD、プロテアーゼ等の酵素で処理したもの、脱糖処理したもの、超臨界二酸化炭素処理等で脱コレステロールしたもの、あるいは食塩若しくは糖類を加配したもの等が使用されおり、水中油型酸性調味料には、通常、食用油脂10部に対し生卵黄換算で卵黄を約1部以上含有している。
【0020】
本発明の特定のオクテニルコハク酸処理澱粉は、従来卵黄を乳化材として使用したマヨネーズ・ドレッシング等の水中油型乳化組成物である水中油型酸性調味料に加配して使用しても良いが、オクテニルコハク酸処理澱粉は、その機能として乳化力を有することから、乳化材として使用された卵黄の一部又は全部と置き換えることが出来る。
【0021】
特に、卵黄の一部又は全部と置き換えて卵黄を使用しない又は削減した水中油型乳化組成物、具体的には、食用油脂20部に対し生卵黄換算で卵黄1部以下の組成物では、安定な乳化組成物を得るために本発明の特定のオクテニルコハク酸処理澱粉をある程度添加する必要があり、これに伴い冷蔵下で長期間保存するとぼそぼそした物性を呈するという問題が顕著となる傾向にあることから、食用油脂の含有量にもよるが、本発明の特定のオクテニルコハク酸処理澱粉を水中油型乳化組成物全体に対し、好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上、またゼラチン加水分解物を水中油型乳化組成物全体に対し、好ましくは0.01%以上、より好ましくは0.05%以上含有させると良い。
【0022】
このような含有量とすることにより、卵黄を使用しない又は削減した水中油型乳化組成物においても口溶けに優れ、しかも冷蔵下で長期間保存してもぼそぼそした物性を呈しない耐冷蔵性に優れたものが得られ易く好ましい。なお、本発明においてそれぞれの上限の含有量は規定していないが、それぞれの含有量を増加させたとしてもそれに見合った口溶け感及び耐冷蔵性の改善効果が得られ難く経済的でないばかりか、オクテニルコハク酸処理澱粉由来の糊っぽさやゼラチン加水分解物の風味が感じられる場合があることから、本発明の特定のオクテニルコハク酸処理澱粉を水中油型乳化組成物全体に対し、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、またゼラチン加水分解物を水中油型乳化組成物全体に対し、好ましくは5%以下、より好ましくは4%以下含有させると良い。
【0023】
本発明の水中油型乳化組成物で用いる油脂は、食品に供される油脂であればいずれのものであれば特に限定するものではない。このような食用油脂としては、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂、または各種スパイスオイル等が挙げられる。
【0024】
本発明の水中油型乳化組成物には、上述の原料以外に本発明の効果を損なわない範囲で各種原料を適宜選択し含有させることが出来る。例えば、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖、醤油、味噌等の各種調味料、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉、湿熱処理澱粉、化工澱粉等の増粘材、卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン等の乳化材、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、色素、香辛料等が挙げられる。
【0025】
また、本発明の製造方法は、水中油型乳化組成物の常法により製すれば良く、特に限定するものではない。水中油型酸性調味料を例で挙げると、本発明で用いる特定のオクテニルコハク酸処理澱粉及びゼラチン加水分解物とその他の水相原料を均一とし、ミキサー内で得られた水相部を攪拌させながら油相部である油脂を添加し粗乳化した後、コロイドミル、高圧ホモゲナイザー等で仕上げ乳化を行なうと良い。また、必要に応じ更に殺菌処理を施しても良い。
【0026】
以下、本発明の水中油型乳化組成物について、実施例、比較例並びに試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
【実施例】
【0027】
[実施例1]
食酢(酸度:4%)17.5kg、食塩2.5kg、オクテニルコハク酸処理澱粉(アミロース約21%の馬鈴薯澱粉を原料澱粉としたもの)1.5kg、グルタミン酸ナトリウム0.5kg、キサンタンガム0.5kg、ゼラチン酵素分解物(平均分子量約4,500)0.2kg、辛子粉0.1kg、黄色着色料製剤0.05kg及び清水17.15kgをミキサーで均一に混合し水相部を調製した後、撹拌させながらサラダ油60.0kgを注加し粗乳化した。次にこの粗乳化物をコロイドミルで常法に則り仕上げ乳化し、本発明の水中油型乳化組成物(水中油型酸性調味料)を製した。
【0028】
得られた水中油型乳化組成物は、pHが4.0であり、粘度が270Pa・sであった。また、得られた組成物は、卵黄を含有していないのにも拘らず口溶けに優れ、冷蔵下で長期間保存してもぼそぼそした物性を呈しない耐冷蔵性に優れたものであった。
【0029】
<配合割合>
サラダ油 60.0%
食酢(酸度:4%) 17.5%
食塩 2.5%
オクテニルコハク酸処理澱粉 1.5%
グルタミン酸ナトリウム 0.5%
キサンタンガム 0.5%
ゼラチン酵素分解物 0.2%
辛子粉 0.1%
黄色着色料製剤 0.05%
清水 17.15%
――――――――――――――――――――――――
合計 100.0%
【0030】
[比較例1]
実施例1において、原料として用いたアミロース約21%の馬鈴薯澱粉を原料澱粉としたオクテニルコハク酸処理澱粉を、アミロペクチン約100%のワキシコーンスターチを原料澱粉としたオクテニルコハク酸処理澱粉(松谷化学工業(株)エマルスター30A)に換えた以外は実施例1と同様な方法で水中油型乳化組成物(水中油型酸性調味料)を製造した。
【0031】
得られた水中油型乳化組成物は、pHが4.0であり、粘度が280Pa・sであった。また、得られた乳化組成物は、口溶けが悪いものであった。
【0032】
[試験例]
(試験方法)
実施例1において、原料として用いたゼラチン酵素分解物に換えて表1の添加剤を配合し、また得られる水中油型乳化組成物(水中油型酸性調味料)が実施例1と同程度の粘度となるようにキサンタンガムの配合量を変え、これらの減少分あるいは増加分を清水で調整した以外は実施例1と同様な方法で水中油型乳化組成物(水中油型酸性調味料)を製造した。
【0033】
(評価方法)
得られた各水中油型乳化組成物(水中油型酸性調味料)をマヨネーズ用の透明チューブ容器に充填した後、5℃で保存し、2週毎にその物性を観察し評価した。なお、添加剤としてショ糖脂肪酸エステルを用いたものは、粗乳化段階で分離してしまい水中油型乳化組成物が得られなかった。また、前記ショ糖脂肪酸エステルを用いた組成物以外のいずれの組成物も口溶けに優れたものであった。
【0034】
(試験結果)
【表1】


【0035】
表1より、ゼラチン酵素分解物以外の添加剤を用いた水中油型乳化組成物は、いずれも保存8週間後で老化現象が観察され、ぼそぼそとした物性を呈するのに対し、ゼラチン酵素分解物を用いた乳化組成物は、そのような現象は全く観察されず、長期間に渡り耐冷蔵性に優れていることが理解される。
【出願人】 【識別番号】000001421
【氏名又は名称】キユーピー株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区渋谷1丁目4番13号
【出願日】 平成16年4月19日(2004.4.19)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−304327(P2005−304327A)
【公開日】 平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願番号】 特願2004−122815(P2004−122815)