| 【発明の名称】 |
低水分加工食品に適した原料粉末の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】原田 浩幸 【住所又は居所】鹿児島県鹿児島市西別府町3200−7 セイカ食品株式会社内
【氏名】上荒磯 哲也 【住所又は居所】鹿児島県鹿児島市西別府町3200−7 セイカ食品株式会社内
【氏名】山崎 竜一 【住所又は居所】鹿児島県鹿児島市西別府町3200−7 セイカ食品株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】含澱粉根菜類乾燥粉末を低水分加工食品へ利用した際、焦げや変色、異臭、えぐ味の発生が起こりにくく、また膨化性に優れ、その加工食品が硬くなりにくく、歯への付着性が少ないことを特徴とする低水分加工食品に適した原料粉末の製造方法の提供。
【解決手段】細断した根菜を加温水で晒し、晒した根菜を凍結解凍処理して根菜植物体組織を軟化・破壊させ、固液分離処理によって滲出した汁液を取り除き、得られたケークを減圧乾燥した後、乾燥フレークを粉砕する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 澱粉を含む根菜を細断し、乾燥し、粉砕して低水分加工食品に適した原料粉末を製造する方法において、細断した根菜を加温水で晒し、晒した根菜を凍結解凍処理して根菜植物体組織を軟化・破壊させ、固液分離処理によって滲出した汁液を取り除き、得られたケークを減圧乾燥した後、乾燥フレークを粉砕することを特徴とする低水分加工食品に適した原料粉末の製造方法。 【請求項2】 前記水で晒す工程は、湯温が水の沸騰点近傍で更に根菜が有する酸化酵素を不活性化させるのに必要な最短の時間で晒すことを特徴とする請求項1記載の低水分加工食品に適した原料粉末の製造方法。 【請求項3】 前記凍結解凍処理する工程は、晒した根菜を完全に凍結させた後、その根菜が含有する澱粉の糊化温度よりも低い温度帯で解凍処理を施すことを特徴とする請求項1記載の低水分加工食品に適した原料粉末の製造方法。 【請求項4】 前記減圧乾燥する工程は、その根菜が含有する澱粉の糊化温度よりも低い温度帯に加温して、固液分離処理後に得られたケークを減圧下で乾燥処理させることを特徴とする請求項1記載の低水分加工食品に適した原料粉末の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、膨化食品やクッキー等に代表される低水分加工食品に適した原料粉末を澱粉を含む根菜類から製造する方法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、低水分加工食品に使用される原料粉末の製造は、サツマイモやジャガイモなど澱粉を含む生の根菜類の場合、一般に二つの方法がある。第一例は前記根菜を適当なサイズに細断した後、通風や熱風などで乾燥処理し、粉砕・粉末化する方法である。第二例は、前記根菜を加熱処理して含有する澱粉を充分に糊化させたものを、ドラムドライヤーなどで乾燥処理し、粉砕・粉末化する方法である。 【0003】 【特許文献1】特開2003−23996号公報 【特許文献2】特開2001−86970号公報 【特許文献3】特開平11−332502号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかしながら、上記方法で製造された原料粉末をエクストルーダ等の装置で膨化処理を施して膨化食品を製造すると、上記第一例の方法で製造された原料粉末の膨化食品は、原料とする根菜類が有している酸化酵素やポリフェノール等により変色や異臭、えぐ味が発生しやすく、併せて強固な植物体組織により非常に硬い食感を持つ膨化性の悪い加工食品が得られるという問題を有している。また上記第二例の方法で製造された原料粉末の膨化食品は、加熱処理工程によって生じた糖類のため、膨化処理時に焦げが生じやすく、また食した際に歯に著しく付着するという問題を有している。 【0005】 従来の方法で製造された原料粉末を主原料として用いてクッキー等の低水分加工食品を製造すると、上記膨化食品の場合とほぼ同様の問題を有し、また焼成前の生地の状態においてヒビ割れが生じるという問題がある。 【0006】 従って本発明は低水分加工食品へ利用した際、焦げや変色、異臭、えぐ味の発生が起こりにくく、また膨化性に優れ、その加工食品が硬くなりにくく、歯への付着性が少ないことを特徴とする低水分加工食品に適した原料粉末の製造方法を提供することを目的としたものである。 【0007】 上記従来の技術関連の開示情報として、たとえば特許文献1では、根菜粉末とその製造方法として、根菜類を切断し、加熱して臭みをとり、乾燥後粉砕する方法が開示されているが、前記したように、本発明の目的とする加工利用時の焦げの抑制や歯への非付着性などは加熱したものでは得られないことは前記したとおりである。また、特許文献2では野菜の薄切りと洗浄を同時に行う方法が開示されているが、その後のプロセスについてはなんら触れられておらず、本発明の目的を達成することはできない。さらに、特許文献3ではサツマイモの糖化乾燥物の製造方法として、蒸したサツマイモを砕き麦芽を乾燥粉末にしたものを加え糖化させ、火力または天日で乾燥、粉砕する方法が開示されているが、同様に本発明の目的とは異なるものである。 【課題を解決するための手段】 【0008】 そこで本発明者らは、澱粉を含む根菜類などの原料粉末を加工利用した際、焦げや変色、異臭、えぐ味の発生及び歯への付着性を抑制するためには、根菜類中の酸化酵素を不活性化させること、糖やポリフェノールをできるだけ除去することが重要であり、更に、硬くなりにくく、膨化性に優れた加工食品を製造する原料粉末とするためには、植物体組織をある程度軟化・破壊させておくこと、根菜類中の澱粉をできるだけ糊化させない処理工程及び処理条件であること、植物体組織の収縮をできるだけ抑えること、が重要であるとの考えを基に研究を重ねた。 【0009】 上記研究の結果、原料粉末の処理工程として酸化酵素を不活性化させるには、加温水で晒す処理が必要であること、糖やポリフェノールをできるだけ除去するには、固液分離処理が必要であること、植物体組織をある程度軟化・破壊するには、凍結解凍処理が必要で、固液分離処理の前に実施することが必要であること、乾燥時に植物体組織の収縮をできるだけ抑制するには、減圧乾燥処理が必要であること、という知見を得た。 【0010】 従って本発明の低水分加工食品に適した原料粉末の製造方法は、澱粉を含む根菜を細断し、乾燥し、粉砕して低水分加工食品に適した原料粉末を製造する方法において、細断した根菜を加温水で晒し、晒した根菜を凍結解凍処理して根菜植物体組織を軟化・破壊させ、固液分離処理によって滲出した汁液を取り除き、得られたケークを減圧乾燥した後、該乾燥フレークを粉砕することを特徴とする。 【0011】 また本発明で用いる根菜の水で晒す工程は、根菜が有する酸化酵素を不活性化させるために湯温が水の沸騰点近傍であり、かつできるだけ澱粉の糊化を抑えるため不活性化に必要な最短の時間で晒す必要があること、凍結解凍処理は晒した根菜を完全に凍結させた後、澱粉を糊化させないためにその根菜が含有する澱粉の糊化温度よりも低い温度帯で解凍処理を行う必要があること、減圧乾燥処理は澱粉をできるだけ糊化させないためにその根菜が含有する澱粉の糊化温度よりも低い温度帯で、更に植物体組織の収縮を抑える為に減圧下で乾燥処理する必要があること、という知見を得た。 【0012】 よって、本発明の低水分加工食品に適した原料粉末の製造方法は、更に前記水で晒す工程の湯温が水の沸騰点近傍で更に根菜が有する酸化酵素を不活性化させるのに必要な最短の時間で晒すことを特徴とする。 【0013】 更に、本発明の低水分加工食品に適した原料粉末の製造方法では、前記凍結解凍処理する工程は、晒した根菜を完全に凍結させた後、その根菜が含有する澱粉の糊化温度よりも低い温度帯で解凍処理を施すことを特徴とする。 【0014】 更に、本発明の低水分加工食品に適した原料粉末の製造方法では、前記減圧乾燥する工程は、その根菜が含有する澱粉の糊化温度よりも低い温度帯に加温して、固液分離処理後に得られたケークを減圧下で乾燥処理させることを特徴とする。 【発明の効果】 【0015】 以上説明したように、本発明によれば、根菜類を加温水で晒す処理を施すことで、根菜類に含まれる酸化酵素を不活性化し加工食品に利用した際に見られる異臭や変色、えぐ味の発生を抑えることができる。また固液分離処理することで、根菜類中に含まれる糖やポリフェノールを低減し加工食品に利用した際に見られる焦げや変色、異臭、えぐ味、歯への付着を抑えることができる。更に凍結解凍処理を施すことで植物体組織を軟化・破壊し、加えて減圧乾燥処理を施すことで植物体組織の収縮を抑え、加工食品に利用した際の加工食品の硬さを改善することができる。また凍結解凍処理、減圧乾燥処理において根菜類が含む澱粉をできるだけ糊化させないような温度帯で処理することで膨化性を良くすることができる、といった特徴を有し、低水分加工食品に適した原料粉末の製造が可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0016】 以下、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている方法の条件などについては特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。 【0017】 図1は、本発明の工程フローを示したブロック図である。図において、本発明で用いる原料は、サツマイモやジャガイモ、レンコンなど澱粉を含む生の根菜類農産物である。 【0018】 原料は、公知の野菜調理器などを用いて細断処理(2)する。原料の形状やサイズは、熱を均一に伝導させるためにサツマイモやジャガイモなどの場合は太さ3mm〜5mmの細切り状とし、レンコンのように内部に空洞があるものは、厚さ2mm〜3mmのスライス状にする。またスライス状にする場合は必要により、これを細かくカットしてもよい。なお細断処理した原料片は変色しやすいので水に浸すことが望ましい。なお細断処理前は必要により原料をよく洗浄(1)し、表面の根や泥などを除くことが望ましく、また場合によっては両端を切除し、剥皮・トリミング(1)をすればよい。更に剥皮したサツマイモやジャガイモなどは変色しやすいので、水に浸すことが望ましい。 【0019】 細断処理した原料片は、加温水に晒してブランチング(3)する。ブランチング中の湯温が95℃を下回らず全片に均一に熱が通るよう、30秒〜60秒間完全に浸漬する。なお浸漬時間は原料の種類や品種によって異なり、サツマイモの場合、ベニサツマ及びハヤトイモは40秒程度、コガネセンガン及びアヤムラサキは50秒程度、ジャガイモの場合は30秒程度、レンコンの場合は40秒程度が好ましい。またブランチング処理後は余熱による澱粉の糊化を防ぐ為、冷水などで直ちに冷却することが望ましい。 【0020】 ブランチング処理後の原料片は公知の方法にて凍結処理(4)し、原料片を完全に凍結させる。なお次工程の固液分離処理を容易にするためには、凍結処理は緩慢凍結が望ましい。また凍結処理の際は、原料片表面が乾燥しないよう、合成樹脂製あるいはフィルム包材などにて空気をできるだけ抜いた状態で被覆または充填密封するとよい。 【0021】 凍結処理した原料片を公知の方法で解凍処理(4)する。この際、原料が含有する澱粉の糊化温度よりも低い温度帯で解凍処理する。なお空気解凍においては解凍時間が長いため、原料片表面の乾燥や微生物の繁殖に注意することが望ましい。 【0022】 凍結解凍処理した原料片は、圧搾機や遠心分離機など公知の方法で固液分離処理(5)により原料片から滲出した汁液を除き、ケークを得る。なおその際は、原料片重量に対して30%以上の汁液を除くことが望ましい。 【0023】 固液分離処理をして得られたケークは、真空乾燥器など公知の方法で減圧乾燥処理(6)する。この際、原料が含有する澱粉の糊化温度より低い温度帯で、更に操作圧力は4000Pa以下の減圧下で乾燥させることが望ましい。 【0024】 乾燥処理した乾燥フレークは、公知の方法で粉砕処理(7)し、粉末化する。なお粉砕処理を行う際は、摩擦などによる発熱を考慮し、原料が含有する澱粉の糊化温度よりも低い温度帯で粉砕処理することが望ましい。更に必要に応じて、篩別(8)したり造粒(8)したりして粉体の粒度を揃えるのが好ましい。以下、本発明で得られた原料粉末を用いて、低水分加工食品を製造した場合の例を示す。 【実施例1】 【0025】 ベニサツマやコガネセンガン、アヤムラサキ及びハヤトイモの計四品種の生サツマイモを原料として、本発明による製造方法で低水分加工食品原料粉末を製造した。この粉末を用いてエクストルーダにて直接膨化処理を行い、膨化食品を製造したところ、従来の技術で製造された原料粉末の膨化食品に比べて、焦げや変色が少なく、異臭やえぐ味がない、また歯にあまり付着せず、硬くならず食感のよい、よく膨化した膨化食品が得られた。 【実施例2】 【0026】 生のジャガイモやレンコンを原料として本発明による方法で低水分加工食品原料粉末を製造し、実施例1と同様の方法で膨化食品を製造したところ、実施例1記載と同様の結果となった。 【実施例3】 【0027】 実施例1で製造した低水分加工食品原料粉末を用いて、表1の配合でクッキーを製造したところ、小麦粉のみを用いたクッキーと比べて、まったく遜色の無い膨張率、食感をもつクッキーが得られた。また本発明で製造した低水分加工食品原料粉末を用いたクッキーは、従来の技術で製造された原料粉末を用いたクッキーと比べて、焼成前の生地のヒビ割れや焼成時の焦げや変色が少なく、異臭やえぐ味がない、また歯にあまり付着せず、硬くならず食感のよい、よく膨化したクッキーが得られた。 【0028】 【表1】
【実施例4】 【0029】 生のジャガイモを原料として本発明による方法で低水分加工食品原料粉末を製造し、表2の配合でクッキーを製造したところ、実施例3記載と同様の結果となった。 【0030】 【表2】
【産業上の利用可能性】 【0031】 本発明の低水分加工食品原料粉末を食品産業に利用することにより、加工食品の品質を高め、加工食品原材料の多様性を齎すので、食品産業にとって有用な技術である。 【図面の簡単な説明】 【0032】 【図1】本発明の工程フローを示したブロック図である。 【符号の説明】 【0033】 1 洗浄・剥皮工程 2 細断工程 3 ブランチング(晒し)工程 4 凍結・解凍工程 5 固液分離工程 6 減圧乾燥工程 7 粉砕工程 8 篩別又は造粒工程
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| 【出願人】 |
【識別番号】500533558 【氏名又は名称】株式会社かんしょ利用技術研究所 【住所又は居所】東京都江東区牡丹2丁目13番1号
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| 【出願日】 |
平成17年3月8日(2005.3.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083024 【弁理士】 【氏名又は名称】高橋 昌久
【識別番号】100103986 【弁理士】 【氏名又は名称】花田 久丸
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| 【公開番号】 |
特開2005−296002(P2005−296002A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月27日(2005.10.27) |
| 【出願番号】 |
特願2005−64457(P2005−64457) |
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