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【発明の名称】 海藻を含む新規健康飲食品
【発明者】 【氏名】萩野 浩志

【氏名】佐藤 志保

【要約】 【課題】アマノリ属海藻及びワカメ類海藻の豊富な栄養成分や健康機能性成分をそのまま維持しながら、該海藻の有する臭気を効果的に抑制、軽減した飲食用海藻粉末或いはその造粒物、又は、該飲食用海藻粉末或いはその造粒物を用いた粉末飲料或いは海藻粉末入り食品を提供すること。

【解決手段】アマノリ属海藻及び/又はワカメ類海藻を粉末の形にし、これにお茶を粉末状にして混合することによりアマノリ属海藻やワカメ類海藻の栄養成分や健康機能性成分をそのまま維持し、該海藻類の磯臭の抑えられた飲食用海藻粉末及びその造粒物とする。本発明の飲食用海藻粉末を用いて海藻粉末飲料或いは海藻粉末入り食品を調製することにより、磯臭の抑制、軽減されたアマノリ属海藻やワカメ類海藻の粉末飲料或いは該海藻粉末入り食品を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アマノリ属海藻及び/又はワカメ類海藻粉末に、お茶粉末を混合してなる磯臭の抑えられた飲食用海藻粉末又はその造粒物。
【請求項2】
請求項1記載の飲食用海藻粉末を主要成分とする磯臭の抑えられた海藻粉末飲料。
【請求項3】
アマノリ属海藻粉末及び/又はワカメ類海藻粉末と、お茶粉末との混合物において、お茶粉末を全体の30%(w/w%)以上添加してなる請求項2記載の磯臭の抑えられた海藻粉末飲料。
【請求項4】
全体の30〜60%(w/w%)のお茶粉末を混合してなる請求項2又は3記載の磯臭の抑えられた海藻粉末飲料。
【請求項5】
アマノリ属海藻及び/又はワカメ類海藻が平均粒径が150μm以下に粉砕された粉末とお茶粉末とが混合されてなる請求項2〜4のいずれか記載の磯臭の抑えられた海藻粉末飲料。
【請求項6】
請求項1記載の飲食用海藻粉末又はその造粒物を主成分とする、又は、請求項1記載の飲食用海藻粉末又はその造粒物を添加してなる磯臭の抑えられた海藻粉末入り食品。
【請求項7】
アマノリ属海藻粉末及び/又はワカメ類海藻粉末と、お茶粉末との混合物において、お茶粉末を該混合物全体の30%(w/w%)以上添加してなる海藻粉末又はその造粒物を添加してなる請求項6記載の磯臭の抑えられた海藻粉末入り食品。
【請求項8】
請求項1記載の飲食用海藻粉末を有効成分とする便秘改善機能、血液流動性改善機能、血小板凝集抑制機能、及び免疫賦活機能の1又は2以上の機能を有する飲料又は食品。
【請求項9】
請求項8記載の飲食品が、磯臭の抑えられた海藻粉末飲料であることを特徴とする便秘改善機能、血液流動性改善機能、血小板凝集抑制機能、及び免疫賦活機能の1又は2以上の機能を有する飲料又は食品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、海苔及びワカメ類の海藻粉末からなる、臭いの改善された栄養成分が豊富で、かつ健康機能性を有する新規飲食品に関する。すなわち、本発明はアマノリ属海藻、ワカメ類海藻粉末にお茶粉末を一定量以上混合することによって、海藻独特の香り・味(いわゆる磯臭)の軽減、抑制された粉末飲料及び食品等の飲食品を提供する。磯臭が軽減されたことにより、これらの海藻の有する栄養成分、健康機能性成分ともに本飲食品から有効に摂取することが出来る新しい飲食品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アマノリ属海藻、ワカメ類海藻粉末を水に懸濁し飲料食品とした場合、遊離アミノ酸による旨みがあるが、海藻独特の臭気いわゆる磯臭が強く、一定以上の量を継続的に摂取することは極めて困難である。従って、これらの海藻を粉末で用いる場合はあっても、粉末飲料又は飲料或いは食品等として用いる場合はごく少量しか添加できず、その利用には制約があった。
【0003】
この磯臭を軽減しようとする検討は種々なされてきた。すなわち、海藻抽出液を粒状木質系活性炭を充填したカラムと粒状椰子殻系活性炭を充填したカラムとの二種類のカラム中に流通させ、吸着処理するする方法(特開平10―120522号公報)、海藻抽出液を活性炭処理および陽イオン交換吸着剤処理する方法(特開2000−109407号公報)が提案されている。更に、海藻エキスを合成高分子吸着剤と接触させて除去する方法が報告されている(特開2003―144102号公報)が、これらはいずれも海藻エキスの臭い成分を除去する脱臭法である。したがって、海藻の臭い成分を除去すると同時に、海藻の栄養成分等の有用な成分を除去してしまう問題があり、海藻本来の有効な成分をそのまま利用できるものではなかった。脱臭法としては飲料や食品であるため出来る限りコストの掛からない簡便な脱臭法が望ましく、また、安全性の高い処理法が望ましい。その面から、海藻又はその粉末をあらかじめ焙煎処理をすることによって脱臭できるとの記載(特開2003−304830号公報)があり、実用面から焙煎処理後粉末飲料として実際に試験したところ、少なくとも海苔では磯臭はやや軽減できたが、焙煎臭が出現し、実用面で問題があった。
【0004】
また、アマノリ属海藻、ワカメ属海藻はたんぱく質、ミネラル、ビタミンなどの栄養成分をバランス良く、豊富に含む優れた食品である。海藻の栄養的価値を利用すべく種々の検討が行われてきた。すなわち、栄養的な面から海藻類、野菜類、穀類、豆類、種実、お茶類、果実類、卵、きのこ類など15種以上の天然食品素材と天然抗酸化素材などとの組み合わせた天然抗酸化食品(特開平10−75740号公報)、海藻、小魚、茶葉の混合紛体を含む栄養バランス食品(特開平2001―309762号公報)など多数の天然食品原料と共に海藻を併用した栄養のバランスを考慮した食品が報告されている。これらの混合の効果は栄養素又は抗酸化性を総合的に補完するという面のみから混合されたものであり、磯臭を抑制、軽減して食品として利用し易くするという観点から検討されたものでは全くない。言い換えれば海藻に磯臭があるが故に、飲料や食品とした場合、味、風味に問題があり、海藻の持つ優れた栄養的価値を発揮すべく十分量添加利用できないでいるといっても過言ではない。特に、飲料とした場合にはその問題が大きく、実際、海藻ないし海藻粉末が飲料の成分として用いられていても少量しか添加することが出来ない。
【0005】
また、海藻、又はその粉末の健康機能性については26種に及ぶ海藻についてコレステロール、中性脂肪の低減および降圧作用に関するラットを用いた試験報告がある(Fisheries Sience,60(1),81-88,1994)。この報告も海藻の持つ健康機能性につき報告されているだけである。
【0006】
【特許文献1】特開平10−75740号公報。
【特許文献2】特開平10―120522号公報)。
【特許文献3】特開2000−109407号公報。
【特許文献4】特開平2001―309762号公報。
【特許文献5】特開2003―144102号公報。
【特許文献6】特開2003−304830号公報。
【非特許文献1】Fisheries Sience,60(1),81-88,1994。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
アマノリ属海藻及びワカメ類海藻はタンパク質、ビタミン、ミネラルが豊富で栄養価が高く、美味しい海藻である。海苔は焼のりとして食べ、ワカメは三倍酢、味噌汁の具として和食の素材として食べられるのが従来の一般的な食べ方である。例えば、これらの海藻を粉末にして水に縣濁して飲料として飲用する簡便な新しい海藻の食べ方も考えられるが、海藻独特の磯臭が強いために一定以上の量を継続的に飲むことは困難であり、したがって、飲料として実用化されてはいない。これらの海藻は飲料として使われる例はあってもその独特の香り・味のため、他の食品又は海藻類に少量添加されるに留まった。そこで、これらのアマノリ属海藻やワカメ類海藻の磯臭を抑制、軽減してこれらの海藻の持つ豊かな栄養成分を十分に利用できる技術を開発すれば、これらの海藻の飲料や食品への実用的な利用を拡大することができる。
【0008】
すなわち本発明の課題は、アマノリ属海藻及びワカメ類海藻のタンパク質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維、リン脂質などの豊富な栄養成分や健康機能性成分をそのまま維持しながら、該海藻の有する臭気、いわゆる磯臭を効果的に抑制、軽減した飲食用海藻粉末及びその造粒物のような調製品を提供すること、及び、該飲食用海藻粉末を用いて磯臭を効果的に抑制、軽減したアマノリ属海藻やワカメ類海藻の粉末飲料及び該飲食用海藻粉末などを添加した食品等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、アマノリ属海藻及び/又はワカメ類海藻を粉末の形にし、これにお茶を粉末状にして混合することによりアマノリ属海藻やワカメ類海藻の栄養成分や健康機能性成分をそのまま維持し、該海藻類の磯臭の抑えられた飲食用海藻粉末を製造できることを見い出し、本発明を完成するに至った。本発明の飲食用海藻粉末は、アマノリ属海藻やワカメ類海藻の栄養成分や健康機能性成分のみならず、お茶の栄養成分や健康機能性成分をあわせ利用することができ、健康機能を謳う飲食品として高い利用価値を有する。また、本発明の飲食用海藻粉末は、これを造粒した調製品のような形態で提供することもできる。本発明は、磯臭を効果的に抑制、軽減した飲食用海藻粉末を海藻粉末飲料とすることにより、従来、その臭いのために難しかった、アマノリ属海藻やワカメ類海藻の粉末飲料としての実用化を可能とし、お茶成分と相俟って、栄養価が高く、かつ、健康機能性を有する海藻粉末飲料を提供することを可能とした。また、本発明は、海藻粉末とお茶粉末の混合物からなる海藻粉末或いはその造粒物を主成分とする、或いは、該海藻粉末或いはその造粒物を添加した磯臭の抑えられた海藻粉末入り食品を提供することを可能とした。
【0010】
本発明ではアマノリ属海藻粉末及びワカメ類海藻粉末に、茶粉末を海藻粉体との合計重量の30%以上加えることにより、例えば、本粉末を水と混合し、飲料にした場合に海藻由来の磯臭を効果的に抑制、軽減することができる。更に、本発明は、微粉の本アマノリ属海藻粉末及びワカメ類海藻粉末を用いることを包含するものであり、かかる微粉のアマノリ属海藻粉末及びワカメ類海藻粉末を用いることによって、海藻に含まれるタンパク質、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維、リン脂質などの栄養成分をより効率的に消化吸収することができ、なおかつ、水道水を始めどんな水を用いても血液流動性が改善され、また、血小板凝集抑制も認められ、海藻由来の食物繊維を多く含むことによる便秘改善作用等の効果を促進するものである。このように、本発明は、磯臭の軽減された栄養に富み、健康機能性を有するアマノリ属海藻粉末及びワカメ類海藻粉末を提供するものであり、該海藻粉末を飲料粉末として用いて、アマノリ属海藻及びワカメ類海藻の実用化を可能とするものである。また、本発明の飲食用海藻粉末及びその造粒物は、飲料用のみならず、ふりかけ、茶漬け、茶そば、スープ、味噌汁、菓子類、及びその他一般食品にもその成分として利用して、磯臭の抑えられた海藻粉末入り食品として提供することを可能とするものである。
【0011】
すなわち具体的には本発明は、(1)アマノリ属海藻及び/又はワカメ類海藻粉末に、お茶粉末を混合してなる磯臭の抑えられた飲食用海藻粉末又はその造粒物や、(2)前記(1)記載の飲食用海藻粉末を主要成分とする磯臭の抑えられた海藻粉末飲料や、(3)アマノリ属海藻粉末及び/又はワカメ類海藻粉末と、お茶粉末との混合物において、お茶粉末を全体の30%(w/w%)以上添加してなる前記(2)記載の磯臭の抑えられた海藻粉末飲料や、(4)全体の30〜60%(w/w%)のお茶粉末を混合してなる前記(2)又は(3)記載の磯臭の抑えられた海藻粉末飲料や、(5)アマノリ属海藻及び/又はワカメ類海藻が平均粒径が150μm以下に粉砕された粉末とお茶粉末とが混合されてなる前記(2)〜(4)のいずれか記載の磯臭の抑えられた海藻粉末飲料からなる。
【0012】
また、本発明は、(6)前記(1)記載の飲食用海藻粉末又はその造粒物を主成分とする、又は、前記(1)記載の飲食用海藻粉末又はその造粒物を添加してなる磯臭の抑えられた海藻粉末入り食品や、(7)アマノリ属海藻粉末及び/又はワカメ類海藻粉末と、お茶粉末との混合物において、お茶粉末を該混合物全体の30%(w/w%)以上添加してなる海藻粉末又はその造粒物を添加してなる前記(6)記載の磯臭の抑えられた海藻粉末入り食品や、(8)前記(1)記載の飲食用海藻粉末を有効成分とする便秘改善機能、血液流動性改善機能、血小板凝集抑制機能、及び免疫賦活機能の1又は2以上の機能を有する飲料又は食品や、(9)前記(8)記載の飲食品が、磯臭の抑えられた海藻粉末飲料であることを特徴とする便秘改善機能、血液流動性改善機能、血小板凝集抑制機能、及び免疫賦活機能の1又は2以上の機能を有する飲料又は食品からなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、アマノリ属海藻やワカメ類海藻の栄養成分や健康機能性成分をそのまま維持し、該海藻類の磯臭の抑えられた飲食用海藻粉末及びその造粒物を提供する。本発明の飲食用海藻粉末及びその造粒物は、アマノリ属海藻やワカメ類海藻の栄養成分や健康機能性成分のみならず、お茶の栄養成分や健康機能性成分をあわせ利用することができ、健康機能の飲食品として高い利用価値を有する。また、本発明においては、本発明の磯臭を効果的に抑制、軽減した飲食用海藻粉末を海藻粉末飲料とすることにより、又は、該飲食用海藻粉末又はその造粒物を主成分とする或いは該飲食用海藻粉末又はその造粒物を添加した食品とすることにより、従来、その臭いのために難しかった、アマノリ属海藻やワカメ類海藻の粉末飲料又は海藻粉末入り食品としての実用化を可能とし、お茶成分と相俟って、栄養価が高く、かつ、健康機能性を有する実用価値の高い海藻粉末飲料又は海藻粉末入り食品を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、アマノリ属海藻及び/又はワカメ類海藻を粉末の形にし、これにお茶を粉末状にして混合することによりアマノリ属海藻やワカメ類海藻の栄養成分や健康機能性成分をそのまま維持し、該海藻類の磯臭の抑えられた飲食用海藻粉末とすることよりなる。本発明の飲食用海藻粉末は、これを造粒して、粒状の調製品として提供することもできる。本発明の飲食用海藻粉末は、アマノリ属に属する海藻粉末又はワカメ類海藻粉末と、茶粉末を全体の重量の30%以上混合した粉末とすることが好ましく、該海藻粉末を必要時に水と混合して飲料等として用いることができ、或いは、該海藻粉末を食品に添加して海藻粉末入り食品として用いることができる。本発明の飲食用海藻粉末は、海藻由来のタンパク質、炭水化物、ミネラル、ビタミン、リン脂質、食物繊維などの栄養成分や、健康機能性成分等の有効成分を、そのまま維持することができ、該成分を効率よく利用でる。例えば、本発明の飲食用海藻粉末では、栄養成分とともに、便秘解消、血流促進、血小板凝集抑制作用などの健康機能性が同時に発揮される。そして、海藻粉末単独では海藻独特の臭気を有するがお茶粉末を一定量共存させることによって、その臭気を効果的に軽減することができ、そのことによって初めてその臭気が軽減した粉末健康飲料又は健康食品等の実用化を提供するものである。
【0015】
本発明で用いられるアマノリ属海藻は、スサビノリPorphyra yezoensis、アサクサノリP. tenera、ウップロイノリP. pseudolinearis,チシマクロノリP. umbilicalis,マルバアオノリP. suborbiculataおよびその他の食用に供されているアマノリ属海藻から選ばれる。ワカメ類海藻はワカメUndaria pinnatifida、ヒロメU.undarioides、アオワカメU.petersenianaおよびその他のワカメ近縁海藻から選ばれる。
【0016】
海藻は生海藻又はその塩蔵品を水洗後、自然乾燥、機械乾燥されたものが一般的に使われる。これらの海藻は乾燥海藻を小細片に裁断後、粉砕機にかけて少なくとも平均粒径が150μm以下になるよう粉砕する。粉末の粒径は大きすぎてもまた小さすぎても不適であり、細胞壁が一部破壊されている程度の粒径、30〜150μmの粒径が好ましい。粒径が大きいと消化が十分でなく、粒径が小さすぎると粉末を水に溶かした場合粘性多糖が溶出して粘度が上がり飲みにくいからである。粉砕機としてはローラミル、カッターミル、ハンマーミルなどの機械式粉砕機、ジェットミルのような気流式粉砕機、回転羽根をもつブレードミル型の粉砕機が使用出来る。
【0017】
海藻粉末の殺菌方法は乾燥海藻に予め熱をかけるかまたは高圧蒸気で殺菌した後、粉砕してもよいし、粉砕後、加熱殺菌または高圧蒸気で殺菌してもよい。本海藻粉末の消化率はモデル複合酵素系を用い測定した結果、平均粒径が100ミクロンm程度の粉末になると粉砕前と比較して消化率が高くなることが確認された。すなわち、タンパク質消化酵素を用いた人工消化試験を行い消化液中の還元糖の生成から消化率の変化をみたところ、粉砕後の海苔粉末をパンクレアチン処理すると6時間後、58〜59%の消化率がえられ、ペプシン処理した場合、44−45%の消化率であった。これに対し、粉砕前の海苔細片では前者で44〜45%、後者で24〜27%となり消化率の大幅な改善が認められた。
【0018】
海藻は一般的に水分を含んだ場合、独特な香り・味、いわゆる磯臭を発し、特に温度が高くなるとその臭いは強くなる傾向にある。磯臭は強い臭い・味であるため好む人は少なく、特に継続的に経口摂取する場合は不快感が増大していく傾向にある。アマノリ属海藻の中で海苔を用いる場合は海苔に含まれる遊離アミノ酸の影響で美味しさもあるため、人によっては最初はあまり不快に感じない人もあるが、繰り返し服用していくと気になる臭い・味となることになる。この磯臭を抑制、軽減する方法については種々の脱臭処理について研究されてきたが、飲料や食品に使える簡便で、安全な良い方法は見いだされていない。すなわち、活性炭処理、レジン処理、高分子吸着剤処理などの方法は海藻エキスを用いる場合はその脱臭に使用できるが、アミノ酸、ミネラル、ビタミン類の一部は吸着損失する。また、海藻粉末そのものを用いるときは使用できない。前述した海藻を高温で焙煎する方法(特開2003−304830号公報)は海藻粉末が使用可能ではあるが、本方法についても試験したが、少なくとも海苔については大幅に磯臭を低減するものでなく、また磯臭を抑えるため強く焙煎すると焙煎臭が発生するなど実用的ではなかった。
【0019】
本発明に用いるお茶粉末は各種お茶粉末を海藻粉に加え試験した。すなわち、各種茶類粉末と海苔粉末を一定割合で混合し、その3.5gに水道水100mlを加えて、5人に評価してもらった結果を第1表に示した。煎茶、玉露、抹茶、釜入り茶、番茶など緑茶、紅茶、ウーロン茶、プアール茶、その他種々の茶類の粉末を添加することにより水に縣濁しても全般的に磯臭が軽減、抑制できることがわかった。海藻粉末に対する茶の添加量は全般的に全体重量の30%(w/w%)以上、磯臭を厳密に抑えるためには40%(w/w%)以上が望ましい。本発明における海藻の臭気を減じるために用いる各種茶類の添加量は全重量に対して少なくとも30%(w/w%)以上であり、磯臭を軽減するためには従来の海藻と茶を混合せしめて栄養的バランスを考えたり、抗酸化性を強化した食品の例に示された以上の高濃度の茶類の粉末の添加が必要であることが判明した。
【0020】
用いた茶の種類、等級、また、海藻の種類によっても磯臭の軽減の度合いは異なるが、一般的に30%の茶粉末の添加で磯臭のかなりの軽減がみられ、試験した40〜80%添加量の範囲でほぼ完全に磯臭が感じられなくなった。しかしながら、茶の添加量が多くなると茶由来の渋みが強くなり、また、海藻添加量が少なくなると海藻由来の栄養成分、健康機能性成分が減じるため、本発明の栄養、機能性食品の目的から逸脱する。従って、茶粉末の添加量は望ましくは30〜60%範囲といえる。ワカメ粉末についても同様に試験し、ほぼ同様な結果を得た。
【0021】
【表1】


【0022】
茶粉末が海藻粉末と均一に混合されるためには海藻粉末の粒径とお茶粉末の粒径が同一でなくても良いが近いことが望ましい。これらは混合後に粉砕しても良いが、混合される前に別々に粉砕し、混合してもよい。
【0023】
本発明の海藻とお茶の混合粉末又はその造粒物は、使用時に水を加えて飲料或いは海藻粉末入り食品として用いることができる。予め海藻とお茶の混合粉末に水を加えて飲料としり、或いは、食品に海藻粉末を添加して海藻粉末入り食品として調製した場合は、保存のために加熱して十分殺菌する必要がある。加熱により微生物汚染は防がれるが、栄養成分が一部損失する。また、栄養成分の保全のために製品の輸送時、保管時の低温保管が要求されることになる。従って、粉末で水分活性の低い状態で保存し、使用時に水を加えて飲料や海藻粉末入り食品とすることが望ましい。加える水は水道水およびその処理水、ミネラルウオーターその他、飲用に供される水であればどのような水でも特に問題はない。海藻粉末とお茶粉末の他に、各種糖分、各種塩類、各種有機酸、などの呈味成分、各種アミノ酸、各種ビタミンなどの栄養成分をさらに補完強化したり、乳酸菌、ハーブ類、その他種々の健康機能性成分の1種又は2種以上を添加することも可能である。
【0024】
本発明に用いられるアマノリ属海藻、またはワカメ類海藻粉末及び茶粉末からなる飲料又は海藻粉末入り食品は、前述したごとくアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどの栄養成分に富み、栄養的に優れた食品であるだけではなく、健康機能性に優れている。例えば、アマノリ属海藻、ワカメ類は食物繊維を多く含んでいるために、便秘改善効果が認められ、本海藻類はミネラル、リン脂質成分が含まれているため血液粘度低下効果が確認された。更に、いずれの成分によるものかは不明であるが、血小板凝集抑制効果があることが認められた。また、硫酸多糖類による免疫亢進効果が認められ、そのほかにも、同じく多糖類によるコレステロール低減効果、タンパク質の部分的な消化によるペプチドの生成から血圧低下効果、肝機能改善効果が本飲料又は食品海藻粉末入り食品には存在するものと思われる。これらの健康機能性は、海藻粉末を一定粒径以下に破砕することで細胞壁に損傷を与えることによって、海藻成分の消化吸収がよくなり、これらの健康機能性が発現するものと思われる。
【0025】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
焼き海苔20kgを細片に切断後、ジェットミルで粉砕し、同様に粉砕した抹茶粉末20kgを混合して混合粉末40kgを得た。その500gをとり、果糖50gを加えて粉末飲料を製造した。その3.5gに水道水100mlを加えて海藻飲料としたが、試飲の結果、海藻独特の磯臭は殆ど認められなかった。この実施例では、水道水を加えて海藻飲料としたが、水の他に、牛乳、ヨーグルトなどの乳製品、豆乳類、各種ジュース類、及びその他の飲用食品にも溶解又は混合することも可能である。
【実施例2】
【0027】
乾し海苔60kgをブレードミルで粉砕後、高圧蒸気で殺菌した。本粉末300gに同様に粉砕した番茶粉末200gを混合し、さらに粉末砂糖125gを加えて混合して粉末飲料を製造した。
【実施例3】
【0028】
実施例1の海苔粉末300gにそれぞれ玉露、煎茶、紅茶、ウーロン茶、プアール茶粉末それぞれ300gを加えた各600gの6種類の海苔と茶の混合粉末を得た。それぞれの混合粉末3.5gにミネラルウオーター100mlを加えて飲料とし、試飲したところ、どのサンプルでも磯臭は殆ど認められなかった。
【実施例4】
【0029】
乾燥ワカメを裁断し、ジェットミルで粉末化した後、高圧蒸気殺菌した。その300gに煎茶200gを加え,混合飲料粉末500gを得た。本粉末500gに果糖125gを加えた粉末飲料を製造した。
【実施例5】
【0030】
焼き海苔をブレードミルで平均粒径60μmになるよう粉砕したもの3kgに煎茶粉3kgを加えて攪拌混合後、3.5gに分包して粉末飲料を製造した。本粉末飲料に100mlの水道水を加えて攪拌し、朝夕1日2回、1週間にわたって2人のヒトに摂取してもらった。摂取前,摂取1週間後に血液を採取した。採血当日は朝食を抜き採血した。血液9.5mlをヘパリン(1000単位/ml)0.5mlを予め加えた試験管に採り,攪拌後、その100μlを採り、細胞マイクロレオロジー測定装置(MC-FAN, 日立原町電子工業社製)にてスリット通過時間を測定した。その結果を表2に示したように、2名共に飲用前の通過時間に比較して、顕著な通過時間の短縮が認められた。このことより本飲料摂取により赤血球の変形能が向上したものと考えられた。
【0031】
【表2】


【実施例6】
【0032】
実施例1に示した海苔、茶混合粉末3.5gに100mlのミネラルウオーターを加え、朝夕1日2回、10日間にわたって便秘気味の女性20人に摂取してもらった。摂取終了後便秘改善効果に関するアンケートを提出してもらった。結果を第3表に示した。その結果、13人(65%)の方で便秘改善効果が認められた。
【0033】
【表3】


【実施例7】
【0034】
下記の方法により血小板凝集時間の時間を測定した。すなわち、ヘパリン採血をしたヒト末梢血を1100rpmにて7分間遠沈して、上清を多血小板血漿(PRP)として回収した。血小板凝集計(ヘマトレーサー601型、二光バイオサイエンス社製)を用いて37℃において比濁法によって凝集時間を測定した。200iLのPRPに、最終濃度400iM となるようにADPを添加して凝集反応を開始し,経時的に濁度を測定した。濁度が一定になる点をもって凝集反応の終点とし、その時間を測定した。
【0035】
本方法にて、A,B,C,D,E,Fの6人(男3名、女3名)のボランテアに実施例2に示した海苔と茶混合粉末3.5gに100mlのミネラルウオーターを加え、朝夕1日2回、4週間にわたって摂取し、摂取前、および摂取4週間後の血液凝集反応の終点迄の時間を測定した。その結果、第4表に示したように、2人の人で凝集時間の顕著な延長が認められ、2名の人で延長が認められ、他2名は殆ど変化は認められなかった。
【0036】
【表4】


【実施例8】
【0037】
実施例1で製造した焼海苔粉末1kgと抹茶粉末1kgに、食塩800gを混合し、押出し造粒機でお茶漬顆粒を作成した。
【実施例9】
【0038】
実施例1で製造した焼海苔粉末と抹茶粉末の混合粉末280gに、粉糖を120gの割合で混ぜ、ヨーグルト飲料用添加顆粒を製造した。
【実施例10】
【0039】
実施例1で製造した焼海苔粉末50g、抹茶粉末20g、食塩3g、サラダ油20g、生卵1個、及び小麦粉100gに、水20mlを混合して練り、整形後、焼いてビスケットを作成した。
【出願人】 【識別番号】391017986
【氏名又は名称】株式会社白子
【出願日】 平成17年1月25日(2005.1.25)
【代理人】 【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀

【識別番号】100102255
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 誠次

【識別番号】100123168
【弁理士】
【氏名又は名称】大▲高▼ とし子

【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也

【公開番号】 特開2005−296000(P2005−296000A)
【公開日】 平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願番号】 特願2005−17148(P2005−17148)