| 【発明の名称】 |
皮膚保湿用食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】石川 准子 【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内
【氏名】高木 豊 【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内
【氏名】野村 知子 【住所又は居所】栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会社研究所内
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| 【要約】 |
【課題】経口摂取により、優れた皮膚のバリア機能改善作用を有し、保湿効果を発揮する食品を提供する。
【解決手段】下記一般式(1) |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】
で表されるスフィンゴシン類縁体を含有する食品。 【請求項2】 更に、ジアシルグリセロールを含有する請求項1記載の食品。 【請求項3】 皮膚のバリア機能改善用食品である請求項1又は2記載の食品。 【請求項4】 皮膚保湿用食品である請求項1又は2記載の食品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はスフィンゴシン類縁体を含有する食品に関する。 【背景技術】 【0002】 皮膚の角質層は、体内からの水分の蒸散を抑制するとともに、外界からの刺激を防ぐバリア機能を有している。このバリア機能が、紫外線、界面活性剤、乾燥、機械的刺激、活性酸素、水道水中の残留塩素等により損なわれると、乾燥肌、アトピー性皮膚炎、肌あれ等を誘発することが知られている。 【0003】 従来、当該バリア機能を改善する手段としては、アルニカ、ウコン等の植物成分(例えば、特許文献1参照)やパマキン、パヒマラン等の多糖類(例えば、特許文献2参照)を外用投与する方法が報告されている。また、セラミドの経口摂取により、皮膚の水分保持機能が改善されることが報告されている(例えば、非特許文献1参照)。 【0004】 しかし、外用投与製剤は、連日全身に適用することは困難であり、また、炎症、刺激、アレルギー等引き起こす場合もある。一方、経口摂取によれば、手軽に全身へ適用することが可能であるが、セラミドの経口摂取では、必ずしも効果が十分であるとはいえない。 従って、経口摂取することにより皮膚の保湿・保護機能を十分に発揮させる方法が望まれている。 【0005】 一方、スフィンゴシン類は、皮膚に塗布した場合に、しわの発生抑制及びしわの消滅に効果があることが報告されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながら、スフィンゴシン類にバリア機能の改善や保湿作用があることは知られておらず、また、これらを経口摂取することも全く報告されていない。 【特許文献1】特開2003−171310号公報 【特許文献2】特開2002−275046号公報 【特許文献3】特開平6−271446号公報 【非特許文献1】Fragrance Journal 123(1), 81(1995) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明は、経口摂取により、優れた皮膚のバリア機能改善作用を有し、保湿効果を発揮する食品を提供するものである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者らは、経口摂取によって、皮膚保湿効果を発揮する成分について検討したところ、特定のスフィンゴシン類縁体を摂取した場合に、角層セラミド量が増加し、皮膚のバリア機能及び角質水分保持機能を大幅に改善できることを見出した。 【0008】 すなわち本発明は、下記一般式(1) 【0009】 【化1】
【0010】 で表されるスフィンゴシン類縁体を含有する食品を提供するものである。 【発明の効果】 【0011】 本発明の食品によれば、手軽に、全身の皮膚のバリア機能を改善・強化し、皮膚の水分含量を高めることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 一般式(1)中、Rで示される炭化水素基は、飽和でも不飽和のものでもよく、その具体例としては1−ペンタデセニル、ペンタデシル、1−ヒドロキシペンタデシル、1−ヘプタデセニル、ヘプタデシル、1−ヒドロキシヘプタデシル、メチル、エチル、1−ノネニル、1−ウンデセニル、1−トリデセニル、1−ノナデセニル、11−ヒドロキシヘプタデシル、13−ヒドロキシノナデセニル、9−メチルヘキサデシル、11−メチルオクタデセニル等の基が挙げられる。 このうち、1−ヒドロキシペンタデシル、1−ヒドロキシヘプタデシル等の1−ヒドロキシアルキルであるものは、いわゆるフィトスフィンゴシン類であり、本発明においては、斯かるフィトスフィンゴシン類が好ましい。 【0013】 スフィンゴシン類縁体(1)には、四種の立体異性体(D−エリトロ体、D−トレオ体、L−エリトロ体及びL−トレオ体)が存在するが、本発明の食品にはこれらのいずれをも使用することができ、また、これらを任意に組合せ使用することもできる。 【0014】 本発明に使用されるスフィンゴシン類縁体(1)のうち、天然に存在するものは、それらが含まれるリン脂質・セラミド等を適当な組織(例えば植物、酵母、牛脳)から抽出し、加水分解後有機溶媒で抽出することにより得られる。 【0015】 また、スフィンゴシン類縁体(1)は、ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサイアティ(J.Am.Chem.Soc.)95巻4098頁(1973年)、ジャーナル・オブ・リピド・リサーチ(J.Lipid Res.)19巻250頁(19 78年)、テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)29巻2 39頁(1988年)、テトラヘドロン(Tetrahedron)42巻5961頁(1986年)等に記載の方法により合成できる。また、これらのN−メチル体、N,N−ジメチル体及びN,N,N−トリメチル体については、これらのスフィンゴシン類をバイオケミストリー(Biochemistry)7巻2192頁(1968年)等に記載の方法を用いてN−メチル化することにより合成できる。 【0016】 本発明の食品には、上記スフィンゴシン類縁体(1)に加え、食後の血中中性脂肪の上昇を抑制する作用があり、調理油や種々の油脂加工食品に使用されているジアシルグリセロールを含有せしめるのが、皮膚のバリア機能や角質水分保持機能を高める点から好ましい。 ここで、ジアシルグリセロールとしては、その構成脂肪酸が、炭素数8〜24、特に12〜22のアシル基、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸由来のアシル基を有するものが好ましい。ジアシルグリセロール中の不飽和アシル基の量は、全アシル基の量の55重量%(以下単に%で示す)以上、特に70%以上が好ましい。更に不飽和脂肪酸がオレイン酸15〜85%、リノール酸15〜85%で構成されることが最も好ましい。 【0017】 ジアシルグリセロールは、特開平4−300825号公報等に記載の方法、例えば、菜種油、大豆油、米糠油、コーン油、パーム油、オリーブ油、シソ油、ゴマ油、エグマ油、亜麻仁油、魚油等のトリグリセリド油とグリセリンとのエステル交換反応、または油脂由来の脂肪酸とグリセリンとのエステル化反応等任意の方法により得ることができる。反応方法は、アルカリ触媒等を用いた化学反応法、リパーゼ等の油脂加水分解酵素を用いた生化学反応法等が挙げられるが、外観上の観点から、生化学反応法が好ましい。 【0018】 本発明食品中に含有させるスフィンゴシン類縁体(1)とジアシルグリセロールの配合比は、重量比で100:1〜1:10000が好ましく、10:1〜1:100がより好ましい。 配合量は0.01〜10%が好ましく、0.1〜5%がより好ましい。 【0019】 本発明の食品は、例えば、甘味剤、着色剤、抗酸化剤、ビタミン類、香料、ミネラル等の添加剤、タンパク質、脂質、糖質、炭水化物、食物繊維等の食品原料に、上記のスフィンゴシン類縁体(1)、好ましくはこれにジアシルグリセロールを混合し、常法に従って各種の食品形態とすることにより調製することができる。 【0020】 食品形態としては、例えば、ドリンク等のドリンク飲料、粉末ジュース等の粉末飲料、キャンディ、ドロップ、ゼリー、クッキー、チョコレート、ケーキ、ヨーグルト、ガム等の菓子類、調味料、調理油、乳製品、パン、加工米等が挙げられる。また、錠剤(タブレット)、カプセル、顆粒等の美容食品、健康食品等とすることでもよい。また犬、猫、ハムスター等のペット用の食品としてもよい。 【0021】 本発明食品の摂取量は、その食品の形態、摂取者の年齢、性別その他の条件等により適宜選択されるが、通常スフィンゴシン類縁体(1)として、1日体重1kg当たり0.1μg〜2mg程度、好ましくは2μg〜400μg程度とするのがよく、1日に1回又は2〜4回に分けて摂取することができる。 【0022】 本発明の食品は、後記実施例に示すように、角層セラミド量を増加させ、皮膚のバリア機能を改善し、角質水分量を増加する作用を有する。そして、特に角質水分量については、それ自体では保湿効果を有しないジアシルグリセロールを添加することにより、顕著に増加する。従って、該食品を摂取することにより、皮膚のバリア機能及び角質水分保持機能が向上或いは改善され、保湿効果が得られ、乾燥肌の予防・改善、乾燥による肌荒れの防止・改善、アトピー性皮膚炎の予防・改善を図ることができる。 すなわち、本発明の食品は、皮膚のバリア機能を改善させるための食品、皮膚の保湿機能の向上、乾燥の予防・改善、肌荒れの予防・改善・アトピー性皮膚炎の予防・改善するための美容食品、健康食品等の各種食品として利用することができる。 【実施例】 【0023】 実施例1 スフィンゴシン配合食品の製造 表1に示す組成のスフィンゴシン配合食品を製造した。 すなわち、フィトスフィンゴシン(DOOSAN製)とカゼイン、DL−メチオニン、コーンスターチ、α化コーンスターチ、シュクロース、セルロースパウダー、コーン油、AIN−76Aミネラル混合、AIN−76Aビタミン混合、重酒石酸コリン(以上、全てオリエンタル酵母製)に水を添加して加熱混和した後、押し出し成型して乾燥させて乾燥飼料を作製し、本発明品1を製造した。また、ジアシルグリセロール(DAG:花王製)0.1gを加え、同様にして、本発明品2を製造した。また、フィトスフィンゴシンとジアシルグリセロールを除いて同様にしてコントロール食を製造した。 【0024】 【表1】
【0025】 実施例2 皮膚バリア機能改善効果、角質水分量の増加効果、セラミド量増加効果 HR1マウス、6週齢、♀、実験開始前1週間は予備飼育として基本食餌(AIN−76A配合:固形試料)と水の自由摂食を行った。体重により群分けを実施(各群8匹)、表1に示した試験食を投与開始したのち更に5週間飼育した。 1)皮膚バリア回復率: ハイドロメーター(MEECO社)により、初期TEWL値(経表皮水分損失量)を測定したマウス皮膚同一部位に、二チバンPPSテープを貼り付けてはがす作業を5回実施し(以下、テープストリッピング)、直後のTEWL値及び2時間後のTEWL値から各群の回復率を求めた。 2)角層水分量: SKICON―200(IBS社)で測定した。結果を表2に示す。 3)セラミド量(角層1mgあたりのセラミド量): 各配合食を8週間摂取させたマウス(各群8匹ずつ)をと殺後背部皮膚を剥離し、60℃水浴中で1分間加熱後表皮を摂取した。直ちにトリプシン溶液中で37℃1時間処理し、角層を得た。凍結乾燥後角層重量を測定し、Blibh and Dyer法(「生物化学実験法9 脂質・酸化脂質分析法入門」宮沢陽夫・藤野泰郎編著p45、2000年1月30日改訂版初刷)により脂質を抽出し、TLC法によりセラミド量を求めた。 結果を表2に示す。 【0026】 【表2】
【0027】 スフィンゴシン類を含む本発明品1の摂取により、スフィンゴシン類を含まないコントロール食摂取群と比較して角層セラミド量が増加し、角層水分量の顕著な増加及びバリア回復に顕著な改善効果が認められた。また、スフィンゴシン類にジアシルグリセロールを混合した本発明品2では、本発明品1以上の角層水分量の増加作用及びバリア回復促進効果が認められた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000918 【氏名又は名称】花王株式会社 【住所又は居所】東京都中央区日本橋茅場町1丁目14番10号
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| 【出願日】 |
平成16年8月5日(2004.8.5) |
| 【代理人】 |
【識別番号】110000084 【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
【識別番号】100068700 【弁理士】 【氏名又は名称】有賀 三幸
【識別番号】100077562 【弁理士】 【氏名又は名称】高野 登志雄
【識別番号】100096736 【弁理士】 【氏名又は名称】中嶋 俊夫
【識別番号】100117156 【弁理士】 【氏名又は名称】村田 正樹
【識別番号】100111028 【弁理士】 【氏名又は名称】山本 博人
【識別番号】100101317 【弁理士】 【氏名又は名称】的場 ひろみ
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| 【公開番号】 |
特開2005−295994(P2005−295994A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月27日(2005.10.27) |
| 【出願番号】 |
特願2004−229322(P2004−229322) |
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