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【発明の名称】 米飯成形機
【発明者】 【氏名】大越 哲仁
【要約】 【課題】人間の手仕事によるような、表面はしっかり、内部はふっくらとした食感の成形米飯を、簡便にかつ、一度に複数個成形することを実現する米飯成型器を提供することを課題とする。

【解決手段】第一発明は、口縁部を回転軸方向に傾斜させた容器に米飯を入れ、その容器を並べて回転させることによって遠心力を生じさせ、米飯を転がして一度に複数の成形米飯を製造することを特徴とする米飯成形器である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口縁部を回転軸方向に傾斜させた容器に米飯を入れ、その容器を回転させることにより、生じた遠心力によって容器内の米飯を転がして成形米飯を成形させる米飯成形器
【請求項2】
口縁部を回転軸方向に傾斜させた容器に米飯を入れ、その容器を回転させながら振幅することによって楕円球状の成形米飯を成形させる請求項1の米飯成形器
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、寿司のしゃり玉やおにぎりのような成形米飯を簡単に成形するための機器に関する。
【背景技術】
【0002】
おにぎりや寿司のしゃり玉などの成形米飯は、食べやすいため、江戸時代から現代にいたるまで、我が国の米食の一形態として広く一般の老若男女に愛好されてきた。しかし、その作製にあたっては、一般に作製技術を習得している人の手に拠るものであり、特に寿司のしゃり玉は、専ら寿司職人という専門技術者の技能に依拠しており、従来、そのような技能のない個人がそれを作製するのは困難であった。
【0003】
そのような成形米飯を簡便に作製するために、おにぎりについては、型に米飯を入れて、それを押し出す抜き型や型枠などの各種の用具が市販されている。
【0004】
しゃり玉については、業務用の成形機が開発されている。このようなしゃり玉成形機は、しゃりを入れた櫃の下部に漏斗上のしゃり供給路と成形部を備え、ローラによって、しゃりを櫃から供給路を介して成形部に送供し、成形部において、しゃりの側面もしくは上面またはその両方を成形型枠で押圧してしゃりをしゃり玉に形成し、それをコンベアによって成形機外部へ搬出する機構を有する。(例えば、特許文献1)
【0005】
また、上記しゃり玉成形機の機構を小型簡便化させた家庭用のしゃり玉成形器も市販されている。(例えば、非特許文献1)
【0006】
【特許文献1】 特開2000−333626号公報
【非特許文献1】 株式会社タカラ 公報「”夢の宴卓シリーズ”新発売のおしらせ」2001年9月5日
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記のような従来の米飯成形機は、型枠によって米飯を押圧するために、その機器で作製した成形米飯は、成形米飯全体に圧力が掛かって堅くなり、さらに、米飯表面に押し型の跡も残ってしまって、人間の手仕事によって作製したおにぎりやしゃり玉とはどうしても食感が異なり、美味しさが劣っていた。
【0008】
また従来の米飯成型機のうち、家庭向けの上記の寿司しゃり玉成形機は、構造が複雑なためにコストが掛かって価格も高額であり、それにもかかわらず、作製されるしゃり玉が上記の如く美味しさの劣るもので、さらに、一度の行程で成形されるしゃり玉は一つだけであって、一度の食事で多数個のしゃり玉を消費する寿司食に利用するには極めて物足りないものがあった。
【0009】
そこで、本発明は、人間の手仕事によるような、表面はしっかり、内部はふっくらとした食感の成形米飯を、簡便にかつ、一度に複数個成形することを実現する米飯成型器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の課題を解決するために、第一発明は、口縁部を回転軸方向に傾斜させた容器に米飯を入れ、その容器を並べて回転させることによって遠心力を生じさせ、米飯を転がして一度に複数の成形米飯を製造することを特徴とする米飯成形器である。
また、第二発明は、口縁部を回転軸方向に傾斜させた容器に米飯を入れ、その容器を並べて回転させながら振幅させることによって一度に複数の楕円体の成形米飯を製造することを特徴とする米飯成形器である。
【課題の効果】
【0011】
第一発明によれば、容器の数や大きさ、容器に入れる米飯の量を変えることによって、おにぎりや手鞠寿司のように大小各種の、しかも人間の手仕事によるもののような、表面はしっかり内部はふっくらした球形米飯を一度に希望数個成形することができる。
第二発明によれば、第一発明に準じ、しかも、形状が球形でなく、寿司のしゃり玉もしくはいなり寿司のしゃり玉のような楕円球状の成形米飯が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第一発明の一実施形態の斜視図を図1に示す。
ハンドル1は、回転台を回すためのものである。
回転台2は、米飯容器3を回転させるための回転台である。この回転台2には、複数の米飯容器3を並べてはめ込むことができるように複数の穴を空けられている。この穴の数は任意であり、その数によって一度にはめ込む米飯容器の数すなわち、一度に成形させたい成形米飯の数が決まる。図1はそれが4つの例である。
【0013】
回転台2の形状は回転するに差し支えない形状であれば任意であるが、この回転台2によって、米飯容器3の口縁部を回転軸方向に傾斜させて固定させる為に、陣笠を裏返しにしたような、同容器3の傾斜角と平行な角度を持つ逆円錐形のものにすることが最も適当である。そうすれば、回転台2が回転している間、遠心力によって、米飯容器3の底面が回転台2に押し込まれる方向に力が働いて同容器3が回転台2から外れることない。そして、容器3内の米飯もまた、容器の底面方向に力が働いて外に飛び出すことなく、傾斜して回転する容器底面との摩擦力によって良く転がり、球形の成形米飯に成形されるからである。
【0014】
米飯容器3は米飯を入れる容器である。容器の材料は任意であるが、ポリプロピレンなど、軽量でかつ、できるだけ米飯が貼り付かない樹脂製のものが適当である。米飯が貼り付かないように容器内側の表面を皺加工してもよい。米飯容器3の形状は任意であるが、底面がある程度丸いものが適当である。米飯容器3の大きさは、中に投入する米飯の大きさの1.5倍程度以上の直径を有するものが妥当である。たとえば、手鞠寿司のしゃり玉を成形する場合には、ピンポン玉程度の大きさの米飯を投入するため、米飯容器3はコップ大程度のものとなる。おにぎりを成形する場合には、野球ボール程度の大きさの米飯を投入するため、直径10〜12センチ程度のものとなる。ある程度大は小を兼ねる。米飯容器3飯は、容器内側に米飯が貼り付かないように、事前に、ぬるま湯に浸して湿めらせておく。皺加工した容器の場合は事前に湿らせる必要がないのでより簡便である。
【0015】
米飯を成形するには、まず、複数の米飯容器3それぞれにしゃもじで米飯を入れる。
この米飯の量は、上記のように、形成する成形米飯の種類と、それにあわせた容器の大きさによって適宜決める。寿司のしゃり玉の場合には、米飯は事前に酢合わせをして酢飯としておく。おにぎりの場合には、米飯容器に米飯を投入したあと、梅干しなどの具を米飯の中に差し込んでおく。
【0016】
次に、その米飯容器3を回転台2に挿入し、ハンドル1を適当な速度で回す。すると、上記の説明の通り、米飯は米飯容器3の中で転がって球形の成形米飯が形成される。ハンドルを回す速度と時間は、米飯容器の大きさと数および回転台の大きさに依って可変する。実験では、コップ大の米飯容器にピンポン玉程度の大きさの酢飯を入れた場合に、1秒間に2回転程度の速度で、15秒程度回すだけで手鞠寿司のしゃり玉が成形できた。
【0017】
成形米飯が形成されたあと、米飯容器3を回転台から抜き取り、その容器を別の皿の上で傾けて中の成形米飯を皿で受ける。その後、しゃり玉の場合には、わさびや刺身種を乗せて手鞠寿司とし、おにぎりの場合には、海苔などに巻くなどして食す。
実験の結果、本発明で成形した成形米飯は、表面がしっかりして、中身がふんわりした、手仕事のような美味しい食感が得られることが確認されている。
【0018】
図2は、第二発明の一実施形態の平面図である。
第2発明では、第1発明のように回転台をハンドル1で回転台2を直接回すのではなく、ハンドル1で楕円形歯車4を回す。
円形歯車5は、バネ6によって楕円形歯車4の方向へ常時押圧されているので、楕円形歯車4が回転すると、円形歯車5は、楕円形歯車4が回転するにつれて、楕円形歯車方向及びその逆の方向へ振幅しながら回転する。ちなみに、振幅する距離は、楕円形歯車4の回転軸から最長端と最短端との長さの差に当たる。
【0019】
その結果、円形歯車5に接続されている回転台2および米飯容器3も、同歯車と同様に振幅しながら回転するので、第1発明のとおり米飯容器3に入れた米飯は、振幅方向に容器内面に押しつけられながら回転し、その為に、寿司のしゃり玉のような、縦方向に長い楕円球状の成形米飯が成形されるのである。
【0020】
この楕円球状の成形米飯の大きさは、第1発明の通り、米飯容器3及びそれに投入する米飯の量によって任意に製造することが出来る。投入する米飯の量がピンポン玉程度の大きさの量であれば、成形される成形米飯は寿司のしゃり玉となり、野球ボール程度の大きさの量であれば、大振りのいなり寿司のしゃり玉になる。
その成形米飯を皿に受けて、わさび、寿司種を乗せれば、寿司職人が握ったにぎり寿司のような食感の寿司を簡便に製造することができる。
【0021】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0022】
図1および図2は、回転台もしくは楕円形歯車をハンドル1で回す手動の例であって、主に家庭向けの製品を想定している。このような手動の場合は、第一、第二いずれの発明も比較的構造が簡単で部品点数が少ないために製造コストを安価に押さえることができ、しかも、図示した部品の全てが洗浄可能であり、大変衛生的である。
従来、家庭で寿司パーティを開く場合は、ほとんどが手巻き寿司のそれであった。しかも、手巻き寿司を作製する者は主婦等特定の人に限られ、その役割の者は、自分の分を作り食する暇もなかった。さらに、手巻き寿司の場合は、常に海苔も用意する必要があった。
しかし、本発明によれば、その操作が簡単であるため、小学生の低学年からお年寄りまで誰にでも簡単に寿司のシャリ玉を楽しく作製することができる。海苔も不要である。
図示していないが、回転台もしくは楕円歯車をモーターによって回転させることもでき、その場合は、一度に多量の成形米飯を作製することができるので、外食産業もしくはスーパーマーケットの総菜コーナーなどで利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 第一発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】 第2発明の一実施形態を示す平面図である。
【符号の説明】
【0024】
1 ハンドル
2 回転台
3 米飯容器
4 楕円形歯車
5 円形歯車
6 バネ
【出願人】 【識別番号】504187641
【氏名又は名称】大越 哲仁

【出願日】 平成16年4月14日(2004.4.14)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−295986(P2005−295986A)
【公開日】 平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願番号】 特願2004−145680(P2004−145680)