| 【発明の名称】 |
米飯用品質改良剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】河野 広道 【住所又は居所】三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化学株式会社内
【氏名】杉野 豪俊 【住所又は居所】三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化学株式会社内
【氏名】羽木 貴志 【住所又は居所】三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽化学株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】現在、米飯のバラケ性改善には様々な方法等がとられているが、十分満足できる効果ではなく、米飯のバラケ性をさらに向上させる品質改良剤の確立が望まれている。本発明は、米飯を再調理せずに食する際に、又は温め直す、炒める、蒸す、炊く等の再調理時において、米飯のバラケ性が著しく良好であり、適度の硬さ、弾力(粘弾性)、歯ごたえ及び滑らかさがあり、喉ごしが良い食感で食味にも影響が無く、さらに温め直し時間、また冷凍米飯の場合であれば復元時間が短縮された米飯を製造することを目的とする。【解決手段】 卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物を中性脂質中で分散させた米飯用品質改良剤を含有させることにより上記課題を解決する。
【解決手段】卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物を中性脂質中で分散させた米飯用品質改良剤を含有させることにより上記課題を解決する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物を脂質中に分散させることを特徴とする米飯用品質改良剤。 【請求項2】 分散方法が湿式摩砕法である請求項1記載の米飯用品質改良剤。 【請求項3】 卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理によるリン脂質の分解率が50%以上である請求項1又は2記載の米飯用品質改良剤。 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の米飯用品質改良剤の製造法。 【請求項5】 請求項1〜3いずれか記載の米飯用品質改良剤を添加することを特徴とする米飯類。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、米飯を再調理せずに食する際に、又は温め直す、炒める、蒸す、炊く等の再調理時において、米飯のバラケ性が著しく良好であり、適度の硬さ、弾力(粘弾性)、歯ごたえ及び滑らかさがあり、喉ごしが良い食感で食味にも影響が無く、さらに温め直し時間、また冷凍米飯の場合であれば復元時間が短縮された米飯を製造するための米飯用品質改良剤及びその製造法及び当該品質改良剤を添加することを特徴とする米飯類に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、中華料理店等の専門店で出される米飯は、米飯粒がパラパラと良好に分散しているためべたつきがなく、また米飯粒個々に均一な味付けがなされている。米飯粒自体も柔らかく、ふっくらとしており、非常に口当たりが良い。これに対し、家庭等で調理した米飯は、米飯粒同士が結着し、それぞれの米飯粒が良好に分散していないため、べたつきがあった。この問題を解決するために、米飯に加熱凝固していない液卵を添加混合して冷凍する冷凍炒飯の製造方法が開示されている。(例えば、特許文献1参照。)しかしながら、液卵を使用する場合は冷凍米飯に限られ、冷蔵品には衛生面で使用できず、また液卵自体腐敗しやすく、取り扱いにくいという問題があった。また、乳化剤と食用油脂又は糖類又は澱粉分解物を含有する水中油型乳化液を噴霧乾燥して得られる結着防止剤を使用する方法が開示されている。(例えば、特許文献2参照。)しかしながら、結着防止剤を使用する上で当該結着防止剤を一旦水に溶解して調製する必要があるという問題があった。 現在、米飯のバラケ性改善にはこれらの方法等がとられているが、十分満足できる効果ではなく、米飯のバラケ性をさらに向上させる品質改良剤の確立が望まれている。 【特許文献1】特開2000−60463号公報(第1−4頁) 【特許文献2】特開2000−245367号公報(第1−7頁) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明の目的は、米飯を再調理せずに食する際に、又は温め直す、炒める、蒸す、炊く等の再調理時において、米飯のバラケ性が著しく良好であり、適度の硬さ、弾力(粘弾性)、歯ごたえ及び滑らかさがあり、喉ごしが良い食感で食味にも影響が無く、さらに温め直し時間、また冷凍米飯の場合であれば復元時間が短縮された米飯を製造するための米飯の品質改良剤及びその製造法及び当該品質改良剤を添加することを特徴とする米飯を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明は、卵黄又は全卵をホスホリパーゼにて加水分解したホスホリパーゼ処理物を中性脂質中で分散させたものを米飯に添加することを最も主要な特徴とする。 【発明の効果】 【0005】 本発明の米飯用品質改良剤は、再調理前又は再調理後の米飯の食味・食感を損なうことなく、極めて高いバラケ性改良効果が得られるという利点がある。 【発明を実施するための最良の形態】 【0006】 本発明でいう卵黄とは、鶏卵から分離されたものであれば、生卵黄液、冷凍卵黄、冷凍加糖卵黄、粉末卵黄を水で戻したもの等いずれの形態であってもよく、特に限定されるものではないが、米飯のバラケ性、食感改良の効果より生卵黄液又は冷凍卵黄が好ましい。 【0007】 本発明でいう全卵とは、殻付卵を割卵したものであれば、生全卵液、冷凍全卵、冷凍加糖全卵、粉末全卵を水で戻したもの等いずれの形態であってもよく、特に限定されるものではないが、米飯のバラケ性、食感改良の効果より生全卵液又は冷凍全卵が好ましい。 【0008】 本発明で用いるホスホリパーゼとは、動物組織又は微生物から抽出精製されたリン脂質を加水分解する酵素であれば特に限定しないが、効果の点より好ましくは、ジアシルグリセロリン脂質の1位又は2位の脂肪酸エステル結合を加水分解する酵素であるホスホリパーゼAが良く、さらに好ましくは、ジアシルグリセロリン脂質の2位を加水分解するホスホリパーゼA2が良い。 また、ホスホリパーゼ処理物のアシル基の加水分解の問題より、用いるホスホリパーゼはできる限り精製したものを用いることが望ましい。 本発明において、ホスホリパーゼによるリン脂質の分解率は、特に限定するものではないが、効果の点より、50%以上であることが好ましい。 この際の分解率は、卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物の水分を除去し、脂質を抽出した後、高速液体クロマトグラフィー及び薄層クロマトグラフィーによって測定される。すなわち、分解率はホスファチジルコリン(PC)がリゾホスファチジルコリン(LPC)に分解された割合から算出され、 LPCのpeak area 分解率(%)= ─────────────────── × 100 (PC+LPC)のpeak area の式により、算定される。 本発明で用いるホスホリパーゼの至適pHは、特に限定されるものではないが、6以上11以下にあるものが効果の点より好ましい。pHが6未満では、反応が著しく遅くなるため、望ましくない。特に限定されるものではないが、ホスホリパーゼの反応は、分解温度が20℃以上で、分解時間が2時間以上48時間以下で終了するように酵素量を調整することが好ましい。分解温度が20℃未満又は分解時間が2時間未満では、分解反応速度が遅いために酵素を大量に添加する必要があり経済的ではないため望ましくない。分解時間が48時間を越えるとバクテリア汚染による腐敗の危険性が高くなるため望ましくない。 【0009】 本発明で用いるホスホリパーゼ処理物は、特に限定されるものではないが、凍結乾燥、平皿乾燥や噴霧乾燥によって乾燥した粉末が好ましい。 【0010】 本発明に用いる脂質とは特に限定するものではないが、脂肪酸エステル、多価アルコール脂肪酸エステル、中鎖脂肪酸トリグリセリド及びそれらの水素添加物等の合成油脂や大豆、米、菜種、カカオ、椰子、ごま、べにばな、パーム、綿、落花生、アボガド、カポック、ケシ、ごぼう、小麦、月見草、つばき、とうもろこし、ひまわり等から得られる植物性油脂及び牛、乳、豚、いわし、さば、さめ、さんま、たら、卵黄等から得られる動物性油脂等の中性脂質やリン脂質等が挙げられ、特に中性脂質が好ましい。効果の点から常温において液状で有ることが望ましい。これらの油脂は1種又は2種以上の混合物が使用できる。また、これらに本来含まれているリン脂質、ステロール類、ワックス類等が共存しても一向に差し支えない。 【0011】 本発明における分散方法としては、特に限定されるものではないがミキサー法、湿式超音波分散法、湿式摩砕法、練りこみ等が挙げられ、効果の点で湿式摩砕法が好ましい。湿式摩砕法とは、粉砕室(ベッセル容器)中でガラスビーズ、アルミナビーズ、ジルコニアビーズ、チタニアビーズ等のメディアをディスク又はローターを回転させることによりメディア同士を衝突させて、該粉砕室中に供給される被粉砕物スラリーを、せん断応力を生じさせ粉砕する方法である。本発明におけるメディアは、好ましくはアルミナビーズ、ジルコニアビーズ、チタニアビーズが使用される。さらに、メディアの粒径は特に限定されるものではないが、好ましくは1mm以下、より好ましくは0.8mm以下、更に好ましくは0.5mm以下が使用される。メディアの充填量は特に限定されるものではないが、通常摩砕室の有効容積に対して50%以上であるが、摩砕効率から好ましくは70%以上、更に好ましくは80%以上が望ましい。本発明に用いられる湿式摩砕機は、特に限定するものではないが、一般的にコボールミル、ダイノーミル、サンドミル、レディミル等と呼称されているものであり、更に縦型、横型、バッチ式、連続式などいずれのタイプでも差し支えないが生産効率の面から、好ましくは連続式が望ましい。なお、摩砕室の材質は余分な異物が混入しないよう金属ではなく、セラミック等が望ましい。 【0012】 本発明の米飯の製造では、卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物を中性脂質中で分散させたものを添加配合すれば良いが、必要に応じて品質改良効果のある他の物質の1種又は2種以上と併用することができる。品質改良効果のある他の物質としては、特に限定されるものではないが、好ましくは卵白、卵白蛋白加水分解物、卵黄、卵黄蛋白加水分解物、鶏卵(全卵)、鶏卵蛋白加水分解物、ホエー蛋白、カゼイン、カゼインナトリウム、乳蛋白、コラーゲン、ゼラチン、血漿蛋白、小麦蛋白、グルテニン、グリアジン、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白より選ばれる蛋白素材、キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ローカストビーンガム、カラギーナン、グァーガム、グルコマンナン、カードラン、ペクチン、タマリンドシードガム、アラビアガム、カラヤガム、ガティガム、サイリウムシードガム、タラガム、プルラン、CMC、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、大豆多糖類より選ばれる多糖類及びこれらの分解物、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、レシチン、酵素処理レシチンより選ばれる乳化剤、融点が20℃以上の牛脂、豚脂等の動物性油脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる動物性粉末油脂、パーム油、ヤシ油、大豆油、綿実油等の植物性油脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる植物性粉末油脂、糖類、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ、グルコシダーゼ、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、キシラナーゼより選ばれる酵素、澱粉、澱粉分解物、食用油脂等が挙げられ、さらに好ましくは、卵白、卵白蛋白加水分解物、卵黄、卵黄蛋白加水分解物、鶏卵(全卵)、鶏卵蛋白加水分解物、ホエー蛋白、小麦蛋白、グリアジン、キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ローカストビーンガム、カラギーナン、グァーガム、グルコマンナン、カードラン、サイリウムシードガム、ペクチン、グリセリン脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、アミラーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、グルコースオキシダーゼ、グルコアミラーゼ、プルラナーゼ、グルコシダーゼ、シクロデキストリングルカノトランスフェラーゼ、キシラナーゼより選ばれる酵素、融点が20℃以上の牛脂又は豚脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる動物性粉末油脂、パーム油又はヤシ油又は大豆油を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる植物性粉末油脂が良い。形状としては、粉末が好ましいが、例えば液状油脂等に分散させたペースト状、液状でも良い。 【0013】 本発明の品質改良剤の使用量は卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物の固形重量として、米飯に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%が良い。0.01重量%未満では、米飯品質改良効果が不十分であり、10重量%を超えると食感がかたく、パサつき、異味が発生し著しく米飯の食味を低下させる。 【0014】 本発明でいう米飯類とは、加工米飯を指し、これらについては、特に何ら制限されるものではないが、ピラフ、チャーハン、炊き込みご飯など、米飯と具を混合したものや、おにぎり、焼きおにぎり、弁当等に使用される白米飯又は味付け米飯や、中華ちまき等が好ましい。また、米飯の流通については特に限定されるものではないが、常温流通されるもの、冷蔵流通されるもの、冷凍流通されるもののいずれであってもよい。また、レトルト殺菌の工程を経て、保存性を高めたものであってもよい。 以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これによって限定されるものではない。 なお、実施例中の%は特記しない限り重量%を示す。 【実施例】 【0015】 実施例1 液全卵1600g(pH7.6)に砂糖400gを溶解混合してから47℃に昇温した後、ホスホリパーゼ(レシターゼ10L、ノボザイムズジャパン(株)製)を0.5g添加し4時間反応した。60℃で30分加熱処理した後、10℃まで急冷し、さらに噴霧乾燥して粉末状のホスホリパーゼ処理物1を690g得た。ホスホリパーゼ処理物1のリン脂質の分解率は、72.4%であった。 3N−クエン酸溶液を添加してpH3.5に調整する以外は実施例1と同様にしてリン脂質の分解率が14.5%のホスホリパーゼ処理物2を688g得た。 温度を5℃にする以外は実施例1と同様にしてリン脂質の分解率が18.2%のホスホリパーゼ処理物3を692g得た。 コーン油(コーンサラダ油、(株)ホーネンコーポレーション製)700gに得られたホスホリパーゼ処理物1〜3をそれぞれ300g加えホモミキサーにて十分に攪拌し予備分散させた後、レディミル((株)アイメックス製)に掛け、本発明品1〜3を各800g得た。 【0016】 実施例2 菜種油(サラダエースR、日清オイリオ(株)製)690gに実施例1にて得られたホスホリパーゼ処理物1〜3をそれぞれ300g、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル10g(サンソフト818H、太陽化学(株)製)をそれぞれ加えホモミキサーにて十分に攪拌し予備分散させた後、レディミル((株)アイメックス製)に掛け、本発明品4〜6を各800g得た。 【0017】 比較例1 比較のため、液全卵800g(pH7.6)に砂糖200gを溶解混合し、60℃で30分加熱処理した後、10℃まで急冷し、さらに噴霧乾燥して粉末状の酵素処理していない全卵粉末を346g得た。コーン油700gに得られた全卵粉末を300g加えホモミキサーにて十分に攪拌し予備分散させた後、レディミル((株)アイメックス製)に掛け、比較品1を800g得た。 【0018】 試験例1 精白米400gを洗浄し釜に入れ、水480gを加え30分浸漬後、調味料(ライスクック、味の素(株)製)28gを添加し加熱炊飯した。炊飯後の米飯は890gであった。一方で、細かく切った焼豚200g、ネギ50gを炒めて、炒り卵100gと合わせて具材350gを得た。得られた米飯を200gずつ小分けし、それぞれに実施例1、2で得られた本発明品1〜6、比較例1の比較品1をそれぞれ2g添加し、更に具材60gを加え、炒飯A〜Gをそれぞれ262g得た。また本発明品1〜6の代わりに実施例1で得られた粉末状のホスホリパーゼ処理物1〜3を0.6g添加する以外は試験例1と同様にして、炒飯H〜Jを260.6g得た。比較のため、実施例5で得られた米飯200gに具材60gを加え、無添加の炒飯Kを260g得た。 得られた炒飯A〜Kを5℃の冷蔵庫で24時間保存した後、炒飯のそれぞれのバラケ性、食味、食感、再調理時間についてパネラー10人にて評価した。 炒飯のバラケ性評価はスプーンを用いて試食する際に、炒飯のバラケ具合が最も良いものを10点、最も悪いものを0点とし、パネラー10人の平均値で示した。食味・食感の評価は、最も良いものを10点、最も悪いものを0点とし、パネラー10人の平均値で示した。再調理時間の短縮の評価は、炒飯A〜Kをそれぞれ100g取り、−15℃で24時間冷凍した後、電子レンジを使用して600Wでそれぞれ10秒ずつ温めていき、冷凍部分がなくなり、最良の食感に戻ったと感じた時間をパネラー10人の平均値で示した。結果を表1に示す。 【0019】 【表1】
【0020】 表1から明らかなように本発明品を添加した炒飯は比較品に比べ、米飯のバラケ性が著しく良好であり、食味への影響も無く、食感も優れており、再調理時間も短縮されていた。 【0021】 実施例3 液卵黄1000g(pH6.4)を55℃に昇温した後、ホスホリパーゼ(レシターゼ10L、ノボザイムズジャパン(株)製)を1g添加し4時間反応した。65℃で30分加熱処理した後、10℃まで急冷し、噴霧乾燥してホスホリパーゼ処理物4を480g得た。ホスホリパーゼ処理物4のリン脂質の分解率は、63.5%であった。大豆油(大豆白絞油、日清オイリオ(株)製)700gに得られたホスホリパーゼ処理物4を300g加えホモミキサーにて十分に攪拌し予備分散させた後、レディミル((株)アイメックス製)に掛け、本発明品7を800g得た。 【0022】 比較例2 比較のため、液卵黄1000gを60℃で30分加熱処理した後、10℃まで急冷し、さらに噴霧乾燥して粉末状の酵素処理していない卵黄粉末を446g得た。コーン油700gに得られた卵黄粉末を300g加えホモミキサーにて十分に攪拌し予備分散させた後、レディミル((株)アイメックス製)に掛け、比較品2を800g得た。 【0023】 試験例2 精白米400gを洗浄し釜に入れ、水に昆布を2時間漬けておいただし480g加え、実施例3で得られた本発明品7及び比較例2で得られた比較品2を釜にそれぞれ4g加え30分浸漬後、鶏肉100g、人参30g、ごぼう90gを釜に加え、加熱炊飯し、炊き込み御飯A、Bをそれぞれ1091g得た。また本発明品7の代わりに実施例1で得られた粉末状のホスホリパーゼ処理物4を1.2g添加する以外は同様にして、炊き込み御飯Cを1088g得た。比較のため、本発明品7を加えない以外は同様にして炊き込み御飯Dを1087g得た。 得られた炊き込み御飯A〜Dを5℃の冷蔵庫で24時間保存した後、炊き込み御飯のそれぞれのバラケ性、食味、食感、再調理時間についてパネラー10人にて評価した。 炊き込み御飯のバラケ性評価は箸を用いて試食する際に、炊き込み御飯のバラケ具合が最も良いものを10点、最も悪いものを0点とし、パネラー10人の平均値で示した。食味・食感の評価は、最も良いものを10点、最も悪いものを0点とし、パネラー10人の平均値で示した。再調理時間の短縮の評価は、炊き込み御飯A〜Dをそれぞれ100g取り、−15℃で24時間冷凍した後、電子レンジを使用して600Wでそれぞれ10秒ずつ温めて行き、冷凍部分がなくなり、最良の食感に戻ったと感じた時間をパネラー10人の平均値で示した。結果を表2に示す。 【0024】 【表2】
【0025】 表2から明らかなように本発明品を添加した炊き込み御飯は比較品に比べ、米飯のバラケ性が著しく良好であり、食味への影響も無く、食感も優れており、再調理時間も短縮されていた。 【0026】 本発明の実施態様ならびに目的生成物を挙げれば以下のとおりである。 (1) 卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物を中性脂質中で分散させることを特徴とする米飯用品質改良剤。 (2) 分散方法が湿式摩砕法である(1)記載の米飯用品質改良剤。 (3) ホスホリパーゼ処理によるリン脂質の分解率が50%以上である(1)又は(2)記載の米飯用品質改良剤。 (4) ホスホリパーゼ処理条件が温度20℃以上、pHが6以上11以下、処理時間2時間以上48時間以下である(1)〜(3)いずれか記載の米飯用品質改良剤。 (5) ホスホリパーゼが動物組織又は微生物から抽出精製されたリン脂質分解酵素である(1)〜(4)いずれか記載の米飯用品質改良剤。 (6) ホスホリパーゼがホスホリパーゼA2である(1)〜(5)いずれか記載の米飯用品質改良剤。 (7) 品質改良効果がバラケ性改良である(1)〜(6)いずれか記載の米飯用品質改良剤。 (8) 品質改良効果が食感改良である(1)〜(7)いずれか記載の米飯用品質改良剤。 (9) 品質改良効果が再調理時間の短縮である(1)〜(8)いずれか記載の米飯用品質改良剤。 (10) (1)〜(9)いずれか記載のホスホリパーゼ処理物の形態が凍結乾燥、平皿乾燥や噴霧乾燥によって乾燥した粉末であることを特徴とする米飯用品質改良剤。 (11) (1)〜(10)いずれか記載の米飯用品質改良剤の製造法。 (12) (1)〜(11)いずれか記載の米飯用品質改良剤を添加することを特徴とする米飯類。 (13) 米飯用品質改良剤の使用量が卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物の固形量として、米飯に対して0.01〜10重量%である(12)記載の米飯類。 (14) 米飯用品質改良剤の使用量が卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物の固形量として、米飯に対して0.05〜5重量%である(12)記載の米飯類。 (15) 米飯用品質改良剤の使用量が卵黄又は全卵のホスホリパーゼ処理物の固形量として、米飯に対して0.1〜3重量%である(12)記載の米飯類。 【産業上の利用可能性】 【0027】 本発明により得られた米飯は、米飯のバラケ性が著しく良好であり、適度の硬さ、弾力(粘弾性)、歯ごたえ及び滑らかさがあり、喉ごしが良い食感で食味にも影響が無く、さらに温め直し時間、また冷凍米飯の場合であれば復元時間が短縮されるものであり、本発明は米飯の加工適性、調理適性の改善、保存安定性の向上に効果が大であり、食品産業に大いに貢献できるものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000204181 【氏名又は名称】太陽化学株式会社 【住所又は居所】三重県四日市市赤堀新町9番5号
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| 【出願日】 |
平成16年4月15日(2004.4.15) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−295957(P2005−295957A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月27日(2005.10.27) |
| 【出願番号】 |
特願2004−120730(P2004−120730) |
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