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【発明の名称】 海藻粉を混和していない黒色系コンニャク
【発明者】 【氏名】伊丹 良往

【氏名】三好 英晁

【要約】 【課題】アルカリコンニャクの場合はもちろんのこと、酸性にしたコンニャクでも、食感が軟らかくなったり、色調も淡くなることがなく、海藻粉に基づく微生物の問題がない黒色系コンニャクを提供すること。

【解決手段】コンニャク原料に穀類および/またはイモ類の表皮部分を焙煎した粉を混和していることを特徴とするコンニャク。併せて色々な色調の天然色素を混和することができる。上記の天然色素が、黄色(カロチン)、赤色(パプリカ)、黒色(イカスミ)、青色(クチナシ)および/または緑色(マリーゴールド、クチナシ)である。pHを9〜3に調整したコンニャクである。好ましくは酸性にしたコンニャクである。海藻粉を混和していない、黒色系コンニャクである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンニャク原料に穀類および/またはイモ類の表皮部分を焙煎した粉を混和していることを特徴とするコンニャク。
【請求項2】
併せて色々な色調の天然色素を混和している請求項1のコンニャク。
【請求項3】
上記の天然色素が、黄色(カロチン)、赤色(パプリカ)、黒色(イカスミ)、青色(クチナシ)および/または緑色(マリーゴールド、クチナシ)である請求項2のコンニャク。
【請求項4】
pHを9〜3に調整したコンニャクである請求項1、2または3のコンニャク。
【請求項5】
酸性にしたコンニャクである請求項4のコンニャク。
【請求項6】
海藻粉を混和していないコンニャクである請求項1ないし5のいずれかのコンニャク。
【請求項7】
黒色系コンニャクである請求項6のコンニャク。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、穀類および/またはイモ類の表皮部分を焙煎した粉を混和している黒色系コンニャクに関する。
【背景技術】
【0002】
市販のコンニャクは板コンニャク、玉コンニャク、糸コンニャク等の様々な形態があるが、色調としては、海藻粉を使用しない白いコンニャク、海藻粉で着色した黒色系コンニャクに大別され、地域によって濃淡に好みがある。
黒色系コンニャクの製法は、コンニャク精粉と海藻粉を原料とし、これに水を加えゾル溶液とし、水酸化カルシウム等のアルカリ凝固剤を加え、溶液をアルカリ性として、加熱処理で不可逆性の弾力のあるゲル状にさせて、コンニャクにするのが一般的である。
【0003】
コンニャクは健康食品として人気があるが、保存のためアルカリの状態で流通しているのでコンニャクに残存するアルカリ凝固剤によって起こされる苦味や悪臭成分の増幅や、調理前にアク抜き(コンニャク中に残存するアルカリ成分を除くこと)の必要があること等から、家庭の調理素材や、企業の食品素材への利用が限定されて需要が伸びない。そこでアルカリコンニャクを酸液に浸漬して、アルカリを中和させ、酸性域のコンニャクにすることが不可欠であることが判明している(特許文献1)。
【0004】
一方、本出願人は、コンニャク内から水及び調味液に溶出しない天然色素を練り込んで種々に着色したコンニャクであって、pHを9〜3に調整したこと、好ましくは必要量の有機酸を添加した調味酸液、より好ましくは用途別に調製した該調味酸液に浸漬することにより、pHを9〜3に調整したこと、必要に応じ、一定の形状に成形した着色コンニャクを単色または2以上の異なる色の組み合わせで包装したことを特徴とする、色の組合せによる遊び感覚と滑らかさと弾力という独特な食感、そして、低カロリー、食物繊維という特性を持つ食品素材用コンニャク、より具体的には冷菓、菓子類、乳製品または総菜類用の素材用コンニャクを開発し、別途特許出願をしている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2003−102405号公報
【特許文献2】特願2002−366724号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アルカリコンニャクを酸液に浸漬して、アルカリを中和させ、酸性域のコンニャクにすると、海藻粉を使用したコンニャクではpHの低い状態で、食感が軟らかくなったり、色調も淡くなる。また、海藻の異臭が発生するなどの難点があった。この原因は海藻粉の成分によることが試験の結果明確となった。そして、この時点で海藻粉には多くの微生物が存在し、コンニャクが保存液中で軟化する原因であることも確認した。
本発明は、アルカリコンニャクの場合はもちろんのこと、酸性にしたコンニャクでも、食感が軟らかくなったり、色調も淡くなることがなく、海藻粉に基づく微生物の問題がない黒色系コンニャクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、このような問題点を解決し、さらに高品質のコンニャクを得る対策として、海藻粉を使用しないコンニャクの着色方法を検討したところ、海藻粉の代わりに天然色素をベースとして(特願2002−366724号)、それに焙煎フスマ粉を加えると、現在流通している黒色系コンニャクを初め、各色調のコンニャクにデザインでき、上記の問題点も解決できるコンニャクの製法が確立した。
【0007】
本発明は、コンニャク原料に穀類および/またはイモ類の表皮部分を焙煎した粉を混和していることを特徴とするコンニャクを要旨とする。
【0008】
併せて色々な色調の天然色素を混和しており、その場合、本発明は、コンニャク原料に穀類および/またはイモ類の表皮部分を焙煎した粉を混和し、併せて色々な色調の天然色素を混和していることを特徴とするコンニャクを要旨とする。
【0009】
上記の天然色素が、黄色(カロチン)、赤色(パプリカ)、黒色(イカスミ)、青色(クチナシ)および/または緑色(マリーゴールド、クチナシ)であり、その場合、本発明は、コンニャク原料に穀類および/またはイモ類の表皮部分を焙煎した粉を混和し、併せて黄色(カロチン)、赤色(パプリカ)、黒色(イカスミ)、青色(クチナシ)および/または緑色(マリーゴールド、クチナシ)である色々な色調の天然色素を混和していることを特徴とするコンニャクを要旨とする。
【0010】
pHを9〜3に調整したコンニャク、好ましくは酸性にしたコンニャクであり、その場合、本発明は、コンニャク原料に穀類および/またはイモ類の表皮部分を焙煎した粉を混和し、好ましくは併せて色々な色調の天然色素、より具体的には黄色(カロチン)、赤色(パプリカ)、黒色(イカスミ)、青色(クチナシ)および/または緑色(マリーゴールド、クチナシ)である色々な色調の天然色素を混和している、pHを9〜3に調整した、好ましくは酸性にしたことを特徴とするコンニャクを要旨とする。
【0011】
海藻粉を混和していないコンニャクであり、その場合、本発明は、コンニャク原料に穀類および/またはイモ類の表皮部分を焙煎した粉を混和し、好ましくは併せて色々な色調の天然色素、より具体的には黄色(カロチン)、赤色(パプリカ)、黒色(イカスミ)、青色(クチナシ)および/または緑色(マリーゴールド、クチナシ)である色々な色調の天然色素を混和し、海藻粉を混和していない、必要に応じpHを9〜3に調整した、好ましくは酸性にしたことを特徴とするコンニャクを要旨とする。

【0012】
黒色系コンニャクであり、その場合、本発明は、コンニャク原料に穀類および/またはイモ類の表皮部分を焙煎した粉を混和し、好ましくは併せて色々な色調の天然色素、より具体的には黄色(カロチン)、赤色(パプリカ)、黒色(イカスミ)、青色(クチナシ)および/または緑色(マリーゴールド、クチナシ)である色々な色調の天然色素を混和し、海藻粉を混和していない、必要に応じpHを9〜3に調整した、好ましくは酸性にしたことを特徴とする黒色系コンニャクを要旨とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、アルカリコンニャクの場合はもちろんのこと、酸性にしたコンニャクでも、食感が軟らかくなったり、色調も淡くなることがなく、海藻粉に基づく微生物の問題がない黒色系コンニャクを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
原料は通常のコンニャク原料であり、コンニャク芋、コンニャク芋精粉を用いる。
穀類および/またはイモ類の表皮部分を焙煎した粉については、小麦の場合は小麦の表皮のフスマ、米の表皮部分のヌカ、イモ類の場合はコンニャクイモ、里イモ、ジャガイモなどの表皮を褐色または黒色に焙煎したものである。
【0015】
副原料は通常のコンニャク副原料であり、水酸化カルシウムなどアルカリ凝固剤、着色料、調味料を用いる。
【0016】
通常のコンニャクは、次のようにして製造される。
芋精粉3kgに水97Lを加えゆっくり撹拌した後1.5時間放置した。次に、得られたコンニャク糊に1.3%水酸化カルシウム10Lを加え、全体が均一になるまで撹拌し、型に流し固化成形を行う。そして、80℃で一晩放置し、17×2×6cmの板状にカッター成形し、袋詰めし、水酸化カルシウム液を充填し、80℃の温度で1時間加熱殺菌する。弾力等の品質面に優れた製品が得られる。
従来の黒色系コンニャクは、コンニャク糊に海藻粉(0.3%)のみで着色する。
こんにゃくの色付けを目的として使用する海藻粉は主としてカジメという海藻を乾燥し、焙煎せずに粉砕機で種々のサイズ(0.3〜3.0mm)に作られたものである。
【0017】
本発明で用いる天然色素は、使用する天然色素は、外液に溶出しない性質を持つ黒色(イカスミ)、赤色(パプリカ)、黄(カロチン)、緑(クチナシ・マリーゴールド)等の他、着色可能である任意の色である。これらはいずれも合成品ではなく、天然物(植物、動物)から抽出した色素である。コンニャク内から水及び調味液に溶出しない天然色素であれば特に制限はなく、動植物から色素を油溶性の状態で取り出し、それに乳化剤を加えて水中に小さい粒状に分散させた状態のものが好ましいものとして例示される。そのような状態にしてコンニャクにねり込むことにより、水及び調味液に溶出しない天然色素としてコンニャク内に安定に存在する。
【0018】
pHを9〜3に調整したコンニャクにおける、pHの調整は必要量の有機酸を加えて行われる。pHの調整はpH調整剤やクエン酸、乳酸、グルコン酸などの酸味料で行われるが、サラダ、そうざい、冷菓など、目的とする食品に適したpHに調整できるように配合した酸液に浸漬して行われる。
【0019】
本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
(種々な色のコンニャクに焙煎フスマを添加した効果)
Aは海藻粉(0.3%)で着色した従来の黒色系コンニャク。
Bは天然色素(イカスミ0.08%、パプリカオレンジ0.05%)で着色し、種々の濃度で焙煎フスマ粉を練り込んだ黒色系コンニャク。
Cは海藻粉も天然色素も添加していない白いコンニャクに焙煎したフスマ粉を種々の濃度で練り込んだもの。
【0021】
【表1】


【0022】
従来のAのコンニャクに対して、Bコンニャクに焙煎フスマ粉を0.3〜0.4%練り込んだ場合、同色になった。
Cのコンニャクに0.4%の焙煎フスマ粉を練り込むと、斑点状がきれいな外観となり、新しいタイプのコンニャクとして利用が期待できると思われた。
【実施例2】
【0023】
(従来のコンニャクと本発明コンニャクの品質対比)
従来の海藻粉(0.3%)のみで着色した黒色系コンニャク(A)に対して、海藻粉を使用せずに天然色素(イカスミ0.08%、パプリカオレンジ0.05%)と焙煎フスマ粉0.2%を練り込んだ黒色系コンニャク(B)の保存中における品質変化の優位性を対比した。
なお、(A)(B)ともにコンニャクはアルカリ(pH11.5)から酸性(pH4.5)に変化させ、品質の変化を調べた。
【0024】
【表2】


【0025】
(A)コンニャクは酸性にした場合、付着物の発生がやや少なくなる以外は色の淡色化、食感の軟化、海藻臭の増幅、そして、海藻に付着する菌数が増殖し、品質劣化がみられた。
一方、本発明の(B)コンニャクはアルカリ・酸性の両pH域において、どの項目に関しても品質に変化がなく安定でしかも、目的とする高品質のものであった。
【産業上の利用可能性】
【0026】
天然色素+焙煎フスマ粉でデザイン化したコンニャクは広範囲の酸性域pHに調整しても海藻臭を生じることなく、アルカリ臭が除去され、色調や食感も変化しない。
そして、黒色系天然色素であるイカスミと赤系のパプリカ色素に焙煎したフスマ粉をコンニャク精粉に練り込むことで、従来の海藻粉を使用した黒色系タイプのコンニャクと同じ色調であり、海藻粉の成分が原因で起こる上記の諸問題を解決することが出来た。
また、従来のアルカリコンニャクはアルカリ性のため調理前にボイル処理等でアク抜きを行った後に調理されるが、酸性化している本発明のコンニャクはその必要は無く簡便である。このようなことと、特にヘルシー感覚のイカスミと天然繊維のフスマを利用したコンニャクは消費者の健康志向にも合致し、おでん、すき焼き、鍋等の料理素材となる。一方で、総菜、佃煮、漬物等の食品加工素材への利用が期待される。
【出願人】 【識別番号】501426736
【氏名又は名称】ハイスキー食品工業株式会社
【出願日】 平成16年4月13日(2004.4.13)
【代理人】 【識別番号】100102314
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 阿佐子

【識別番号】100123984
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 晃伸

【公開番号】 特開2005−295912(P2005−295912A)
【公開日】 平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願番号】 特願2004−118367(P2004−118367)