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【発明の名称】 魚卵ベースの加工食品
【発明者】 【氏名】林田 二郎
【住所又は居所】佐賀県藤津郡塩田町大字馬場下甲4279 林田食品産業株式会社内

【要約】 【課題】和食食材としては勿論、中華、各種洋食、各種サラダ類の食材としても十分に利用できる魚卵ベースの加工食品を提供すること。

【解決手段】魚卵と魚肉のすり身を混練して成形し、加熱処理し、さらに植物油に漬ける。魚卵と魚肉のすり身の配合比は、容積比で魚卵55〜62%、すり身38〜45%とし、加熱処理は、85〜90℃の温度範囲で60分間以上行う。魚卵としては、たらこから取り出した魚卵を使用し、すり身としては、すけそうだらのすり身を使用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚卵と魚肉のすり身を混練して成形し、加熱処理してなる、魚卵ベースの加工食品。
【請求項2】
加熱処理後、さらに植物油に漬けた請求項1に記載の魚卵ベースの加工食品。
【請求項3】
魚卵と魚肉のすり身の配合比が、容積比で魚卵55〜62%、すり身38〜45%である請求項1又は2に記載の魚卵ベースの加工食品。
【請求項4】
加熱処理が、85〜90℃の温度範囲で60分間以上行われた請求項1〜3のいずれかに記載の魚卵ベースの加工食品。
【請求項5】
魚卵がたらこから取り出した魚卵であり、すり身がすけそうだらのすり身である請求項1〜4のいずれかに記載の魚卵ベースの加工食品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、辛子明太子、塩漬けたらこ等の魚卵をべースとするかまぼこ風味の製品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食文化の多様化とともに、たらこも単なる塩付けのたらこ、辛子付けにした明太子、さらには、これらのたらこ製品を素材にした製品が、数多く考えられている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、見栄えや歯触りがよく、付加価値の高い辛子明太子として、辛子明太子をまぶして、子持ち昆布とともに調味液に漬け、熟成した食品が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、蒲鉾の風味と辛子明太子の風味とが調和した辛子明太子の外観を持つものが開示されている。
【特許文献1】特開平07−289209号公報
【特許文献2】特開平10−229851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の辛子明太子から得た加工食品は、和風食材として、それなりに美味で、たらこ、あるいは辛子明太子単味が持つ味、風味を超えたものではあっても、洋風、それもフランス食を初めとする現今の食文化の進展に答えるための食材としては、魚卵特有の生臭さを消す点で不十分である。
【0006】
この発明の第1の課題は、上記従来の辛子明太子等の魚卵から得た加工食品と異なり、和食食材としては勿論、中華、各種洋食、各種サラダ類の食材としても十分に利用できる魚卵ベースの加工食品を提供することにある。
【0007】
また、第2の課題は、和食用食材として、海苔巻の芯材、おにぎりの具材、酒の肴に適した、魚卵ベースの加工食品の提供にある。
【0008】
さらに、他の課題は、魚卵ベースの加工食品を製造するための最適の加工条件を見出すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のたらこベースの加工食品は、「たらこ」ののう皮から取り出した卵、すなわちバラコ等の魚卵を練り物とするため、すけそうだら等の魚肉のすり身をつなぎとして混合し、成形して加熱したものである。加熱後、オイル漬けしてもよい。
【0010】
魚卵とすり身との混合にあたっては、これらを同時に混合したのでは相互に分離してしまう。そのため、すり身単味を攪拌したのち、魚卵を練り混ぜるとよい。
【0011】
また、この際、魚卵とすり身の配合比が重要で、製造する対象食品にもよるが、バラコとすりみの配合比は、容積比で魚卵55〜62%、すり身38〜45%、とくに魚卵58.3%、すり身41.7%とするのがよい。
【0012】
すり身の量がこれより多すぎると、完全に固まり、加熱後の生感がなくなり、蒲鉾の弾力性が残る。また、魚卵の量が多すぎると固まらず、すり身の食感がなくなり、加熱後、水っぽくなる。
【0013】
また、魚卵とすり身との配合物の混練は、攪拌機(ニーダ)を用いてペーストの状態になるまで行う。
【0014】
魚卵とすり身との混練物の加熱温度と加熱時間も、得られた混練物の食感を左右する重要な要件である。魚卵とすり身の配合比と目的とする食品にもよるが、85〜90℃の温度範囲で、加熱時間は60分間以上がよい。加熱時間の上限はとくに限定されないが、生産性の点からは約90分間である。
【0015】
オイルとしては、生臭さをマスキングし、風味を引き出す点から、植物油(サラダオイル)を使用する。
【0016】
さらに、各種の風味と味付けのために、ゴマ油、マヨネーズ、唐辛子、柚子胡椒、調味料(アミノ酸等)等を任意の量、添加配合できる。
【発明の効果】
【0017】
この発明によって、従来の和風食品、酒の肴に限らず、新たな食感を持つ魚卵ベースの加工食品が得られ、洋食、中華用の食材としてもサラダ材としても、違和感なく使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に、この発明を用途別に適用した実施例によって説明する。
【実施例1】
【0019】
《たらこすり身オイル漬け》
この実施例は、サラダ・酒の肴用に適したペースト材に適用した実施例である。
【0020】
材料として、バラコとすけそうだらのすり身を容積比でバラコ58.3%、すり身41.7%の割合で混合させ、調味料(アミノ酸)をすり身に対して10質量%配合して、攪拌機(ニーダ)を用いて、30分間混練した。
【0021】
得られた混練物を85℃で60分間加熱した。加熱後、得られた生成物をほぐし植物油(サラダオイル)中に30分間漬けた。
【0022】
さらに、混練物を60℃で60分間加熱することでオイルが全体になじみ魚卵特有の生臭さを消すことが出来た。
【0023】
その後、布濾してペースト状の食品を得た。この食品は、ファグラ状態で味はファグラよりも淡泊で、食パン用のペーストとして最適なものであった。
【実施例2】
【0024】
《明太子すり身オイル漬け》
この実施例は、サラダ・酒の肴用に適したペースト材に適用した実施例である。
【0025】
材料として、バラコとすり身を容積比でバラコ58.3%、すり身41.7%の割合で混合させ、調味料(アミノ酸)をすり身に対して10質量%、唐辛子15質量%、柚子胡椒3質量%、配合して、攪拌機(ニーダ)を用いて、30分間混練した。
【0026】
得られた混練物を85℃で60分間加熱した。加熱後、得られた生成物をほぐし植物油脂(サラダオイル)中に30分間漬けた。
【0027】
さらに、混練物を60℃で60分間加熱することでオイルが全体になじみ魚卵特有の生臭さを消すことが出来た。
【0028】
その後、布濾してペースト状の食品を得た。この食品は、ファグラ状態で味はファグラよりも淡泊で、食パン用のペーストとして最適なものであった。
【実施例3】
【0029】
《たらこすり身(焼きたらこ)》
この実施例は、表面を焼くことで香ばしい香りが口の中に広がり、おにぎりの具材、洋酒(特にワイン)の肴に適した実施例である。
【0030】
材料として、バラコとすり身を容積比でバラコ58.3%、すり身41.7%の割合で混合させ、調味料(アミノ酸)をすり身に対して10質量%配合して、攪拌機(ニーダ)を用いて、30分間混練した。
【0031】
得られた混練物を85℃で60分間加熱した。加熱後、得られた生成物を棒状たらこの形態等に加工し、表面を遠赤外線で焼くことで風味豊かな焼きたらこが出来た。
【実施例4】
【0032】
《カットたらこオイル漬け》
この実施例は、海苔巻き用、おにぎりの具材に適した実施例である。
【0033】
材料として、バラコとすり身を容積比でバラコ58.3%、すり身41.7%の割合で混合させ、調味料(アミノ酸)をすり身に対して10質量%配合して、攪拌機(ニーダ)を用いて、30分間混練した。
【0034】
得られた混練物を85℃で60分間加熱した。加熱後、得られた生成物を棒状にし植物油脂(サラダオイル)中に30分間漬けた。棒状にすることで海苔巻き用、おにぎり用と用途に応じて長さを変えることが出来た。
【0035】
さらに、混練物を60℃で60分間加熱することでオイルが全体になじみ魚卵特有の生臭さを消すことが出来た。
【実施例5】
【0036】
《カット明太子オイル漬け》
この実施例は、海苔巻き用、おにぎりの具材に適した実施例である。
【0037】
材料として、バラコとすり身を容積比でバラコ58.3%、すり身41.7%の割合で混合させ、調味料(アミノ酸)をすり身に対して10質量%、唐辛子15質量%、柚子胡椒3質量%、配合して、攪拌機(ニーダ)を用いて、30分間混練した。
【0038】
得られた混練物を85℃で60分間加熱した。加熱後、得られた生成物を棒状にし植物油脂(サラダオイル)中に30分間漬けた。棒状にすることで海苔巻き用、おにぎり用と用途に応じて長さを変えることができた。
【0039】
さらに、混練物を60℃で60分間加熱することでオイルが全体になじみ魚卵特有の生臭さを消すことが出来た。
【出願人】 【識別番号】591190748
【氏名又は名称】林田食品産業株式会社
【住所又は居所】佐賀県藤津郡塩田町大字馬場下甲4279
【出願日】 平成16年4月12日(2004.4.12)
【代理人】 【識別番号】100082164
【弁理士】
【氏名又は名称】小堀 益

【識別番号】100105577
【弁理士】
【氏名又は名称】堤 隆人

【公開番号】 特開2005−295896(P2005−295896A)
【公開日】 平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願番号】 特願2004−117217(P2004−117217)