| 【発明の名称】 |
油性乳化色素製剤とその調製方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】弓削 忠靖 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内
【氏名】西山 浩司 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】水溶性色素を油溶化する際、従来の方法では高粘度状態にある水溶性色素をそのまま乳化することはできず、一端稀釈する等の方法が必要であった。また、従来の調製方法で使用されているホモジナイザー等の乳化機を用いた場合は色素が濁り、安定性に欠けていた。
【解決手段】乳化機に代わり、媒体攪拌ミルを使用して乳化することで、高粘度状態にある水溶性色素をそのまま乳化でき、かつ、濁りのない澄明な油性乳化色素製剤を調製することが可能となった。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粘度が5〜100Pa・sの範囲である水溶性色素を媒体攪拌ミルを用いて乳化処理して得ることを特徴とする油性乳化色素製剤。 【請求項2】 粘度が5〜100Pa・sの範囲である水溶性色素を媒体攪拌ミルを用いて乳化処理して得ることを特徴とする油性乳化色素製剤の調製方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、油性乳化色素製剤の調製方法に関する。さらに詳細には、粘度が5〜100Pa・sの範囲である水溶性色素を媒体攪拌ミルを用いて乳化処理することにより得られる、澄明で安定な油性乳化色素製剤及びその調製方法に関する。 【背景技術】 【0002】 食品は、その魅力、美感を向上させるために、着色料による着色が施されることがある。食品用の着色料は、広く食品に使用されており、その需要は高まる傾向にある。着色料に含まれる色素は、水溶性のもの、油溶性のものと様々な性質を有しており、着色する食品に応じて使い分けが成されている。しかし、多くの食品に利用されている水溶性色素及び該色素を用いた色素製剤では、油分を含む食品、例えばマーガリンやチョコレート、ドレッシングの油部に使用した場合は、色素が不溶化したり、色調を安定に保つ事ができないなどの問題が生じていた。 【0003】 これらを改善するため、油分を含む食品を着色する際には、油溶性の色素を利用したり、水溶性の色素を乳化して油溶化して用いられていた。具体的には、紫トウモロコシ色素等のアントシアニン系色素にキサンタンガム等の安定剤を添加し均質化する方法(特許文献1)、水相にポリオール類を混合して色素を油溶化する方法(特許文献2)等が開示されている。 【0004】 一方、水性成分と油性成分の均質化、即ち乳化方法には様々な方法が行われており、機械的な乳化方法として、一般的にはコロイドミルやアジター、ホモジナイザーが利用されている。これらの乳化方法は全ての色素に対し利用できる方法でなく、例えば粘度の高い色素(カラメル等)を処理することはできず、粘度を下げてから乳化処理が行われていた。ホモディスパ―に関してはこのような粘度の高いものでも処理できるが、1バッチの量に制限があり工業的な使用には不十分なものであった。 【0005】 通常、粘度を下げる具体的な方法として、以下の2種類が考えられる。 (1)水溶性成分の含量を下げる。(水で希釈する) (2)乳化剤をあらかじめ油性分で溶解しておく。 【0006】 (1)の方法であれば、これまでのすべての方法で乳化処理が可能であるが、できた製剤は低濃度のものであるので、工業的には不都合な面があった。 【0007】 (2)の方法に関しては、高濃度の乳化色素製剤は得られるものの濁ったものになり、澄明で安定な製剤を得ることが困難であった。 【0008】 【特許文献1】特開昭60−75256号公報 【特許文献2】特開平7−16075号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、従来は困難であった高粘度の状態にある水溶性色素、具体的には粘度が5〜100Pa・sの範囲である水溶性色素を用いて澄明な油性乳化色素製剤を調製することが可能となり、さらに各成分を添加混合する手順に関わらず、澄明で安定な油性乳化色素製剤を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本願出願人は、上記従来技術の問題点に鑑み鋭意研究を重ね、高粘度状態にある水溶性色素、具体的には粘度が5〜100Pa・sの範囲である水溶性色素を用いた油性乳化色素製剤を調製する際、通常はホモジナイザーやコロイドミルのような乳化機が使用されるところ、媒体攪拌ミルを使用して乳化処理することにより、上記課題が一挙に解決されるとの知見を得るに至った。 【0011】 すなわち本発明は、食用油脂と乳化剤を混合溶解し、次いで水溶性色素を加え、媒体攪拌ミルにより攪拌することにより得られるクリアーな油性乳化色素製剤及びその調製方法に関する。 【発明の効果】 【0012】 本発明によれば、水溶性色素を乳化して油性乳化色素製剤を調製する際、従来利用されていた乳化機を媒体攪拌ミルに置き換えるだけで、粘度が5〜100Pa・sの範囲である水溶性色素を用いて澄明で濁りのない油性乳化色素製剤を調製することが可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 本発明で用いられる粘度が5〜100Pa・sの範囲である水溶性色素としては、食品の着色に使用されているものを制限無く利用することができる。例えば、クチナシ色素、アナトー色素等のカロチノイド系色素;コチニール色素、ラック色素等のアントラキノン系色素;赤キャベツ色素、紫トウモロコシ色素、ブドウ果皮色素、ブドウ果汁色素、ストロベリー色素、ハイビスカス色素、シソ色素、ハイビスカス色素、黒豆色素、紫サツマイモ色素等のアントシアニン系色素;ベニバナ色素、紅麹色素、カカオ色素、銅クロロフィル色素、カラメル等の1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。 【0014】 これらの色素は加熱後或いはアルコール溶解後に水に加えることで溶解する物であってもよく、通常は、これらの色素は水等で稀釈された状態で乳化製剤に供されている。しかし、本発明によれば、水等で稀釈する必要が無く、粘度が5〜100Pa・sという高粘度状態であっても、そのまま媒体となる油脂に添加し、媒体攪拌ミルを用いて乳化処理することができる。或いは、水溶性色素を上述のような水やアルコールに溶解した薄い溶液を調製後、濃縮していくことにより得られたものでもよい。 【0015】 本発明で使用できる水溶性色素の溶媒となる油脂は、食品用途に使用できるものであれば制限無く利用することができ、例えば、コーン油、大豆油、サフラワー油等の植物由来のもの;ラード油等の動物由来のもの、魚油等があげられる。 【0016】 使用する乳化剤としては、界面活性効果を有するものであれば制限無く使用することができる。例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ジグリセリド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、ポリソルベート、サポニン、糖脂質、蛋白質、アラビアガム等の増粘成分等があげられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。 【0017】 本発明で使用する媒体攪拌ミルは、不溶性のビーズ等と共に固形物を攪拌混合し粉砕するものであり、一般に市販されているものを利用すればよい。例えば、コトブキ技研工業社製のスーパーアスペックミル、三菱重工業社製のファインミル等が例示できる。 媒体攪拌ミルによる粉砕条件は通常粉砕に用いられる条件であればよく、具体的には回転数:2000〜4000rpm、流速:50〜300g/min、媒体:アルミナビーズ、ジルコニアビーズ等、媒体粒径:0.1〜1.0mm、処理回数:1〜7回を例示することができる。 【0018】 本発明に係る油性乳化色素製剤の調製方法は、通常用いられる乳化機(ホモジナイザーやコロイドミル)の代わりに媒体攪拌ミルを使用するだけでよく、特別な装置や工程を必要とするものではないため、工業的にも有利である。 【0019】 さらに、従来の乳化製剤の調製方法では、まず水相に乳化剤を添加し、次いで油相を加え攪拌する手順をとらないと乳化製剤が濁ってしまう事が多かった。しかし、本願発明によれば、水相、油相、乳化剤の添加の順序に関わらず、澄明な油性乳化色素製剤を得ることができる。 【0020】 尚、本発明に係る油性乳化色素製剤には、本発明の効果を損なわない範囲において、香料、酸化防止剤、ビタミン類、安定剤等を任意で添加することができる。 【実施例】 【0021】 以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「重量部」を意味するものとする。 【0022】 実施例 表1の処方に従い、油性乳化色素製剤を調製した。 <処方> 【0023】 【表1】
【0024】 <調製方法> 実施品 食用油脂に乳化剤を加え攪拌し、次いでカラメル色素を加え、媒体攪拌ミル(コトブキ技研工業社製 スーパーアスペックミル)を用いて処理し、本発明に係る油性乳化色素製剤を得た。 ≪処理条件≫ ミル:スーパーアスペックミル 回転数:2000rpm 流速:100g/min アルミナビーズ粒径:0.5mm 処理温度:60℃ 【0025】 比較品 実施例1の媒体攪拌ミルの代わりにコロイドミル(日本精機製作所社製 NNKコロイドミル)を用いて、処理し、油性乳化色素製剤を得た。 ≪処理条件≫ 回転数:7000rpm 間隙:8μm 【0026】 <結果> 実施品は濁りもなく、澄明で静置しても沈澱を生じない安定な油性乳化色素製剤が得られた(図1の写真左側参照)。 【0027】 一方の比較品では、色素製剤に濁りが生じ、しばらく静置すると沈澱が生じた(図1の写真右側参照)。 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】実施品(左側)と比較品(右側)を並べた写真である。左側の実施品では、容器の後ろにある文字が読みとれる程澄明であったが、右側の比較品は濁っており、容器の後ろにある文字を全く読みとることはできなかった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000175283 【氏名又は名称】三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1丁目1番11号
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| 【出願日】 |
平成16年4月6日(2004.4.6) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−295806(P2005−295806A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月27日(2005.10.27) |
| 【出願番号】 |
特願2004−111816(P2004−111816) |
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