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【発明の名称】 冷凍開き伸ばしえびおよびその製法
【発明者】 【氏名】酒井 聡
【住所又は居所】東京都港区赤坂三丁目3番5号 株式会社極洋内

【要約】 【課題】見た目のボリューム感をアップできる上、解凍後、天ぷらにするなど加工時に加熱しても尾部や身肉の反りや変形が発生しない商品価値の高い冷凍開き伸ばしえびおよびその製法の提供。

【解決手段】えびの背2に沿って尾部4に至るまで入れた切り込み6を左右に開いて背開きした背腸除去・無頭・尾付むきえび7の左右背面10、10に、えびの中心軸9に対して尾と反対方向に傾斜するとともに、中心軸9に対してほぼ左右対称に複数のスリット状切れ目11をえびの筋繊維を断ち切るように所定の間隔を置いて入れ、背開きした状態で加圧して開き伸ばし、冷凍した冷凍開き伸ばしえび12により課題を解決できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
えびの背に沿って尾部に至るまで入れた切り込みを左右に開いて背開きした背腸除去・無頭・尾付むきえびの左右背面に、前記えびの中心軸に対して尾と反対方向に傾斜するとともに、前記中心軸に対してほぼ左右対称に複数のスリット状切れ目をえびの筋繊維を断ち切るように所定の間隔を置いて入れ、背開きした状態で加圧して開き伸ばし、冷凍したことを特徴とする冷凍開き伸ばしえび。
【請求項2】
前記スリット状切れ目は前記中心軸および背開きした端部から所定の間隔を置いて、かつ肉厚の半分程度の深さに達するように入れらており、前記中心軸に対する傾斜角度が30°〜45°であることを特徴とする請求項1記載の冷凍開き伸ばしえび。
【請求項3】
前記スリット状切れ目の数が小えびの場合は4〜5本、大えびの場合は6本であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の冷凍開き伸ばしえび。
【請求項4】
前記尾部に入れた切り込み部をさらに加圧して平らにしたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷凍開き伸ばしえび。
【請求項5】
冷凍前に漬込み液に漬込んだことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の冷凍開き伸ばしえび。
【請求項6】
真空包装後、冷凍したことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の冷凍開き伸ばしえび。
【請求項7】
下記の(1)〜(7)を含む工程により請求項1から請求項6のいずれかに記載の冷凍開き伸ばしえびを製造することを特徴とする冷凍開き伸ばしえびの製法。
(1)原料無頭殻付きえびの殻取り、剣取り、尾扇しごき、背腸抜きを行う。
(2)工程(1)で調製したえびの背に沿って尾部に至る切り込みを、皮1枚程度残る深さまで入れた後、前記切り込みを左右に背開きして背腸除去・無頭・尾付むきえびを調製する。
(3)工程(2)で調製した背開きえびの左右背面に、前記えびの中心軸に対して尾と反対方向に傾斜するとともにほぼ左右対称に複数のスリット状切れ目をえびの筋繊維を断ち切るように所定の間隔を置いて入れる。
(4)工程(3)で調製したえびを、背開きした状態のまま加圧して全体的に開き伸ばす。
(5)工程(4)で調製したえびを漬込み液に漬込んだ後、水切りする。
(6)工程(5)で調製したえびを、背開きした状態のまま真空包装する。
(7)工程(6)で真空包装したえびを急速凍結する。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍開き伸ばしえびおよびその製法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、原料無頭殻付きえびの殻取り、剣取り、尾扇しごき、背腸抜きを行った後、えびの腹もしくは背に、背の方向沿ってあるいは背の方向に直角に切り込みを入れて、縦方向に引き伸ばし、見た目のボリューム感をアップさせた商品があり、天種などに使用されている。しかし、従来のえびは縦方向に引き伸ばしており、横方向に引き伸ばしていないので見た目のボリューム感をあまりアップできない問題があった。
一方、原料無頭殻付きえびの殻取り、剣取り、尾扇しごき、背腸抜きを行った後、背に沿って切り込みを入れた後、前記切り込みを左右に背開きして無頭・尾付むきえびを調製した後、えびの開き身肉の上に具を載せて、具の表面全体を包み込むようにバターミックスとパン粉を付着するえび加工食品の製造方法が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭53−94054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このえび加工食品の製造方法によれば、背開きしたえびを用いるので、えびの腹もしくは背に、背の方向沿ってあるいは背の方向に直角に切り込みを入れて縦方向に引き伸ばした従来のえびより見た目のボリューム感をアップできるが、えびの筋繊維が断ち切られずに残っているので、背開きしたえびを加圧して縦方向および横方向に引き伸ばすのが困難であり、思ったほど見た目のボリューム感をアップできず、また天ぷらにするなど加工時に加熱すると、尾部や身肉の反りや変形が発生し外観が悪化し商品価値が低下する問題があった。
【0004】
本発明の第1の目的は、従来の問題を解決し、見た目のボリューム感をアップできる上、解凍後、天ぷらにするなど加工時に加熱しても尾部や身肉の反りや変形が発生しにくく、そして安価で美味しく、安全で安心して食に供することができる、商品価値の高い冷凍開き伸ばしえびを提供することであり、
本発明の第2の目的は、このような優れた冷凍開き伸ばしえびを、特殊な器具や薬品を使用せず、容易に経済的に製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1は、えびの背に沿って尾部に至るまで入れた切り込みを左右に開いて背開きした背腸除去・無頭・尾付むきえびの左右背面に、前記えびの中心軸に対して尾と反対方向に傾斜するとともに、前記中心軸に対してほぼ左右対称に複数のスリット状切れ目をえびの筋繊維を断ち切るように所定の間隔を置いて入れ、背開きした状態で加圧して開き伸ばし、冷凍したことを特徴とする冷凍開き伸ばしえびである。
【0006】
本発明の請求項2は、請求項1記載の冷凍開き伸ばしえびにおいて、前記スリット状切れ目は前記中心軸および背開きした端部から所定の間隔を置いて、かつ肉厚の半分程度の深さに達するように入れらており、前記中心軸に対する傾斜角度が30°〜45°であることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の冷凍開き伸ばしえびにおいて、前記スリット状切れ目の数が小えびの場合は4〜5本、大えびの場合は6本であることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項4は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷凍開き伸ばしえびにおいて、前記尾部に入れた切り込み部をさらに加圧して平らにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項5は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の冷凍開き伸ばしえびにおいて、冷凍前に漬込み液に漬込んだことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項6は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の冷凍開き伸ばしえびにおいて、真空包装後、冷凍したことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項7は、下記の(1)〜(7)を含む工程により請求項1から請求項6のいずれかに記載の冷凍開き伸ばしえびを製造することを特徴とする冷凍開き伸ばしえびの製法である。
(1)原料無頭殻付きえびの殻取り、剣取り、尾扇しごき、背腸抜きを行う。
(2)工程(1)で調製したえびの背に沿って尾部に至る切り込みを、皮1枚程度残る深さまで入れた後、前記切り込みを左右に背開きして背腸除去・無頭・尾付むきえびを調製する。
(3)工程(2)で調製した背開きえびの左右背面に、前記えびの中心軸に対して尾と反対方向に傾斜するとともにほぼ左右対称に複数のスリット状切れ目をえびの筋繊維を断ち切るように所定の間隔を置いて入れる。
(4)工程(3)で調製したえびを、背開きした状態のまま加圧して全体的に開き伸ばす。
(5)工程(4)で調製したえびを漬込み液に漬込んだ後、水切りする。
(6)工程(5)で調製したえびを、背開きした状態のまま真空包装する。
(7)工程(6)で真空包装したえびを急速凍結する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1記載の冷凍開き伸ばしえびは、えびの背に沿って尾部に至るまで入れた切り込みを左右に開いて背開きした背腸除去・無頭・尾付むきえびの左右背面に、前記えびの中心軸に対して尾と反対方向に傾斜するとともに、前記中心軸に対してほぼ左右対称に複数のスリット状切れ目をえびの筋繊維を断ち切るように所定の間隔を置いて入れ、背開きした状態で加圧して開き伸ばし、冷凍したことを特徴とするものであり、
縦方向および横方向によく引き伸ばされているので、従来のえびより表面積がはるかに増加しており、見た目のボリューム感がアップし、しかも解凍後、天ぷらにするなど加工時に加熱しても、えびの背に沿って尾部に至るまで切り込みが入れられているとともに、スリット状切れ目を入れてえびの筋繊維が断ち切られているので、尾部や身肉の反りや変形や身の縮みが発生しにくく真っ直ぐな状態が維持され、高い商品価値を維持でき、また表面積が増加した分、例えば天ぷらころもなども多く付着するので、天ぷらの見た目のボリューム感もアップし、また具材を巻き込んだ食品の製造にも適用可能となり、そして安価で美味しく、安全で安心して食に供することができる、という顕著な効果を奏する。
【0013】
本発明の請求項2は、請求項1記載の冷凍開き伸ばしえびにおいて、前記スリット状切れ目は前記中心軸および背開きした端部から所定の間隔を置いて、かつ肉厚の半分程度の深さに達するように入れらており、前記中心軸に対する傾斜角度が30°〜45°であることを特徴とするものであり、
形崩れせず見た目がよくなるとともに、見た目のボリューム感がアップし、解凍後、天ぷらにするなど加工時に加熱しても尾部や身肉の反りや変形や身の縮みが発生しにくく真っ直ぐな状態が維持され、高い商品価値を維持できる、というさらなる顕著な効果を奏する。
【0014】
本発明の請求項3は、請求項1あるいは請求項2記載の冷凍開き伸ばしえびにおいて、前記スリット状切れ目の数が小えびの場合は4〜5本、大えびの場合は6本であることを特徴とするものであり、手間がかからず、作業性がよくなる、というさらなる顕著な効果を奏する。
【0015】
本発明の請求項4は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷凍開き伸ばしえびにおいて、前記尾部に入れた切り込み部をさらに加圧して平らにしたことを特徴とするものであり、天ぷらにするなど加工時に加熱しても尾部の反りや曲がりなどが発生しにくく、外観やみた目がよくなる、というさらなる顕著な効果を奏する。
【0016】
本発明の請求項5は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の冷凍開き伸ばしえびにおいて、冷凍前に漬込み液に漬込んだことを特徴とするものであり、解凍後、そのまま天ぷらにするなどして、ぷりぷり感のある美味しいえびを、高い歩留りで提供できる、というさらなる顕著な効果を奏する。
【0017】
本発明の請求項6は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の冷凍開き伸ばしえびにおいて、真空包装後、冷凍したことを特徴とするものであり、安価で衛生的で、えびの風味などの品質劣化を抑制し、安全で安心して食に供することができる、美味しい冷凍開きえびを提供できる、というさらなる顕著な効果を奏する。
【0018】
本発明の請求項7は、前記の(1)〜(7)を含む工程により請求項1から請求項6のいずれかに記載の冷凍開き伸ばしえびを製造することを特徴とする冷凍開き伸ばしえびの製法であり、本発明の冷凍開き伸ばしえびを、特殊な器具や薬品を使用せず、容易に経済的に製造することができる、という顕著な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は本発明の冷凍開き伸ばしえびの製造工程の一実施形態を模式的に説明する説明図である。
【0020】
図1(1)に示したように、剣取り、尾扇しごき、背腸ピン抜きを行い、尾以外の殻を取ったインドネシア産ブラックタイガー(無頭・尾付)(むきみえび)1の背2に沿って徐頭部3から尾部4(尾部4に残した殻の約半分位まで)に至るまで、かつ腹部5の皮が一枚残る程度までの深さに切り込み6を入れる。
切り込み6は上から真っ直ぐに入れ、左右均一に約半分になるように入れることが好ましい。左右均一でないと開き伸ばしの際に奇麗に伸ばせず、また加熱した際に縮みや反りが発生する恐れがある。
【0021】
そして、図1(2)に示したように、切り込み6を左右に背開きして背腸除去・無頭・尾付むきえび7を作る。4Aは尾部4の切り込み部、6Aは背開きした端部、8は身肉、9はえびの中心軸を示す。
【0022】
なお、尾部4の切り込み部4Aは背2に沿って徐頭部3から尾部4に至るまで切り込み6を入れる際に同時に、例えば、鋏などのカッターを用いて尾部4に残した殻の約半分程度までと尾部4の身肉に切り込み部4Aを入れることが作業上好ましい。
切り込み部4Aを、あまり強く入れ過ぎると尾部4が全部外れる恐れがあるので、尾部4に残した殻も尾部4の身肉もその約半分位になるように切り込み部4Aを入れることが好ましい。
【0023】
次に、図1(3)に示したように、背開きしたむきえび7の身肉8が裏で、背面10が表になるようにひっくり返す。
【0024】
そして、図1(4)に示したように、左右背面10、10に、えびの中心軸9に対して尾と反対方向に傾斜するとともに、中心軸9に対してほぼ左右対称になるように各6本のスリット状切れ目11をえびの筋繊維を断ち切るように所定の間隔を置いて入れる。
【0025】
スリット状切れ目11は中心軸9から約3mm程度など所定の間隔を置いて、かつ背開きした端部6Aから約3mm程度など所定の間隔を置いて、かつ身肉8の肉厚の半分程度の深さに達するように入れるのが好ましい。
スリット状切れ目11の深さが浅いと、後述する開き伸ばしの際にうまく伸びず、深すぎると開き伸ばす際にちぎれる恐れがあり、外観が悪化したり、不良品が多くなる恐れがある。
切り込み6の深さがあまり深いと、後述する開き伸ばしの際に孔が開いたり、切れたりするので好ましくなく、逆にあまり浅いと、開き伸ばしが困難になり、開き伸ばしが不十分となるので、身肉8の肉厚の半分程度の深さに達するように入れるのが好ましい。
【0026】
中心軸9に対する傾斜角度は特に限定されないが、30°〜45°であることが好ましい。傾斜角度が30°未満では開き伸ばしの際によく伸びない恐れがあり、45°を超えるとスリット状切れ目11がえびの筋繊維を断ち切れない恐れがある。
【0027】
スリット状切れ目11を入れる道具などはよく切れるものであればよく特に限定されない。スリット状切れ目11を入れるえびに対する角度も特に限定されないが、作業性の観点からえびに対してほぼ直角が好ましい。
【0028】
前記範囲内でスリット状切れ目11を入れると、形崩れせず見た目がよくなるとともに、見た目のボリューム感がアップし、解凍後、天ぷらにするなど加工時に加熱しても尾部や身肉の反りや変形や身の縮みが発生しにくく真っ直ぐな状態が維持され、高い商品価値を維持できる。
【0029】
そして、図1(5)に示したように、図示しない平らなへらと平らな台などを使用してえびを背開きした状態で前記台上に載せて前記へらで加圧して縦方向および横方向に均一に開き伸ばす。そして、開き伸ばしたえびを図示しない真空包装装置などを用いて真空包装した後、図示しない冷凍装置などを用いて急速冷凍(例えば、約−30℃、30分)して本発明の冷凍開き伸ばしえび12を製造する。
【0030】
えびを開き伸ばした後、漬込み液に漬込む前に、背2に沿って徐頭部3から尾部4に至るまで切り込み6を入れた際に形成した尾部4の切り込み部4Aをさらに指を用いたりして上下方向に加圧して平らにすることが好ましい。こうすると天ぷらにするなど加工時に加熱しても尾部4の反りや曲がりなどが発生しにくく、外観やみた目がさらによくなる。
【0031】
冷凍前に漬込み液に漬込むことが好ましい。漬込み液に漬込むと、解凍後、そのまま天ぷらにするなどして、ぷりぷり感のある美味しいえびを、高い歩留りで提供できる。
【0032】
図2(1)〜(11)は本発明の冷凍開き伸ばしえびの製造工程の他の形態を模式的に説明する説明図である。
図2(1)に示したように、先ず、原料インドネシア産ブラックタイガー(冷凍品の場合は解凍したもの)(サイズ:16/20、21/25、26/30、31/40など)の剣取り、尾扇しごきを行い、背腸を取り除く。
次いで、図2(2)に示したように、鋏を用いて尾以外の殻を取り、インドネシア産ブラックタイガー(無頭・尾付)(むきみえび)を調製する。
そして、図2(3)−1に示したように、ナイフを用いてえびの背2に沿って徐頭部3から尾部4(尾部4に残した殻。すなわち第6節の殻)に至るまで予備の切り込みを入れる。
そして、図2(3)−2に示したように、さらにナイフでその切り込みを深く入れて、腹部5の皮が一枚残る程度までの深さに切り込み6を入れる。
【0033】
そして、切り込み6を左右に背開きして背腸除去・無頭・尾付むきえび7を作り、背開きしたむきえび7の背面10が表になるようにひっくり返し、そして、図2(4)に示したように、ナイフを用いて左右背面10、10に、えびの中心軸9に対して尾と反対方向に約45°傾斜するとともに、中心軸9に対してほぼ左右対称になるように長さ約10mm程度の各6本のスリット状切れ目11をえびの筋繊維を断ち切るように所定の間隔を置いて入れる。スリット状切れ目11は中心軸9から約3mm程度間隔を置いて、かつ背開きした端部6Aから約3mm程度間隔を置いて入れられている。4Aは尾部4の切り込み部、6Aは背開きした端部、8は身肉、9はえびの中心軸を示す。
【0034】
そして、図2(5)に示したように、平らなへら20とえびを載置するための凹部21を備えた平らな台22を準備する。
【0035】
図2(6)に示したように、スリット状切れ目11を入れたえびを凹部21上に載置し、図示しないが平らなへら20を用いて均一に加圧して、縦方向および横方向に均一に開き伸ばす。
【0036】
そして、図2(7)に示したように、尾部4の切り込み部4Aを指でさらに加圧して平らにする。
【0037】
次に、図2(8)に示したように、公知の漬込み液(例えば、STPP2質量%、食塩1質量%、砂糖2質量%、水95質量%)23に漬込む[えび:漬込み液(質量比)=1:1.2、漬込み液温度5℃以下、漬込みえび温度10℃以下、漬込み時間60分]。
【0038】
漬込み後、図2(9)に示したように、漬込み液を取り去り、水を切り、図2(10)に示したように、プラスチックなどのトレー24に1尾、1尾開き伸ばした状態で並べる。
【0039】
図2(11)に示したように、図示しない公知の真空包装装置を用いて真空包装した後、図示しない公知の冷凍装置を用いて急速冷凍して本発明の冷凍開き伸ばしえび12Aを製造する。
本発明の冷凍開き伸ばしえびは、大きさ、重量などを検査し、金属探知器で金属をチェックして除いた後、公知の包装機を用いて包装し、箱詰めし、−20℃以下の冷凍室内に保管する。必要に応じて輸送するが−18℃以下の温度で輸送し、取り扱うことが好ましい。
【0040】
前記各工程は、制御手段を備えた機械・装置などを用いて自動的に行ってもよく、また手動により手作業で行ってもよく、あるいは両者を適宜組み合わせて行うこともできる。
【0041】
本発明におけるえびは、生産場所などは限定されるものではなく、食用のえびを全て包含する。具体的には、例えば、ウシエビ、クマエビ、シンチュウエビ、クルマエビなどを挙げることができる。
【0042】
本発明の冷凍開き伸ばしえびを下記の工程によりフライして、フライ後の状態を評価した。
(1)解凍:流水もしくは常温にて自然解凍する。
(2)打粉付け:小麦粉(薄力粉)を身の部分のみに塗布し、余分な粉はふるい落とす。
(3)バッター付け:下記の配合の市販の天ぷら粉を使用し、身の部分以外に十分付け、余分なバッターは自然放置で落とす。打ち粉は小麦粉100%を使用した。
【0043】
(配合)
小麦粉 100質量部(薄力粉)
生卵 50質量部(黄身、白身混合)
冷水 150質量部(氷水程度の温度の冷水使用)
【0044】
(4)フライ:170℃に熱したフライヤーで1分間フライする。
(5)フライ後、外観を観察し、食味・食感を評価する。
【0045】
本発明の冷凍開き伸ばしえびは、縦方向および横方向によく引き伸ばされているので、見た目のボリューム感がアップし、しかも解凍後、天ぷらにしても、尾部や身肉の反りや変形や身の縮みが発生しにくく真っ直ぐな状態が維持され、天ぷらころもが多く付着するので、見た目のボリューム感がアップし、そして食すると美味しかった。
【0046】
それに対して、スリット状切れ目を入れなかった以外は本発明の冷凍開き伸ばしえびと同様にして調製した比較のための冷凍開き伸ばしえび、縦方向および横方向によく伸ばされていないので、見た目のボリューム感がなく、しかも解凍後、フライすると、尾部の反り、身肉の反りや変形が発生し、また身肉の縮みが発生し、見た目が悪く、ボリューム感もなく、商品価値が劣るものであった。
【0047】
上記実施の形態の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、あるいは範囲を減縮するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施の形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0048】
例えば、スリット状切れ目11を入れたえびを均一に加圧して、縦方向および横方向に均一に開き伸ばした後、尾部4の切り込み部4Aを指でさらに加圧して平らにした例を示したが、スリット状切れ目11を入れる前に尾部4の切り込み部4Aを指で加圧して平らにしておいてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の冷凍開き伸ばしえびは、えびの背に沿って尾部に至るまで入れた切り込みを左右に開いて背開きした背腸除去・無頭・尾付むきえびの左右背面に、前記えびの中心軸に対して尾と反対方向に傾斜するとともに、前記中心軸に対してほぼ左右対称に複数のスリット状切れ目をえびの筋繊維を断ち切るように所定の間隔を置いて入れ、背開きした状態で加圧して開き伸ばし、冷凍したことを特徴とするものであり、
縦方向および横方向によく引き伸ばされているので、従来のえびより表面積がはるかに増加しており、見た目のボリューム感がアップし、しかも解凍後、天ぷらにするなど加工時に加熱しても、えびの背に沿って尾部に至るまで切り込みが入れられているとともに、スリット状切れ目を入れてえびの筋繊維が断ち切られているので、尾部や身肉の反りや変形や身の縮みが発生しにくく真っ直ぐな状態が維持され、高い商品価値を維持でき、また表面積が増加した分、例えば天ぷらころもなども多く付着するので、天ぷらの見た目のボリューム感もアップし、そして安価で美味しく、また具材を巻き込んだ食品の製造にも適用可能となり、安全で安心して食に供することができる、という顕著な効果を奏するものであり、また、本発明の製法により本発明の冷凍開き伸ばしえびを、特殊な器具や薬品を使用せず、容易に経済的に製造することができる、という顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の冷凍開き伸ばしえびの製造工程の一実施形態を模式的に説明する説明図である。
【図2】(1)〜(11)は本発明の冷凍開き伸ばしえびの製造工程の他の形態を模式的に説明する説明図である。
【符号の説明】
【0051】
1 インドネシア産ブラックタイガー(無頭・尾付)(むきみえび)
2 背
3 徐頭部
4 尾部
4A 尾部の切り込み部
5 腹部
6 切り込み
6A 背開きした端部
7 背腸除去・無頭・尾付むきえび
8 身肉
9 えびの中心軸
10 背面
11 スリット状切れ目
12、12A 本発明の冷凍開き伸ばしえび
23 漬込み液
24 トレー
【出願人】 【識別番号】390023456
【氏名又は名称】株式会社極洋
【住所又は居所】東京都港区赤坂3丁目3番5号
【出願日】 平成16年3月29日(2004.3.29)
【代理人】 【識別番号】100062225
【弁理士】
【氏名又は名称】秋元 輝雄

【公開番号】 特開2005−278463(P2005−278463A)
【公開日】 平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願番号】 特願2004−95775(P2004−95775)