| 【発明の名称】 |
酸化を防止したナッツ類 |
| 【発明者】 |
【氏名】西 博昭
【氏名】渡辺 隆夫
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| 【要約】 |
【課題】加熱処理したピーナッツやアーモンド等のナッツ類の酸化を防止し、風味を長期間にわたり持続させることができるナッツ類を提供する。
【解決手段】構成脂肪酸の炭素数が8〜22で平均置換度が2以上のショ糖脂肪酸エステル、例えばショ糖ステアリン酸エステルやショ糖パルミチン酸エステルでナッツ類をコーティングする。コーティングするナッツ類としては、種実のまま加熱処理したものでも、粒状に破砕して加熱処理したものでもよい。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 構成脂肪酸の炭素数が8〜22で平均置換度が2以上のショ糖脂肪酸エステルでナッツ類をコーティングしたことを特徴とする酸化を防止したナッツ類。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、加熱処理したナッツ類あるいは種実類の酸化を防止し、ナッツ類の風味を持続するための技術に関する。 【背景技術】 【0002】 脂肪を多く含む各種ナッツや種実(以下、単にナッツ類という)には、例えばアーモンド、麻のみ、えごま、カシューナッツ、くるみ、けしの実、ココナッツ、ごま、ピスタチオ、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ペカン、マカデミアナッツ、松の実、ピーナッツ等がある。 【0003】 アーモンド等のナッツ製品は、原料ナッツ類を加熱処理して製造される。加熱処理には、原料を油脂中で加熱するオイルロースト法、油脂などを使用せずに火熱で煎るドライロースト法などが知られている。このような加熱処理によって、ナッツ類特有の香ばしいロースト臭が発現される。加熱処理されたナッツ類は、そのまま食用に供されるほか、チョコレート、キャンデー、ケーキ等の菓子類に加えるなどして使用される. 【0004】 しかしながら、加熱処理されたナッツ類は、その含有脂肪酸の不飽和度が高く、ロースト等の加熱処理を施したあとは急速に酸化が進行し易い。そしてこれらナッツ類の酸化が進行すると酸敗を起こして臭気の発生や風味の低下などを招き、商品価値を失うことになる。 【0005】 従来これらナッツ類の酸化を防止するために、BHA、BHT、トコフェロール類などの抗酸化剤を噴霧や含浸により添加したり、ガスバリアー性のあるフィルムにより包装したり、包装内部に脱酸素剤を封入したりする方法が知られている。しかしながら、これらの方法では、例えば抗酸化剤の均一な添加が容易でないこと、抗酸化剤の抗酸化力が必ずしも充分でないこと、ガスバリアー性フィルムが高価であること、脱酸素剤の使用は高価なガスバリアーフィルムとの併用が必要であること、などの理由からいずれも安価にかつ確実にナッツ類の酸化を防止することができなかった。 【0006】 又、最近見られる解決手段として、ナッツ類に炭酸ガスを含浸させる抗酸化処理法(例えば特許文献1)、あるいはトレハロースなどを含む糖類にてコーティングする方法(例えば特許文献2)が提案されているが、その効果は必ずしも充分とは言えない。 【0007】 【特許文献1】特開平10−165091号公報 【特許文献2】特開2002−27953号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 そこで本発明は、加熱処理したナッツ類の酸化を防止し、風味を長期間にわたり持続させることができるナッツ類を提供することを課題としてなされたものである。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明者らは、本願と同一出願人により既に特許出願された「非吸湿性製菓用トッピング」と称する特許発明(特許公報第2629596号)で使用された特定のショ糖脂肪酸エステルを用いて、加熱処理したナッツ類の表面をコーティングすることを試みた。 【0010】 上記の特許発明は、パン、ドーナッツ、ケーキ等の表面に振り掛けて使用される粉糖、ココア粉末、各種色素等の製菓用トッピング素材を特定のショ糖脂肪酸エステルでコーティングすることにより、トッピング素材に非吸湿性、非吸油性を付与することができ、水分を吸収して固化あるいは溶解したり、油を吸収して変色することなく、振り掛けた状態のまま長時間保たれ、商品価値を持続することができるというものである。 【0011】 本発明者らは、加熱処理したナッツ類の表面を、上記の特許発明で使用した特定のショ糖脂肪酸エステルでコーティングしたところ、ナッツ類の酸化が防止でき、ナッツ類に特有の香ばしい風味を長期間持続できるという予想もしなかった効果が得られることを見出し、本発明を完成させたものである。 【0012】 すなわち本発明の酸化を防止したナッツ類は、構成脂肪酸の炭素数が8〜22で平均置換度が2以上のショ糖脂肪酸エステルでナッツ類をコーティングしたことを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0013】 本発明によるナッツ類によれば、所定のショ糖脂肪酸エステルにより表面がコーティングされているため、空気の存在下で保存した場合でも、酸化、酸敗を防止でき、ナッツ類特有の風味と味が長期間持続され、品質向上に寄与するところ大である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 本発明で使用するナッツ類としては、例えば脂肪を多く含むアーモンド、麻のみ、えごま、カシューナッツ、くるみ、けしの実、ココナッツ、ごま、ピスタチオ、ブラジルナッツ、ヘーゼルナッツ、ペカン、マカデミアナッツ、松の実、ピーナッツ等が挙げられ、種実(ホール)のままで加熱処理したもの、破砕した粒状物の形態で加熱処理したものが含まれる。 【0015】 ナッツ類の加熱処理には、オイルロースト法、ドライロースト法等あるが、本発明における加熱処理はいずれの方法を用いたものであっても良い。 【0016】 本発明で使用するショ糖脂肪酸エステルは、構成脂肪酸の炭素数が8〜22で平均置換度が2以上のものである。脂肪酸の炭素数が8より小さくあるいは22より大きいショ糖脂肪酸エステルを使用すると、ナッツ類へのコーティングが均一に行ないにくくなる。また、平均置換度が2より少ないショ糖脂肪酸エステルを使用すると、酸化防止効果が不十分となる。本発明の特徴は、ナッツ類のコーティング材料として従来使用されることのなかった構成脂肪酸の炭素数が8〜22で平均置換度が2以上のショ糖脂肪酸エステルを用いて、ナッツ類をコーティングする点にある。 【0017】 ショ糖脂肪酸エステルをナッツ類にコーティングする方法としては、アルコールに溶解したショ糖脂肪酸エステルをナッツ類に噴霧する方法、ナッツ類にショ糖脂肪酸エステルを混合して攪拌する方法、ナッツ類とショ糖脂肪酸エステルとを混合攪拌しながら55℃以上に温度を上げ、その後攪拌を続けながら冷却する方法等を採用することができる。 【実施例】 【0018】 〈実施例1〉 ピーナッツロースト(16割)50kgと、ショ糖ステアリン酸ジ・トリエステル(平均置換度2)1kgをニーダーにて攪拌混合しながら60℃まで温度を上げた後、攪拌を続けながら温度を室温までゆっくり下げることによって、ピーナッツローストにショ糖脂肪酸エステルをコーティングした。 【0019】 〈実施例2〉 アーモンドロースト(8割)1kgとショ糖パルミチン酸エステル(平均置換度4.85)30gを粉体混合機を用いて室温にて1時間混合攪拌することによって、アーモンドローストにショ糖脂肪酸エステルをコーティングした。 【0020】 〈比較例1〉 ピーナッツ(16割)5.5kgと糖度20度のシロップ4.5kgを合わせ、100〜110℃下で10〜15分ローストしてシュガーロースト品を得た。 【0021】 〈比較例2〉 実施例1と同様の方法にて、アーモンドロースト(8割)に、ショ糖ステアリン酸エステル(平均置換度1.7)をコーティングした。 【0022】 〈試験例1〉 実施例1で得たピーナッツをポリエチレン袋(0.03mm厚)に入れて60℃下で保存し、経日的に過酸化物価(POV)を測定した。過酸化物価とは油脂中の過酸化物の量を示す指標であり、油脂の劣化を示すものである。 過酸化物価の測定は、衛生試験法・注解1990年版に記載の方法に従って、試料にヨウ化カリウムを接触させ、過酸化物の分解によって発生するヨウ素を定量することによって行った。 また対照として、焙煎(ドライロースト)のみを施しコーティング処理しなかったピーナッツについても同様にして過酸化物価を測定した。 試験結果を表1に示す。 【0023】 【表1】
【0024】 表1からわるように、ショ糖脂肪酸エステルでコーティングしたピーナッツ(実施例1)は、コーティングしていないピーナッツ(対照)に比較して過酸化物価の上昇が抑えられており、酸化防止効果が認められた。 【0025】 〈試験例2〉 実施例1、比較例1および対照(焙煎のみでコーティングなし)で得たピーナッツをポリエチレン袋(0.03mm厚)に入れて37℃下で保存し、30日毎に官能評価した。評価は、サンプルの内容を明示せずに、その風味について7名の被験者によって下記の基準により官能評価した。試験結果を表2に示す。 官能評価の基準 ○:ピーナッツ特有の香ばしい風味がある。 △:わずかに油脂の酸敗臭がある。 ×: 酸敗臭が強く味が悪い。 【0026】 【表2】
【0027】 表2からわるように、実施例1のピーナッツは、比較例1や対照に比べて、ピーナッツ特有の香ばしい風味と味が長期間持続しており、酸化防止効果が認められた。 【0028】 〈試験例3〉 実施例2、比較例2および対照(焙煎のみでコーティングなし)で得たアーモンドをポリエチレン袋(0.03mm厚)に入れて37℃下で保存し、30日毎に官能評価した。評価方法は試験例2と同様に行った。試験結果を表3に示す。 【0029】 【表3】
【0030】 表3からわるように、実施例2のアーモンドは、比較例2や対照に比べて、アーモンド特有の風味と味が長期間持続しており、酸化防止効果が認められた。
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| 【出願人】 |
【識別番号】598104274 【氏名又は名称】株式会社 徳倉
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| 【出願日】 |
平成16年3月29日(2004.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100096862 【弁理士】 【氏名又は名称】清水 千春
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| 【公開番号】 |
特開2005−278446(P2005−278446A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月13日(2005.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願2004−94930(P2004−94930) |
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