トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 生体内抗酸化機能を有する食品組成物
【発明者】 【氏名】山下 貴稔

【氏名】金沢 和樹

【氏名】芦田 均

【要約】 【課題】亜麻仁から亜麻仁リグナンなどの有効成分を抽出し、食品への利用法を提供することである。

【解決手段】亜麻仁抽出物を有効成分として含有することを特徴とする生体内抗酸化機能を有すると表示される食品組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜麻仁抽出物を有効成分として含有することを特徴とする生体内抗酸化機能を有すると表示される食品組成物。
【請求項2】
有効成分が亜麻仁抽出物を精製して得られる亜麻仁リグナン混合物である請求項1に記載の食品組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の食品組成物を配合してなる食品。
【請求項4】
請求項1または2に記載の食品組成物を配合してなる飲料。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、亜麻仁抽出物を有効成分とし、生体内抗酸化作用を有する食品組成物とその利用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
亜麻仁は、亜麻仁油の原料として用いられており、その副産物である亜麻仁粕は主に飼料や肥料に用いられている。 しかし、亜麻仁粕には亜麻仁リグナンなどの成分が豊富に含まれている(非特許文献1)にもかかわらず、有効に活用されているとは言い難い状態である。
【0003】
【非特許文献1】『Flaxseed in Human Nutrition,J』 AOCS press 発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、亜麻仁から亜麻仁リグナンなどの有効成分を抽出し、食品への利用法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記目的を達成せんと鋭意検討した結果、亜麻仁抽出物に生体内抗酸化効果があることを見出して本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、亜麻仁抽出物、特に亜麻にリグナン混合物を有効成分として含むことを特徴とする生体内抗酸化機能を有すると表示される食品組成物である。
本発明における亜麻仁抽出物は、亜麻仁または亜麻仁粕から低級アルコールなどの溶媒を用いて抽出される。さらに該亜麻仁抽出物をカラムクロマトグラフィーなどの手法で精製し、亜麻仁リグナン混合物を得ることができる。当該亜麻仁抽出物や亜麻仁リグナン混合物を、パン、ケーキ、クッキー、ゼリー、キャンディー、アイスクリーム、飲料、タブレット状食品、粉末状食品の原料として使用することにより、生体内抗酸化機能を有すると表示される食品が得られる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の亜麻仁リグナン混合物を含む飲料を、後に示す実施例に記載の通り糖尿病を誘発したモデル動物に与えたところ、当該動物での高血糖による酸化ストレスが有意に抑えられた。
これにより、亜麻仁抽出物または亜麻仁リグナン混合物を利用することで生体内抗酸化機能を有する食品を手軽に調製することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明を詳細に説明する。
亜麻は、中近東が原産とされる高さが0.3〜1mに及ぶ亜麻科に属する一年草である。亜麻の種子は亜麻仁種子または単に亜麻仁(以下、亜麻仁で統一)と称されている。従来、亜麻仁は、亜麻仁油の原料として工業用に利用されてきた。一方で、亜麻仁油製造の副産物である亜麻仁粕は主に肥料、飼料用に利用されている。さらに、一部ではあるが、亜麻仁はパンなどのベーカリー食品やシリアル食品などに利用されている。
本発明に使用する亜麻仁は、その産地や品種、等級を問わず、いずれも使用可能である。また、抽出原料としては、亜麻仁または亜麻仁粕のいずれも使用可能である。
【0008】
次に、亜麻仁を原料とした亜麻仁抽出物の製造手順を説明する。
亜麻仁または亜麻仁粕をハンマーミルやカッターミルなどの粉砕機で粉砕する(粉砕は必須な工程では無いが、亜麻仁または亜麻仁粕を粉砕することで抽出効率を上げることができる)。
粉砕した亜麻仁または亜麻仁粕に抽出溶媒を加え、攪拌等により亜麻仁の成分の溶出を促した後、デカンテーション、ろ過、遠心分離などの方法により残渣を除く。
抽出溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの低級アルコール、アセトンなどのケトン類、アセトニトリルその他の有機溶媒を単独または組み合わせて、さらにこれらに水を加えたものが使用できる。
必要に応じて抽出操作を繰り返す。得られた抽出液を、減圧、加熱、あるいはこれらを組み合わせた方法で濃縮し、亜麻仁抽出物を得る。
【0009】
亜麻仁抽出物をクロマトグラフィーなどの方法で精製しさらに抗酸化効果の高い食品組成物を得ることもできる。精製には、シリカゲル、オクタデシルシリカゲル(ODS)、疎水クロマトグラフィー用吸着剤、イオン交換樹脂、などを単独でまたは組み合わせて用いることができる。亜麻仁抽出物を酸またはアルカリにより加水分解を行い、中和後、アンバーライトXAD−2を充填し、水で平衡化したカラムに供し、糖などの不純物を水または低濃度のアルコールを添加した洗浄液で洗浄した後、アルコールで溶出することにより粗リグナン混合物を得ることができる。粗リグナン混合物は、さらにODSカラムクロマトグラフィーや分取HPLCにより精製することができる。
【0010】
本発明の亜麻仁抽出物または亜麻仁リグナン混合物を食品に添加することで、生体内で抗酸化機能を有する食品を得ることができる。本発明の亜麻仁抽出物または亜麻仁リグナン混合物を使用できる食品としてはパン、ケーキ、クッキー、ゼリー、キャンディー、アイスクリーム、飲料、タブレット状食品、粉末状食品などがある。本発明の亜麻仁抽出物または亜麻仁リグナン混合物の食品に対する添加量は特に限定されるものではないが、生体への吸収率および食品組成物の風味などの観点から0.5〜20重量%程度が適当である。
【実施例1】
【0011】
飼料用亜麻仁粕(吉原製油製)1Kgに10倍重量の70%エタノールを加えて攪拌し室温で3時間抽出を行った。同様の抽出操作をさらに2回繰り返した。No2濾紙(アドバンテック)により抽出残渣を除いた後、濾液を集め、ロータリーエバポレーターを用いて減圧濃縮を行い、水飴状の亜麻仁抽出物146gを得た。
亜麻仁抽出物10gに1N NaOH水溶液100mlを加え、攪拌しながら60℃に加熱し1時間加水分解を行った。これを氷酢酸で中和し、室温まで冷却した後吸着クロマトグラフィーに供した。すなわち、アンバーライトXAD2樹脂300gを直径4cmのガラス製カラムに充填し、カラムを調製した。このカラムはあらかじめ水で平衡化しておいた。アンバーライトXAD2カラムに、中和した加水分解物全量を供し、水を通じて不純物を洗浄した後、メタノールで目的成分を溶出した。メタノール溶出画分を回収し、ロータリーエバポレーターを用いて減圧濃縮した。得られた濃縮物全量を20%メタノール水溶液に溶解し、ODSカラムクロマトグラフィーに供した。すなわち、YMC製ODS−AM樹脂30gを直径3cmのガラス製カラムに充填し、ODSカラムを調製した。カラムはあらかじめメタノールで樹脂を膨潤させた後、水を通じて平衡化しておいた。このカラムに濃縮物の20%メタノール溶液を供し、20%メタノール水溶液で不要な成分を洗浄した後、70%メタノール水溶液で溶出し、亜麻仁リグナン混合物1.9gを得た。
【0012】
[抗酸化作用の確認試験]
6週令のWister/STラット(SLC社)30匹にストレプトゾトシン(STZ)溶液(体重1Kgあたり50mg)を尾静脈から注射し、糖尿病を誘発した。飼料は市販の実験動物用飼料(オリエンタル酵母製)を与え、STZ注射の3日後にラットを無作為に2群に分け、対照群には蒸留水を、亜麻仁リグナン混合物投与群には体重1Kg当たり10mgの亜麻仁リグナン混合物を添加した蒸留水を与え、13日間飼育した。STZ投与後10日目に18時間絶食後、尾静脈から採血して血糖値の測定を行った。測定にはグルコーステストWako(和光純薬製)を用いた。血糖値の測定結果を表1に示した。STZ投与の13日後にラットを屠殺し、血液、肝臓、すい臓、腎臓を採取した。血液からは遠心分離により血漿を得た。肝臓、すい臓、腎臓は9倍容の1.15%塩化カリウム水溶液を加えてガラス製ホモジナイザーでホモジナイズした。血漿および各臓器ホジネート中の酸化ストレスを評価するため、蛍光法(過酸化脂質実験法、医歯薬出版株式会社p81)によりTBARS値を測定した。ホモジナイズ時の希釈誤差を補正するため、各ホモジネートのタンパク質含量をローリー法により測定し、タンパク量あたりのTBARSを求めた。結果を表2に示す。
【0013】
正常ラットの血糖値100mg/dl前後と比べて、STZ投与により両群とも血糖値が上昇していた。しかし亜麻仁リグナン混合物を飲水に添加して与えた群では、酸化ストレスの指標であるTBARS値が対照郡と比べてあきらかに低く、亜麻仁リグナン混合物が高血糖による酸化ストレスを抑えていた。
【実施例2】
【0014】
[ジュースの例]
市販の缶詰洋梨800g(シロップを含む)、プレーンヨーグルト500gおよびミントフレーバー適量、亜麻仁抽出物、ビタミンC5gに水を加えて1000mlとして攪拌し、亜麻仁抽出物入り飲料を調製した。
【実施例3】
【0015】
[ゼリーの例]
粉末状ゼラチン(新田ゼラチン製)5gに少量の水を加え膨潤させた後、300mlの水、グラニュー糖30g、レモン果汁適量を加えて加熱しゼラチンを完全に溶解した。室温で60℃程度まで冷却した後、5gの亜麻仁抽出物を加えてよく攪拌し、ガラス製のコップに150mlずつ分注して冷蔵庫で冷やし固めた。
【実施例4】
【0016】
[タブレットの例]
以下の成分を使用して、タブレットを調製した。
亜麻仁抽出物70mg/錠剤、微晶質セルロース600mg/錠剤、澱粉100mg/錠剤、ステアリン酸マグネシウム30mg/錠剤、ラクトース200mg/錠剤。
これらの成分を配合し、打錠して、錠剤を形成した。このタブレットを一回4錠、1日3回程度食べることで生体内抗酸化効果を期待できる。

【0017】
【表1】


【0018】
【表2】


【出願人】 【識別番号】302042678
【氏名又は名称】株式会社J−オイルミルズ
【識別番号】504122778
【氏名又は名称】金沢 和樹
【識別番号】504122088
【氏名又は名称】芦田 均
【出願日】 平成16年3月29日(2004.3.29)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−278429(P2005−278429A)
【公開日】 平成17年10月13日(2005.10.13)
【出願番号】 特願2004−94105(P2004−94105)