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【発明の名称】 魚肉だんご入りレトルト食品
【発明者】 【氏名】伊川 あい子
【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジョン株式会社内

【氏名】河本 泰子
【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1 ピジョン株式会社内

【要約】 【課題】口腔内で容易にほぐれるとともに、食感に優れ、離乳食や介護食等の嚥下困難者を対象として好適な魚肉だんごを含むレトルト食品を提供すること。

【解決手段】本発明に係る魚肉だんご入りレトルト食品は、加熱処理された魚肉30〜85重量%および前記加熱処理された魚肉と同じ原料よりなる未加熱魚肉70〜15重量%からなる材料魚肉50〜90重量部と、澱粉0.1〜15重量部とを含む混練物を成形して得られた魚肉だんごを含むことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱処理された魚肉30〜85重量%および前記加熱処理された魚肉と同じ原料よりなる未加熱魚肉70〜15重量%からなる材料魚肉50〜90重量部と、
澱粉0.1〜15重量部と
を含む混練物を成形して得られた魚肉だんごを含むことを特徴とする魚肉だんご入りレトルト食品。
【請求項2】
上記混練物が、さらに調味料0.01〜5重量部と、必要に応じて他の食材1〜40重量部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の魚肉だんご入りレトルト食品。
【請求項3】
上記材料魚肉が、加熱処理された魚肉50〜85重量%および前記加熱処理された魚肉と同じ原料よりなる未加熱魚肉50〜15重量%からなることを特徴とする請求項1に記載の魚肉だんご入りレトルト食品。
【請求項4】
上記加熱処理された魚肉が、予め分解状態とされて、上記加熱処理された魚肉よりも細かな状態とされた未加熱魚肉を含む他の材料と混練されていることを特徴とする請求項2に記載の魚肉だんご入りレトルト食品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、口の中でほぐれやすく離乳食や介護食等、固形状とされた食品の嚥下が困難な摂食者を対象として好適な魚肉だんご入りレトルト食品に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、女性の社会的進出やライフスタイルの変化、また食品加工および滅菌技術の発達により、離乳期に当たる幼児に与える離乳食や介護食としても、多くのレトルト食品が開発され、かつ利用されるようになってきている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
このようなレトルト食品は、通常の場合、一回に食する量ずつ小分けにされて包装されており、外出先における食事などのように調理設備が必ずしも充分に整備されていない場合や、短時間で離乳食を用意しなければならない場合などには、熱湯による浸漬加熱あるいは電子レンジ調理等で簡単に調製することができ、非常に便利である。
【0004】
このような離乳食の中でも、離乳後期の離乳食としては、歯ぐきでつぶせる程度の大きさおよび固さの具材、たとえば肉や魚などのだんごなどが入ったレトルトフードが、栄養バランスを調整しやすく、また味覚や咀しゃく力を発達させるうえでも好ましい。
【0005】
このような肉や魚などのだんごを離乳食として用いる場合、乳児がだんごを喉に詰まらせたりすることがないよう、適度な大きさおよび固さに調整した上で、口腔内でほぐれやすくすることが必要となる。しかしながら、だんご形状を有しつつ、口腔内でほぐれやすいという適度な固さに調整することは必ずしも容易なことではない。
【0006】
たとえば、昔から馴染みがあり、栄養面においても優れているいわし等を使用した魚肉だんごは、これを含むスープや野菜あんかけなどにして離乳食としてよく用いられている。しかし、魚肉だんごが固い(弾性が強い)場合には、口腔内で崩れにくく、喉に詰まったりすることがあり、反対にやわらかすぎると食感が悪くなるだけでなく、団子状に成形することが難しくなる。
【0007】
このように、離乳食や介護食として用いられるいわしだんご等の魚肉だんごには、微妙な固さが要求されているが、材料の配合割合を変更しただけでは、これらの要求を充分に満たす魚肉だんごを得ることが困難であった。
【0008】
これまで、魚肉をだんご状とするための製造方法については、いくつか提案されているが(例えば特許文献2参照)、離乳食や介護食等に適した微妙な固さおよび崩れやすさを持たせるための特段の工夫はなく、離乳食等に使用するには問題があった。
【特許文献1】特開2003−33146号公報
【特許文献2】特開平11−318391号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、口腔内で容易にほぐれるとともに、食感に優れ、離乳食や介護食等の嚥下が困難な摂食者を対象として好適な魚肉だんごを含むレトルト食品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、魚肉だんごの材料として用い
られる魚肉の一部を予め加熱処理して、これを特定の配合量で用いることにより、食感や栄養バランスを損なうことなく、口腔内において絶妙な崩壊性を有する魚肉だんごが得られることを見出した。
【0011】
すなわち本発明に係る魚肉だんごは、加熱処理された魚肉30〜85重量%、好ましくは50〜85重量%、および前記加熱処理された魚肉と同じ原料魚肉よりなる未加熱魚肉70〜10重量%、好ましくは50〜15重量%からなる材料魚肉50〜90重量部と、澱粉0.1〜15重量部とを含む混練物を成形して得られた魚肉だんごを含むレトルト食品であることを特徴とする。
【0012】
上記混練物は、さらに調味料0.01〜5重量部と、必要に応じて他の食材1〜40重量部とを含んでいてもよい。
また、上記加熱処理された魚肉は、細かな状態とされた未加熱魚肉を含む他の材料と混練する前に、予めミキサー等により未加熱魚肉よりも大きなサイズに分解された状態とされたものを使用して混練することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、食感に優れるとともに、容易に歯ぐき等で押し潰して崩壊させることができる固さの魚肉だんごを得ることができる。このように本発明のいわしだんごは、口腔内で形が崩れやすいことから喉に詰まりにくく、また栄養面においても非常に優れていることから、本発明のいわしだんごを含むレトルト食品は、離乳後期の離乳食、病中もしくは病後の特殊食および老人などの介護食等の嚥下が困難な摂食者を対象としたものとして好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る魚肉だんご入りレトルト食品について、詳細に説明する。
本発明に係る魚肉だんご入りレトルト食品に使用される魚肉だんごは、材料魚肉を細かな分解状態とした魚肉と、澱粉と、必要に応じて調味料および他の食材とを含む混練物を用いて、団子状に成形した魚肉だんごを加熱処理した後に、他の液汁や具材と混合し加圧加熱処理することにより得られる。なお、本発明において、魚肉だんごとは、細かくした魚肉を成形して加熱たものであり、所謂、だんご、つみれ、ハンバーグなどを示している。また、材料魚肉とは、魚肉だんごの作製に好適に用いられるように、頭、尾、骨、鱗などを適宜除去したものをいう。
【0015】
使用される魚肉としては、あいなめ、あこうだい、あじ、あなご、あまご、あまだい、あゆ、いさき、いしだい、いとよりだい、いぼだい、いわし、いわな、うぐい、うなぎ、うまづらはぎ、えそ、おいかわ、おこぜ、かさご、かじき、かつお、かます、かれい、かわはぎ、かんぱち、きす、ぎんだら、きんめだい、ぐち、こい、こち、このしろ、さけ・ます類、さば、さより、さわら、さんま、したびらめ、しまあじ、すずき、たい、たかべ、たちうお、たら、とびうお、にしん、はぜ、はたはた、はも、ひらまさ、ひらめ、ふぐ、ぶり、ほうぼう、ホキ、ほっけ、ぼら、まぐろ、まながつお、むつ、めじな、めばる、メルルーサ、やまめ、わかさぎ等が挙げられる。これらの中では、離乳食や介護食等に使用する場合には、臭いや食べやすさ等を考慮し、いとよりだい、いわし、かれい、きんめだい、さけ・ます類、たい、たら、ひらめ、まぐろ、メルルーサ等が好ましい。
【0016】
一般的な魚肉を使用しただんごの製造方法においては、材料魚肉として、未加熱の魚肉(冷凍された魚肉も含む。以下同じ。)をすり潰し等によってペースト状に近い状態に分解されたものを団子状に成形した後に加熱処理している。
【0017】
一方、本発明においては、材料魚肉として、未加熱の魚肉および加熱処理を施した魚肉
の両方を用いる。つまり、未加熱魚肉を、澱粉や任意の調味料等と混ぜ合わせたものをペーストに近い状態となるまでミキサー等で裁断し、その中に、同一素材よりなる加熱処理を施した魚肉を、未加熱魚肉よりも大きい固形状態として混ぜ合わせた後、団子状に成形して加熱処理することを特徴とする。
【0018】
このように、材料魚肉として、加熱等の処理を行っていない魚肉だけではなく、同じ魚原料について予め加熱処理を施した魚肉も用いることにより、未加熱魚肉のみを用いた場合と比較して、混練物の粘性が低下するため、魚肉だんごの固さを、歯ぐきで容易に押しつぶせる程度にすることができる。
【0019】
本発明で用いられる加熱処理を施した魚肉とは、いわゆる生状態の部分が実質的になくなるまでボイルされた魚肉や、油を使用して炒めたそぼろ状の魚肉、焼き網等を使用して焼いた魚肉など、冷凍や未加熱状態の魚肉に加熱を施すことにより魚肉中の蛋白質を変性させたものを示す。このような加熱処理済みの魚肉が得られるのであれば、加熱方法および条件は特に限定されないが、例えば、まいわしをボイルする場合、まいわし1尾(約100g)を三枚におろした身を、95〜100℃のお湯で3〜5分間ボイルしたものを使用すればよい。この時、加熱処理済みの魚肉は、平均が1mm〜3mm、好ましくは2mm〜3mm程度の大きさを有する略固形状とすることが好ましい。
【0020】
本発明で用いられる材料魚肉は、加熱処理済みの魚肉30〜85重量%、好ましくは50〜85重量%、特に好ましくは60〜80重量%と、未加熱魚肉70〜15重量%、好ましくは50〜15重量%、特に好ましくは40〜20重量%とからなる。加熱処理済み魚肉の使用量が上記範囲を超えると、魚肉だんごの口腔内での崩壊性は向上するが、混練物の粘性が充分に得られず、団子状に成形することが困難になる傾向がある。一方、加熱処理済み魚肉の使用量が上記範囲よりも低いと、加熱処理済み魚肉配合の効果が充分に得られないことがあり、魚肉だんごの口腔内での崩壊性が低下する傾向にある。
【0021】
なお、配合するに当っては、未加熱魚肉を予め澱粉や他の調味料等と混ぜ合わせながら略ペースト状となる程度に裁断し、その中に予め略固形状に裁断された加熱処理済みの魚肉を投入し混練することが好ましい。このように未加熱魚肉よりも加熱処理済み魚肉を大きなサイズとすることで、だんご形状を構成しやすくなるとともに、口腔内における崩壊性を確保することができる。
【0022】
また、使用される原料魚肉における脂質が多くなるほど、口腔内において分解しやすい傾向が見られることから、原料脂質が5%以上、好ましくは7%以上の原料魚肉を使用することが好ましい。
【0023】
上記のような材料魚肉は、魚肉だんご全体を100重量部とした場合、50〜90重量部、好ましくは60〜85重量部、特に好ましくは65〜85重量部の量で用いられる。上記の範囲で材料魚肉が用いられることにより、栄養、風味および食感に優れ、適度な固さおよび弾性を有する魚肉だんごを得ることができる。
【0024】
本発明で用いられる澱粉としては、一般的に用いられる澱粉であれば適宜用いることができ、例えば、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、コーンスターチ、小麦澱粉、くず澱粉、かたくり澱粉、わらび澱粉、タピオカ澱粉などが挙げられる。また、このような澱粉以外にも、食品添加物として指定されている増粘剤やゲル化剤など、いわゆる「つなぎ」として作用するものであれば、上記澱粉の代わりに、または、上記澱粉と併用して用いてもよい。
【0025】
上記のような澱粉は、魚肉だんご全体を100重量部とした場合、0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部、特に好ましくは1〜8重量部の量で用いられる。澱粉
の配合量が上記範囲にあることにより、適度な固さおよび弾性を有する魚肉だんごを得ることができる。なお、澱粉の配合量を低減することにより、だんごの固さおよび弾性が低減し、口腔内での崩壊性が向上するが、つなぎとしての作用が低くなり、良好な形状に成形することが困難になる傾向にある。
【0026】
本発明で用いられる調味料としては、食塩、砂糖、醤油など一般的に用いられる調味料であれば、適宜用いることができるが、離乳食として用いる場合には、塩分の量を少なくすることなどの配慮が必要である。
【0027】
このように調味料の配合量は、味だけでなく、種々の状況を勘案して調整する必要がある。例えば、レトルト食品がスープやあんかけなどとされた場合であって、レトルト食品における他の調理品の味付けが濃いときには、魚肉だんごに最低限の調味料のみを配合すればよく、また、醤油等に浸すなど、出来上がった魚肉だんごの表面に後から調味料を加えてもよい。
【0028】
したがって、魚肉だんごに配合する調味料の量は特に限定されるものではないが、通常、魚肉だんご100重量部に対して、調味料全体で0.01〜5重量部程度であり、個々の調味料に対する規格等があればその範囲内で用いればよい。
【0029】
本発明の魚肉だんごには、必要に応じて他の食材を配合させてもよい。このような他の食材としては、一般的な魚肉を使用しただんご等に用いられている食材であれば、適宜用いることができる。例えば、魚肉のくさみを低減する効果を有する生姜やたまねぎ、卵黄などの風味材料を用いてもよく、澱粉とともにつなぎの役割を果たす鶏卵などを用いてもよい。また、上記たまねぎ等の固形物を粉砕したものは、風味材料としての効果だけではなく、魚肉だんご内に粒子状で分散されることにより、その部分からの崩壊を促し、口腔内での崩壊性を向上させる効果を有しているとも考えられるため、好ましく用いられる。さらに、栄養面や味などを考慮して、他の魚介類、肉、野菜などを用いてもよい。
【0030】
このように、必要に応じて上記のような他の食材を配合させることにより、魚肉だんごの風味、栄養バランス、食感、崩壊性などを向上させることができる。このような他の食材は、本発明の目的を損なわない範囲において、単独でまたは2種以上を併用して配合することができるが、通常、魚肉だんご100重量部に対して1〜40重量部、好ましくは5〜30重量部の範囲で用いられる。
【0031】
本発明に係る魚肉だんごは、上記加熱処理魚肉および未加熱魚肉からなる材料魚肉と、澱粉と、必要に応じて調味料と、他の食材とを、上記範囲の量で混練した後、団子状に成形して加熱処理ことにより製造することができる。この時、予め澱粉と共に未加熱魚肉を略ペースト状となるまで細かく裁断した中に、固形状が残る適切な大きさとされた加熱処理魚肉と、必要に応じて他の食材とを投入して混ぜ合わせることが好ましい。
【0032】
上記混練は、均一に分散するまで行われる。この際、混練物の粘度が高くなりすぎるようであれば、適宜水等を添加してもよい。また、各材料を混練する際に、加熱処理を施した魚肉を、ミキサーなどを用いて予め略固形状を残した状態にしておくことが好ましい。このようにすることで、より均一に加熱処理済みの魚肉を分散させることができるとともに、混練物の粘性の上昇を抑制することができる。同様に、たまねぎ等の他の材料についても適宜前処理しておくことが好ましい。
【0033】
上記のようにして得られた混練物を団子状に成形する。このときの大きさとしては、離乳後期の幼児が一口で食べられる魚肉だんご入りの離乳食として用いる場合には、通常、直径が5〜12mm、好ましくは8〜10mm程度の球状とすることが望ましい。上記範
囲よりも大きいと離乳期の幼児が一口では咀しゃくできないことがあり、上記範囲よりも小さいと、満足した食感が得られないことがある。なお、母親等の介助者によって摂食する場合や、幼児が自ら食具を使用して小さなサイズに切り分けながら食べられる場合用として、扁平形状よりなる所謂ハンバーグ形状とされた魚肉だんご形状としてもよい。
【0034】
このようなだんご状成形物を加熱処理することにより、魚肉だんごが得られる。加熱処理方法および条件は、団子状成形物の大きさなどによっても異なるが、例えば、離乳後期の離乳食として上記範囲の大きさのものを用いて茹でる場合には、加圧無しの状況下において95〜100℃のお湯で1〜5分間程度ボイルすればよい。なお、後述するように、魚肉だんごを含む調理品をレトルト加工する場合には、加熱処理が行われるため、レトルト加工前に魚肉だんごを完全に加熱処理しきるのではなく、加熱時間を短縮して、ある程度加熱した状態に半調理された魚肉だんごを含む調理品をそのままレトルト加工してもよい。
【0035】
上記のようにして得られた魚肉だんごを離乳食として用いる場合、魚肉だんごと液汁のみでレトルト食品を構成するよりも、たとえば、野菜のあんかけなど、他の食材と組み合わされた状態にして用いたほうが、より栄養バランスに優れたものとなる。つまり、レトルト食品の食材として、魚肉だんご以外の魚肉や畜肉だけでなく、人参やキャベツ、白菜、ねぎ、ごぼう、ピーマン、馬鈴薯、たまねぎ、枝豆、椎茸等の野菜や、こんにゃく、豆腐、春雨等の具材などを、食塩や砂糖、しょうゆ、みそ、酒、みりん、魚醤等の調味料、カルシウム等の栄養補強成分などと共にレトルト処理を行うことが好ましい。
【0036】
本発明に係るレトルト食品は、上記のようにして得られたいわしだんごを含む調理品もしくは半調理品をレトルト加工したものである。
レトルト加工は、上記魚肉だんごや他の食材、液汁等を含む調理品もしくは半調理品を袋状のパウチや成形カップ、成形トレイ等に充填し、密封シールした後加圧下において、100〜150℃、好ましくは110〜130℃の範囲で加熱処理を行う。加熱時間は、5〜120分、好ましくは30〜90分である。この時、F0値を少なくとも10分以上
、好ましくは20分以上としている。
【0037】
このレトルト処理は、専用のレトルト加工用加熱機器を使用してもよいが、熱水シャワー式殺菌機、熱水式殺菌機、蒸気式殺菌機等のもので、静置式や回転式の殺菌機を用いることができる。特に、食材中の熱伝導率が良好である回転式高圧殺菌機が好ましく用いられる。
【0038】
本工程を経ることにより、微生物の殺菌処理が行われるとともに、半調理品を完全に加熱処理することができる。
上記のようにして得られる魚肉だんごを含むレトルト食品は、栄養面に優れており、魚肉だんごが口腔内で崩壊しやすいため、離乳食として好適に用いることができる。
【0039】
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されることはない。
【0040】
[実施例1]
頭、尾、骨などを除去した生いわし100gを、95℃、5リットルのお湯で3分間ボイルし、ミキサーを使用して平均で2mm程度の大きさになるよう裁断した。この加熱処理され、裁断された魚肉であるボイルいわし59重量部を、1mm程度にみじん切りにしたたまねぎ15重量部とともに、予め頭などを除去した未加熱魚肉である生いわし20重量部、馬鈴薯澱粉2.0重量部、卵黄粉末2.0重量部、生姜ペースト1.0重量部、食
塩0.5重量部および砂糖0.5重量部をミキサーでペースト状とした中に投入し、ミキサーで均一に分散するまで混練した後、直径10mm程度の団子状に成形した。この団子状成形物30個を、95℃、5リットルのお湯で3分間ボイルすることにより、つみれ状のいわしだんごが得られた。
【0041】
得られたいわしだんご10重量部を、他の具材となる人参10重量部、馬鈴薯10重量部、枝豆5重量部、液汁となる醤油1.5重量部、食塩0.1重量部、馬鈴薯澱粉4.5重量部、水58.9重量部とともに、レトルトパウチに密封し、熱水シャワー式殺菌機を使用して、加圧下において125℃の加熱を行い、いわしだんご汁となるレトルト食品を得た。この時のF0値は約40分だった。
【0042】
得られたレトルト食品を沸騰したお湯に投下し、5分間加温したものは、食品として美味しく、味覚的にも優れたものだった。さらに、このレトルト食品からいわしだんごを取り出し、いわしだんごの食感および口腔内での崩壊性について以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
【0043】
[評価基準]
(食感)
A:現行品(比較例3)と同様に優れている。
B:現行品よりも劣るが、許容範囲である。
C:現行品よりもかなり劣り、不合格である。
(崩壊性)
A:容易に崩壊し、喉詰まり防止効果が大きい。
B:現行品よりも崩壊しやすく、喉詰まり防止効果が期待できる。
C:現行品と同程度であり、喉詰まりが発生するおそれがある。
【0044】
[実施例2および比較例1〜3]
実施例1において、表1に示す配合量に変更した以外は、実施例1と同様にしていわしだんご入りレトルト食品を作製して、同様に評価した。評価結果を表1に示す。
【0045】
【表1】


【0046】
表1に示すように、ボイルいわしを用いることにより、いわしだんごの崩壊性を改善することができたが、ボイルいわしの配合量が多くなりすぎると、成形性および食感が低下する傾向が見られた。また、澱粉配合量を低減することにより、崩壊性が向上する傾向が見られた。
【出願人】 【識別番号】000112288
【氏名又は名称】ピジョン株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区神田富山町5番地1
【出願日】 平成16年3月26日(2004.3.26)
【代理人】 【識別番号】100081994
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 俊一郎

【識別番号】100103218
【弁理士】
【氏名又は名称】牧村 浩次

【識別番号】100107043
【弁理士】
【氏名又は名称】高畑 ちより

【識別番号】100110917
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 亨

【公開番号】 特開2005−270070(P2005−270070A)
【公開日】 平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願番号】 特願2004−92641(P2004−92641)