| 【発明の名称】 |
難固結性の風味調味料 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中 良彦 【住所又は居所】山口県周南市福川3丁目8番31号 株式会社シマヤ内
【氏名】乙藤 耕一 【住所又は居所】山口県周南市福川3丁目8番31号 株式会社シマヤ内
【氏名】木村 誠司 【住所又は居所】山口県周南市福川3丁目8番31号 株式会社シマヤ内
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| 【要約】 |
【課題】吸湿による固結を確実にしかも安価に抑制して、長期に亘って安定した品質を確保することができる難固結性の風味調味料を提供する。
【解決手段】風味調味料の原料の1つとして当たり前に配合されている糖類が、風味調味料の吸湿、固結の主原因であることを見いだし、これに伴って、風味調味料における糖類の配合量を0〜5重量%にした。この難固結性の風味調味料を、振り出し容器に充填して保存、使用する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 糖類の配合量を0〜5重量%にしたことを特徴とする難固結性の風味調味料。 【請求項2】 糖類を除去したことを特徴とする難固結性の風味調味料。 【請求項3】 粒子径が約100〜300μmの粉末状に成形した請求項1又は2記載の難固結性の風味調味料。 【請求項4】 鰹節の粉末又は抽出濃縮物を風味原料とした請求項1乃至3のいずれかに記載の難固結性の風味調味料。 【請求項5】 昆布の粉末又は抽出濃縮物を風味原料とした請求項1乃至3のいずれかに記載の難固結性の風味調味料。 【請求項6】 振り出し容器に充填した請求項1乃至5のいずれかに記載の難固結性の風味調味料。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、吸湿による固結を抑制した難固結性を有する風味調味料に関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、風味調味料は、鰹節、昆布、椎茸、煮干等の粉末又は抽出濃縮物を風味原料として、これに食塩、糖類、旨味調味料、たん白加水分解物、酵母エキス等を配合してなる粉末状若しくは顆粒状のものであって、簡単にだしを採るための調味料として各種料理に広く利用されている。 【0003】 このような風味調味料においては、吸湿し易いといった特徴があり、空気に触れるようにして一定時間放置すると、固結して使い物にならないといった問題があった。特に、空気との接触面積が大きくなる粉末状のものにおいては、顕著であった。 【0004】 そこで、このような風味調味料の固結による品質劣化を防止するために、例えば湿気を遮断するガスバリア性に優れた包装材に封入して保存したり、空気との接触面積を小さくするために比較的粒径の大きな顆粒状に成形するといった対策がなされている。 【0005】 また、例えば特許文献1〜3に開示されているように、各種の添加物を配合したり、製造工程を改良するといった固結抑制方法が提案されている。 【0006】 【特許文献1】特許第3027977号公報 【特許文献2】特開2003−47430号公報 【特許文献3】特開平8−33458号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、上記のようにガスバリア性に優れた包装材を使用する場合、包装材を開封しない限り、その内部の風味調味料は固結のない良好な状態で保存されるが、包装材を一旦開封すると、その効果は薄れてしまう。 【0008】 このため、包装材の開封後には、その内部の風味調味料をできるだけ使い切ることができるように、例えば所定分量に小分けした風味調味料を、複数の小袋状の包装材に封入して保存しており、生産コストが嵩むといった不具合があった。しかも、包装材にガスバリア性を持たせるために、その内部にアルミニウム膜等の金属膜をラミネートしていることが多く、使用済み包装材の処分に際して環境面に問題があった。 【0009】 また、風味調味料を比較的粒径の大きな顆粒状とする場合には、初期的には固結し難くなるものの、依然として十分な固結抑制効果は得られないといった不具合があった。 【0010】 さらに、上記特許文献に記載されている固結抑制方法を風味調味料に適用しても、添加物を配合したり、製造工程を改良することで、製造工程の煩雑化や生産コストの高騰を招くといった不具合があった。 【0011】 この発明は、上記の不具合を解消して、吸湿による固結を確実にしかも安価に抑制して、長期に亘って安定した品質を確保することができる難固結性の風味調味料の提供を目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0012】 この発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、従来より風味調味料の原料の1つとして当たり前に配合されている糖類が、風味調味料の吸湿、固結の主原因であることを見いだし、発明を完成するに至った。 【0013】 すなわち、この発明の難固結性の風味調味料は、糖類の配合量を0〜5重量%にしたことを特徴とする。具体的には、糖類を除去して、全く含有させないようにしている。 【0014】 また、上記の風味調味料は、粉末状のものであっても、顆粒状のものであっても良いが、具体的には、粒子径が約100〜300μmの粉末状に成形してある。 【0015】 さらに、鰹節の粉末又は抽出濃縮物を風味原料としたり、昆布の粉末又は抽出濃縮物を風味原料としている。 【0016】 また、上記の風味調味料を、振り出し容器に充填して保存、使用するようにしている。 【0017】 なお、この発明において、風味調味料とは、和風料理、洋風料理、中華風料理等の各種料理に使用する汁やスープに対して風味原料の香り及び味を付与するものであって、昆布や鰹節等の各種素材を使ってだしを採る代わりとなる、いわゆる「だしの素」と称されるものだけでなく、このような「だしの素」に各種料理に適した添加物を適宜配合して、水等に溶かすだけで各種料理における汁やスープとして使用可能なものまでも含んでいる。 【発明の効果】 【0018】 この発明の風味調味料においては、通常配合されていた糖類を除去若しくはその配合量を極力少なくするだけで、吸湿、固結の主原因を排除しており、吸湿による固結を確実にしかも安価に抑制して、長期に亘って安定した品質を確保することができる。 【0019】 また、粒子径が約100〜300μmの粉末状に成形することで、例えば顆粒状に成形するときと比べて、風味が良好で、同じ重量としたときの全体の表面積を増大させることができ、汁やスープ中において溶け易い風味調味料とすることができる。 【0020】 さらに、振り出し容器に充填すれば、従来のように複数の包装材に小分けして封入するときと比べて、生産コストを低減することができ、また風味調味料を無駄なく効率良く使用することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 以下、この発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この発明の一実施形態に係る難固結性の風味調味料は、風味原料、食塩、旨味調味料を適宜配合して、例えば粒子径が約100〜300μm、平均粒子径が約180μmの粉末状に成形されている。 【0022】 なお、この風味調味料は、粉末状に限らず、顆粒状であっても良い。顆粒状に成形した場合には、例えば粒子径が約550〜900μm、平均粒子径が約800μmとなる。 【0023】 風味原料としては、鰹節、鯖節、鯵節、鰯節、昆布、椎茸、煮干等の粉末又は抽出濃縮物が用いられている。このような風味原料は、風味調味料全体に対して約10〜15重量%の割合で配合されている。 【0024】 食塩は、風味調味料全体に対して約30〜40重量%の割合で配合されている。 【0025】 旨味調味料としては、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、有機酸及びその塩類が用いられている。アミノ酸系調味料としては、グルタミン酸ナトリウム、グルタミン酸、アラニン、グリシン、アスパラギン酸ナトリウム等が挙げられる。核酸系調味料としては、グアニル酸二ナトリウム、イノシン酸二ナトリウム等が挙げられる。有機酸及びその塩類としては、酢酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸等及びこれらの塩類が挙げられる。このような旨味調味料は、風味調味料全体に対して約35〜45重量%の割合で配合されている。 【0026】 そして、この風味調味料においては、一般的に増量剤や賦形剤として約30重量%の割合で配合されているグラニュー糖、ぶどう糖、果糖、乳糖等の糖類が、除去されて配合されていない。このように、糖類を除くようにしたのは、風味調味料の配合成分のうち、糖類が吸湿性に大きな影響を与えることをつきとめ、糖類の配合量を極力減らすことで固結に至るまでの時間が飛躍的に伸びて、極めて固結し難くなることが実験により判明したからである。 【0027】 なお、糖類については、必ずしも完全に除去する必要はなく、風味調味料全体に対して5重量%以下の割合で配合させるようにしても良い。糖類の配合量が5重量%以下であれば、吸湿性にさほど影響を与えることもなく、風味調味料の固結を十分に抑制することができるからである。また、このように糖質を除去或いはその配合量を極端に減らしても、甘味等を含めた風味に何ら影響を与えるものではない。 【0028】 このようにして構成されている風味調味料(1)においては、空気に触れさせても吸湿し難く、固結を十分に抑えることができるので、図1に示すように、例えば開放型容器であるガラス製の振り出し容器(2)に充填して保存、使用することができる。 【0029】 これにより、従来のように複数の小袋状の包装材に小分けして封入するときと比べて、生産コストを低減することができる。また、複数の包装材に小分けして封入している場合には、開封後の使用に際して、包装材内の風味調味料の量と実際の使用量とが異なって、風味調味料が中途半端に残ってしまうことがあるが、振り出し容器(2)に充填することで、風味調味料を無駄なく効率良く使用することができる。しかも、振り出し容器(2)の振り出し口を湯気にかざしても、風味調味料(1)が固まって振り出し口を塞ぐといった不具合も生じず、使い勝手を向上することができる。 【0030】 なお、振り出し容器の材質は、ガラス製に限らず、例えば合成樹脂製や金属製、紙製であっても良い。また、振り出し容器を使用して風味調味料を保存するだけでなく、アルミニウム膜等をラミネートせずにガスバリア対策を施していない通常のビニール袋や紙袋等の包装材に充填して保存するようにしても良い。この場合、生産コストを低減することができるだけでなく、アルミニウム膜等のラミネートを廃止して環境面にも配慮することができる。さらに、アルミニウム膜等をラミネートせずにガスバリア対策を施していない小袋状の包装材に小分けして封入しても良い。 【0031】 なお、この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。 【実施例】 【0032】 この発明に係る難固結性の風味調味料の吸湿性能を実験により確認した。実験に際しては、5種類の風味調味料の試料を用意した。 【0033】 第1〜第3の試料は、比較例となる風味調味料の試料である。このうち第1の試料(比較例1)は、風味原料を約10重量%、食塩を約30重量%、糖類を約30重量%、旨味調味料を約30重量%配合した粉末状のものである。 【0034】 第2の試料(比較例2)は、風味原料を約10重量%、食塩を約30重量%、糖類を約25重量%、旨味調味料を約35重量%、たん白加水分解物及び酵母エキスを約1重量%配合した顆粒状のものである。 【0035】 第3の試料(比較例3)は、風味原料を約5重量%、食塩を約35重量%、糖類を約20重量%、旨味調味料を約40重量%配合した顆粒状のものである。 【0036】 一方、第4及び第5の試料は、この発明に係る難固結性の風味調味料の試料である。このうち第4の試料(実施例1)は、鰹節の粉末又は抽出濃縮物である風味原料を約15重量%、食塩を約40重量%、糖類を0重量%、旨味調味料を約45重量%配合した鰹風味の粉末状のものである。 【0037】 第5の試料(実施例2)は、昆布の粉末又は抽出濃縮物である風味原料を約15重量%、食塩を約40重量%、糖類を0重量%、旨味調味料を約45重量%配合した昆布風味の粉末状のものである。 【0038】 なお、粉末状の第1の試料(比較例1)、第4の試料(実施例1)及び第5の試料(実施例2)においては、その粒子径が約100〜300μm、平均粒子径が約180μmとなっており、顆粒状の第2の試料(比較例2)及び第3の試料(比較例3)は、粒子径が約550〜900μm、平均粒子径が約800μmとなっている。 【0039】 そして、各試料10gを、シャーレ(ペトリ皿)にそれぞれ均一高さになるように広げて、温度34℃で相対湿度70%の環境にある恒温恒湿槽に開放状態で放置する。経時的に試料の重量を測定し、重量増加率を調べた。 【0040】 図2乃至図4は、実験結果を示している。この実験結果からも明らかなように、比較例1乃至3においては、実験開始から重量が大きく増加し、そのすべてが実験開始から約150時間経過するまでの間に溶解に至る。これに対して、実施例1及び2においては、重量が大きく増加することはなく、溶解に至るまでに約500〜550時間を要する。 【0041】 すなわち、比較例1乃至3では、活発な吸湿が行われて短時間で固結してしまうが、実施例1及び2では、吸湿し難く固結に至るまでの時間が長くなり、比較例1乃至3と比べて品質保持期間が格段に延びることが判る。 【図面の簡単な説明】 【0042】 【図1】この発明の一実施形態に係る風味調味料を振り出し容器に充填した状態を示す斜視図である。 【図2】実験結果を示す図である。 【図3】実験結果を示す図である。 【図4】実験結果を示す図である。 【符号の説明】 【0043】 (1) 風味調味料 (2) 振り出し容器
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| 【出願人】 |
【識別番号】391022887 【氏名又は名称】株式会社シマヤ 【住所又は居所】山口県周南市福川3丁目8−31
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| 【出願日】 |
平成16年3月26日(2004.3.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082278 【弁理士】 【氏名又は名称】樽本 久幸
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| 【公開番号】 |
特開2005−270058(P2005−270058A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月6日(2005.10.6) |
| 【出願番号】 |
特願2004−91803(P2004−91803) |
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