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【発明の名称】 麺類とその製造方法
【発明者】 【氏名】前川 忠雄

【要約】 【課題】麺類の原料粉類に混ぜる水の代替物として、ペースト状玉ねぎ粉砕物を使用することにより、玉ねぎが有する栄養的特性を含有しつつ、かつ従来品よりも美味であり、併せて玉ねぎの利用方法を拡大させることができる麺類とその製造方法を提供する。

【解決手段】表皮、根及び茎葉を除去した玉ねぎを荒切りにし、ミキサー等で破砕した後、繊維質が指で触っても感知できない程度になるまでジュースミキサー等を用いて攪拌・破砕して製造されるペースト状玉ねぎ粉砕物を、原料粉類に混合・攪拌した後、常法により麺類を製造する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
麺類の原料粉類に、ペースト状玉ねぎ粉砕物を含有することを特徴とする麺類。
【請求項2】
請求項1に記載のペースト状玉ねぎ粉砕物は、
表皮、根及び茎葉を除去した玉ねぎを荒切りにし、ミキサー等で破砕した後、繊維質が指で触っても感知できない程度になるまでジュースミキサー等を用いて攪拌・破砕し、塩を若干添加して製造されることを特徴とする麺類。
【請求項3】
麺類の原料粉類と、
表皮、根及び茎葉を除去した玉ねぎを荒切りにし、ミキサー等で破砕した後、繊維質が指で触っても感知できない程度になるまでジュースミキサー等を用いて攪拌・破砕し、塩を若干添加して製造されたペースト状玉ねぎ粉砕物とを
混合・攪拌した後、
常法により麺とすることを特徴とする麺類の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載のペースト状玉ねぎ粉砕物は、
原料粉類350〜450グラムに対し140〜220グラムの割合で混合・攪拌されることを特徴とする麺類の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、玉ねぎを含有する麺類とその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、うどん、パスタ、ラーメン、ぎょうざの皮、そばなど(以下、麺類と称する)は、小麦粉あるいはそば粉等の原料粉類に水を添加して製造されている。
【0003】
特許文献1は、そばの麺とその製造方法に関するものである。ここではそば粉に添加する加水液の材料に、みじん切りにした玉ねぎを使用している。つまり、玉ねぎをみじん切りにして少量のにんにくをすり下ろしたものを混ぜ、水を加えて煮て得られた液を濾過した後冷却し、これにすり下ろした山芋を添加したものを加水液として使用している。
【0004】
特許文献2は、液状化玉ねぎの製造方法に関するものであるが、その利用方法は飲用あるいは様々な食品へ添加するというものであり、麺類製造に利用する材料として玉ねぎを使用したものではない。
【特許文献1】特開2000−032936
【特許文献2】特開2004−033022
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術には、下記のような問題点を指摘することができる。
玉ねぎは、一般的な調理方法により広く食材に使用されている他、健康上極めて有益な成分、すなわち糖質、硫化アリル、リン、カリウム、ビタミンB1、食物繊維等を多く含有している。そのため、粉状あるいは粒状の加工品等が健康補助食品として多数提供されている。
【0006】
しかし、健康上有益であるにも関わらず、玉ねぎはその独特な辛みや刺激が嫌われ、生のままでは好んで食されない場合が多い。
【0007】
一方、玉ねぎの生産者においては、玉ねぎを一般食材用として出荷するにあたり、規格外あるいは形状不良等の理由から、自家用ないし廃棄処分せざるを得ない、あるいは、近年増加している安価な輸入品の影響により、規格品でも相場の状況によってはやむを得ず一部を廃棄処分にする等の状況が発生している。そのため、国内生産者の収益性が悪化しているといった問題点も挙げられる。
【0008】
本発明は、以上のような現況に鑑み、玉ねぎが有する栄養的特性を含有しつつ、かつ美味な麺類とその製造方法を提供し、併せて玉ねぎの利用方法を拡大させることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上述の問題を解決すべく、以下の構成を提供する。
請求項1に係る麺類は、原料粉類に、ペースト状玉ねぎ粉砕物を含有することを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る麺類は、表皮、根及び茎葉を除去した玉ねぎを荒切りにし、ミキサー等で破砕した後、繊維質が指で触っても感知できない程度になるまでジュースミキサー等を用いて攪拌・破砕し、塩を若干添加して製造されるペースト状玉ねぎ粉砕物を含有することを特徴とする。ここにいう「若干」とは、玉ねぎの甘さ辛さに至らない程度、即ち自然食品が本来持つ臭みや癖等をなくす程度の塩量である。
【0011】
請求項3に係る麺類の製造方法は、麺類の原料粉類と、表皮、根及び茎葉を除去した玉ねぎを荒切りにし、ミキサー等で破砕した後、繊維質が指で触っても感知できない程度になるまでジュースミキサー等を用いて攪拌・破砕し、塩を若干添加して製造されたペースト状玉ねぎ粉砕物とを混合・攪拌した後、常法により麺とすることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る麺類の製造方法は、該ペースト状玉ねぎ粉砕物を、原料粉類350〜450グラムに対し140〜220グラムの割合で混合・攪拌することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上の通り、本発明による麺類及びその製造方法は、玉ねぎの栄養成分を麺類に含有しているため、麺類を優れた健康食品とすることができる。
【0014】
また、本発明による麺類は、麺を蒸すあるいは茹で上げる際の加熱により、生玉ねぎに含有される硫化アリル独特の辛みと刺激が全くなくなると共に、それが甘味に変化し、その結果、麺類を仕上げて食する時点では、玉ねぎの使用感は全く感知不可能な状態となる。しかも甘味が加わるので、従来のような水で捏ね上げた麺類より美味であり、また玉ねぎの優れた成分により健康増進効果を高めることができる。
【0015】
一方、本発明では玉ねぎは、その繊維質が感知できない程度まで粉砕したものを使用するため、形状の優劣は問題にならず、規格外の屑玉ねぎでも何等支障なく使用できる。そのため、玉ねぎの有効利用にも大きく貢献することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、実施の形態の詳細を説明する。
・第1工程
玉ねぎの茶色の表皮、根、茎葉を除去した後、荒切りする。
・第2工程
第1工程を経た玉ねぎを、ミキサー等で細かく破砕した後、繊維質が指で触っても感知できない程度までジュースミキサー等を用いて充分攪拌・破砕する。これにより、玉ねぎは自身が含有する水分によりペースト状になる。攪拌・破砕されることにより、微細な固形物を含んだペースト状粉砕物となった玉ねぎには濾過等の処理は行わないため、玉ねぎの重量は目減りせず、同時に玉ねぎの含有成分を損うことなく使用することができる。
・第3工程
第2工程を経たペースト状玉ねぎ粉砕物に、塩を若干添加する。次いで、ペースト状玉ねぎ粉砕物を原料粉類に混合する。しかし、原料粉類に混合する前、塩を添加した時点でペースト状玉ねぎ粉砕物を鍋等で加熱してもよい。それは、玉ねぎの辛みや刺激の原因物質である硫化アリルを甘味に変化させるためである。その場合は、沸騰後、完全に冷却する前に原料粉類に混合する。
・第4工程
原料粉類と、非加熱あるいは加熱処理済みのペースト状玉ねぎ粉砕物との混合比は、玉ねぎの含有水分にもよるが、原料粉類350〜450グラムに対し140〜220グラム、最も好適には原料粉類400グラムに対し150〜200グラムである。尚、ラーメンの場合は、通常、原料粉類である小麦粉に1〜2%程度の液体あるいは粉状の鹹水を添加して製造するが、この場合でも、ペースト状玉ねぎ粉砕物は他の麺類の場合と同比率で混ぜ合わせて良い。
【0017】
その後の処理及び調理方法は、従来方法に準じる。即ち、製麺機で麺状に仕上げる、あるいは手打ち麺にする等の方法であり、その後蒸すあるいは茹で上げる。原料粉類に混合したペースト状玉ねぎ粉砕物が非加熱であっても、この時の加熱により硫化アリルの辛みや刺激は甘味に変化する。
【0018】
以上のように、加熱により硫化アリルが甘味に変化することにより、本発明品の麺は従来品より美味になる。また、玉ねぎの含有成分により健康増進効果も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る麺類の製造工程を概略的に示すフローチャート図である。
【出願人】 【識別番号】597110685
【氏名又は名称】前川 忠雄
【出願日】 平成16年3月26日(2004.3.26)
【代理人】 【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎

【識別番号】100069176
【弁理士】
【氏名又は名称】川成 靖夫

【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子

【識別番号】100111604
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 卓也

【公開番号】 特開2005−270050(P2005−270050A)
【公開日】 平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願番号】 特願2004−91243(P2004−91243)