| 【発明の名称】 |
膨化米及びその製造法 |
| 【発明者】 |
【氏名】水谷 朋子 【住所又は居所】千葉県野田市野田250番地キッコーマン株式会社内
【氏名】河村 晴美 【住所又は居所】千葉県野田市野田250番地キッコーマン株式会社内
【氏名】高久 智之 【住所又は居所】千葉県野田市野田250番地キッコーマン株式会社内
【氏名】山本 哲夫 【住所又は居所】千葉県野田市野田250番地キッコーマン株式会社内
【氏名】中嶋 康彦 【住所又は居所】千葉県野田市野田250番地キッコーマン株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】膨化度2〜5倍、嵩比重0.20〜0.35g/mlである膨化米を得ること、また熱湯に数分間浸漬するだけで通常の炊飯米と同様な食味食感を有する膨化米を得ること、また1.03E+06〜1.64E+06 dyn/cm2(1粒測定 90%圧縮時)である膨化米を得ること。
【解決手段】精白米を加圧加熱ガスの存在下で数秒間加圧加熱した後、より低圧下に急激に放出する膨化米の製造法において、該加圧加熱ガスとしてゲージ圧力が4〜7kg/cm2・G、温度が該圧力に対応する飽和水蒸気温度に比べ100〜120℃高い温度である過熱水蒸気を用いる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 膨化度2〜5倍、嵩比重0.20〜0.35g/mlである膨化米。 【請求項2】 精白米を加圧加熱ガスの存在下で数秒間加圧加熱した後、より低圧下に急激に放出する膨化米の製造法において、該加圧加熱ガスとしてゲージ圧力が4〜7kg/cm2・G、温度が該圧力に対応する飽和水蒸気温度に比べ100〜120℃高い温度である過熱水蒸気を用いることを特徴とする膨化米の製造法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、熱湯に数分間浸漬するだけで通常の炊飯米と同様な食味食感を有する膨化米及びその製造法に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、膨化食品、とくに膨化米を製造する方法として、精白米を3〜15kg/cm2・Gの加圧加熱ガスの存在下で数秒間加圧加熱した後、より低圧下に急激に放出する膨化米の製造法が知られている(特許文献1参照)。例えば、精白米を、細長い流路内を高速で流れる加圧加熱ガス(例えば3〜15kg/cm2・Gの加圧加熱ガス)の流れに乗せ流路の低壁面上に沈降滞留することのない程度の高速を以って数秒間、該流路内を流動させながら該ガスによって加熱し、加熱された該精白米を該ガスから分離して捕集し、その捕集された精白米をその周囲の少量のガスと共に急激により低圧気体中に放出して膨化させ、膨化米を得る方法が知られている。 また、その具体的な製造例として、精白米を気流温度220℃、気流圧力6kg/cm2・Gの高圧加熱ガスを用いて、滞留時間5秒処理し、膨化度8〜10倍の膨化米を得ることが知られている。 しかしここで得られる膨化米は、熱湯に数分間浸漬すると、速やかに吸水膨潤し、柔らかくなるが、麩を水で膨潤させたときのように歯応えの乏しいもので、通常の炊飯米と同様の食味食感を期待することはできない。 【特許文献1】特公昭46-34747号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 本発明は、熱湯に数分間浸漬するだけで通常の炊飯米と同様な食味食感を有する膨化米を得ることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0004】 本発明者らは、このような課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、精白米を加圧加熱ガスの存在下で数秒間加圧加熱した後、より低圧下に急激に放出する膨化米の製造法において、前記加圧加熱ガスとして、ゲージ圧力が4〜7kg/cm2・G、温度が該圧力に対応する飽和水蒸気温度に比べ100〜120℃高い温度の過熱水蒸気を採用するときは、膨化度2〜5倍、嵩比重0.20〜0.35g/mlである膨化米を得ること、またこの膨化米は、熱湯に数分間浸漬するだけで通常の炊飯米と同様な食味食感を有すること、またこのときの硬さは、1.03E+06〜1.64E+06 dyn/cm2(1粒測定 90%圧縮時)であることを知り、これらの知見に基づいて本発明を完成した。 【0005】 すなわち本発明は、膨化度2〜5倍、嵩比重0.20〜0.35g/mlである膨化米である。また、本発明は、精白米を加圧加熱ガスの存在下で数秒間加圧加熱した後、より低圧下に急激に放出する膨化米の製造法において、該加圧加熱ガスとしてゲージ圧力が4〜7kg/cm2・G、温度が該圧力に対応する飽和水蒸気温度に比べ100〜120℃高い温度である過熱水蒸気を用いることを特徴とする膨化米の製造法である。 【発明の効果】 【0006】 本発明によれば、熱湯に数分間浸漬するだけで通常の炊飯米と同様な食味食感を有する膨化米を得ることができる。すなわち、お湯で戻した時の硬さが1.03E+06〜1.64E+06 dyn/cm2(1粒測定 90%圧縮時)である膨化米を得ることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0007】 本発明において、精白米を過熱水蒸気の存在下で数秒間加圧加熱した後、より低圧下に急激に放出する手段は、従来公知の気流加熱方式による膨化食品製造方法またはこの方法に準じて行うことができる。例えば特公昭46-34747号に記載された方法に準じて行う。 【0008】 また本発明を実施する装置としては、従来公知の気流加熱方式による膨化食品製造装置、例えば特公昭46-34747号に記載された装置および特開2001-231490号に記載された装置などが挙げられる。 【0009】 本発明において、過熱水蒸気として、ゲージ圧力が4〜7kg/cm2・Gである過熱水蒸気を用いることは、極めて重要であって、ゲージ圧力が4kg/cm2・G未満であるときは、精白米の水分が水蒸気となりやすくなるため、白米が糊化して移送壁に付着したり、米粒同士が付着したりして配管をつまらせる危険性が増大する。 反対に、7kg/cm2・Gを超えると、過熱水蒸気温度を高く設定する必要があり、装置への負荷が高くなり、製造が困難となる。 【0010】 これに対し、過熱水蒸気として、ゲージ圧力が4〜7kg/cm2・Gである過熱水蒸気を用いるときは、精白米の水分が水蒸気となることを抑制できるため、白米の加熱管(流路)壁への付着を防止し、また米粒同士が結着を防止することができる。 【0011】 また、過熱水蒸気の温度を、ゲージ圧力が4〜7kg/cm2・Gに対応する飽和水蒸気温度に比べ100〜120℃高い値に設定すること(例えば、ゲージ圧力5kg/cm2・Gの場合、対応する圧力の飽和水蒸気の温度は158.1℃であるので、過熱水蒸気の温度はそれよりも100〜120℃高い温度、すなわち258.1〜278.1℃の範囲のいずれかの温度を採用すること)は非常に重要である。 【0012】 上記のゲージ圧力5kg/cm2・Gの場合、採用する過熱水蒸気の温度が258.1℃(飽和水蒸気温度+100℃)より低い温度では、膨化米は、嵩比重が0.20g/ml未満となり、熱湯に数分間浸漬すると、速やかに吸水膨潤し柔らかい飯米状になるが、その飯米は麩を水に漬け膨潤させたときのように全く歯ごたえのない食感となり、炊飯米と同様のものでなくなる欠点を有する。 また、飽和水蒸気の温度と過熱水蒸気の温度との差が100℃未満になると、原料中の水分が水蒸気になりやすくなり、白米が糊化して移送壁に付着したり、米粒同士が付着したりして配管を詰まらせる危険性が増大する。 【0013】 上記のゲージ圧力5kg/cm2・Gの場合であって、上記とは反対に、採用する過熱水蒸気の温度が278.1℃(飽和水蒸気温度+120℃)よりも高い温度になると、原料中の水分が圧縮水となる前に一部蒸発してしまい、充分な膨化度が得られない。その結果、嵩比重は0.35g/mlを超え、熱湯で戻した場合には吸水性が悪く、吸水しても硬い食感となってしまい、やはり良好な即席米を得ることはできない。 【0014】 これに対し、過熱水蒸気のゲージ圧力を4〜7kg/cm2・Gの範囲とし、過熱水蒸気の温度を該圧力に対応する飽和水蒸気温度に比べ100〜120℃高い値に設定するときは、膨化度2〜5倍、嵩比重0.20〜0.35g/mlである膨化米を得ることができる。なお滞留時間は、数秒、すなわち2〜8秒が好ましく、2〜4秒がより好ましい。 この膨化米は、熱湯に数分間浸漬するだけで通常の炊飯米と同様な食味食感、すなわち、お湯で戻した時の硬さが1.03E+06〜1.64E+06 dyn/cm2(1粒測定 90%圧縮時)である膨化米を得ることができる。 【実施例1】 【0015】 特開2001-231490号に記載された気流式加熱方式による膨化食品製造装置を用い、圧力4.5〜6.5kg/cm2・G、過熱水蒸気温度を255〜285℃、処理時間2〜4秒という条件で、加工度の異なる膨化米を調製した。 なお、比較のため、コントロールの炊飯米は、炊飯米にお湯を加えて攪拌し、3分間置いたものを評価した。 各膨化米及び炊飯米(コントロール)につき、膨化度、嵩比重、硬さ、お湯で戻した時の食感を評価した。結果を表1に示す。 【0016】 表1
【0017】 なお、膨化度、嵩比重、硬さの測定は以下の方法により求めた。 (1)膨化度=B/A A:容量200mlのメスシリンダーに精白米を採り、その重量を測定して求めた(ml/g)の値。 B:容量200mlのメスシリンダーに膨化米を採り、その重量を測定して求めた(ml/g)の値。 (2)嵩比重:容量200mlのメスシリンダーに各試料米を採り、その重量を測定し、(g/ml)の値を求めた。 (3)硬さの測定 各試料米5gを100mlの熱水で3分間戻した後、ガーゼろ過により水きりし、硬さ測定試料とした。物性測定装置テンシプレッサー(タケトモ電機製)を用い、各試料8サンプル以上、一粒ずつの硬さを測定した。測定時の圧縮率は、各試料の厚さの90%(高圧縮試験)とし、最大圧縮時の応力を硬さとした。 【0018】 表1の結果から、炊飯米(コントロール)の硬さは1.50E+06 (dyn/cm2)であって、官能評価では良好な評価が得られた。 これと比較して、嵩比重0.2(g/ml)未満のもの(比較品1)では、硬さが7.35E+05 (dyn/cm2)と低い値を示し、官能評価においても、お湯を戻して3分の時点で柔らかく麩をもどしたような食感となってしまい、炊飯米と同等とは言えない品質であった。 また、嵩比重0.35(g/ml)以上のもの(比較品2、3)では、硬さが2.15E+05 (dyn/cm2)、2.29E+05 (dyn/cm2)と高い値を示し、官能評価においても、お湯を戻して3分の時点で芯が残り硬いと評価され、やはり炊飯米と同等とは言えない品質であった。 一方、嵩比重0.2〜0.35 (g/ml)の範囲にある発明品1(嵩比重0.2240 g/ml)、発明品2(嵩比重0.3168 g/ml)では、硬さがそれぞれ1.30E+06 (dyn/cm2)、1.34E+06 (dyn/cm2)であって、コントロールの炊飯米に近い値を示した。 また、官能評価においても、お湯で戻して3分の時点で粒感、歯ごたえのある良好な食感と評価された。 【実施例2】 【0019】 特開2001-231490号に記載された気流式加熱方式による膨化食品製造装置を用い、圧力4.5〜6.5kg/cm2、過熱水蒸気温度を、各圧力下の飽和蒸気温度よりも95〜130℃高い温度に設定し、加工度の異なる膨化米を調製した。 過熱水蒸気温度と飽和蒸気温度の差により、できる膨化米の品質の違いを評価した。その結果を表2に示す。 【0020】 表2
【0021】 表2の結果から、過熱水蒸気温度と飽和蒸気温度との差が100℃未満の区分(比較例2〜5)は、膨化米の嵩比重は0.20g/ml未満となり、お湯で戻した時には短時間で麩を戻したような食感となってしまい、良好な膨化米を得ることは出来なかった。 また、過熱水蒸気温度と飽和蒸気温度との差が120℃を超える区分(比較例1)は、膨化米の嵩比重は0.35g/mlよりも大きくなり、お湯で戻したときには硬く芯の残る食感となり、やはり良好な膨化米を得ることは出来なかった。 一方、過熱水蒸気温度と飽和蒸気温度との差が100〜120℃の区分(本発明1〜4)は、膨化米の嵩比重は0.20〜0.35g/mlとなり、お湯で戻した時にも短時間で粒感のある良好な食感が得られ、時間経過後も良好な食感を保っていた。 【産業上の利用可能性】 【0022】 本発明の膨化米は、熱湯に数分間浸漬するだけで通常の炊飯米と同様な食味食感、すなわち、お湯で戻した時の硬さが1.03E+06〜1.64E+06 dyn/cm2(1粒測定 90%圧縮時)であるので、即席米としてばかりでなく、携帯食米、非常食米などに広範に利用可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004477 【氏名又は名称】キッコーマン株式会社 【住所又は居所】千葉県野田市野田250番地
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| 【出願日】 |
平成16年3月26日(2004.3.26) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100125542 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴木 英之
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| 【公開番号】 |
特開2005−270043(P2005−270043A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月6日(2005.10.6) |
| 【出願番号】 |
特願2004−90978(P2004−90978) |
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