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【発明の名称】 保存装置および保存方法
【発明者】 【氏名】池水 麦平
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内

【氏名】飯盛 杏子
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内

【要約】 【課題】内容物と容器とが接触してない部分においても抗菌性等の作用を示し、処理液を噴霧することによって菌が繁殖せず、容器や内容物を劣化させず、悪臭もない保存装置および保存方法を提供すること。

【解決手段】保存容器と、金属イオンを含有する液体を前記保存容器内に供給する手段とを含む保存装置であって、前記金属イオンを含有する液体は、液体に金属イオンを添加する手段によって生成され、霧状で前記保存容器内に供給される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保存容器と、金属イオンを含有する液体を前記保存容器内に供給する手段とを含む保存装置。
【請求項2】
前記金属イオンを含有する液体は、霧状で前記保存容器内に供給されることを特徴とする、請求項1に記載の保存装置。
【請求項3】
前記金属イオンを含有する液体は、液体に金属イオンを添加する手段によって生成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の保存装置。
【請求項4】
前記金属イオンは、金属電極を電気分解することにより得られる金属イオンであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の保存装置。
【請求項5】
前記金属イオンは、銀イオン、銅イオンまたは亜鉛イオンのいずれか、またはこれら2種以上の組み合わせであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の保存装置。
【請求項6】
前記液体を霧状で供給する手段は、超音波発生手段または音波発生手段であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の保存装置。
【請求項7】
温度調整手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の保存装置。
【請求項8】
金属イオンを含有する液体を生成するステップと、
被保存物を含有する保存容器内に、前記液体を霧状で供給するステップと、を含む保存方法。
【請求項9】
前記金属イオンを含有する液体を生成するステップは、液体に金属イオンを添加するステップであることを特徴とする、請求項8に記載の保存方法。
【請求項10】
前記金属イオンは、金属電極を電気分解することにより得られることを特徴とする、請求項8または9に記載の保存方法。
【請求項11】
前記金属イオンは、銀イオン、銅イオンまたは亜鉛イオンのいずれか、またはこれら2種以上の組み合わせであることを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の保存方法。
【請求項12】
前記液体を霧状で供給するステップは、超音波発生手段または音波発生手段によって行うことを特徴とする、請求項8〜11のいずれかに記載の保存方法。
【請求項13】
温度を調整するステップをさらに備えることを特徴とする、請求項8〜12のいずれかに記載の保存方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、金属イオンを含有する液体を用いて抗菌的に被保存物を保存する保存装置および保存方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品を長期間衛生的に保存する容器として、下記特許文献1に食品包装用の容器が開示されている。この容器によれば、容器それ自体に抗菌性を付与し、包装された食品の風味を害さないようにするために、板紙の表面に銀系抗菌剤を含む樹脂溶液を塗布したものである。また、下記特許文献2には、銀系の抗菌性を有する無機成分よりなる抗菌剤に白色粉末顔料を添加して経時的変色を起こさないようにした技術が開示されている。
【0003】
しかしながら、このような銀系の抗菌剤を担持した樹脂からなる保存容器では、保存すべき対象である内容物と容器とが接触している部分のみにおいて抗菌性等の作用を示すのみであり、接触していない部分についてはその作用・効果を十分に得ることができないという問題がある。さらに、当該内容物と容器との接触により、容器表面が汚染され、当該汚物により容器表面が被覆されて上記効果が達成されなくなる場合もあり、問題である。
【0004】
下記特許文献3には、水を噴霧して食品の乾燥を防止し、また食品の鮮度および外観を維持できるような保存装置を開示している。しかしながら、水を噴霧する場合、水分が多くなると内容物が腐敗しやすくなるばかりでなく、噴霧する水に菌が繁殖してしまい、すなわち、水を噴霧するとともに菌をばら撒いてしまい、さらに、噴霧した後には、装置内に残留した水の中で菌が繁殖していまい、装置の内部が衛生的でなくなるという問題がある。また、特許文献7には、溶存酸素量を制御した水に浸漬し、生鮮食品を保存するという方法があるが、この場合にも、菌が繁殖する可能性があり、衛生面での問題がある。
【0005】
下記特許文献4、5および6には、オゾン水、次亜塩素酸水などの殺菌作用を有する液体を生成し、当該液体により殺菌処理と鮮度保持を行う保存装置が開示されている。しかし、オゾン水や次亜塩素酸水を用いる場合、オゾンや次亜塩素酸が揮発すると、臭気が発生してしまい、食品の香りが害されて問題である。また、オゾンや次亜塩素酸は酸化作用を有し、当該酸化作用によって装置内の樹脂や金属が劣化し、さらに、装置内の内容物を酸化および/または漂白する問題もある。また、オゾンや次亜塩素酸が揮発して残された水中には、もはや殺菌作用を示さないので、抗菌剤として役割は果たさず、菌が繁殖してしまう可能性も高い。
【特許文献1】特開平10−305532号公報
【特許文献2】特開平10−140012号公報
【特許文献3】特開昭60−153782号公報
【特許文献4】特開2000−220949号公報
【特許文献5】特開2000−292052号公報
【特許文献6】特開2002−233302号公報
【特許文献7】特開平11−9186号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題を解決した新規な保存装置および保存方法を提供するものであり、その目的は、内容物と容器とが接触してない部分においても抗菌性等の作用を示し、処理液を噴霧することによって菌が繁殖せず、容器や内容物を劣化させず、悪臭もない保存装置および保存方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、保存容器と、金属イオンを含有する液体を前記保存容器内に供給する手段とを含む保存装置を提供する。
【0008】
好ましくは、金属イオンを含有する液体は、霧状で供給される。
【0009】
好ましくは、金属イオンを含有する液体は、液体に金属イオンを添加する手段によって生成される。
【0010】
好ましくは、金属イオンは、金属電極を電気分解することにより得られる金属イオンである。
【0011】
好ましくは、金属イオンは、銀イオン、銅イオンまたは亜鉛イオンのいずれか、またはこれら2種以上の組み合わせである。
【0012】
好ましくは、液体を霧状で供給する手段は、超音波発生手段または音波発生手段である。
【0013】
好ましくは、温度調整手段をさらに備える。
【0014】
本発明はまた、金属イオンを含有する液体を生成するステップと、被保存物を含有する保存容器内に、前記液体を霧状で供給するステップと、を含む保存方法を提供する。
【0015】
好ましくは、金属イオンを含有する液体を生成するステップは、液体に金属イオンを添加するステップである。
【0016】
好ましくは、金属イオンは、金属電極を電気分解することにより得られる。
【0017】
好ましくは、金属イオンは、銀イオン、銅イオンまたは亜鉛イオンのいずれか、またはこれら2種以上の組み合わせである。これらの金属イオンの中では、銀イオンが殺菌性に優れており好ましいが、温度や湿度などの関係でカビが発生しやすい条件下では、カビに効果が高い銅イオンや亜鉛イオンを使用したり、併用したりしてもよい。また、銀イオンの殺菌作用は、塩化物イオンに阻害され易いので、例えば、コストや保存対象などの面から液体として、海水や生理食塩水を使用する場合など、塩化物イオン濃度が高い条件下でも、銅イオンや亜鉛イオンを使用したり、併用したりしてもよい。
【0018】
好ましくは、液体を霧状で供給するステップは、超音波発生手段または音波発生手段によって行う。
【0019】
好ましくは、本発明の保存方法は、温度を調整するステップをさらに備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明の保存装置および保存方法によれば、内容物と容器とが接触してない部分においても抗菌性等の作用を示し、処理液を噴霧することによって菌が繁殖せず、容器や内容物を劣化させず、悪臭もない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、保存容器と、金属イオンを含有する液体を霧状で保存容器内に供給する手段とを含む保存装置を提供する。金属イオンを含有する液体を霧状で保存容器に供給することで、当該液体が保存の対象とする被保存物に全体的に接触することができるので、液体が有する抗菌性等の特性を被保存物全体に付与できる。したがって、容器のみに抗菌性を付与していた従来の技術において問題であった、被保存物と容器とが接触してない部分における抗菌性の欠如を解決できる。また、上記本発明における液体には金属イオンが含有されているので抗菌性を示し、当該液体を噴霧することによって菌が繁殖したりもしない。また、本発明における液体は、強い酸性や酸化性を示さないので、容器および/または被保存物と接触した場合においても容器や内容物を劣化させることもなく、しかも悪臭もない。
【0022】
以下、本発明の保存装置および保存方法について詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の保存装置を示す概略断面図である。図1において、保存装置1は、被保存物を設置し、かつ金属イオンを含有する液体をその中において拡散させるための保存容器5と、液体に金属イオンを供給するための金属イオン溶出ユニット3と、金属イオンを含有する液体を貯蔵するための貯液部4と、当該貯液部4に入る液体の量を調整するためのバルブ2と、前記貯液部4中に貯蔵された液体を霧状にするために貯液部4の下部に設けられた超音波発生部8と、霧状にされた金属含有液体を保存容器5の全体に拡散させるためのファン7と、保存容器5内の温度を調節するための温度調整部6とを備える。
【0024】
本発明の保存装置1は、保存容器5内に設置された貯液部4にバルブ2を介して金属イオン含有液体が供給され、当該貯液部4の下部に設けられた超音波発生部8により前記貯液部4中に貯蔵された金属含有液体が霧状にされ、ファン7による気流によって保存容器5内の全体に金属含有液体が拡散する。このとき温度調整部6により保存容器5内の温度を、被保存物に応じて適宜調節することができる。金属イオン溶出ユニット3は、図中の矢印の方向に流れる液体中に金属イオンを添加し、金属イオンを添加された液体は、バルブ2を介して貯液部4に貯蔵される。
【0025】
本発明において、液体は、被保存物に応じて適宜選択することができるが、被保存物が食料品の場合は、特に水が好ましい。液体が水の場合、水道などの水栓から水を供給することができる。また、本発明において、被保存物は、食品であるが、本発明の保存装置および保存方法によって得られる効果を享受する必要があるすべての物を対象としている。
【0026】
また、本発明において、図示しない水位センサやフロートスイッチなどを設けて、貯液部4の水位が霧化に好適な水位になるように、図示しない制御装置によりバルブ2の開閉を制御してもよい。
【0027】
また、本発明において、超音波発生手段である超音波発生部8は、超音波振動子を備え、当該振動子により超音波を発生させることができる。振動子によって、液体に波振動エネルギーを与え、液面に無数の毛細表面波をつくり、液体の表面張力を減少させ、液表面の分裂を行うことによって、液体を霧化(微粒化)することができる。また、霧化に関しては効周波数が高い方が効果的であるので、超音波に比べ、周波数が低い音波では効果的でないが、周波数を高くするには回路のコストや発熱などによる効率の低下の課題があるため、超音波発生手段ではなく、音波発生手段を設けても良い。また、超音波や音波の発生は、振動子によらなくてもよい。媒体を圧縮・膨張させるなどして、疎密波を作るものであればよく、ポンプ、ファンなどでもよい。
【0028】
また、本発明において、温度調整部6を保存容器5内に設け、当該保存容器5内部を冷却および/または加熱ができるようにする。これによって、被保存物を適切な温度で保存することができる。本発明のような、高湿度になることが多い保存容器5では、温度調整部6を備えると、保存容器5内や温度調整部6周辺や保存容器5内壁部などでの温度の不均一により、結露が生じ、菌やカビが発生することがあるが、金属イオン液を霧化する場合、金属イオンの抗菌作用によって、それを防ぐことができる。
【0029】
また、本発明において、温度調整部6による温度調節には、菌の繁殖を抑えるほど低温ではなく、殺菌効果があるほど高温でもない、10℃以上60℃未満程度の中温域に設定することが好ましい。当該温度にて保存すると、菌が繁殖しやすいという問題があるが、本発明の場合、金属イオンによって菌の繁殖が抑制されるので問題ない。特に、加熱調理後の食品の保管や、温かいおしぼりなどを、温かい状態で保管しておくのが好ましいものには、好適である。
【0030】
また、本発明において、温度調整部6は保存容器5内に設けたが、供給される液体の温度を調整し、それによって保存容器5内や被保存物の温度を調整してもよいし、保存容器5の壁面の温度を調整することによって温度調節してもよい。
【0031】
また、本発明において、図示しない排出口を保存容器5内に設け、余分な水分を当該排出口から排出できるようにしてもよい。
【0032】
次に、本発明の保存装置において、金属イオン溶出ユニット3について説明する。図2は、本発明における金属イオン溶出ユニットの概略斜視図である。容器3c中に2枚の電極3a、3bが配置されている。電極には、端子3d、3eがそれぞれ接続され、容器3cの外に突き出している。容器3c内に液体を流しながら、電極3d,3e間に電圧を印加し電流を流すと、金属イオンが流液中に溶出する。この時、金属イオンの溶出量は、電極3d,3e間を流れる電気量に比例しているので、供給される液体の流量または液体の使用量(噴霧量)などを考慮することで、安定した濃度の金属イオン水を得ることができる。また、電流値や通電時間を変更して、電気量を変化させることで、濃度を変化させることができる。
【0033】
金属イオン溶出ユニットとして、金属含有ゼオライトなどの金属イオン担持体から金属イオンを溶出するという方法もあるが、電気分解により金属イオンが溶出する電極を利用した金属イオン溶出ユニットを使用することで、金属イオンの溶出量が電気的に制御できるという利点がある。
【0034】
また、金属イオンを用いることで、金属イオンは耐熱性に優れ、揮発することもないので、本発明における保存容器から、被保存物を取り出した後も、抗菌作用を継続させることができる。また、保存容器の使用を中断した場合に、保存容器内に残液が残ったままになってしまった場合にも、抗菌効果が継続されるので、菌、カビなどの発生を抑えることができる。
【0035】
また、保存容器内に食物などが保存されている場合には、霧状の金属イオン液によって、湿度が保持されることで鮮度を保持するとともに、金属イオンによる殺菌作用で菌の繁殖を防ぐことにより腐敗を防止し、さらには野菜、果物などの植物に対してはエチレン作用阻害による鮮度保持効果もある。さらには、金属イオンには臭気もないため、不快な臭気も発生しないし、酸化作用もないため、材料を劣化させたり、内容物を漂白したりすることもない。
【0036】
本発明において、金属イオンとしては、銀イオンの殺菌作用が最も優れており、効果的であるが、特に抗菌作用がある点で好ましい。銀イオンを液中に発生させる場合には、電極としては銀電極を用いることができる。また、本発明において、銀イオン以外の金属イオン、たとえば、亜鉛イオンや銅イオンを用いてもよい。この場合、当該分野で公知の、これらの金属イオンを溶出可能な電極を用いることができる。また本発明において、銀イオン、銅イオン、亜鉛イオンや、ニッケルイオン、パラジウムイオン、白金イオン、ロジウムイオン、ルテニウムイオンなどには、エチレンによる植物の老化や鮮度低下を阻害する作用があるので、野菜、果物、生花などの植物の鮮度を保持するには、効果的である。
【0037】
金属イオン液は濃度が高い方がよい。本発明における被保存物、特に食品には、乾物など水の付着が望ましくないものもあり、その場合には、高濃度の金属イオン液を少量使用するのが望ましいからである。高濃度の金属イオン液を霧状にする手段としては、振動子などを用いた超音波発生による霧化が望ましい。スプレーノズルなどで霧化してもよいが、ノズルなどの場合、微細な液滴からなる霧を得るためには、ノズル径を小さくする必要がある。小さな径のノズルでは、高濃度の銀イオン水の場合、水質によっては、塩化銀などの析出物が発生することがあり、詰まりが生じる可能性がある。また、本発明において超音波発生部によって微細な液滴からなる霧を得ることで、霧が気流に運ばれやすくなり、保存容器内に行き渡りやすくなるという効果がある。そのため、振動子による霧化方式のように、微小な穴を通すことなく、微小な液体を生成することができる方法が、高い銀イオン濃度で、微細な液滴からなる霧を得ることができるので、望ましい。このような方法としては、他にも、例えばベンチュリー管による霧化法などがあり、同様の理由で、スプレーノズル式より望ましい。
【0038】
本発明において、液体の供給として、特に水の場合、水栓からの供給ではなく、貯液タンクなどを設けてそこから液体(水)を供給してもよい。その場合、図3に示すように、貯液タンク39中で菌が繁殖するのを防ぐため、貯液タンク39内に金属イオン溶出ユニット33を取り付けることが望ましい。なお、図3において、その他の部材は、図1に記載の構成と同一である。
【0039】
また、図4のように貯液部44に、イオン溶出ユニットを設けてもよい。そうすることで、電極に異物が付着した場合に、超音波または音波による振動で異物を落とすことができるという利点がある。
【0040】
本発明において、貯液部に供給されるのは、水が好ましいが、水でなくてもよい。水が入手性の点から望ましいが、殺菌効果を高めるためにアルコールなどを使用してもよい。また、水に他の物質を添加したものであってもよい。例えば、殺菌効果を高めるため、アルコールを加えてもよいし、鮮度保持効果を高めるため、ハーブ成分などの抗酸化作用がある物質を添加してもよいし、金属イオンの殺菌効果を高めるため、酸性の水溶液を使用してもよい。また、水が食品などに多量に付着すると、浸透圧で食品などに水が吸収されることがあるので、それを防ぐため生理食塩水などのように生体と浸透圧が近い水溶液を使用してもよい。ただし、塩化物イオンを多く含む水の場合、銀イオンは塩化物イオンの作用で殺菌作用が低下することがあるので、銅イオン、亜鉛イオンなどと併用する方がよい。
【0041】
本発明において、被保存物が液体に浸漬されて保存される手法を採用される場合、保存装置を図5に示すような構造にすることができる。図5において、保存容器5内に、金属イオン溶出ユニット53が設置され、上記保存容器55内には液体がバルブ52を介して供給され、被保存物が水に浸漬される程度まで液体が保存容器55内に充満されている。充満された液体には金属イオン溶出ユニット53より金属イオンが溶出されるようになる。当該装置において、液体の供給は、保存容器55内に図示しない水位センサやフロートスイッチを設けて、図示しない制御機構によりバルブ52の開閉を制御することができる。キャベツやレタスのような層状の葉物野菜に対して、全体に効果を及ぼしたい場合には、霧状のイオン水を噴霧するのに比べて、奥まで浸透しやすく有利である。
【0042】
図5の装置において、排水口を設けてもよい。そうすることで、保存終了後には金属イオン液を排出できる。あるいは、一定時間、金属イオン液に浸漬後、金属イオン液を排出して保存するようにすることもできるので、被保存物に金属イオン液を吸収させた後、液体に浸漬せずに保管することができ、長期間液体に浸すことで悪影響があるものの保存にはよい。
【0043】
本発明は上記の実施形態に限定されず、保存容器内において、液体の散布および液体への浸漬を繰り返しつつ保存する場合にも適用することができる。
【0044】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の保存装置および保存方法は、冷蔵庫、冷凍庫、倉庫などの機器、装置、施設に組み込んでもよいし、室内の全体または一部を本発明の保存装置としてもよい。また、保存のみが目的でなく、食品の調理や物品の加工などの何らかの処理を行う場合に、本発明の保存装置内で行い、加工中の品質の劣化を抑えたり、金属イオンによる抗菌効果の付与などを行ったりしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の保存装置の一形態を示す概略断面図である。
【図2】本発明における金属イオン溶出ユニットの概略斜視図である。
【図3】本発明の保存装置の一形態を示す概略断面図である。
【図4】本発明の保存装置の一形態を示す概略断面図である。
【図5】本発明の保存装置の一形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 保存装置、2,32,42,52 バルブ、3,33,43,53 金属イオン溶出ユニット、3a,3b 電極、3c 容器、3d,3e 端子、4,34,44 貯液部、5,35,45,55 保存容器、6,36,46 温度調整部、7,37,47 ファン、8,38,48 超音波発生部、39 貯液タンク。
【出願人】 【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号
【出願日】 平成16年3月24日(2004.3.24)
【代理人】 【識別番号】100064746
【弁理士】
【氏名又は名称】深見 久郎

【識別番号】100085132
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 俊雄

【識別番号】100083703
【弁理士】
【氏名又は名称】仲村 義平

【識別番号】100096781
【弁理士】
【氏名又は名称】堀井 豊

【識別番号】100098316
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 久登

【識別番号】100109162
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 將行

【公開番号】 特開2005−269967(P2005−269967A)
【公開日】 平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願番号】 特願2004−86771(P2004−86771)