| 【発明の名称】 |
黒酢飲料 |
| 【発明者】 |
【氏名】花井 康充
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| 【要約】 |
【課題】黒酢飲料において、黒酢独特の味のクセがマスキングされ、飲みやすく風味の良好な飲料を提供すること。
【解決手段】黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.005〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部含有し、黒酢由来の味のクセがマスキングされたことを特徴とする黒酢含有飲料。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.005〜1重量部含有し、黒酢由来の味のクセがマスキングされたことを特徴とする黒酢含有飲料。 【請求項2】 黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.01〜0.5重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の黒酢含有飲料。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、黒酢飲料に関し、詳しくは黒酢に由来する独特の味のクセがマスキングされた、飲みやすく風味の良好な黒酢含有飲料に関する。 【背景技術】 【0002】 黒酢とは、日本農林規格における定義によれば、原料として米(玄米のぬか層の全部を取り除いたものを除く)又はこれに小麦若しくは大麦を加えたもののみを原料として使用し、米の使用量が180g/L以上であるものを意味する。 その製造法に関しては、伝統的に行われている静置発酵法で発酵及び熟成して製造しても良いし、深部発酵法のような方法で製造しても良いとされる。このような製造過程における発酵及び熟成を経て、褐色又は黒褐色に着色されることから、一般的に黒酢と呼ばれている。 黒酢の一種としては、壷酢とも呼ばれる、鹿児島県の福山町などで醸造されている麹菌、乳酸菌、酵母、酢酸菌が並行して発酵する方式のものも知られている(例えば、非特許文献1参照)。 【0003】 このような黒酢は、一般に流通している食酢よりも、アミノ酸を多く含み、全窒素分の含量が高く、旨み成分を多く含有している他、血圧の降下作用による高血圧の改善などの生活習慣病の改善効果などの健康機能があるともされている。近年、黒酢の飲用要望が著しい高まりを見せており、実際に、水で希釈して飲用するための黒酢や、黒酢を原料とした飲料が市場に出ている。 しかし、黒酢を単に水で希釈して飲用しようとすると、食酢独特の酸味や刺激臭に加え、特に黒酢由来の味のクセが強く感じられるという問題があった。 【0004】 この黒酢由来の味のクセは、黒酢に含まれる全窒素分や、発酵や熟成過程で麹や乳酸菌等が産生する副産物等に由来すると推定されるものであり、具体的には、苦味や収斂味、えぐ味といった嫌味な独特の異味・不快味として感じられる味である。 【0005】 そこで、黒酢由来の味のクセを抑える技術の研究が進められており、例えば、ハチミツや果汁などの糖分が含まれたものを加えて酸味や刺激臭を和らげる工夫がなされたり、スクラロース等の高甘味度甘味料を用いて酸味・刺激臭を和らげる方法(例えば、特許文献1参照)が開発されている。 しかしながら、これらの技術では酸味や刺激臭を和らげることはできても、黒酢由来の味のクセを抑えることができていなかったことから、より飲みやすく風味の良好な黒酢飲料の開発が望まれている。 【0006】 一方、非還元性の2糖であるトレハロースの食酢飲料への利用については、上記スクラロースとは別に甘味剤としての使用を示唆する例(例えば、特許文献1参照)や、海藻類ミネラルを含有する飲料において醸造酢とトレハロースを含有させることを示唆する例(例えば、特許文献2参照)などがあるが、実際に黒酢飲料にトレハロースを添加した実例はなかった。 【0007】 また、トレハロースはお茶の不快フレーバーの改良例(例えば、特許文献3参照)やアミノ酸特有の風味(獣臭)を抑制する効果(例えば、特許文献4参照)などが知られているが、醸造酢にトレハロースを添加すると、酸味がむしろ強化されるとの事例が報告されている(例えば、非特許文献2参照)。 【0008】 【非特許文献1】「酢の科学」、朝倉書店、P.92−96、1990年 【非特許文献2】「月刊フードケミカル」、第13巻、第1号、p.57−62、1997年 【特許文献1】特開2002−335924号公報 【特許文献2】特開2000−125827号公報 【特許文献3】特開平6−311874号公報 【特許文献4】特開2000−4836号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 上記のように、黒酢飲料の開発において黒酢独特の味のクセのマスキングに成功した例は、未だ報告されていなかった。 そこで、本発明の目的は、黒酢飲料において、黒酢独特の味のクセがマスキングされ、飲みやすく風味の良好な飲料を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、醸造酢の場合には酸味が強化されてしまう、とされていたトレハロースを、黒酢飲料に特定の配合量で含有させると、驚くべきことに、黒酢特有の好ましい風味はそのままに、酸味や刺激臭を和らげることができることはもちろん、黒酢由来の味のクセをマスキングでき、従来得ることができなかったような飲みやすく風味の良好な黒酢飲料を開発することが可能になることを見出して、本発明を完成させることができた。 【0011】 すなわち、請求項1記載の本発明は、黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.005〜1重量部含有し、黒酢由来の味のクセがマスキングされたことを特徴とする黒酢含有飲料に関する。 また、請求項2記載の本発明は、黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.01〜0.5重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の黒酢含有飲料に関する。 【発明の効果】 【0012】 本発明によれば、黒酢特有の好ましい風味はそのままに、黒酢由来の味のクセがマスキングされた黒酢飲料が提供される。 本発明の黒酢飲料は、従来のものと比較してより飲みやすく風味が良好であることから、血圧の降下作用による高血圧の改善などの生活習慣病の改善効果など、黒酢の有する健康機能を発揮するものとして有用である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明において用いる黒酢とは、製造過程における発酵及び熟成を経て、褐色又は黒褐色に着色されるものを意味し、一般には、日本農林規格に従い、原料として米(玄米のぬか層の全部を取り除いたものを除く。)、又はこれに小麦若しくは大麦を加えたもののみを使用し、かつ米の使用量が180g/L以上のものと定義できる。 【0014】 その製造法に関しても、特に限定されず、例えば、伝統的に行われている静置発酵法で発酵及び熟成しても良いし、深部発酵法のような方法で発酵し熟成させたものであっても良く、鹿児島県の福山町などで醸造されている壷酢のように、麹菌、酵母、乳酸菌、酢酸菌が並行して発酵する方式のものでも良い。 具体的には例えば、原料となる玄米を洗浄、浸漬、蒸煮し、冷却後種麹と合わせ、玄米麹を製造する。この玄米麹を更に玄米と混合し、仕込みを行ない、アルコール発酵・酢酸発酵後、熟成して製造することができる。 【0015】 本発明の黒酢含有飲料は、上記黒酢に対して、トレハロースを特定割合で含有させることを特徴とする。 トレハロースとしては、一般に流通しているものを用いることができるが、中でも、98%以上含有の粉末タイプが好ましい。このようなトレハロースの具体例としては、商品名トレハ(林原製)などが挙げられる。 【0016】 本発明の黒酢含有飲料においては、黒酢由来の味のクセのマスキング効果の観点から、黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.005〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部含有させることが必要である。 黒酢1重量部に対してトレハロースが0.005重量部より少ないと、充分なマスキング効果が得られず好ましくない。また、黒酢1重量部に対してトレハロースを1重量部よりも多くしても、トレハロースによるマスキング効果は増強されず、従ってトレハロースの添加は無駄になるので好ましくない。なお、黒酢1重量部に対してトレハロースを0.01〜0.5重量部含有させることにより、より充分なマスキング効果が得られ、かつ飽和状態に達する心配がない。 【0017】 黒酢とトレハロースのそれぞれの配合量については、上記割合を逸脱しない限り特に限定されず、最終製品の特性や他成分とのバランスにより適宜選択すれば良い。 黒酢は、飲料全量に対して1〜10重量%であることが、風味の面から好ましい。黒酢の使用量が1重量%よりも少ないと、黒酢由来の健康機能が期待しにくいので好ましくなく、また、10重量%よりも多いと、黒酢由来の酢酸の酸味や刺激臭が強くなりすぎてしまうので、好ましくない。 一方、トレハロースは、飲料全量に対して0.01〜3重量%であることが、風味の面から好ましい。トレハロースの添加量が0.01重量%よりも少ないと、充分なマスキング効果が得られず、さらに3重量%を超えると、黒酢使用量との関係からも、マスキング効果が飽和となり黒酢特有の好ましい風味もマスキングされてしまい黒酢飲料としての特徴が弱くなってしまうと共に、トレハロース由来の甘味が強くなりすぎて味のバランスが崩れる点からも好ましくない。 【0018】 また、本発明の黒酢含有飲料には、副原料として各種の糖類や果汁、酸味料、甘味料、香料、ビタミン類、ミネラル類等を含んで良いことは言うまでもない。 具体的には、ショ糖、果糖ぶどう糖液糖、果糖、異性化糖等の糖類;リンゴ果汁、梅果汁、みかん果汁、ぶどう果汁等の果汁;クエン酸及びその塩類、リンゴ酸及びその塩類、グルコン酸及びその塩類、乳酸及びその塩類、コハク酸及びその塩類等の酸味料;スクラロース、アスパルテーム、ステビア、アセスルファムカリウム等の甘味料;ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンA等のビタミン類;リンゴ香料等の香料;カルシウム、鉄、亜鉛、マンガン等のミネラル類などを添加することが可能である。 【0019】 本発明の黒酢含有飲料の製造方法については、特に制限はなく、通常の食酢飲料の製法に準じて製造すれば良い。 具体的には、水に黒酢及びトレハロース、及び前述した副原料を適量だけ添加し混合溶解する。ここで、添加・混合する際の混合順序について、特に制限はない。 続いて、UHT殺菌機等を用いて高温加熱殺菌を行い、容器に充填、密封、冷却することにより最終製品を得ることができる。黒酢飲料を充填する容器は、ビン容器の他、紙、PET、缶等や、チアーパックのような軟包材等のいずれの容器でも良い。 このような本発明の黒酢含有飲料は、黒酢特有の好ましい風味はそのままに、黒酢由来の味のクセがマスキングされた飲料であって、飲みやすく風味の良好なものである。 【実施例】 【0020】 以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。 【0021】 実施例1(黒酢飲料の作製と評価) 表1に示す処方に従い、各成分を添加し混合溶解した後、ビン容器に詰め90℃まで達温、加熱殺菌を行った後、キャップにて密栓し、冷却して黒酢飲料を作製した。 尚、黒酢は、以下の手順により製造した。すなわち、原料となる玄米を洗浄、浸漬、蒸煮し、冷却後種麹と合わせ、玄米麹を製造する。この玄米麹を更に玄米と混合し、仕込みを行ない、アルコール発酵・酢酸発酵後、熟成して、最終的に黒酢を得た。 こうして作製した黒酢飲料を、官能評価パネラー20名で飲用し、黒酢由来の味のクセのマスキング効果を評価した。この評価結果を表1に示す。 なお、マスキング効果の評価は、下記の評価指標を用い、20名のパネラーの平均を評価結果とした。なお、マスキング効果の評価結果については、+++:非常にマスキングされている、++:マスキングされている、+:ややマスキングされている、及び、−:マスキングされていない、の4段階で表わした。 【0022】 【表1】
(注)表中の数値は飲料100g中のg数を表わす。 【0023】 表1に示すように、黒酢1重量部に対して、トレハロースを全く含有させない場合(検体1)や0.002重量部含有させた場合(検体2)には、黒酢由来の味のクセがマスキングされなかったのに対し、0.005重量部以上含有させた場合(検体3〜8)には、マスキング効果が得られた。 また、黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.01重量部以上含有させた場合は(検体4〜8)、それ以下の配合量で含有させた場合と比較して強いマスキング効果が得られ、特に、0.5重量部以上含有させた場合は(検体7及び検体8)、最も強いマスキング効果が得られた。 【0024】 なお、表中には示していないが、黒酢1重量部に対して、トレハロースを1重量部を超えて含有させた場合(すなわち、トレハロースを3重量%を超える量とした場合)は、マスキング効果が飽和となるが黒酢特有の好ましい風味もマスキングされてしまい黒酢飲料としての特徴が弱くなってしまうと共に、トレハロース由来の甘味が強くなりすぎて味のバランスも崩れることが認められた。 従って、黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.005〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部含有させることにより、黒酢由来の味のクセがマスキングされた黒酢飲料を得ることができることが明らかとなった。 【0025】 実施例2(スクラロース併用の黒酢飲料の作製と評価) 実施例1と同様にして、表2に示す処方に従い、黒酢飲料を作製した。こうして作製した黒酢飲料を実施例1と同様に、官能評価パネラー20名で飲用し、黒酢由来の味のクセのマスキング効果を評価した。この評価結果を表2に示す。 【0026】 【表2】
(注)表中の数値は飲料100g中のg数を表わす 【0027】 表2に示すように、黒酢1重量部に対して、トレハロースを全く含有させない場合(検体9)や0.001重量部含有させた場合(検体10)や0.002重量部含有させた場合(検体11)には、黒酢由来の味のクセがマスキングされなかったのに対し、0.005重量部以上含有させた場合(検体12〜16)には、マスキング効果が得られた。 また、黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.01重量部以上含有させた場合は(検体13〜16)、それ以下の配合量で含有させた場合と比較して強いマスキング効果が得られ、特に、0.5重量部以上含有させた場合は(検体15及び検体16)、最も強いマスキング効果が得られた。 【0028】 なお、表中には示していないが、黒酢1重量部に対して、トレハロースを1重量部を超えて含有させた場合(すなわち、トレハロースを3重量%を超える量とした場合)は、マスキング効果が飽和となるが黒酢特有の好ましい風味もマスキングされてしまい黒酢飲料としての特徴が弱くなってしまうと共に、トレハロース由来の甘味が強くなりすぎて味のバランスも崩れることが認められた。 従って、スクラロースを含有させた場合も、スクラロースを含有させなかった場合(前記実施例1)と同様に、黒酢1重量部に対して、トレハロースを0.005〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部含有させることにより、黒酢由来の味のクセがマスキングされた黒酢飲料を得ることができることが明らかとなった。 【産業上の利用可能性】 【0029】 本発明によれば、黒酢由来の味のクセがマスキングされた黒酢飲料が提供される。該黒酢飲料は、従来のものと比較してより飲みやすく風味が良好であることから、血圧の降下作用による高血圧の改善などの生活習慣病の改善効果など、黒酢の有する健康機能を発揮するものとして有用である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】398065531 【氏名又は名称】株式会社ミツカングループ本社 【識別番号】301058355 【氏名又は名称】株式会社ミツカン
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| 【出願日】 |
平成16年3月24日(2004.3.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100074077 【弁理士】 【氏名又は名称】久保田 藤郎
【識別番号】100086221 【弁理士】 【氏名又は名称】矢野 裕也
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| 【公開番号】 |
特開2005−269951(P2005−269951A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月6日(2005.10.6) |
| 【出願番号】 |
特願2004−86283(P2004−86283) |
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