トップ :: A 生活必需品 :: A23 食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理




【発明の名称】 植物ステロール組成物
【発明者】 【氏名】坂上 和之
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内

【氏名】森山 茂
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内

【要約】 【課題】長期間保存しても植物ステロール結晶の遊離または沈殿を生じることなく、均質で安定な分散状態を保持し、かつ、飲食品に添加する際に必要とされる性質の耐酸性、耐熱性に優れた、植物ステロール組成物を提供する。

【解決手段】(A)植物ステロール、(B)ポリソルベート20、ポリソルベート40、ボリソルベート60、ポリソルベート65、およびポリソルベート80より選ばれる1種または2種以上の親油性乳化剤、ならびに(C)デキストリンからなる植物ステロール組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)植物ステロール、(B)ポリソルベート20、ポリソルベート40、ボリソルベート60、ポリソルベート65、およびポリソルベート80より選ばれる1種または2種以上の親油性乳化剤、ならびに(C)デキストリンから構成される植物ステロール組成物。
【請求項2】
(A)植物ステロールと(B)ポリソルベートの重量比が、1:10〜100:1の範囲である請求項1記載の植物ステロール組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の植物ステロール組成物を含有してなる飲食品。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、植物ステロール組成物および前記の組成物を含有する飲食品に関する。さらに詳しくは、植物ステロールが沈殿または浮遊しないで均質な分散状態を保持し、飲食品に添加する際に必要とされる耐熱性、耐酸性などに優れた、植物ステロール組成物およびこの組成物を含有する飲食品に関する。
【背景技術】
【0002】
植物ステロールは、植物に含まれる種々のステロールおよびそれらの混合物の総称で、主要成分として、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロールおよびブラシカステロールなどが知られている。植物ステロールは、血中コレステロール濃度低下作用を持つことが知られており、植物ステロールやそのエステルをマーガリンの添加物などとして経口摂取すると、血中のコレステロールレベルを著しく低下させることができる(非特許文献1)。
【0003】
したがって、このように優れた生理効果を持つ植物ステロールを飲食物に、特に飲料に添加されることが大いに期待されてきた。
【0004】
しかしながら、植物ステロールは、その構造上、油、溶剤および水に対する溶解性が極めて低く、強い結晶性、高融点(130〜150℃)であることなどから、水に均一に分散して安定な液状品として利用することは困難であった。
【0005】
そのため、製剤や食品では、油へ懸濁させるか、あるいは粉末、顆粒の形で供されてきた。しかしながら、不溶化したままの植物ステロールでは、人体への吸収性が低いことが報告され、また、製剤設計、食品への添加、かさ高さ、飛散、分散、凝集、沈殿など利用時の作業性の悪さなどが問題となり、とくに水への分散溶解性の改善が求められていた。
【0006】
植物ステロールの水への溶解方法に関しては、これまでもいくつかの報告がある。
植物ステロールを含む水溶性組成物を調製し、これにグリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤に、中鎖脂肪酸などの食用油脂と、ポリグリセリン脂肪酸エステルを併用し、乳化剤の組み合わせによるHLB値が12以上となる設定が開示されている。しかしながら、植物ステロール量の約10倍量の油脂を用い、これにステロールを分散させ、ステロールと油脂の混合物を乳化剤で乳化させた組成物は、組成物の安定性を開示したものであり、ステロールの分散安定性を改良したものとはいえない(特許文献 1)。
【0007】
安定性の良い組成物として、ステロール、親油性乳化剤、油脂類を含有する水ゲル組成物が開示されている。しかし前記の技術では、加工食品などの改良剤として用いた場合に、希釈される事によりゲルが崩壊し、ステロール結晶の析出が生じる。また、実際の流通上ではゲル組成物の腐敗など保存安定性の問題点もあり、必ずしも満足できる安定性ではない(特許文献2)。
【0008】
植物ステロール、レシチン、エタノールなどを含有する水中油型乳化組成物が開示されている。しかし、この水中油型乳化組成物を水で希釈し加熱処理すると、ステロール結晶の析出を生じ、乳化組成物の熱に対する安定性に問題がある。よって、従来の技術において、飲食品に添加する際に必要とされる性質である、耐酸性、耐熱性がともに優れ、安定な分散状態を保つ組成物として十分に満足しうるものは存在しなかった(特許文献3)。
【0009】
前記の技術では、油溶性のものであり、水溶性のもので必ずしも満足できる液の安定性は得られていない。
【0010】
一般に液体の分散質が液体の分散媒に微小分散しているのが乳化液(エマルション)であり、液体の分散質、すなわち油脂、油性香料、結晶質、油性ビタミンなどの油性物質を微小分散させる技術を乳化技術という。また、固体の分散質を用いた場合には、分散液(ディスパーション)であり、鉄やカルシウムなどの無機塩など分散させる技術を分散技術という。
【0011】
なお、エマルションの粒子径は通常1〜10μmの単位であり、光の波長よりかなり大きいため白濁して見える。この粒子径が数10〜100nmの範囲になると青色を帯びた透明の外観を呈するようになり、これをマイクロエマルションという。また、乳化剤のミセル中に分散質を取り込むと粒子径は数10nm以下となり、透明な溶液すなわち可溶化液となる。一般のエマルションが熱力学的に不安定であるに対して、このマイクロエマルションや可溶化液はともに熱力学的に安定である。
【0012】
以上の乳化技術等から、液中の粒子の大きさを調製して、ステロールを水溶液中で安定化させる試みはいくつか報告されている。
【0013】
たとえば、ステロールをホモジナイズなどの機械的衝撃力を用いて、20μ以下の大きさに調製することが提案されているが、実際の粒子径を測定しておらず、ステロール粒子の分散性を維持できるかどうかは不明であり、また特別な装置を必要とすることから、現状では十分に満足できるものを確保できるとは言いがたい(特許文献4)。
【0014】
ステロールの粒子径をナノスケールにするにあたり、超臨界抽出でステロールを抽出し、粒子径10〜300nmにし、ゼラチンまたはキトサンの保護コロイドで粒子を安定化され、かつ製剤の粒子径を10〜300nmの範囲で存在させると、体内への吸収が改良されることが提案されているが、溶液状態での評価でしか記載がなく、満足のいくものではなかった(特許文献5)。
【0015】
ステロールの溶解性または分散性を改良するために、植物ステロールにシクロデキストリンを包接物として利用することが提案されているが、事前にアルコールに溶解させて製剤化しており、アルコールがシクロデキストリンから容易に抜け出しにくく、改善するべき点は多い(特許文献6)。
【0016】
ステロールとショ糖脂肪酸エステルの併用によって、ラメラ構造体を形成させることが提案されているが、酸性条件下では、ショ糖脂肪酸エステルは分解しやすく、利用できる範囲が限定されているのが現状である(特許文献7)。
【0017】
以上のように、油脂を用いた応用が主体であり、水溶液系での分散溶解性を含めた安定化方法が確立されているとは言いがたいのが現状である。
【0018】
【特許文献1】特開2002−291442号公報
【特許文献2】特公平6−59164号公報
【特許文献3】特開2001−117号公報
【特許文献4】特表2002−535975号公報
【特許文献5】特表2003−516115号公報
【特許文献6】特表2002−517418号公報
【特許文献7】特開平10−231229号公報
【非特許文献1】Peterson et al.,J.Nutir.50,1991(1995)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、上記のような水に溶けにくい植物ステロールを水に分散しやすい組成物とすることによって、製剤、食品などの幅広い分野での使用を可能にし、長期間保存しても植物ステロール結晶の遊離または沈殿を生じることなく、均質で安定な分散状態を保持し、かつ、飲食品に添加する際に必要とされる性質の耐酸性、耐熱性に優れた、植物ステロール組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明者らは、上記課題解決のため鋭意研究した結果、特定の配合処方で、特定な製造方法によると、優れた安定性を有する植物ステロール組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0021】
即ち、本発明は次の[1]〜[3]である。
[1](A)植物ステロール、(B)ポリソルベート20、ポリソルベート40、ボリソルベート60、ポリソルベート65、およびポリソルベート80より選ばれる1種または2種以上の親油性乳化剤、および(C)デキストリンから構成される植物ステロール組成物。
[2](A)植物ステロールと(B)ポリソルベートの重量比が、1:10〜100:1の範囲である項1記載の植物ステロール組成物。
[3]項1または2に記載の植物ステロール組成物を含有してなる飲食品。
【発明の効果】
【0022】
本発明の植物ステロール組成物は、長期間保存しても植物ステロールが沈殿あるいは浮遊することなく、均質で安定な状態を保つことができる。
また、耐酸性、耐熱性にも優れ、食品および食品添加物に使用される酸および塩を配合しても安定性を保つことができ、60〜100℃で殺菌処理または必要に応じて100〜150℃の高温殺菌または滅菌処理を行なうことができ、この際の加熱に対しても安定であり、また、長期間保存しても均一な状態を保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる(A)植物ステロールは、例えば、大豆、菜種、綿実などの植物油脂から抽出、精製されたもので、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、ブラシカステロールなどを主要成分とする混合物である。また、植物ステロールの飽和型である植物スタノールも、植物ステロールの代わりに用いられるか、もしくは植物ステロールと組み合わせて用いることができる。
【0024】
本発明において、植物ステロールの含有量は、通常0.05〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%、より好ましくは1〜10重量%である。植物ステロール含有量が0.05重量%より少ないと、植物ステロールとしての生理作用上の効果が少なく、50重量%より多いと、組成物の乳化安定性が劣り、好ましくない。
【0025】
本発明に用いる(B)親油性乳化剤は、例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65およびポリソルベート80から選ばれる1種または2種以上の乳化剤である。本発明に用いる乳化剤の配合量は通常0.01〜50重量%、好ましくは1〜20重量%、より好ましくは1.5〜10重量%である。乳化剤の配合量が50重量%を超えると、植物ステロール組成物を飲食物へ添加した際、乳化剤特有の味が飲食品の味へ影響し、好ましくない。また、乳化剤の配合量が0.01重量%未満では、乳化安定性が劣り好ましくない。前記の乳化剤の市販品としては、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベートなどが挙げられる。
【0026】
本発明に用いる(C)デキストリンとしては、例えば、白色デキストリン、分岐デキストリン、サイクロデキストリン、クラスターデキストリン、還元デキストリンなどが挙げられる。前記のデキストリン類は、これらを単独で、または適宜組み合わせて用いることができる。前記のデキストリン類の配合量は、通常全組成物に対して0.01〜50重量%、好ましくは1〜50重量%、より好ましくは2.5〜40重量%である。デキストリン類の含有率が50重量%以下であれば、容易にステロールを安定に分散させる物質として利用することができる。
【0027】
組成物の製造方法は、ステロールとデキストリンの粉末原料とポリソルベートの液体原料との練り合わせ混合、篩分別、流動層造粒、あるいは予め加熱溶解した溶液を噴霧乾燥などで調製してもよく、その製造方法は限定しない。
【0028】
組成物中の成分の割合は、好ましくは(A)植物ステロールと(B)ポリソルベートの重量比が、1:10〜100:1の範囲である。
【0029】
また、本発明の効果を損なわない範囲で、通常知られている食品添加物を加えてもよい。食品添加物としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤、アラビアガム、キサンタンガム、トラガントガム、グアガム、ジェランガム、ローカストビーンガムなどの水溶性多糖類、エリスリトール、マルチトール、還元水あめ、ラクチトール、パラチニット、エリスリトール、ソルビトール、マンニトールなどの還元糖類、ブドウ糖果糖などの粉末糖類調味料、ソーマチンやスクラロースなどの高甘味度甘味料、酸および塩等が挙げられる。
【0030】
本発明の植物ステロール組成物は、そのまま摂取したり、あるいは他の飲食品と配合して摂取することができる。
【0031】
前記の飲食品の食品としては、例えば、豆乳、ビタミン・ミネラル飲料などの飲料;オレンジ果汁、リンゴ果汁、グレープフルーツ果汁等の果汁飲料;果実飲料;コーラ、サイダー等の炭酸飲料;ビール、酎ハイ、カクテル等のアルコール飲料;牛乳、乳酸菌飲料等の乳飲料;コーヒー飲料;ウーロン茶飲料、紅茶飲料、緑茶等の茶系飲料;栄養ドリンクなどの健康飲料;健康補助食品;スポーツ飲料等の機能性飲料;パン、ビスケット、キャンディー、ゼリーなどのパン・菓子類;ヨーグルト、プリンなどのデザート;ハムなどの乳肉加工食品;味噌、ソース、タレ、ドレッシングなどの調味料;豆腐、めん類などの加工食品;マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどの油脂加工食品;粉末飲料、粉末スープなどの粉末食品;カプセル状、タブレット状、粉末状、顆粒状などにした健康食品などを挙げることができる。
【実施例】
【0032】
次に、実施例および比較例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0033】
実施例1
植物ステロール(カーギル社製、大豆由来、DVFP100粉末品)23.5g、ポリソルベート60(レオドールTW−S120、花王社製、半固形物、加温時液体状物) 5g、クラスターデキストリン(日本食品化工社製)72.5gを練り合わせて、60メッシュろ過した粉末状態の植物ステロール組成物100gを得た。なお、クラスターデキストリンの代わりに水を含む植物ステロール水分散組成物は、室温での保管ができず、かびが発生するために、組成物として適切なものではなかった。また、デキストリンを除いたものは、60メッシュのろ過がしにくい団子状態となり、デキストリン固形物の併用は好適であった。
【0034】
実施例2
実施例1のポリソルベート60をポリソルベート20(レオドールTW−L120、花王社製、粘ちょうな液体状物)にして、植物ステロール組成物を得た。
【0035】
比較例1
実施例1のポリソルベート60をグリセリン脂肪酸エステル(デカグリセリンモノステアレートSYグリスターMSW−7S、坂本薬品工業社製、冷蔵保温時半固形物、加温時液体状態)に変えた以外は、実施例1と全く同じ操作を行ない、植物ステロール組成物を得た。
【0036】
比較例2
実施例1のポリソルベート60をショ糖脂肪酸エステル(リョートーシュガーエステルP1670三菱化学フーズ社製、粉末)に変えた以外は、実施例1と同じ操作を行い、植物ステロール組成物を得た。
【0037】
実施例1、2と比較例1、2において得られた植物ステロール組成物を用いて以下の方法で耐熱試験、耐酸・耐熱試験を実施した。
【0038】
実施例3 耐熱試験、
ショ糖10%水溶液100部に実施例1、2および比較例1、2を10部添加攪拌し、
121℃15分加熱し、これらの水溶液を室温にて放冷した後、安定性(浮遊・沈殿物発生がないこと)のそれぞれの目視による評価結果を表に示した。
【0039】
【表1】


表中、○は安定性良好、△は安定性がやや悪い、×は安定性が悪く、浮遊・沈殿物発生、*は調製直後または保存中での分離をそれぞれ表す。
【0040】
実施例4 耐酸・耐熱試験
ショ糖10%、クエン酸無水 0.15%、アスコルビン酸 0.1%を含む水溶液100部に実施例1、2および比較例1、2を10部添加攪拌し、121℃15分加熱し、これらの水溶液を室温にて放冷した後、安定性(浮遊・沈殿物発生がないこと)のそれぞれの目視による評価結果を表に示した。
【0041】
【表2】


それぞれの目視による評価結果を表に示した。表中、○は安定性良好、△は安定性がやや悪い、×は浮遊、沈殿物発生をそれぞれ表す。
【0042】
実施例5 果汁飲料
オレンジ冷凍濃縮果汁55(えひめ飲料)20kg、実施例1の植物ステロール組成物2kg、L−アスコルビン酸0.025kgを水にて100kgとし、混合した溶液を93℃まで加熱し、熱時充填して得たオレンジ果汁飲料は植物ステロールの分散性が良好であり、ざらつきなく、のどごしはスムーズであった。
【0043】
実施例6 ソフトヨーグルト
牛乳 50kg、砂糖8kg、脱脂粉乳8kg、植物ステロール組成物(実施例1)2kg、ゲル化剤(ゲルアップYO−S、LMペクチン製剤)0.3kgを水で100kgとし、混合攪拌溶解し、80℃10分間加熱する。全量補正後、均質機(圧力 14.7MPa)に通し、90℃10分加熱する。約40℃まで冷却後、ヨーグルトスターター(YO−MIX401 DIRECT FD、三栄源エフ・エフ・アイ社製、ラクトバチラス・ブルガリカス Lactobacillus bulgaricusとスタフィロコッカス サーモフィラス Streptococcus thermophilusの混合物)1ユニット(100kgの乳原料を発酵させる乳酸菌添加量の最低単位)を添加し、約7時間保温し、pH4.5まで発酵させる。発酵後、カードを攪拌機でつぶし、10℃まで冷却後、容器に充填させる。得たヨーグルトはステロールの質感、すなわち、こくがあり、なめらかな食感であった。
【0044】
実施例7 50%粒子径の測定
ポリソルベートの利用によって、水溶液中でのステロールの粒子が小さく安定化するかどうかを調べるため、粒度分布測定を行なった。
実施例1、実施例2、比較例1、比較例2を含めた実施例4で得られた溶液に含まれる植物ステロール組成物の50%粒子径を、レーザー式粒度分布計(SALD1100、島津製作所社製)で測定した結果を示す。なお、比較例1で用いたポリグリセリン脂肪酸エステルの種類を表のように変更して調製した例を比較例3〜比較例8として検討した。
また、肉眼観察した溶液の状態を記載する。
結果
【0045】
【表3】


備考
測定できず:植物ステロールが凝集し、測定機にかけられない。
測定値:構成される粒子の50%粒子径(μm)を示す。
肉眼観察:−:凝集、分離、沈殿等のため評価できず。
分散:植物ステロールが分散している状態で、上層への分離凝集や沈殿がみられない。
分離(上):植物ステロールが液面上層へ凝集している。
分離(下):植物ステロールを含む沈殿物が観察される。
【0046】
結果
ポリソルベートを併用した植物ステロール組成物の粒子の50%粒子径は10μ前後のところにあり、他の乳化剤ではやや大きめの粒子径となっていることがわかった。なお、実施例1の溶液をコロイドミルにて均一分散させた場合の50%粒子径は9.39μmとなった。このことは、ポリソルベートを使用した場合には、機械的な衝撃を加えなくても、構成されるステロールの粒子径は、10μm程度の小さな粒子を維持していることを示す。なお、比較例1と比較例3〜7に示したポリグリセリン脂肪酸エステルは、時間経過に伴い、植物ステロールを凝集させるか、あるいは凝集物分解物の塊を形成し、沈殿する傾向が見いだされた。したがって、酸性条件下で、かつ加熱した場合に安定化のために利用できる乳化剤はポリソルベートの利用が好ましいことが見いだされた。

【出願人】 【識別番号】000175283
【氏名又は名称】三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1丁目1番11号
【出願日】 平成16年3月23日(2004.3.23)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−269941(P2005−269941A)
【公開日】 平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願番号】 特願2004−85626(P2004−85626)