| 【発明の名称】 |
酸味・酸臭をマスキングした低pH食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂巻 柔 【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清フーズ株式会社食品研究所内
【氏名】松林 聡子 【住所又は居所】東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清フーズ株式会社食品研究所内
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| 【要約】 |
【課題】酸味・酸臭をマスキングすると同時に、高甘味度甘味料由来のクセのある甘味を抑制した低pH食品、及び該低pH食品の製造方法を提供すること。
【解決手段】有機酸、高甘味度甘味料若しくは食塩を食品素材に配合するか、及び/又はそれらの各水溶液若しくは混合水溶液に食品を浸漬することにより、有機酸、高甘味度甘味料0.0006〜10000ppm及び食塩0.02〜0.85質量%を食品に含有させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 高甘味度甘味料0.0006〜10000ppm及び食塩0.02〜0.85質量%を含有することを特徴とする低pH食品。 【請求項2】 食品が茹で麺である請求項1記載の低pH食品。 【請求項3】 有機酸、高甘味度甘味料若しくは食塩を食品素材に配合するか、及び/又はそれらの各水溶液若しくは混合水溶液に食品を浸漬することにより、有機酸、高甘味度甘味料0.0006〜10000ppm及び食塩0.02〜0.85質量%をでんぷん質食品に含有させることを特徴とする低pH食品の製造方法。 【請求項4】 上記水溶液が、上記高甘味度甘味料0.000006〜20質量%及び/又は上記食塩0.05〜4.5質量%を含有する請求項3記載の低pH食品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、酸味・酸臭をマスキングした低pH食品及びその製造方法に関し、さらに詳細には、高甘味度甘味料(非糖質甘味料)及び食塩を含有させることにより、酸味・酸臭をマスキングし、かつ高甘味度甘味料由来のクセのある甘味を抑制した低pH食品、及び該低pH食品の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 食品の保存性を確保するための主流な方法の一つとして、食品のpHを下げる方法がある。この場合、乳酸、クエン酸、酢酸等の有機酸を含有する水溶液に食品を浸漬するか、あるいはこれらの有機酸を食品素材に添加混合することになるため、食品に酸味・酸臭が生じてしまう。 【0003】 このような、食品のpHを下げる方法により、食品に生じる酸味をマスキングする方法として、高甘味度甘味料を使用する方法が提案されている(例えば特許文献1〜3参照)。 【0004】 しかし、高甘味度甘味料を使用すると、高甘味度甘味料に由来する独特のクセのある甘味が生じてしまうという問題点があった。 【0005】 【特許文献1】特開平10−215793号公報 【特許文献2】特開平10−229847号公報 【特許文献3】特開平10−243776号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 従って、本発明の目的は、酸味・酸臭をマスキングすると同時に、高甘味度甘味料由来のクセのある甘味を抑制した低pH食品、及び該低pH食品の製造方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者等は、鋭意研究を行った結果、高甘味度甘味料を含有させて酸味をマスキングした低pH食品に、食塩を含有させることにより、上記目的を達成し得ることを知見した。 【0008】 本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、高甘味度甘味料0.0006〜10000ppm(質量基準、以下同じ)及び食塩0.02〜0.85質量%を含有することを特徴とする低pH食品を提供するものである。 【0009】 また、本発明は、有機酸、高甘味度甘味料若しくは食塩を食品素材に配合するか、及び/又はそれらの各水溶液若しくは混合水溶液に食品を浸漬することにより、有機酸、高甘味度甘味料0.0006〜10000ppm及び食塩0.02〜0.85質量%をでんぷん質食品に含有させることを特徴とする低pH食品の製造方法を提供するものである。 【発明の効果】 【0010】 本発明によれば、高甘味度甘味料及び食塩を含有させることにより、酸味・酸臭をマスキングし、かつ高甘味度甘味料由来のクセのある甘味を抑制した低pH食品を提供することができ、該低pH食品は、充分な保存性を有しながら、本来不要な酸味・酸臭がなく、かつ所望されない甘味もないとの効果を有する。また、本発明によれば、斯かる効果を有する低pHのでんぷん質食品の簡便な製造方法を提供することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下に、本発明の低pH食品について、好ましい実施形態に基づいて詳細に説明する。 【0012】 本発明の低pH食品は、保存性を確保するために、有機酸を含有させて食品のpHを低下させた食品で、主に、電子レンジで加熱する、炒める等の加熱調理をして喫食するように加工された、常温で流通される食品である。その代表例としては、でんぷん質食品、特に、茹でスパゲティ、茹でうどん、茹でそば等の茹で麺、蒸し麺、蒸しパン、中華まん、餃子や春巻きとその皮、その他のパスタ類、お好み焼き、たこ焼き等が挙げられる。本発明の低pH食品は、その他、保存性を確保するために、有機酸を含有させて食品のpHを低下させた食品であれば、でんぷん質食品に制限されない。尚、本発明の低pH食品のpHは、従来の低pH食品と同様に、充分な保存性を確保する上で3.0〜5.5が好ましい。 【0013】 上記有機酸としては、乳酸、クエン酸、酢酸、グルコン酸(グルコノデルタラクトンを含む)、アジピン酸、酒石酸、フマル酸、リンゴ酸等が挙げられる。本発明の低pH食品において、上記有機酸の含有量は、好ましくは食品のpHが3.0〜5.5となるように、使用する有機酸の種類及び食品の緩衝力に応じて適宜調整すればよい。 【0014】 本発明の低pH食品は、上記有機酸に由来する酸味をマスキングするために、高甘味度甘味料を含有している。該高甘味度甘味料としては、ソーマチン、ステビア抽出物、甘草抽出物、スクラロース、アスパルテーム、サッカリン、サッカリンナトリウム、糖アルコール、アセスルファームK、グリチルリチン酸ナトリウム等が挙げられるが、これらの中でも、ソーマチン、ステビア抽出物、スクラロースが好ましい。尚、ここでいうステビア抽出物は、ステビオサイド及びレバウディオサイド(A,C,D)からなる群から選択される一種又は二種以上の混合物である。 【0015】 本発明の低pH食品における上記高甘味度甘味料の含有量は、0.0006〜10000ppm、好ましくは0.001〜3000ppmの範囲から、上記有機酸に由来する酸味がマスキングされるように、使用する高甘味度甘味料の甘味度によって適宜選択する。 【0016】 本発明の低pH食品は、上記高甘味度甘味料に由来するクセのある甘味を抑制するために、食塩を含有している。本発明の低pH食品における上記食塩の含有量は、0.02〜0.85質量%、好ましくは0.08〜0.6質量%の範囲から選択する。0.02質量%より少ないと、甘味の抑制効果が得られず、0.85質量%より多いと、塩味が感じられてしまう。 【0017】 本発明において、低pH食品は従来の低pH食品の製造方法に準じて製造することができ、また、有機酸、高甘味度甘味料及び食塩は、任意の手段により食品に含有させることができる。具体的には、高甘味度甘味料及び食塩の各々は、加工前又は加工中の食品素材に配合するか、あるいはそれらの各水溶液若しくは混合水溶液に食品を浸漬することにより、低pH食品に含有させることができる。例えば、有機酸、高甘味度甘味料及び食塩の全てを食品素材に配合してもよいし、これら全てを含む水溶液に食品を浸漬してもよい。また、有機酸、高甘味度甘味料及び食塩から選択される1つ又は2つの成分を食品素材に配合し、残りの成分を含有する水溶液に食品を浸漬してもよい。 【0018】 以下に、低pH食品としてでんぷん質食品である茹で麺を例にその好ましい製造方法について説明する。 【0019】 常法により麺を製造し麺を茹でた後、得られた茹で麺を、有機酸、高甘味度甘味料及び食塩を含有する水溶液に浸漬する。この方法によれば、一本一本の麺に、有機酸、高甘味度甘味料及び食塩を、簡便に均一に含有させることができる。 【0020】 上記水溶液は、高甘味度甘味料の濃度が0.000006〜20質量%、特に0.00001〜6質量%、食塩の濃度が0.05〜4.5質量%、特に0.3〜2.5質量%であることが好ましい。 【0021】 上記水溶液への茹で麺の浸漬時間は、浸漬温度や茹で麺の茹で歩留りによって調整可能であるが、好ましくは10秒〜3分であり、例えば、浸漬温度が40℃の場合は40秒程度である。3分より長いと、麺がふやけてしまう場合があり、10秒より短いと、充分な保存性及びマスキング効果を得られない場合がある。 【実施例】 【0022】 以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例等によって何ら制限を受けるものではない。 【0023】 〔実施例1〜7及び比較例1〜4〕 乾スパゲティを茹で、歩留230%の茹でスパゲティを得た。得られた茹でスパゲティを、有機酸(発酵乳酸及びグルコン酸)並びに表1に示す高甘味度甘味料及び食塩を含有する水溶液に1分間浸漬し、低pHスパゲティを得た。得られた低pHスパゲティ中の高甘味度甘味料及び食塩の含有量を、表1に示す。これらの低pHスパゲティについて、酸味・酸臭及び甘味それぞれを下記評価基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。 【0024】 (酸味・酸臭評価基準) 5:酸味・酸臭を全く感じない。 4:酸味・酸臭をほとんど感じない。 3:酸味・酸臭をやや感じる。 2:酸味・酸臭を感じる。 1:酸味・酸臭を強く感じる。 (甘味評価基準) 5:高甘味度甘味料独特の甘味を全く感じない。 4:高甘味度甘味料独特の甘味をほとんど感じない。 3:高甘味度甘味料独特の甘味をやや感じる。 2:高甘味度甘味料独特の甘味を感じる。 1:高甘味度甘味料独特の甘味を強く感じる。 【0025】 【表1】
【0026】 表1から以下のことが明らかである。高甘味度甘味料のみを用いると、有機酸に由来する酸味・酸臭をマスキングすることはできるが、高甘味度甘味料独特の甘味が強く感じられてしまう(比較例2〜4)。また、食塩のみを用いても、酸味・酸臭をマスキングすることはできない(比較例1)。これに対し、高甘味度甘味料及び食塩を併用し、これらを特定量含有させると、有機酸に由来する酸味・酸臭をマスキングすることができると共に、高甘味度甘味料独特の甘味も抑制される(実施例1〜7)。
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| 【出願人】 |
【識別番号】398012306 【氏名又は名称】日清フーズ株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区神田錦町一丁目25番地
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| 【出願日】 |
平成16年3月23日(2004.3.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076532 【弁理士】 【氏名又は名称】羽鳥 修
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| 【公開番号】 |
特開2005−269938(P2005−269938A) |
| 【公開日】 |
平成17年10月6日(2005.10.6) |
| 【出願番号】 |
特願2004−85555(P2004−85555) |
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