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【発明の名称】 包装体の製造方法及び包装袋
【発明者】 【氏名】青木 亨
【住所又は居所】滋賀県甲賀郡石部町石部北一丁目4番26号 甲賀高分子株式会社内

【氏名】中川 皓通
【住所又は居所】滋賀県甲賀郡石部町石部北一丁目4番26号 甲賀高分子株式会社内

【要約】 【課題】大規模な装置や被包装物を加熱のための多くのエネルギと時間を要せずに、保存のため加熱された被包装物が密封されてなる被包装物の包装体を製造する方法及び、その方法に好適に用いられる包装袋を提供しようとする。

【解決手段】周壁の一部が通気性シートから成り残部が非通気性シートから成る袋体に被包装物を密封状に収納して成る被包装物収納体を、高周波加熱して、該被包装物を加熱し、該袋体を二分する境界域を定めて、該境界域を間にする一の側に該被包装物が収納され、他の側に通気性シートが位置するようになし、該被包装物を収納したまま、該境界域を封止する包装体の製造方法であり、前記包装体の製造方法に用いられる前記袋体である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁の一部が通気性シートから成り残部が非通気性シートから成る袋体に被包装物を密封状に収納して成る被包装物収納体を準備する工程と、
該被包装物収納体に収納された状態の該被包装物を高周波加熱する工程と、
該袋体を二分する境界域を定めて、該境界域を間にする一の側に該被包装物が収納され、他の側に通気性シートが位置するようになし、該被包装物を収納したまま、該境界域を封止する工程と、
を含む包装体の製造方法。
【請求項2】
前記袋体が、該袋体を二分する帯域に沿って間歇的に封止されて、該袋体の該帯域を間にする一の側の内部から他の側の内部に気体が移動可能となされ、かつ該一の側に該被包装物が収納され、該他の側に前記通気性シートが位置するようになされた、請求項1に記載の包装体の製造方法。
【請求項3】
前記境界域が前記帯域の位置にある請求項2に記載の包装体の製造方法。
【請求項4】
請求項1に記載の前記包装体の製造方法に用いられる前記袋体から成る包装袋。
【請求項5】
前記袋体が、該袋体を二分する帯域に沿って間歇的に封止されて、該袋体の該帯域を間にする一の側の内部から他の側の内部に気体が移動可能となされ、かつ該一の側に該被包装物が収納され、該他の側に前記通気性シートが位置するようになされた請求項4に記載の包装袋。
【請求項6】
前記袋体が封筒状であり、該袋体の1の辺の近傍が前記通気性シートから成る請求項4又は5に記載の包装袋。
【請求項7】
前記通気性シートの透気抵抗度が10〜5000秒/100ccである請求項項4乃至6のいずれかに記載の包装袋。
【請求項8】
前記通気性シートの耐水圧が500〜10000mmH0である請求項4乃至7のいずれかに記載の包装袋。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、保存のため被包装物を加熱後密封してなる包装体の製造方法及びその製造方法に用いられる包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
保存のため被包装物を柔軟な袋に入れて密封後加熱する方法が、レトルト法として知られている。この方法においては、被包装物を封入した袋を熱水に入れて加熱する(例えば、特許文献1参照。)ので、大規模な装置と、熱水を得るための多くのエネルギと、長い加熱処理時間を要する。
【特許文献1】特開平5−161485号公報(実施例及び図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、大規模な装置や被包装物を加熱のための多くのエネルギと時間を要せずに、保存のため加熱された被包装物が密封されてなる、被包装物の包装体を製造する方法及び、その方法に好適に用いられる包装袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の要旨とするところは、
周壁の一部が通気性シートから成り残部が非通気性シートから成る袋体に被包装物を密封状に収納して成る被包装物収納体を準備する工程と、
該被包装物収納体に収納された状態の該被包装物を高周波加熱する工程と、
該袋体を二分する境界域を定めて、該境界域を間にする一の側に該被包装物が収納され、他の側に通気性シートが位置するようになし、該被包装物を収納したまま、該境界域を封止する工程と、
を含む包装体の製造方法であることにある。
【0005】
前記包装体の製造方法においては、前記袋体が、該袋体を二分する帯域に沿って間歇的に封止されて、該袋体の該帯域を間にする一の側の内部から他の側の内部に気体が移動可能となされ、かつ該一の側に該被包装物が収納され、該他の側に前記通気性シートが位置するようになされ得る。
【0006】
前記境界域は、前記帯域の位置にあり得る。
【0007】
又、本発明の要旨とするところは、前記包装体の製造方法に用いられる前記袋体から成る包装袋であることにある。
【0008】
前記包装袋においては、前記袋体が、該袋体を二分する帯域に沿って間歇的に封止されて、該袋体の該帯域を間にする一の側の内部から他の側の内部に気体が移動可能となされ、かつ該一の側に該被包装物が収納され、該他の側に前記通気性シートが位置するようになされ得る。
【0009】
前記袋体は、封筒状であり得、該袋体の1の辺の近傍が前記通気性シートから成り得る。
【0010】
前記通気性シートの透気抵抗度は、10〜5000秒/100ccであり得る。
【0011】
前記通気性シートの耐水圧は、500〜10000mmH0であり得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の包装体の製造方法の態様について、図面を使用して説明する。なお、本明細書においては、各図にわたって記される同じ符号は同一又は同様の部材やものを示す。本発明の包装体の製造方法においては、図1の正面図に示す袋体2が包装袋として用いられる。袋体2は、表がわの周壁の一部が非通気性シート4から成り残部が通気性シート6から成る。
【0013】
袋体2の裏がわの周壁は非通気性シート4aから成る。非通気性シート4、非通気性シート4a及び通気性シート6は封筒状に集積されて袋体2を形成している。袋体2の左右の側縁部8、8a及び上縁部11において、裏がわの周壁を構成するシートと、表がわの周壁を構成するシートとが接着又は融着されて封止されている。側縁部8あるいは側縁部8aにおいて、裏がわの周壁を構成するシートと、表がわの周壁を構成するシートとが連接されて折り返されていてもよい。
【0014】
通気性シート6は袋体2の上縁部11の近傍に位置して、非通気性シート4と通気性シート6とは、それぞれの一縁部で重畳された重畳部12で接着又は融着されて封止されている。
【0015】
なお、本明細書の図面に関する説明における左右上下の位置関係は相対的なものであり、例えば、袋体2が空間内で回転すれば側縁部8、8aや、上縁部11の位置もその回転に伴って移動するものである。
【0016】
袋体2は、袋体2の下縁部13においては、裏がわの周壁を構成するシートと、表がわの周壁を構成するシートとが封止されておらず、非通気性シート4の下縁18及び非通気性シート4aの下縁19を周縁とする開口16が形成されている。図2に図1のA−A方向の断面端面図を示す。
【0017】
本発明の包装体の製造方法においては、先ず、開口16から被包装物を袋体2の内部に収納する。
【0018】
次いで、袋体2の下縁部13において、表がわの周壁を構成するシート(非通気性シート4)と、裏がわの周壁を構成するシート(非通気性シート4a)とを接着又は融着により封止する。これにより、被包装物22が袋体2の内部に密閉状態に収納された状態となる。図3の断面端面図に、被包装物22が収納された袋体2の下縁部13が封止された状態を示す。
【0019】
次に、この態様で被包装物22が内部に密閉状態に収納された袋体2を、高周波加熱装置により高周波加熱する。高周波加熱は、電子レンジにおけるような高周波発信部を有する高周波加熱装置を用いて行なわれる。
【0020】
高周波加熱により、被包装物22が直接加熱されるので、被包装物22の加熱が短時間に効率よくなされる。又、高周波加熱は、従来のレトルト法における熱水を作るためのボイラーや、熱水を貯留する水槽や、熱水の飛散や溢出を防ぐ安全装置や、被包装物が収納された袋体をその水槽に投入し、又、その水槽から回収するための投入、回収装置を必要としないので、加熱加工装置のコストとスペースも大幅に節減できる。
【0021】
更に、高周波加熱は、従来のレトルト法と違って被包装物の包装材(袋体2)を、被包装物や発生蒸気からの伝熱による以外はほとんど昇温させないので、加熱加工による包装材(袋体2)の形態の崩れが少ない。
【0022】
本発明においては、高周波加熱により、被包装物22が加熱されて、被包装物22から水蒸気が発生し、又、袋体2の内部の空気が膨張する。この水蒸気及び空気は、通気性シート6を透過して外部に放出される。従って、従来のレトルト法と違って、被包装物22の加熱による水蒸気及び空気の膨張で、袋体2が破裂したり縁部の封止が剥離するというトラブルの可能性が少ない。
【0023】
高周波加熱の終了後、被包装物22が内部に収納された袋体2は、図4の正面図、図5の断面端面図に示すように、通気性シート6より下方で、袋体2を上下に二分する境界域24を定めて、境界域24を間にする一の側(下側)に被包装物22が収納され、他の側(上側)に通気性シート6が位置するようになし、被包装物22を収納したまま、境界域24を封止する。封止は、境界域24において非通気性シート4と非通気性シート4aとを接着又は融着して行なわれる。これにより、被包装物22が内部に収納された包装体31が得られる。
【0024】
この封止後、袋体2を境界域24の上方の境界線25で切断して上下に分離してもよい。分離された袋体2の上方の部分26は、通気性シート6が含まれる部分である。分離された袋体2の下方の部分28は、表がわの非通気性シート4と、裏がわの非通気性シート4aとが重畳されて周縁部で封止された密閉袋体30の内部に被包装物22が収納された密閉包装体32となる。
【0025】
包装体31あるいは密閉包装体32中の被包装物22はすでに加熱殺菌されており、かつ非通気性シートにより密閉されているので従来のレトルト製品と同様に長期保管ができる。
【0026】
本発明の包装体の製造方法の他の態様について、図面を使用して説明する。この態様においては、図6の正面図、図7の断面端面図に示す袋体2aが包装袋として用いられる。袋体2aは、表がわの周壁の一部が非通気性シート4から成り残部が通気性シート6から成る。袋体2aの裏がわの周壁は非通気性シート4aから成る。非通気性シート4、非通気性シート4a及び通気性シート6は封筒状に集積されて袋体2aを形成している。袋体2aの左右の側縁部8、8a及び上縁部11において、裏がわの周壁を構成するシートと、表がわの周壁を構成するシートとが接着又は融着されて封止されている。側縁部8あるいは側縁部8aにおいて、裏がわの周壁を構成するシートと、表がわの周壁を構成するシートとが連接されて折り返されていてもよい。
【0027】
通気性シート6は袋体2aの上縁部11の近傍に位置して、非通気性シート4と通気性シート6とは、それぞれの一縁部で重畳された重畳部12で接着又は融着されて封止されている。
【0028】
更に、袋体2aは、重畳部12の下方かつ近傍に、帯状に間歇的封止部33が形成されている。間歇的封止部33は、袋体2aを上下に二分する帯域36に沿って非通気性シート4と非通気性シート4aとを間歇的に封止して形成される。これにより、袋体2aの帯域36を間にする一の側38(下側)の内部から、他の側40(上側)の内部に気体が移動可能となされる。一の側38には被包装物が収納される。図8に図6のB−B方向の断面端面図を示す。間歇的封止部33は、非通気性シート4と非通気性シート4aとが接着又は融着された部分42と、接着又は融着されずに単に対面している部分44とが交互に存在する。単に対面している部分44の左右の幅Wは1〜10mmが好ましい。接着又は融着された部分42の左右の幅YWは20〜100mmが好ましい。単に対面している部分44は間歇的封止部33に1〜5個程度形成されることが好ましい。単に対面している部分44(気体通路46)を介して一の側38の内部から、他の側40の内部に気体が移動する。
【0029】
袋体2aは、袋体2aの下縁部13においては、裏がわの周壁を構成するシートと、表がわの周壁を構成するシートとが封止されておらず、非通気性シート4の下縁18及び非通気性シート4aの下縁19を周縁とする開口16が形成されている。
【0030】
本発明の包装体の製造方法のこの袋体2aを用いる態様においては、先ず、開口16から被包装物を袋体2aの内部に収納する。被包装物22は袋体2aの、間歇的封止部33の下方の被包装物収納室50に収納される。
【0031】
次いで、袋体2aの下縁部13において、表がわの周壁を構成するシート(非通気性シート4)と、裏がわの周壁を構成するシート(非通気性シート4a)とを接着又は融着により封止する。これにより、被包装物22が袋体2aの内部に密閉状態に収納された状態となる。図9に、被包装物22が収納された袋体2aの下縁部13が封止された状態を示す。図9は図7と同方向の断面端面図である。
【0032】
次に、この態様で被包装物22が内部に密閉状態に収納された袋体2aを、高周波加熱装置により高周波加熱する。
【0033】
高周波加熱により、被包装物22が加熱されて、被包装物22から水蒸気が発生し、又、袋体2aの内部の被包装物22が収納された部分の空気が膨張する。この水蒸気及び空気は、気体通路46を経由して間歇的封止部33の上方の袋体2aの内部(気体透過室48の内部)に達し、更に、この気体が透過室48で膨張すると、通気性シート6を透過して外部に放出される。
【0034】
袋体2aは、間歇的封止部33により被包装物に含まれる過剰の水分が直接通気性シート6に達して、通気性シート6を目詰まりさせたり、水分もしくは被包装物そのものを気体とともに外部に噴出させることが防止されるので、被包装物22が、野菜や果物を含んで、加熱により水分が多量に出て来るものである場合や、予め水分を多量に含む場合に好適に用いられる。
【0035】
高周波加熱の終了後、被包装物22が内部に収納された袋体2aは、間歇的封止部33より下方もしくは上方で、袋体2aを間歇的封止部33と平行に上下に二分する境界域を定めて、被包装物22を収納したまま、その境界域を封止する。あるいは、気体通路46を封止する。封止は、境界域において非通気性シート4と非通気性シート4aとを接着又は融着して行なわれる。あるいは、気体通路46において非通気性シート4と非通気性シート4aとを接着又は融着して行なわれる。図10に、気体通路46(図8)が封止され間歇的封止部33の全長にわたって封止部37が形成されて得られた包装体41を示す。
【0036】
この封止後、袋体2aの上方の通気性シート6が含まれる部分を境界線39に沿って分離してもよい。分離された袋体2aの下方の部分28は、表がわの非通気性シート4と、裏がわの非通気性シート4aとが重畳されて周縁部で封止された密閉袋体30の内部に被包装物22が収納された密閉包装体32となる。
【0037】
従来、佃煮類や、野菜類、果物類の煮付け、水煮等の被包装物を収納した加熱滅菌包装袋は、内容物を包装袋に収容した後、真空包装により脱気、密閉し、しかるのちにレトルト滅菌、あるいはボイル滅菌による方法で長時間加熱滅菌して保存、流通に供されてきたが、本発明の包装体の製造方法によれば、事前に真空包装を行なうことなく、又、加熱に際して、大量に水を使うこともなく、短時間での加熱滅菌が可能となる。
【0038】
本発明の包装体の製造方法において用いられる非通気性シートを構成するフィルムとしては、片面に熱シール性を有する樹脂層が形成された、一般にラミネートフィルムと称される複合フィルムが挙げられる。熱シール性を有する樹脂層の樹脂としては、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂のようなポリオレフィン系樹脂、エチレン−アクリル酸エステル共重合樹脂、アイオノマー樹脂等が挙げられる。複合フィルムのベースフィルムの素材としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂から成るフィルム、あるいは、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂から成るフィルムにポリ塩化ビニリデンをコーティングしたもの、無機系蒸着層を形成したもの等が挙げられる。
【0039】
複合フィルムの素材はこれらに特に限定されるものではなく、又、複合フィルムの素材、厚さ、層の数等の仕様は、収納される被包装物の種類、容量、保存・輸送条件等を考慮して選択される。ラミネートフィルムは、熱シール性を有する樹脂層を袋体の内側にして用いる。
【0040】
本発明の包装体の製造方法において用いられる通気性シートとしては、多孔質のフィルムや、不織布、あるいは多孔質のフィルムと不織布との複合シート、あるいは耐油、耐水処理が施された紙が用いられる。
【0041】
多孔質のフィルムとしては、ポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂あるいはエチレン酢酸ビニル共重合樹脂に無機系充填剤を練り込んでフィルム状に成形し、延伸してなる通気性フィルムが挙げられるが、多孔質のフィルムであればこれに限定されない。不織布としては、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維等の繊維からなる不織布が挙げられる。この繊維は3dtex以下の細い繊維であることが通気孔のサイズが小さくて好ましく、メルトブロー法あるいはフラッシュスパン法による不織布であることが通気孔のサイズが更に小さくて更に好ましい。
【0042】
更に、通気性シートとしては、多孔質のフィルムに不織布を貼合わせたものが挙げられる。この貼合わせに用いられる不織布は、上述の不織布に限らず、スパンボンド法、乾式サーマルボンド法等種々の方式にて施工されたものが使用出来る。
【0043】
通気性シートの透気抵抗度(ガーレー)(JIS P8117に準拠)は、10〜5000秒/100ccであることが好ましい。透気抵抗度がこの範囲を超えて小さくなると、加熱時に袋体の内部で膨張した気体が通気性シートを通過しにくくなり、加熱条件によっては、袋体が破裂したり縁部の封止が剥離する可能性がある。透気抵抗度がこの範囲を超えて大きくなると、加熱時に袋体の内部の水分が容易に通気性シートを通過して外部に漏れるおそれがある。又、バクテリアの袋体の内部への侵入を充分には防止出来ないことがある。
【0044】
通気性シートの耐水圧(JIS L1092Bに準拠)は、500〜10000mmHOであることが好ましい。耐水圧がこの範囲を超えて小さくなると、加熱条件によっては、袋体が加熱時に破損する可能性がある。耐水圧がこの範囲を超えて大きくなると、その耐水圧を得るためにシートの厚さや剛性や強度が過大となり、工程中の袋体の取り扱い操作や、製品としての包装体の取り扱い操作に支障をきたすことがある。又、シートの厚さが過大となることは素材フィルムの単価を必要以上に増大させる。
【実施例】
【0045】
通気性シートとしてポリエチレンのフラッシュスパン不織布(目付け75gr/m)を用い、非通気性シートとしてラミネートフィルム(6ナイロン樹脂フィルムと直鎖状ポリエチレン樹脂フィルムをポリウレタン系接着剤で貼合わせたもの)を用い図6に示す袋体2aを製作した。この通気性シートの透気抵抗度は25秒/100ccであり、耐水圧は1500mmHOであった。袋体2aの外寸は縦24cm、横24cmであり、袋体2aにおける通気性シートの幅TWは40mm、有効幅は20mmである。間歇的封止部33の幅は10mmとし、気体通路46の幅は6mmとした。気体通路46は、間歇的封止部33に3個設けた。間歇的封止部33は、その位置の非通気性シート4と非通気性シート4aとを気体通路46の位置に相当する部分を除いてヒートシルすることにより形成した。
【0046】
この袋体2aの被包装物収納室50に500grの生のしいたけスライスを収納し、下縁部13をヒートシーラーを用いて融着して封止した。このしいたけを封入した袋体2aを550W,2450MHの高周波加熱装置により10分間加熱した。加熱は、袋体2aの非通気性シート4及び通気性シート6のがわを上向きの面とし、非通気性シート4aのがわを下向きの面とし、下向きの面を加熱装置の載置台の載置面に対面させた状態で、袋体2aを載置台に載置して行なった。この加熱により、透過室48からは水蒸気が通気性シート6を透過して外部に放出された。このとき、図11の模式図に示すように、透過室48は上方に反り上がり、袋体2aの内部の液体が透過室48の内部に流入することがなかった。加熱時に袋体2aが膨張して、非通気性シート4と非通気性シート4aとは互いに反対の方向に反るが、非通気性シート4aは内部のしいたけと液体に充分に接触し、非通気性シート4は非通気性シート4aよりも内部のしいたけと液体にほとんど接触しない。このため、非通気性シート4は内部のしいたけと液体の重量に押えられた非通気性シート4aよりも大きく膨張し、通気性シート6を面方向に引っ張るため透過室48が反り上がる。
【0047】
又、収納物の温度は99〜100℃に達したが、袋体2aが破れることはなかった。
【0048】
加熱後直ちに袋体2aの内部を脱気して、袋体2aを境界域24でヒートシーラーを用いて融着して封止した。その後水で冷却し、しいたけスライス煮が封入包装された包装体41を得た。なお、袋体2aの周縁の、封止部37の下方には、開封時の袋体2aの引裂きを容易にするための切欠き52を予め形成した。
【0049】
その他、本発明は、主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変更を加えた態様で実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明の包装体は、食品や飲料のみならず、医薬品、医療用品、化粧品、飼料等の、滅菌状態で保管や流通が必要な物品の密封包装に適用出来る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の包装体の製造方法において用いられる袋体を示す正面模式図である。
【図2】図1のA−A方向の断面端面模式図である。
【図3】本発明の包装体の製造方法における、被包装物が収納された袋体の下縁部が封止された状態を示す断面端面模式図である。
【図4】本発明の包装体の製造方法における、被包装物が内部に収納された袋体の境界域が封止された状態を示す正面模式図である。
【図5】図4に示す袋体のD−D方向の断面端面模式図である。
【図6】本発明の包装体の製造方法において用いられる他の態様の袋体を示す正面模式図である。
【図7】図6のC−C方向の断面端面模式図である。
【図8】図6のB−B方向の断面端面模式図である。
【図9】本発明の包装体の製造方法における、被包装物が収納された図6に示す袋体の下縁部が封止された状態を示す断面端面模式図である。
【図10】本発明の包装体の製造方法における、被包装物が内部に収納された図6に示す袋体の帯域が封止された状態を示す正面模式図である。
【図11】被包装物が内部に収納された図6に示す袋体が加熱されて反り上がる状態の説明模式図である。
【符号の説明】
【0052】
2、2a:袋体(包装袋)
4、4a:非通気性シート
6:通気性シート
12:重畳部
13:下縁部
16:開口
22:被包装物
24:境界域
33:間歇的封止部
36:帯域
46:気体通路
48:気体透過室
【出願人】 【識別番号】500124909
【氏名又は名称】甲賀高分子株式会社
【住所又は居所】滋賀県湖南市石部北一丁目4番26号
【出願日】 平成16年3月23日(2004.3.23)
【代理人】 【識別番号】100094248
【弁理士】
【氏名又は名称】楠本 高義

【識別番号】100124718
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 建

【識別番号】100129207
【弁理士】
【氏名又は名称】中越 貴宣

【公開番号】 特開2005−269914(P2005−269914A)
【公開日】 平成17年10月6日(2005.10.6)
【出願番号】 特願2004−84068(P2004−84068)