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【発明の名称】 アセロラ発酵物
【発明者】 【氏名】高垣 欣也
【住所又は居所】福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目19番27号 株式会社東洋新薬内

【氏名】森 貞夫
【住所又は居所】福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目19番27号 株式会社東洋新薬内

【氏名】平野 真
【住所又は居所】福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目19番27号 株式会社東洋新薬内

【要約】 【課題】優れた生理活性を有するアセロラ発酵物を提供すること

【解決手段】アセロラ果実またはその破砕物を発酵することによって得られるアセロラ発酵物であって、該アセロラ果実に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体を乾燥質量換算で2質量%以上含有する、発酵物。好ましくは、アセロラ果実に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体が、発酵前の50%以上保持される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセロラ果実またはその破砕物を発酵することによって得られるアセロラ発酵物であって、
該アセロラ果実に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体が、該アセロラ発酵物中に乾燥質量換算で2質量%以上含有される、発酵物。
【請求項2】
前記アセロラ果実に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体が、発酵前の50%以上保持される、請求項1に記載の発酵物。
【請求項3】
前記発酵が乳酸発酵であり、乳酸を、該発酵物の乾燥質量に対して0.0001質量%以上含有する、請求項1または2に記載の発酵物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかの項に記載のアセロラ発酵物を含有する組成物。
【請求項5】
請求項1に記載のアセロラ発酵物の製造方法であって、
アセロラ果実またはその破砕物を発酵する工程を包含し、かつ
該発酵に用いられる菌体が、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus Plantarum)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus Casei)、バチルス・メセンテリカス(Bacillus mesentericus)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、およびラクトバチルス・アシドフィリス(Lactobacillus acidophilus)からなる群より選択される少なくとも1種である、製造方法。
【請求項6】
請求項1に記載のアセロラ発酵物の製造方法であって、
アセロラ果実またはその破砕物を、酵素処理および中和処理のうちの少なくとも1種で処理した後に発酵する工程を包含する、方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、アセロラ発酵物、それを含有する組成物、およびアセロラ発酵物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アセロラは、キントラオ科に属する果樹であり、その果実には、アスコルビン酸およびその誘導体が豊富に含有されている。このため、アセロラの果実の搾汁または抽出物は、アスコルビン酸が有する美白効果などを期待して食品や外用剤に利用されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
上記美白効果以外にも、アセロラ抽出物が、細胞賦活剤および/または保湿剤の効果を高めること(特許文献2)あるいは、アセロラチェリー発酵体がメラニン合成抑制作用を有することが報告されている(特許文献3)。
【0004】
この特許文献3には、アセロラチェリー発酵体と、アスコルビン酸などの白色化剤とを含有する組成物を外部適用することによって、メラニン合成抑制活性を有することが記載されている。このアセロラチェリー発酵体は、アセロラピューレを抽出・濾過して得られた濾液を発酵し、さらに発酵後の成分を抽出したものである。そのため、この発酵体には、アセロラの果実に豊富に含有されるはずのアスコルビン酸が実質的に含有されておらず(1重量%以下)、アセロラの有効な天然成分の大部分が失われていると思われる。また、上記組成物はさらに、外来からアスコルビン酸を添加する必要があり、工程が増える点、コストの点などにおいても好ましくない。
【0005】
このように、アセロラ果実の成分の有効性についての検討は、まだ十分とはいえない。さらに、アセロラ果実およびその破砕物や搾汁を発酵させるには、多大な時間を要し、長時間発酵すると、アスコルビン酸の損失が大きいといった問題点もある。
【特許文献1】特開平11−206341号公報
【特許文献2】特開2000−212027号公報
【特許文献3】特許第3076787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、優れた生理活性を有するアセロラ果実の発酵物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等はアセロラの成分が有する生理活性について鋭意検討した結果、アセロラ果実またはその破砕物を発酵することによって、該アセロラ果実に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体を特定割合で含有する発酵物を得ることに成功し、この発酵物が優れた生理活性を有することを見出して、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明のアセロラ発酵物は、アセロラ果実またはその破砕物を発酵することによって得られ、該アセロラ果実に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体が、該アセロラ発酵物中に乾燥質量換算で2質量%以上含有される。
【0009】
好ましい実施態様においては、上記アセロラ果実に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体が、発酵前の50%以上保持される。
【0010】
好ましい実施態様においては、上記発酵が乳酸発酵であり、乳酸を該発酵物の乾燥質量に対して0.0001質量%以上含有する。
【0011】
本発明の組成物は、上記アセロラ発酵物を含有する。
【0012】
本発明のアセロラ発酵物の製造方法は、アセロラ果実またはその破砕物を発酵する工程を包含し、かつ該発酵に用いられる菌体が、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus Plantarum)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus Casei)、バチルス・メセンテリカス(Bacillus mesentericus)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、およびラクトバチルス・アシドフィリス(Lactobacillus acidophilus)からなる群より選択される少なくとも1種である。
【0013】
本発明のアセロラ発酵物の製造方法はまた、アセロラ果実またはその破砕物を、酵素処理および中和処理のうちの少なくとも1種で処理した後に発酵する工程を包含する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アセロラ果実またはその破砕物を発酵することによって、該アセロラ果実に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体を2質量%以上含有するアセロラ発酵物を得ることができる。このアセロラ発酵物は、香りおよび風味がよく嗜好性に優れ、さらにチロシナーゼ阻害作用、美白作用、リパーゼ阻害作用、血中脂質改善作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用などの優れた生理活性を有する。そのため、脂質代謝調整剤および/または美白剤として利用することができる。また、このアセロラ発酵物をアスコルビン酸に由来する様々な生理活性を目的とした食品や外用剤に利用することも可能である。この発酵物は、アセロラ果実またはその破砕物を、酵素処理および中和処理のうちの少なくとも1種で処理することによって、発酵を短時間で行うことが可能となる。したがって、発酵中のアスコルビン酸の損失を防ぐことができる。さらに、天然由来の成分であるため、安全性およびコストの面からも好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(1)アセロラ発酵物
本発明のアセロラ発酵物は、アセロラ果実またはその破砕物を発酵することによって、あるいは酵素処理および中和処理のうちの少なくとも1種で処理した後に発酵することによって得られる。アセロラ発酵物はそのままか、あるいは濾過して用いられる。本発明においては、濾過物が好ましく用いられる。好ましいアセロラ発酵物は、発酵後に得られる可溶成分である。
【0016】
(アセロラ果実またはその破砕物)
アセロラは、熱帯に生息するキントラオ科に属する果樹であり、その果実部には、アスコルビン酸およびその誘導体が豊富に含まれる。本発明においては、このアセロラの果実が用いられる。
【0017】
上記アセロラ果実は、通常、洗浄してから、あるいはさらに、カット、摩砕などの当業者が通常行う方法によって破砕してから使用される。アセロラ果実の破砕物が好ましい。破砕物の大きさに特に制限はない。好ましくは、粒経が5000μm以下、より好ましくは20μm〜5000μm程度の破砕物(ピューレ)が用いられる。本発明においては、破砕後、固液分離して得られた溶液(搾汁)も破砕物として用いることもできる。さらに上記アセロラ果実またはその破砕物を抽出した後、固液分離して用いてもよい。アセロラ果実由来の成分、すなわち不溶性成分および水溶性成分の全ての成分を発酵することができる点で、アセロラ果実またはその破砕物を固液分離せずに用いることが好ましい。
【0018】
上記アセロラ果実およびその破砕物は、雑菌の繁殖を防ぐ目的で、加熱処理を行ってもよく、冷凍保存してもよい。特に、冷凍保存は、アセロラ果実に含有される成分および風味の保持の観点から好ましく、直ちに次工程を行わない場合に採用される。
【0019】
上記アセロラ果実またはその破砕物は、発酵を効率的に行うために、必要に応じて、加水され得る。加水量に特に制限はない。通常、アセロラ果実またはその破砕物1質量部に対して水が0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜10質量部の割合で加えられる。
【0020】
(酵素処理工程および中和処理工程)
次いで、アセロラ果実またはその破砕物の発酵を促進する目的で、酵素による細胞壁分解処理および中和処理のうちの少なくとも1種で処理し得る。
【0021】
酵素処理に用いられる酵素としては、アミラーゼ、ペクチナーゼ、エンドアラバナーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、エンドβ−グルカナーゼ、エキソβ−グルカナーゼ、キシラーゼ、β−グルコシダーゼなどが挙げられる。好ましくは、ペクチナーゼである。これらの酵素は混合して用いてもよい。特に好ましくは、ペクチナーゼと、アミラーゼ、エンドアラバナーゼ、エンドβ−グルカナーゼ、エキソβ−グルカナーゼ、キシラナーゼ、およびβ−グルコシダーゼからなる群より選択される少なくとも1種の酵素との混合酵素である。これらの添加量は、酵素の種類によって異なるが、通常、酵素濃度が、0.0001〜0.5質量/容量%、好ましくは0.0005〜0.3質量/容量%となるように添加される。
【0022】
酵素処理の条件は、処理するアセロラ果実の形状、酵素の種類、酵素濃度に応じて適宜設定すればよい。通常、30〜75℃、好ましくは35〜70℃にて30分間〜72時間、好ましくは1〜48時間程度で処理される。
【0023】
酵素処理は、発酵の阻害要因(例えば、ペクチン等の細胞壁を構成する多糖類)を分解することによって、発酵を短時間で終了させることができる。そのため、アスコルビン酸の損失が少ないアセロラ発酵物が得られる。さらに、例えば、多糖類が分解されると、多糖類の分解物(単糖類、オリゴ糖など)が生成される。これらが、得られるアセロラ発酵物中の新たな成分となる。例えば、オリゴ糖は、整腸作用、発酵物の可溶化を促進するなどの様々な効果を有する。単糖類は、さらに微生物の増殖に必要な栄養素を供給して微生物の有用物質の産生を促進すると考えられる。
【0024】
中和処理は、最適なpHで発酵するために行われ、アセロラ果実またはその破砕物のpHを4.0〜7.5に調節する。pHの調節は、当業者が用いる通常の方法を用いて行われる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、重曹、クエン酸ナトリウムなどのpH調整剤;電解水;クエン酸緩衝液や酢酸緩衝液などを添加して調節され得る。なお、pHが7.5より高くなると、アセロラ果実に含まれる成分、特にアスコルビン酸が分解するおそれがある。
【0025】
(発酵工程)
上記アセロラ果実またはその破砕物を発酵する、あるいは酵素処理および中和処理のうちの少なくとも1種で処理した後に発酵してアセロラ発酵物を得る。発酵としては、乳酸発酵、クエン酸発酵、アルコール発酵、酢酸発酵などが挙げられる。これらの中でも、乳酸発酵が好ましい。発酵はこれらを組み合わせてもよい。発酵は、例えば、24時間〜72時間で終了することが、アスコルビン酸またはその誘導体の損失を防ぐ点から好ましい。発酵の種類に応じて、乳酸菌、酵母菌、酢酸菌などが用いられる。酵母や酢酸菌は、耐酸性が強いため、中和処理を行わずとも、効率的な発酵が可能であり、アセロラ果実の風味を十分維持することができる。
【0026】
上述の酵素処理および中和処理はいずれも、発酵を促進させ、発酵工程におけるアスコルビン酸などのアセロラ果実に含有される有効成分の損失を防ぐことを目的として行われる。したがって、発酵能力が高い微生物(例えば、後述の特定の乳酸菌)と、酵素処理または中和処理したアセロラ果実またはその破砕物とを組み合わせることが、比較的短時間(例えば、24時間〜72時間)で発酵できる点から好ましい。このように発酵を行うことで、アセロラ果実に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体が、アセロラ発酵物中にアセロラ発酵物の乾燥質量あたり2質量%以上含有される。乳酸発酵の場合は、さらにアセロラ発酵物の乾燥質量100g当り、0.1mg以上の乳酸を含有する発酵物を得ることができる。また、好ましくはアセロラ果実中に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体が、発酵前の50%以上保持される発酵物となる。
【0027】
乳酸発酵は、上記アセロラ果実またはその破砕物を乳酸菌と接触させることによって行われる。乳酸発酵は、得られる発酵物中に乳酸が含有される点で好ましい。好ましくは発酵物の乾燥質量100g当り、乳酸を乾燥質量換算で0.1mg(0.0001質量%)以上、より好ましくは0.5mg(0.0005質量%)以上、さらに好ましくは1mg(0.001質量%)以上含有し得る。
【0028】
乳酸菌としては、ロイコノストック・メセントロイデス、ラクトバチルス・プランタラム(Lactobacillus plantarum)、ラクトバチルス・ブレビス、ラクトバチルス・デルブロイキ、ラクトバチルス・ガッセリ、ラクトバチルス・アシドフィルス(Lactobacillus acidophilus)、ラクトバチルス・カゼイ(Lactobacillus casei)、ストレプトコッカス・サーモフィラス、ストレプトコッカス・フェカリス、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ラクティス、バチルス・メセンテリカス(Bacillus mesentericus)などが挙げられる。これらの乳酸菌は単独でまたは組み合わせて用いられる。これらの中でも、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、バチルス・メセンテリカス、ビフィドバクテリウム・ロンガム、およびラクトバチルス・アシドフィリスが好ましく、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・カゼイ、およびバチルス・メセンテリカスが短時間で発酵を行い、乳酸量を増加させることができる点でより好ましく、耐酸性、生育温度、および増殖速度の面から発酵を効率よく行える点で、ラクトバチルス・プランタラムがさらに好ましく、ラクトバチルス・プランタラムの特定株であるヴィニフローラ株(Lactobacillus plantarum viniflora)が特に好ましい。また、アセロラ果実に常在する乳酸菌は、一般的にアセロラ果実またはその破砕物を効率よく発酵することができるため、好適に用いられる。
【0029】
上記の乳酸菌の中には、アセロラ発酵物を得るために時間を要する乳酸菌もある。例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガム、ビフィドバクテリウム・ビフィダム、ビフィドバクテリウム・ラクティスなどの一般にビフィズス菌と呼ばれる乳酸菌、ストレプトコッカス・フェカリス、ラクトバチルス・アシドフィルス、ラクトバチルス・サーモフィラスなどが挙げられる。このような乳酸菌を用いて発酵すると、発酵に時間を要するため、アスコルビン酸の損失が大きくなる可能性がある。したがって、この場合、アセロラ果実またはその破砕物を予め酵素処理または中和処理しておくことが、発酵を促進できる点で有効である。特に中和処理を行った後に、ビフィドバクテリウム・ロンガムまたはラクトバチルス・アシドフィリスを用いて発酵することが好適であり、このようにして得られた発酵物は、高いチロシナーゼ阻害効果、美白効果、リパーゼ阻害効果、および血中脂質改善効果(中性脂肪上昇抑制効果、血中コレステロール低減作用等)を有する。
【0030】
乳酸菌は、アセロラ果実またはその破砕物100質量部に対して、乾燥菌体質量で好ましくは0.005〜10質量部、さらに好ましくは0.01〜5.0質量部添加される。
【0031】
また、乳酸菌の優先的な生育のために、グルタミン酸またはその塩を加えてもよい。添加するグルタミン酸の量は、アセロラ果実またはその破砕物に対して0.05〜1質量%程度、好ましくは0.2質量%程度である。
【0032】
さらに乳酸菌の発酵を促進するために、乳酸菌代謝性の糖を添加してもよい。この糖の添加は、糖分含量が少ない植物(糖分含量が1質量%未満)を発酵させる場合に有用である。あるいは、発酵の促進および発酵物への甘味の付加という目的で糖を添加してもよい。添加される糖は、乳酸菌が生育および発酵に利用し得る糖であり、例えば、庶糖、ぶどう糖、果糖、麦芽糖などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの糖は、糖分がアセロラ果実の糖分と合わせて約1〜6質量%になるように加えることが好ましい。
【0033】
乳酸発酵は、乳酸菌が優先的に増殖できる環境をつくるため、アセロラ果実またはその破砕物のpHを予め中和処理により調節しておくことが好ましい。例えば、ラクトバチルス・プランタラムを用いる場合は、pHを4.0程度に調節してから発酵を開始すれば、短期間でその発酵を終了させることができる。
【0034】
乳酸発酵は、アスコルビン酸の分解を抑制する観点から、嫌気性条件下で行うことが好ましい。嫌気性条件は、例えば、アセロラ果実またはその破砕物を発酵槽に入れた後、脱気することにより、または発酵槽を密封するか、窒素、二酸化炭素などのガスで満たすか、減圧することにより、あるいはそれらを組み合わせることにより得られる。また、嫌気条件下で発酵を行うことにより、得られる発酵物の風味も良くなる。
【0035】
乳酸発酵の条件に特に制限はない。発酵温度は、通常、4℃〜50℃で行われ得る。発酵時間は、発酵温度に応じて適宜設定すればよく、20℃〜50℃で発酵を行う場合、12時間〜72時間、好ましくは24時間〜72時間である。さらに、風味を高める目的で4℃〜10℃の低温発酵を行う場合は、アスコルビン酸などのアセロラ果実に含有される成分の損失を考慮すると、5日間〜14日間が好ましい。
【0036】
乳酸発酵は、糖を加えて発酵を停止させることができる。このような糖としては、糖アルコール(例えば、ソルビトール)、オリゴ糖(例えば、マルトオリゴ糖、キトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖)などが挙げられる。このようなオリゴ糖は、整腸作用、う蝕の予防などに効果があり、得られる発酵物に機能性を付与し得る。
【0037】
乳酸発酵は、アセロラ果実中の成分を資化して有機酸やオリゴ糖などの有用成分を産生するだけでなく、発酵物を低いpHに維持できるため、他の雑菌の繁殖を防ぐことも可能である。また、乳酸菌を添加するため、風味の改善や整腸作用、酵素阻害作用などの生理活性の高いアセロラ発酵物を得ることができる。
【0038】
クエン酸発酵は、一般的には、酵母を、上記果実またはその破砕物と好気的条件下で接触させて培養することによって行われる。クエン酸発酵において、乳酸菌をさらに添加して発酵すると、酵母の増殖が促進されやすく、さらに得られる発酵物の嗜好性も高まるため好ましい。
【0039】
酵母としては、清酒酵母、ワイン酵母、ビール酵母、パン酵母などが用いられる。例えば、サッカロミセス属、シゾサッカロミセス属などに属する酵母が用いられ、好ましくは、サッカロミセス・セレビシエ、サッカロミセス・パストリアヌス、シゾサッカロミセス・ポンベなどが挙げられる。特にアミノ酸やビタミンなどの有用物質を産生する点で、サッカロミセス・セレビシエおよびその単離株が好ましい。
【0040】
酵母は、アセロラ果実またはその破砕物100質量部に対して、乾燥体質量で0.001〜15質量部、好ましくは0.01〜10質量部添加する。
【0041】
クエン酸発酵は、アセロラ果実またはその破砕物と酵母とを発酵槽に入れ、通気攪拌しながら、4℃〜40℃、好ましくは10℃〜35℃で24時間〜14日間行う。特にアセロラの果実は酸性であるため、酵母発酵により香気成分が高くなるため、より嗜好性の高い発酵物を得ることができる。
【0042】
クエン酸発酵は、酵母を用いて行われるため、発酵物中に酵母が産生するアミノ酸、タンパク質、ビタミン類などが含まれ、栄養価が高く嗜好性に優れる点で好ましい。
【0043】
アルコール発酵は、酵母を、アセロラ果実またはその破砕物と嫌気条件下で接触させて培養することによって行われる。アルコール発酵に用いられる酵母の種類および量は、上記クエン酸発酵の場合と同様である。発酵条件も、嫌気条件にすること以外は、上記クエン酸発酵の場合と同様である。こうしてアルコール発酵で得られたアセロラ発酵物は、さらに以下で述べる酢酸発酵に供することが好ましい。
【0044】
酢酸発酵は、アセロラ果実またはその破砕物にアルコールを加え、所定のアルコール濃度にした後、酢酸発酵し得る微生物(酢酸菌)を添加することによって行われる。あるいは上記のアルコール発酵によって得られたアセロラ発酵物に酢酸菌を添加して二段発酵させてもよい。
【0045】
アルコール濃度は、酢酸菌が生育できる濃度であれば、特に制限されず、発酵時間などに応じて適宜調整すればよい。好ましくは10質量/容量%以下、より好ましくは1〜6質量/容量%である。
【0046】
酢酸菌としては、アセトバクター属に属する微生物、例えば、アセトバクター・アセチ、アセトバクター・パステウリアヌス、アセトバクター・ハンセニなどが挙げられる。
【0047】
酢酸菌は、適切な培地で15℃〜40℃、好ましくは25℃〜35℃にて6〜48時間予備培養しておくことが好ましい。予備培養した酢酸菌は、例えば、次のようにして得られる。まず、ポテト200g、破砕酵母30g、肝臓エキス25g、肉エキス5g、チオグリコール酸培地10g、グルコース5g、グリセロール15g、および炭酸カルシウム15gを含有する1Lの酢酸菌培地(pH7.0)に酢酸菌を添加して、15℃〜40℃にて24時間予備培養する。次いで、得られた培養物を遠心分離し、回収した菌体を滅菌水で洗浄し、再度遠心分離して上清を除去することによって、予備培養した酢酸菌が得られる。
【0048】
酢酸発酵は、攪拌培養、振盪培養、および静置培養のいずれでも行うことができる。発酵温度は10℃〜40℃、好ましくは20℃〜35℃で行われる。発酵時間は、酢酸菌の添加量に応じて適宜設定され、通常、1日〜1週間が好適である。
【0049】
上記発酵後は、さらに必要に応じて、殺菌または除菌してもよい。例えば、加圧式殺菌、熱交換式殺菌、蒸煮殺菌、限外ろ過などの当業者が通常用いる方法が用いられる。加熱殺菌の場合、例えば、60℃〜120℃にて5秒間〜12時間行われる。
【0050】
(アセロラ発酵物)
このようにして得られたアセロラ発酵物は、そのまま使用してもよいし、必要に応じて、その後当業者が通常用いる処理方法によって種々の態様にして使用することもできる。このような態様としては、例えば、上記のように発酵物を固液分離して上清を回収することにより得られた発酵エキス、該発酵物または該発酵エキスを濃縮処理した発酵ペースト、該発酵物または該発酵エキスを乾燥・粉末化処理した発酵粉末または発酵エキス末などが挙げられる。これらは、すべてアセロラ発酵物の一態様である。
【0051】
上記アセロラ発酵物の1つの実施態様である発酵粉末または発酵エキス末は、具体的には、該発酵物または発酵エキスを、乾燥、粉末化することによって得られる。乾燥は、当業者が通常用いる種々の方法が採用されるが、凍結乾燥、噴霧乾燥が好ましく用いられる。噴霧乾燥は、必要に応じて、デキストリン、シクロデキストリン、デンプン、マルトースなどの賦形剤を添加して行われる。好ましくはデキストリン、より好ましくは難消化性デキストリンが用いられる。デキストリンを用いることにより、血清における血糖値の上昇を防ぎ、さらには水溶性食物繊維によるコレステロールの低下という効果を得ることができる。発酵物または発酵エキスと賦形剤との混合比は、発酵物を乾燥する場合、好ましくは質量比で1:5〜10:1、発酵エキスを乾燥する場合、好ましくは質量比1:10〜5:1である。上記混合比で乾燥することにより得られる発酵粉末または発酵エキス末の褐変を防ぐことができる。
【0052】
本発明のアセロラ発酵物は、発酵前のアセロラ果実に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体を乾燥質量換算で2質量%以上含有する。好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上、最も好ましくは20質量%以上含有される。
【0053】
本発明のアセロラ発酵物はまた、好ましくは、発酵前のアセロラ果実に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体が、発酵前(アセロラ果実またはその破砕物)の50%以上、より好ましくは60%以上保持される。
【0054】
本発明のアセロラ発酵物は、香りおよび風味がよく嗜好性に優れ、さらに発酵によって、アセロラ果実が本来有しない新規な機能(例えば、リパーゼ活性阻害作用)、アセロラ果実が本来有する生理活性を増強する作用(チロシナーゼ阻害作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用など)を有する。このようなアセロラ発酵物は、脂質代謝調整剤および/または美白剤として利用できる。
【0055】
また、本発明のアセロラ発酵物は、上述のように、アスコルビン酸およびその誘導体を含有するため、様々な生理活性を有する。例えば、抗酸化作用に基づく脂質等の生体成分の酸化抑止作用、動脈硬化予防作用や血栓防止作用などの血管系疾患の予防作用、肝機能改善作用、解毒作用、発ガン抑制作用、血中脂質改善作用、血管保護作用、コラーゲンの酸性増強作用、シワなどの皮膚改善作用、メイラード反応阻害作用、日焼け予防作用、抗疲労作用、抗ストレス作用、免疫増強作用、抗高血圧予防作用、痴呆予防作用、糖尿病および糖尿病合併予防作用、骨代謝改善作用、抗炎症作用、アミノ酸代謝改善作用、心疾患予防作用、脳卒中予防作用、歯槽膿漏予防作用、貧血予防作用、胃潰瘍予防作用、更年期症状改善作用などが挙げられる。したがって、アセロラ発酵物を天然のアスコルビン酸の供給源として利用することも可能であり、安全性並びにコストの面で優れている。さらに、発酵物中に含有されるアスコルビン酸以外の成分による上記作用の相乗効果も期待できる。
【0056】
(2)アセロラ発酵物含有組成物
本発明のアセロラ発酵物含有組成物は、アセロラ発酵物を含有し、必要に応じて、その他の成分を含有し得る。この組成物は、食品、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品などに広く適用し得る。
【0057】
本発明の組成物中のアセロラ発酵物の含有量は、特に制限されない。アセロラ発酵物が有する生理作用を得る点から、食品など経口投与を目的とする場合には、好ましくは0.001〜100質量%、より好ましくは0.01質量%〜70質量%、化粧品などの経皮投与を目的とする場合には、好ましくは0.00001質量%〜50質量%、より好ましくは0.0001質量%〜30質量%である。
【0058】
本発明の組成物は、上述のように、必要に応じて、種々の成分を含有し得る。種々の成分の含有量は任意である。種々の成分としては、例えば、通常の食品として添加し得る成分(賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤(例えば、寒天)、乳化剤、滑沢剤、湿潤剤、懸濁剤、着色料(色素)、食品添加物、調味料など)または通常、医薬部外品、化粧品、およびトイレタリー用品として添加し得る成分(基材、動植物抽出物など)が挙げられる。上記成分は、単独で含有させてもよく、組み合わせて含有させてもよい。
【0059】
上記種々の成分のうちの食品添加物としては、例えば、ローヤルゼリー、プロポリス、ビタミン類(A、B群、C、D、E、K、葉酸、パントテン酸、ビオチン、これらの誘導体等)ミネラル(鉄、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等)、セレン、キチン・キトサン、レシチン、ポリフェノール(カテキン類、アントシアニン類、プロアントシアニジンなどの縮合型タンニン、ガロタンニン等の加水分解型タンニン、イソフラボン、ヘスペリジンなどのフラボノイド類、これらの誘導体等)、カロテノイド(リコピン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、ルテイン等)、サポニン(ジンセサノイド、グリチルリチン酸等)、キサンチン誘導体(カフェイン等)、脂肪酸、アミノ酸、タンパク質(コラーゲン、エラスチン等)、ムコ多糖類(ヒアルロン酸、コンドロイチン、デルマタン、ヘパラン、ヘパリン、ケタラン、これらの塩等)、アミノ糖(グルコサミン、アセチルグルコサミン、ガラクトサミン、アセチルガラクトサミン、ノイラミン酸、アセチルノイラミン酸、ヘキソサミン、それらの塩等)、食物繊維(難消化性デキストリン、アルギン酸、グアガム、ペクチン、グルコマンナン等)、オリゴ糖(イソマルトオリゴ糖、環状オリゴ糖等)、リン脂質、スフィンゴ脂質、及びその誘導体(フォスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、セラミド等)、含硫化合物(アリイン、セパエン、タウリン、グルタチオン、メチルスルホニルメタン等)、糖アルコール、キノン類(コエンザイムQ10等)、リグナン類(セサミン等)、これらを含有する動植物抽出物、根菜類(ウコン、ショウガ等)、麦若葉末等のイネ科植物の緑葉、ケール等のアブラナ科植物の緑葉などが挙げられる。さらに上記食品添加物を含む飲料、例えば、植物発酵ジュース、野菜ジュース(例えば、人参ジュース)、植物抽出物、果汁なども利用され得、これらを含有させることにより機能性または栄養価の高い飲料を得ることができる。
【0060】
上記種々の成分のうちの調味料としては、例えば、グラニュー糖、蜂蜜、ソルビットなどの甘味料、アルコール、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などの酸味料、および香料が挙げられる。
【0061】
本発明の組成物は、目的に応じて、各種の形態に調製することができる。例えば、食品などとして利用する場合は、ハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル剤、錠剤、丸剤、粉末(散剤)、顆粒、ティーバッグ、液体(飲料)、ペーストなどの当業者が通常用いる形態で利用される。さらに、上記液体などを加工して、ゼリー、シャーベット、フローズンヨーグルトあるいはアイスクリームとすることもできる。これらは、形状または好みに応じて、そのまま摂取してもよく、あるいは水、湯、牛乳などに溶いて、または成分を浸出して飲むことができる。なお、飲料の場合、低pHであれば、120℃、4分の完全殺菌をしなくても、100℃以下の殺菌条件で殺菌できる。例えば、pHが4.0以下の場合では、65℃、10分相当の殺菌条件で十分に殺菌できる。
【0062】
本発明の組成物を、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品などとして利用する場合は、例えば、化粧水、化粧クリーム、乳液、パック、ヘアトニック、シャンプー、ヘアリンス、トリートメント、ボディーシャンプー、先顔剤、石鹸、ファンデーション、口紅、育毛剤、軟膏、入浴剤、歯磨剤、マウスウウォッシュ、シップ、ゲルなどの形態とされ得る。
【0063】
本発明の組成物は、リパーゼ活性阻害作用およびチロシナーゼ阻害作用を有するアセロラ発酵物を含有するため、特に優れた脂質代謝調整剤および/または美白剤として利用可能である。さらに香りおよび風味がよく嗜好性にも優れる。
【実施例】
【0064】
以下、本発明をより詳細に説明するが、本発明は、この範囲に限定されるものではない。
【0065】
(実施例1:ラクトバチルス・プランタラム・ヴィニフローラ(LPV)による発酵)
アセロラピューレ(株式会社ニチレイ)を、以下のような処理方法(試験1〜5)によって発酵した。
【0066】
(i)試験1
アセロラピューレ1kgにイオン交換水1kgを加えて攪拌してアセロラ分散液を調製した。この分散液を固液分離せずに、2gの乳酸菌(ラクトバチルス・プランタラム・ヴィニフローラ、クリスチャンハンセン社製)を添加し、35℃にて24時間発酵した。なお、発酵前後の乳酸値をF−キットL−乳酸(J.K.インターナショナル社製)を用いて測定した。得られたアセロラ発酵物をろ過し、アセロラ発酵液を得た。このアセロラ発酵液を95℃にて8秒間殺菌した後に、これを凍結乾燥し、アセロラ発酵液の乾燥粉末(アセロラ発酵エキス末)70gを得た。アセロラピューレおよびアセロラ発酵エキス末中に含まれるアスコルビン酸の量を以下の方法で測定し、発酵前後におけるアスコルビン酸の残存率(%)を求めた。発酵前後の乳酸量およびアスコルビン酸量、ならびに発酵前後におけるアスコルビン酸残存率の結果を表1に示す。なお、後述の試験2〜5の結果についても同様に表1に示す。
【0067】
(アスコルビン酸の測定)
アセロラピューレまたはアセロラ発酵エキス末をサンプルとして、サンプル0.4gを10mLの水に溶解した。この溶液と、10mLのブタノールとを分液ロート中で攪拌混合した後、水層を回収する操作を2回行って試験液を調製した。得られた試験液をHPLCに供し、以下の条件で測定した。なお、標準物質として、アスコルビン酸(和光純薬株式会社製)の0.01質量/容量%水溶液、0.05質量/容量%水溶液、および0.1質量/容量%水溶液を調製した。
移動相:25mM KHPO(pH2.5)
カラム:Unison UK−C18 150×4.6mm(Imtakt社製)
流速:1mL/min
カラム温度:40℃
使用サンプル量:10μL
検出波長:205nm
【0068】
(ii)試験2
試験1において、乳酸菌を添加する前に、アセロラ含有溶液をセルラーゼA(天野エンザイム社製)で酵素処理したこと以外は、試験1と同様に行い、アセロラ発酵エキス末を得た。なお、酵素処理は、アセロラ分散液にセルラーゼA(ペクチナーゼ、エンドβ−グルカナーゼ、エキソβ−グルカナーゼ、キシラナーゼ、およびβ−グルコシダーゼを含有)を最終濃度が0.1質量/容量%となるように添加し、55℃、24時間保持して行った。
【0069】
(iii)試験3
セルラーゼAの代わりに、ペクチナーゼA(ペクチナーゼおよびアミラーゼを含有、天野エンザイム社製)を用いて酵素処理したこと以外は、試験2と同様にして、アセロラ発酵エキス末を得た。
【0070】
(iv)試験4
セルラーゼAの代わりに、スミチームPX(ペクチナーゼおよびエンドアラバナーゼを含有、新日本化学社製)を用いて酵素処理したこと以外は、試験2と同様にして、アセロラ発酵エキス末を得た。
【0071】
(v)試験5
試験1において、乳酸菌を添加する前に、中和処理を行ったこと以外は、試験1と同様に行い、アセロラ発酵エキス末を得た。なお、中和処理は、1NのNaOHを用いてアセロラ分散液のpHを5.0に調節して行った。
【0072】
(実施例2:ラクトバチルス・カゼイ(LC)による発酵)
実施例1の乳酸菌をラクトバチルス・カゼイ(クリスチャンハンセン社製)にしたこと以外は、実施例1と同様に行い(試験1〜5)、アセロラ発酵エキス末(75g)を得た。発酵前後の乳酸量およびアスコルビン酸量、ならびに発酵前後におけるアスコルビン酸残存率の結果を表1に併せて示す。
【0073】
(実施例3:ラクトバチルス・プランタラム・LP115株(LP115)による発酵)
実施例1の乳酸菌をラクトバチルス・プランタラム・LP115株(協和ハイフーヅ社製)にしたこと以外は、実施例1と同様に行い(試験1〜5)、アセロラ発酵エキス末(72g)を得た。発酵前後の乳酸量およびアスコルビン酸量、ならびに発酵前後におけるアスコルビン酸残存率の結果を表1に併せて示す。
【0074】
(実施例4:ビフィドバクテリウム・ロンガム(BL)による発酵)
実施例1の乳酸菌をビフィドバクテリウム・ロンガム(クリスチャンハンセン社製)にしたこと以外は、実施例1と同様に行い(試験1〜5)、アセロラ発酵エキス末(70g)を得た。発酵前後の乳酸量およびアスコルビン酸量、ならびに発酵前後におけるアスコルビン酸残存率の結果を表1に併せて示す。
【0075】
(実施例5:ラクトバチルス・アシドフィルス(LA)による発酵)
実施例1の乳酸菌をラクトバチルス・アシドフィルス(クリスチャンハンセン社製)にしたこと以外は、実施例1と同様に行い、アセロラ発酵エキス末(73g)を得た。発酵前後の乳酸量およびアスコルビン酸量、ならびに発酵前後におけるアスコルビン酸残存率の結果を表1に併せて示す。
【0076】
(実施例6:バチルス・メセンテリカス(BM)による発酵)
実施例1の乳酸菌をバチルス・メセンテリカス(東亜薬品工業社製)にしたこと以外は、実施例1と同様に行い(試験1〜5)、アセロラ発酵エキス末(69g)を得た。発酵前後の乳酸量およびアスコルビン酸量、ならびに発酵前後におけるアスコルビン酸残存率の結果を表1に併せて示す。
【0077】
(比較例1)
実施例1の試験1において、乳酸菌を用いなかったこと以外は、実施例1の試験1と同様に行い、アセロラ搾汁末(81g)を得た。発酵前後の乳酸量およびアスコルビン酸量、ならびに発酵前後におけるアスコルビン酸残存率の結果を表1に併せて示す。
【0078】
【表1】


【0079】
表1の結果から、実施例の乳酸菌を用いて得られたアセロラ発酵エキス末は、発酵後に乳酸値が上昇していることから、発酵していることが分かる。実施例1のラクトバチルス・プランタラム・ヴィニフローラおよび実施例2のラクトバチルス・カゼイを用いた場合に乳酸値が大きく上昇し、特に、実施例1の発酵後の乳酸値が最も上昇していた。さらに、実施例4および5に顕著に示されるように、酵素処理または中和処理を行うことによって、発酵が促進されることがわかる。アスコルビン酸については、実施例で得られた発酵後のアセロラ発酵エキス末は、乾燥質量換算で20質量%以上含有しており、発酵前に比べて60%以上保持していた。酵素処理または中和処理は、比較的短時間の発酵を可能にするため、アスコルビン酸の損失を抑制し、保持することができると考えられる。
【0080】
(実施例7〜14)
実施例1〜6で得られたアセロラ発酵エキス末の中から、表2に示される8種類のアセロラ発酵エキス末を用いて、チロシナーゼ阻害作用、リパーゼ阻害作用、および嗜好性について評価した。結果を表2に示す。
【0081】
(i)チロシナーゼ阻害作用
チロシナーゼ阻害作用を以下のように評価した。まず、各発酵エキス末0.4gを精製水10mLに溶解し、さらに100倍希釈して希釈液を調製した(アスコルビン酸濃度0.08〜0.11mg/mL)。この希釈液100μLに、10μL(110Units)のチロシナーゼ(フナコシ株式会社製)および90μLの1/15Mリン酸緩衝液(pH6.8)を添加し、37℃にて10分間保持した。その後、0.03質量/容量%のDOPA(和光純薬株式会社)を100μL加えて、さらに37℃にて5分間保持した。得られた溶液を試験液として480nmの吸光度を測定した(測定値Aとする)。対照として、上記希釈液の代わりに、精製水を用いたこと以外は上記と同様に行って得た試験液(対照試験液)の吸光度を測定した(測定値Bとする)。さらに、試験液および対照試験液の各ブランクとして、上記チロシナーゼの代わりに1/15Mリン酸緩衝液を用いたこと以外は上記と同様に行って得た各溶液(ブランク)の吸光度を測定した(試験液のブランクの測定値を測定値C、対照試験液のブランクの測定値を測定値Dとする)。上記の測定値A〜Dを用いて、以下の式からチロシナーゼ阻害率(%)を求めた。なお、表2の値は、三重測定して得られた値である。
チロシナーゼ阻害率(%)=[1−{(A−C)/(B−D)}]×100
【0082】
(ii)リパーゼ阻害作用
上記希釈液1mLを、10質量/容量%の炭酸ナトリウム(和光純薬株式会社)でpH8.5に調整し、蒸留水で全量を2mLに調整した。この溶液に、4mLの基質液(牛乳を蒸留水で3倍希釈し、炭酸ナトリウムでpH8.5に調整した溶液)および0.04質量/容量%の豚膵臓由来のリパーゼ(和光純薬株式会社)を添加した。この溶液のpHを直ちに測定し、さらに37℃にて20分間反応させた後に再度pHを測定し、このpHの差(ΔAとする)を求めた。対照として、上記希釈液の代わりに、蒸留水を用いたこと以外は上記と同様に行い、pHの差(ΔBとする)を求めた。ΔAおよびΔBを用いて、以下の式よりリパーゼ阻害率(%)を求めた。
リパーゼ阻害率(%)={1−(ΔA)/ΔB}}×100
【0083】
(iii)嗜好性
上記希釈液1mLを、50mLの蒸留水に溶解した(アセロラ発酵エキス末溶液とする)。これとは別に、アセロラピューレをろ過し、凍結乾燥して得られた乾燥粉末1gを蒸留水50mLに溶解した(アセロラ搾汁末溶液とする)。6人のパネラーに、アセロラ発酵エキス末溶液とアセロラ搾汁末溶液とについて以下の評価基準で評価してもらった。なお、表2中の数値は、それぞれ回答した人数を示す。
評価基準:
アセロラ発酵エキス末溶液のほうが明らかに香りおよび風味がよい :○
アセロラ発酵エキス末溶液のほうが香りおよび風味がよいと思われる:△
特に差はない :×
【0084】
(比較例2)
アセロラ発酵エキス末の代わりに、アセロラピューレの濾過液を凍結乾燥して得られた乾燥粉末(アセロラ搾汁末)を用いたこと以外は、実施例7と同様にして、チロシナーゼ阻害率およびリパーゼ阻害率を求めた。結果を表2に併せて示す。
【0085】
(比較例3)
希釈液の代わりに、アスコルビン酸を0.11mg/mL含有する水溶液を用いたこと以外は、実施例7と同様にして、チロシナーゼ阻害率を求めた。結果を表2に併せて示す。
【0086】
【表2】


【0087】
表2の結果から、実施例のアセロラ発酵エキス末は、比較例のアセロラ搾汁末に比べて、チロシナーゼ阻害作用およびリパーゼ阻害作用に優れることがわかる。さらに比較例のアスコルビン酸に比べて、チロシナーゼ阻害作用に優れることがわかる。チロシナーゼ阻害作用については、特に、実施例7、8、および12〜14のアセロラ発酵エキス末が、比較例2のアセロラ搾汁末に比べて約1.2倍〜2.8倍高く、比較例3のアスコルビン酸に比べても約1.5倍〜3.5倍高かった。このことは、アセロラ発酵エキス末中のアスコルビン酸以外の成分が高いチロシナーゼ阻害作用を発揮することを示す。他方、リパーゼ阻害作用については、実施例のアセロラ発酵エキス末が、比較例のアセロラ搾汁末に比べて約1.2倍〜1.8倍高かった。以上のことから、本発明のアセロラ発酵物は、脂質代謝調整剤および/または美白剤として利用できると考えられる。さらに、嗜好性については、いずれの実施例においても、発酵によって風味がよくなる傾向(評価△以上が半数以上)にあり、風味改善剤としても利用することが可能である。
【0088】
(実施例15および16:ヒアルロニダーゼ阻害作用)
実施例1の試験1(LPV、前処理なし)および実施例2の試験1(LC、前処理なし)で得られた2種類のアセロラ発酵エキス末0.4gをそれぞれ精製水10mLに溶解し、さらに100倍希釈して希釈液を調製した。この希釈液100μLに、終濃度140unit/mLに調製したヒアルロニダーゼ(シグマアルドリッチジャパン社製)および0.1Mの酢酸緩衝溶液(pH4.0)50μLを加えて37℃にて20分間保持した。さらに、0.1Mの酢酸緩衝溶液(pH4.0)で0.1mg/mLに調製されたCompound48/80(シグマアルドリッチジャパン社製)溶液を100μL加えて37℃にて20分間保持した。そして、さらに0.1Mの酢酸緩衝溶液(pH4.0)で0.64mg/mLに調製されたヒアルロン酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)溶液を250μL加えて37℃にて40分間反応させた。反応後、0.4Mの水酸化ナトリウム水溶液を100μL加え、氷冷した。この反応液に、49.5mg/mLのホウ酸緩衝液(pH9.1)を100μL加えて3分間煮沸し、再度氷冷した。氷冷後、10mg/mLに調製したp−ジメチルベンズアルデヒド(p−DBA)(和光純薬工業株式会社)を3mL加えて37℃にて20分間反応後、650nmの吸光度を測定した(測定値(a)とする)。対照として、上記希釈液の代わりに、蒸留水を用いたこと以外は上記と同様に行い、吸光度を測定した(測定値(b)とする)。なお、測定値(a)および(b)は、ブランクとして、上記ヒアルロニダーゼの代わりに1/15Mリン酸緩衝液を用いたこと以外は上記と同様に行って得た各溶液の吸光度の各値を予め差し引いた値である。上記測定値(a)および(b)を用いて、以下の式からヒアルロニダーゼ阻害率(%)を求めた。結果を表3に示す。
ヒアルロニダーゼ阻害率(%)={1−(a/b)}×100
【0089】
(比較例4)
アセロラ発酵エキス末の代わりに、アセロラピューレの濾過液を凍結乾燥して得られた乾燥粉末(アセロラ搾汁末)を用いたこと以外は、実施例13と同様にして、ヒアルロニダーゼ阻害率を求めた。結果を表3に併せて示す。
【0090】
【表3】


【0091】
表3の結果から、実施例のアセロラ発酵エキス末は、アセロラ搾汁末に比べて、ヒアルロニダーゼ阻害作用が高いことがわかる(アセロラ搾汁末の約1.2倍)。このことは、発酵によってヒアルロニダーゼ阻害作用が高められることを示す。以上のことから、本発明のアセロラ発酵物は、肌質改善剤として、食品、医薬品、化粧品等に使用することが期待できる。
【0092】
(実施例17:血中脂質改善効果1)
アセロラ発酵エキス末を用いて、血中の中性脂肪上昇抑制作用を以下のように評価した。まず、4週齢雄性SDラット30匹を標準飼料(MF,オリエンタル酵母工業株式会社製)を用いて1週間馴化した。SDラットを16時間絶食させ、眼窩静脈より採血し、血清中のトリグリセリド(以下、血中TGという)をTG測定キット(商品名:トリグリセライドG−テストワコー、和光純薬工業株式会社)を用いて測定した。血中TGの平均値(投与前の血中TG値とする)がほぼ均一となるように1群6匹の計5群(ラット群1〜5)に分けた。
【0093】
次いで、ラット群1のラットに、綿実油0.5mLをゾンデで強制経口投与し、その直後に、実施例4の試験5で得られたアセロラ発酵エキス末(BL、中和処理)を40mg/mLの割合で含有する精製水(試験液1)を固形分含量で100mg/kg体重となるようにゾンデで経口投与した。
【0094】
ラット群2のラットには、試験液1の代わりに、実施例5の試験5で得られたアセロラ発酵エキス末(LA、中和処理)を40mg/mLの割合で含有する水溶液(試験液2)を投与した。
【0095】
ラット群3のラットには、試験液1の代わりに、比較例2で得られたアセロラ搾汁末を40mg/mLの割合で含有する精製水(試験液4)を固形分含量で400mg/kg体重となるように投与した。
【0096】
ラット群4のラットには、試験液1の代わりに、グアバポリフェノール(備前化成社製)を40mg/mLの割合で含有する精製水(試験液4)を固形分含量で400mg/kg体重となるように投与した。
【0097】
残りのラット群5のラットには、試験液1の代わりに、精製水(試験液5)を投与した。
【0098】
上記試験液投与1時間、2時間、および4時間後に、各群のラットの眼窩静脈から採血し、血中TGを測定し、投与前の血中TGの値を100%としたときの割合を血中TGの変化率(%)として算出した。結果を図1に示す。なお、血中TGの変化率が小さいほど、血中TGの上昇が抑制されていることを示す。
【0099】
図1の結果から、実施例で得られたアセロラ発酵エキス末を投与した群(ラット群1および2)は、比較例2で得られたアセロラ搾汁末を投与した群(ラット群3)または精製水を投与した群(ラット群5)に比べて、血中TGの変化率が小さく、血中TGの上昇が抑制されていることがわかる。このことは、アセロラを発酵することによって、優れた血中の中性脂肪上昇抑制作用が得られることを示す。さらに、アセロラ発酵エキス末を投与した群(ラット群1および2)の血中TGの変化率は、血中脂質改善作用が知られているグアバポリフェノールを投与した群(ラット群4)の血中TGの変化率とほぼ同等であった。このことは、アセロラ発酵エキス末の投与量が100mg/kg体重であるのに対して、グアバポリフェノールの投与量が400mg/kg体重であることを考慮すると、アセロラ発酵物が優れた血中の中性脂肪の上昇を抑制する作用を有することが分かる。
【0100】
(実施例18:血中脂質改善効果2)
アセロラ発酵エキス末を用いて、血中のコレステロール改善作用を以下のように評価した。まず、4週齢雄性SDラット30匹を標準飼料(MF,オリエンタル酵母工業株式会社製)を用いて1週間馴化した。SDラットを16時間絶食させ、眼窩静脈より採血し、血清中の総コレステロール量(以下、血中T−Choという)を測定キット(商品名:コレステロールE−ワコー、和光純薬工業株式会社)を用いて測定した。血中T−Choの平均値(投与前の血中T−Cho値とする)がほぼ均一となるように1群6匹の計5群に分けた。
【0101】
各群のラットに、綿実油0.5mLをゾンデで強制経口投与し、その直後に、実施例17と同様の試験液1〜5を固形分含量で400mg/kg体重となるようにゾンデで経口投与した。上記試験液投与1時間後および2時間後に、各群のラットの眼窩静脈から採血し、血中T−Choを測定し、投与前の血中T−Choの値を100%としたときの割合を、血中T−Choの低下率(%)として算出した。結果を図2に示す。なお、血中T−Choの低下率が大きいほど、血中コレステロール改善作用に優れることを示す。
【0102】
図2の結果から、実施例で得られたアセロラ発酵エキス末を投与した群は、比較例2で得られたアセロラ搾汁末を投与した群または精製水を投与した群に比べて、血中T−Choの低下率が大きく、血中のコレステロールが低下していることがわかる。このことは、アセロラを発酵することによって、優れた血中コレステロール改善作用が得られることを示す。なお、実施例で得られたアセロラ発酵エキス末を投与した群の血中T−Choの低下率は、グアバポリフェノールを投与した群の血中T−Choの低下率に比べて、同等以下であった。
【0103】
(実施例19:美白効果)
6週齢の雄性マウス(DBA/2N)20匹を標準飼料(MF飼料、オリエンタル酵母工業株式会社)を用いて1週間馴化した。これらのマウスを平均体重がほぼ均一となるようにすること以外はランダムに1群4匹の5群にわけた。
【0104】
5群のマウスのうちの4群に、実施例4の試験5で得られたアセロラ発酵液(BL、中和処理)、実施例5の試験5で得られたアセロラ発酵液(LA、中和処理)、実施例6の試験5で得られたアセロラ発酵液(BM、中和処理)、および比較例2で得られたアセロラピューレの濾過液をそれぞれ、含有されるアスコルビン酸が乾燥質量換算で0.7mg/Kg体重の割合となるようにゾンデで強制経口投与した。その後、紫外線が90mJ/cmとなるように、マウスの耳介部に照射した。なお、残りの1群のマウスは、発酵液または濾過液の代わりに、精製水を強制経口投与した(対照群)。この経口投与後、紫外線照射する試験を1日1回の頻度で10日間行った。
【0105】
試験期間終了後、マウスから右の耳介部を採取し、耳介部の表皮を得た。この耳介部の表皮を0.1Mリン酸緩衝液(1/15Mリン酸緩衝液、和光純薬工業社製)にて洗浄した後、1M臭化ナトリウム水溶液(和光純薬工業社製)に浸漬し、37℃、5時間インキュベートし、0.1Mリン酸緩衝液にてさらに洗浄した。この表皮を10%ホルマリン水溶液(和光純薬工業社製)に浸漬して、室温にて30分間固定した後、0.1MDOPA(L-β-3,4-dihydroxy-phenyl-alanine、和光純薬工業社製)を含有する0.1Mリン酸緩衝溶液に浸漬し、37℃にて5時間インキュベートし、DOPA染色を行った。その後、3M水酸化ナトリウム水溶液(和光純薬工業社製)に移し、 37℃にて1〜2時間インキュベートして薄膜化した皮膚をグリセロール(和光純薬工業社製)にて封入し、スライド標本を得た。このスライド標本の4箇所を任意に選択し、倒立型光学顕微鏡(IX70、オリンパス光学工業社製)を用いて、DOPA陽性メラノサイト数を測定し、平均値を求めた。この平均値をメラニン顆粒含有メラノサイト数とした。結果を図3に示す。
【0106】
図3の結果から、実施例で得られたアセロラ発酵液を投与した群は、比較例2で得られたアセロラピューレの濾過液を投与した群に比べて、メラノサイト数が減少していることがわかる。このことは、アセロラを発酵することによって得られるアセロラ発酵物が、紫外線照射によって引き起こされるメラノサイトの増加を抑制し、優れた美白効果を有することを示す。中和処理後に得られたアセロラ発酵液を投与した群の中でも、特に、実施例4の試験5で得られたアセロラ発酵液(BM、中和処理)、実施例6の試験5で得られたアセロラ発酵液(BM、中和処理)、および実施例5の試験5で得られたアセロラ発酵液(LA、中和処理)の順で美白効果に優れていた。
【0107】
(実施例20)
アセロラピューレ1kgと精製水1kgとを混合した後、気流式殺菌装置(株式会社奈良製作所)に入れ、110℃にて1分間加熱した。室温になるまで放置した後、この混合物をジャケットつきタンクに投入した。これにグルコースを最終濃度が5質量%となるように添加した。次いで、湿質量で4gのパン酵母(オリエンタル酵母工業株式会社)を添加して、30℃にて48時間発酵した。発酵終了後に濾過し、デキストリンを240g添加し、噴霧乾燥によりアセロラ発酵エキス末を280g得た。
【0108】
(実施例21)
実施例1の試験1(LPV、前処理なし)で得られたアセロラ発酵エキス末を用いて以下の食品(錠剤:100mg)を製造した。配合成分および配合量を以下に示す。
<錠剤の配合成分> 配合量(質量%)
アセロラ発酵エキス末 20
ビタミンミックス(日本香料薬品社製) 5
結晶セルロース 10
ショ糖エステル 4
還元麦芽糖 30
二酸化ケイ素 1
卵殻カルシウム 30
【0109】
(実施例22)
実施例2の試験1(LC、前処理なし)で得られたアセロラ発酵エキス末を用いて、以下の食品(顆粒品)を製造した。配合成分および配合量を以下に示す。
<顆粒品の配合成分> 配合量(質量%)
アセロラ発酵エキス末 30
還元麦芽糖 30
難消化性デキストリン 20
トレハロース 20
【0110】
(実施例23)
実施例4の試験2(BL、酵素処理(セルラーゼA))で得られたアセロラ発酵エキス末を用いて、以下の食品(飲料)を製造した。配合成分および配合量を以下に示す。この飲料は、嗜好性もよく、美容効果も期待される。
<飲料の配合成分> 配合量(1Lあたり)
アセロラ発酵エキス末 2g
果糖ブドウ糖液糖 10g
レモン果汁 10g
クエン酸 2g
香料 150mg
グリシン 100mg
プロリン 100mg
アラニン 80mg
純水 残量
【0111】
(実施例24)
実施例6の試験1(BM、前処理なし)で得られたアセロラ発酵エキス末を用いて、以下の食品(カプセル剤)を製造した。配合成分および配合量を以下に示す。
<カプセル剤の配合成分> 配合量(質量%)
アセロラ発酵エキス末 98
ビタミンE 2
【0112】
(実施例25)
実施例5の試験5(LA、中和処理)で得られたアセロラ発酵エキス末を用いて、以下の化粧品(化粧水)を製造した。配合成分および配合量を以下に示す。この化粧水は、アセロラ発酵エキス末を含有することで、新陳代謝促進、美白効果が期待される。
<化粧水の配合成分> 配合量
アセロラ発酵エキス末 0.01g
グリセリン 8g
プロピレングリコール 5g
オレイルアルコール 0.1g
ポリオキシエチレンラウリルエーテル 1g
エタノール 5g
フェノキシエタノール 0.1g
クエン酸ナトリウム 0.5g
精製水 80.3g
【0113】
(実施例26)
実施例1の試験1(LPV、前処理なし)および実施例4の試験5(BL、中和処理)で得られたアセロラ発酵エキス末を用いて、以下の化粧品(クリーム)を製造した。配合成分および配合量を以下に示す。
<クリームの配合成分> 配合量
アセロラ発酵エキス末(実施例1の試験1) 0.2g
アセロラ発酵エキス末(実施例4の試験5) 0.1g
マイクロクリスタリンワックス 3g
ラノリン 3g
ワセリン 5g
スクワラン 9g
オリーブ油 12g
セスキオレイン酸ソルビタン 3g
トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1g
ソルビトール 9g
クエン酸ナトリウム 0.3g
精製水 54.8g
香料 適量
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明のアセロラ発酵物は、アセロラ果実またはその破砕物を発酵することによって得られ、該アセロラ果実に含まれるアスコルビン酸またはその誘導体を乾燥質量換算で2質量%以上含有する。このアセロラ発酵物は、優れたチロシナーゼ阻害作用、リパーゼ活性阻害作用、ヒアルロニダーゼ阻害作用などの優れた生理活性を有する。さらに香りおよび風味がよく嗜好性に優れる。このアセロラ発酵物は、食品、医薬部外品、化粧品、トイレタリー用品などに広く適用し得る。特に、脂質代謝調整剤および/または美白剤などに利用される。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】ラットに、2種類のアセロラ発酵エキス末含有液、アセロラ搾汁末含有液、グアバポリフェノール含有液、および精製水をそれぞれ投与した場合の、血中の中性脂肪の変化率の推移を示すグラフである。
【図2】ラットに、2種類のアセロラ発酵エキス末含有液、アセロラ搾汁末含有液、グアバポリフェノール含有液、および精製水をそれぞれ投与した場合の、血中の総コレステロール量の低下率の推移を示すグラフである。
【図3】ラットに、3種類のアセロラ発酵液、アセロラピューレの濾液、および精製水をそれぞれ投与した場合の、メラノサイト数を示すグラフである。
【出願人】 【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
【住所又は居所】福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目19番27号 九勧リクルート博多ビル6階
【識別番号】000134970
【氏名又は名称】株式会社ニチレイ
【住所又は居所】東京都中央区築地6丁目19番20号
【出願日】 平成17年2月7日(2005.2.7)
【代理人】 【識別番号】100104673
【弁理士】
【氏名又は名称】南條 博道

【公開番号】 特開2005−253463(P2005−253463A)
【公開日】 平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願番号】 特願2005−30336(P2005−30336)