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【発明の名称】 食用複合粉体
【発明者】 【氏名】加藤 正孝

【氏名】加藤 崇之

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒径が0.25mm以下の非食用植物粉体を食用粉体に混入したことを特徴とする食用複合粉体。
【請求項2】
請求項1に記載の非食用植物粉体が、アルカリと混合された後、ろ紙などにより、固体成分と液体成分とを分離し、固体成分を乾燥させた非食用植物粉体であることを特徴とする請求項1に記載の食用複合粉体。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
非食用植物粉体を食用粉体に混入した食用複合粉体に関する。
【背景技術】
【0002】
食品の変化(インスタント、レトルト化)により、食事の変化が世界的に起きている。この日本でも、従来の魚と植物体の食糧摂取から、食生活が変化して高脂肪・高蛋白の過剰摂取及び運動不足による肥満が、各年齢層毎に年々増加の傾向にある。(たとえば非特許文献1参照。)。この結果、肥満がもたらす生活習慣病(糖尿病、心臓病等)が問題となっている。さらに肥満の防止の為、カロリー制限を行い、正常な体重に戻しても、リバウンドすることが問題とされている。
【0003】
人は高カロリーの摂取は必要でなく、1日の消費カロリーの補充のみで、健康の維持、生命の維持は出来るのである。その為、食事を制限せずに、たとえ満腹したとしても、一日で消化できるカロリーに抑えられた低カロリー食品を社会は求めている。このことは又、ペットや養殖魚の餌についても同様である。
【0004】
肥満が生活習慣病の原因の1つである事は公知となり、ダイエットが健康維持に必要とされている。その1つが食事制限であり、栄養の過剰摂取を防止することが求められている。その1つとして、食物繊維を摂取する事が望まれている。
【0005】
食物繊維の摂取は糞便量の増加、便秘解消、大腸ガン予防、血清コレステロール上昇抑制作用などの有効性が確かめられており、健康を維持するために有効である。食物繊維は水溶性か不溶性かで生理作用に違いがあるという研究報告も多いことから、食品成分表には食物繊維の総量だけでなく、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分けて掲載されている。(たとえば、非特許文献2参照。)。
【0006】
ここで、食物繊維とは植物繊維と動物繊維などの食物に含まれている繊維質のことをいうが、食物繊維の定義は、必ずしも合意されていないのが現状である。食品成分表においては「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体」という定義を基本としている。その一方で、動物性食品由来の食物繊維の摂取量は無視できるとの考えから、動物性食品については食物繊維の定量を行っていない。したがって、実質的には「食品中の植物由来の難消化性多糖類及びリグニン」を定量していることになる。(たとえば、非特許文献2参照。)。
【0007】
一方で、植物繊維を多く含んでいる製材廃材や、農業廃材などの植物体は、産業廃棄物として大量に廃棄されている問題がある。この解決策の一つとして、植物体を粉砕し、アルカリと混合して、植物繊維を取り出す方法が見いだされている。(たとえば、特許文献1参照。)。
一般細菌はpH5〜9が生息域であり、カビはpH2〜8が生息域であることが知られている。(たとえば、非特許文献3参照。)。従って、植物体と混合するアルカリのpHを9以上にすることで、殺菌も同時に行うことができる。
【0008】
木材の化学組成は、細胞壁構成成分(約95%)(セルロース、ヘミセルロース、リグニン)、細胞内含有成分(約5%)(糖類、デンプン、ペクチン、アミノ酸、タンパク質、高級脂肪酸(エステル、塩)、フェノール類、フラボノイド、テルペン類、無機質など)となっている。(たとえば、非特許文献4参照。)。
【0009】
富める国においては肥満が問題となっているが、反対に富まざる国では栄養失調が問題となっている。食糧の増産をするとしても、地球温暖化の問題もあり、森林がCO2を吸収するために、焼畑農法や農地の拡大は、出来にくい状態であり、さらに、地球全体での人口増大を考え合わせると、食糧の配分が世界的な問題となっていく事は自明である。
もしも、現在食用ではない植物体を食用に転換できるのならば、この食糧問題を解決する有力な方法となるであろう。
たとえば、30%の食糧を、現在食用ではない植物体又は植物繊維に置き換えることができれば、富める国の肥満が減少し、同時に30%の食糧が余ることになる。さらに、余った食糧を富まざる国に配分できるとすれば、栄養失調を減少させることに結び付くであろう。
【0010】
多くの動物は、植物体を食べてその命を全うしている。若干の肉食獣を除く、多くの動物体の生命の維持は果物や穀物や野菜のみでなく、草・竹・木・海草などにある。特に象やキリン等の大型動物は草・竹・木の芽や葉などを咀嚼し、消化することにより、その巨体を維持している。これら動物の咀嚼する力は主としてその歯の構造にあると思われる。人の歯では、草・竹・木などの現在食糧として利用されていない植物を消化する程の咀嚼が行われないという問題がある。
【0011】
食糧として利用されていない植物を咀嚼し、消化するために、人間がこれまでに見出した道具が刃物であり、臼であり、火であった。道具を用いて人間は食糧として利用されていない植物を調理することで食用にしてきた。
【0012】
一方で、食用とすることができたとしても、人の消化系統では、草・竹・木・海草から、エネルギーを摂取する事は出来ないのかも知れない。しかしながら、エネルギー摂取が出来ないとしても、非食用植物体全てに植物繊維が含有されるので、これを利用する事が出来るのであり、本発明はまずここに注目した。
【0013】
従来、非食用植物体は、アクが強すぎる、又は歯ざわりが悪い、又は味が悪いことから、おいしく食べることができないという問題があった。一方、食用粉体は、調理が簡単で、食べ安く、おいしく、消化に良く、栄養価が高いという特徴があり、大量に摂取しがちであり、肥満になるという問題があった。
【特許文献1】特願2002-323835
【非特許文献1】国民衛生の動向、財団法人厚生統計協会、(株)広済堂、2002年、第49巻、第9号、97P
【非特許文献2】五訂 日本食品標準成分表 分析マニュアルの解説、財団法人日本食品分析センター、中央法規、2001年、66p
【非特許文献3】http://www.mokk.co.jp/tyou/tyou3.html
【非特許文献4】木材の化学、原口隆英、文永堂、1985年、2p
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
食生活の変化で高脂肪・高蛋白の過剰栄養摂取及び運動不足による肥満が、各年齢層毎に年々増加の傾向にある。肥満が生活習慣病の原因の1つである事は公知となり、ダイエットが健康維持に必要とされている。その1つが食事制限であり、栄養の過剰摂取を防止することが求められている。その1つとして食物繊維を摂取する事が望まれている。又、その一方では食物繊維を含有する製材廃材や、農業廃材等の植物体が、産業廃棄物として大量に廃棄されているという問題があった。又、非食用植物体はアクが強すぎる、又は歯ざわりが悪い、又は味が悪いことから、おいしく食べることができないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0015】
非食用植物粉体を食用粉体に混入する。
【0016】
本発明でいう食用粉体とは現在食用として一般に認められている粉体のことをいう。
本発明でいう食用植物体とは現在食用として一般に認められている植物体のことをいう。
本発明でいう非食用植物体とは、現在食用として一般に認められている植物体のうちで、現在食用とされていないことが一般に認められている部位、及び現在食用とされていないことが一般に認められている植物体のことをいう。
本発明でいう非食用植物粉体とは、非食用植物体を粉末状にしたものをいう。
【0017】
本発明でいう植物とは草・竹・木・海草などの植物のことをいう。
本発明でいう植物繊維とは植物体に含まれる繊維質のことをいう。
本発明でいう食物繊維とは植物体に含まれる難消化性多糖類及びリグニンのことをいう。
【0018】
おいしく食べることのできない味の悪い非食用植物粉体を、食用粉体に混入することにより、味をおいしくすることが望ましい。食用粉体が多いほどおいしいが、整腸作用は小さくなる。一方、非食用植物粉体が多いほど整腸作用は大きくなるが、味はおいしくなくなる。従って、整腸作用を有しつつ、おいしく食べられる食用複合粉体をつくるために、食用粉体に混入する非食用植物粉体の量は、10vol%から90vol%であればよく、20vol%から80vol%が望ましく、30vol%から70vol%がさらに望ましい。
1日に消化できるカロリーと食事量とのバランスを考慮して、食用粉体に混入する非食用植物粉体の量を調節し、食用複合粉体のカロリー調節を行うことが望ましい。
【0019】
歯触りをよくするために、又は反応速度を速くするために、又は消化しやすくするために、非食用植物粉体の粒径は小さいことが望ましい。従って、非食用植物粉体の粒径は0.25mm以下であればよく、0.15mm以下が望ましく、20μm以下がさらに望ましい。
【0020】
アクが強すぎて食べられない非食用植物粉体においては、アク抜きをするために、重曹などのアルカリと混合撹拌し、その混合溶液を20分から30分間煮沸するか、又はそのまま室温で保持し、1日から1週間の抽出時間を経た後に、別の容器に液体成分を移すか、又はろ別した後に、分離した固体成分を、乾燥する、又は水洗し、乾燥する、又はクエン酸などの酸により中和して、水洗し、乾燥することにより、味覚や香がほとんどなくて、食べ安い粉末を得ることが望ましい。
【0021】
さらに、このときに使用するアルカリ及び酸は、食品添加物として許可されているものを用いることが、人体安全上望ましい。
【0022】
化学反応の速度は、OH−イオン又はH+イオンの数が多いほど速くなるので、アルカリのpH値は、8以上であればよく、9以上が望ましく、10以上がさらに望ましい。 同様に、酸のpH値は、6以下であればよく、5以下が望ましく、4以下がさらに望ましい。
【0023】
化学反応の速度は、温度が高いほど速くなるので、アルカリと植物体の混合溶液の温度は、10℃以上100℃未満であればよく、20℃以上100℃未満であることが望ましく、30℃以上100℃未満であることがさらに望ましい。
【発明の効果】
【0024】
整腸作用のある植物繊維を含んでいるために、食事をすることにより健康を保持できる。具体的には、糞便量の増加、便秘解消、大腸ガン予防、血清コレステロール上昇抑制作用などの有用な効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
非食用植物粉体の粒径を限定し、食用粉体への混入割合を限定することでおいしく食べられる食用複合粉体を実現できた。
【実施例1】
【0026】
乾燥させて、粒径を0.25mm以下に揃えた杉粉体を、白玉粉に混入し(白玉粉7:杉粉体3)、水少々を加えて練った。耳たぶ位の柔らかさになったところで市販のアンコを包み、平にしてから、フライパンに乗せて焼いた。両面にこがれがついた所で取り出して食べた。
色彩は、杉粉体の色が入り薄茶色となった。白玉粉のみの場合に比べて食感が異なり、粘りがなく、歯切れがよかった。味覚は、白玉粉の味覚であり、杉の味はしなかった。
【実施例2】
【0027】
乾燥させて、粒径を0.15mm以下に揃えた、平均粒径が20μmである杉粉体を、白玉粉に混入し(白玉粉6:杉粉体4)、水少々を加えて練った。耳たぶ位の柔らかさになったところで市販のアンコを包み、平にしてから、フライパンに乗せて焼いた。両面にこがれがついた所で取り出して食べた。
色彩は、上記実施例1よりも茶色が出たが、両面を焼いたので、色彩の変化は気にならなかった。香は、若干ではあるが木の香がした。味覚は、上記実施例1と同じであった。食感は上記実施例1よりも若干歯切れがよくなり、粘りは、上記実施例1よりも若干なくなった。
【実施例3】
【0028】
乾燥させて、粒径を0.25mm以下に揃えた杉粉体を、白玉粉に混入し(白玉粉8:杉粉体2)、水少々を加えて練った。耳たぶ位の柔らかさになったところで市販のアンコを包み、平にしてから、フライパンに乗せて焼いた。両面にこがれがついた所で取り出して食べた。
色彩は、上記実施例2よりも白かったが、両面を焼いたので、色彩の変化は気にならなかった。香りは、なかった。食感は、若干粒径が気になる時もあるが、そう気にならなかった。上記実施例2よりも歯切れがよく白玉粉だけのときよりも粘りが抑制されているためにおいしかった。味覚は、上記実施例2よりも出ている感じがした。粘りは、上記実施例2よりもあり、白玉粉のうまみが出ていた。
「比較例1」
【0029】
乾燥させて、粒径を0.5mm以下に揃えた杉粉体を、白玉粉に混入し(白玉粉8:杉粉体2)、水少々を加えて練った。耳たぶ位の柔らかさになったところで市販のアンコを包み、平にしてから、フライパンに乗せて焼いた。両面にこがれがついた所で取り出して食べた。
色彩は、上記実施例2よりも白かったが、両面を焼いたので、色彩の変化は気にならなかった。香りは、なかった。食感は、舌にざらつきを感じ、おいしいくなかった。
【出願人】 【識別番号】502166411
【氏名又は名称】加藤 正孝
【識別番号】504094109
【氏名又は名称】加藤 崇之
【出願日】 平成16年3月10日(2004.3.10)
【代理人】
【公開番号】 特開2005−253327(P2005−253327A)
【公開日】 平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願番号】 特願2004−66666(P2004−66666)