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【発明の名称】 米飯の保存装置、炊飯装置および保存方法
【発明者】 【氏名】松下 功
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

【氏名】肥後 慶三
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内

【氏名】大宅 崇史
【住所又は居所】愛知県名古屋市中川区福住町2番26号 リンナイ株式会社内

【要約】 【課題】家庭用の炊飯装置のような小型の装置であっても、米飯をたとえば24時間以上保温する際、米飯から臭気が発生しないようにし、しかも黄変することを防ぐことができるようにした米飯の保存装置、その保存方法およびその方法を用いた炊飯装置を提供することを目的とする。

【解決手段】炊飯して炊き上がった米飯を容器に収容し、その容器内の米飯を71〜73℃に加熱して保温し、容器内を気圧20〜93kPaにすることによって、米飯を保存する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
米飯を収容する容器と、
容器内の米飯を71〜73℃に加熱して保温する加熱手段と、
容器内の気圧を20〜93kPaにする減圧手段とを含むことを特徴とする米飯の保存装置。
【請求項2】
米飯を収容する容器と、
容器内の米飯を71〜73℃に加熱して保温する加熱手段と、
容器内の気圧を81〜93kPaにする減圧手段とを含むことを特徴とする米飯の保存装置。
【請求項3】
米と水とを加熱して炊飯する炊飯手段と、
米飯を収納する容器と、
容器内の米飯を71〜73℃に加熱して保温する加熱手段と、
容器内の気圧を20〜93kPaにする減圧手段とを含むことを特徴とする米飯の炊飯装置。
【請求項4】
米と水とを加熱して炊飯する炊飯手段と、
米飯を収納する容器と、
容器内の米飯を71〜73℃に加熱して保温する加熱手段と、
容器内の気圧を81〜93kPaにする減圧手段とを含むことを特徴とする米飯の炊飯装置。
【請求項5】
米飯を、保温温度71〜73℃、気圧20〜93kPaで保存することを特徴とする米飯の保存方法。
【請求項6】
米飯を、保温温度71〜73℃、気圧81〜93kPaで保存することを特徴とする米飯の保存方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、米を炊飯し、炊き上がった米飯を保存することができる炊飯装置、その保存方法およびそれを用いた保存装置に関する。
【背景技術】
【0002】
炊飯された米飯を、たとえば24時間程度の長時間保温する際、米飯からの臭気の発生と、米飯の黄変とが問題となる。
【0003】
臭気発生の原因は、米飯中で保温臭原因菌(Bacillus stearothermophilus)が繁殖するためである。保温温度が70℃という低温度の条件では、12時間保温した後に保温臭原因菌が10個/g米飯まで繁殖することが知られている。
【0004】
従来からの市販の炊飯器は、保温温度を74℃という高温度に維持する構成を有する。他の従来の技術では、保温温度を、保温開始から7時間経過した時点、さらに、その後4時間経過する時点毎に、74℃よりもさらに高い温度に短時間加熱し、それ以外の時間は74℃に維持する構成を有する。これによって、保温臭原因菌を、10個/g米飯以下に抑制し、臭気の発生を抑制する。この反面、これらの従来の技術では、米飯が上述のように74℃という高い温度の環境下に保持されるので、低温である70℃で保温する場合と比較して、米飯が黄変するという新たな問題がある。
【0005】
典型的な従来の技術は、特許文献1に記載されている。特許文献1の保温釜(米飯の保存装置)は、米飯を収容する釜内の空気圧を減圧する減圧装置と、その減圧装置の前段に空気中の酸素のみを通過させる気体分離膜とを装備した炊飯装置である。
【0006】
また、他の従来の技術は、特許文献2に記載されている。特許文献2の米飯の保存装置は、米飯を収納する容器と、容器内の米飯を60〜73℃に加熱して保温する加熱手段と、容器内の気圧を20〜80kPaにする手段とを装備した保存装置である。
【0007】
【特許文献1】特開平5−154039号公報
【特許文献2】特開2003−274878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
米飯の保存装置は、米飯を長時間保存しても、米飯の黄変および保温臭の発生の両方を抑制できる必要がある。
【0009】
特許文献1に開示されている保温釜によると、気体分離膜から酸素のみが排出され、これによって釜内の酸素濃度が減少し、米飯の黄変が抑制され、しかも臭気の発生が抑制される。しかし、米飯の黄変を抑制するための具体的な条件が全く開示されていない。
【0010】
また、特許文献2に開示されている保存装置によると、保存温度を60〜73℃という比較的低い温度で維持することによって、米飯の黄変を抑制でき、米飯を収納する容器内の気圧を20〜80kPaにすることによって、保存臭の発生を抑制できる。つまり、この保存装置は、米飯を高品質の状態で保存することができる優れた保存装置である。具体的には、この保存装置は、炊飯装置で実現されており、容器内の気圧を20〜80kPaにする手段としては、真空ポンプなどの大型の減圧装置が用いる必要がある。しかし、炊飯装置に大型の減圧装置を取り付けることは、業務用の炊飯装置のような大型の装置では可能であるが、家庭用の炊飯装置のような小型の装置には困難である。
【0011】
本発明の目的は、家庭用の炊飯装置のような小型の装置であっても、米飯をたとえば24時間以上保温する際、米飯から臭気が発生しないようにし、しかも黄変することを防ぐことができるようにした米飯の保存装置、その保存方法およびその方法を用いた炊飯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、米飯を収容する容器と、
容器内の米飯を71〜73℃に加熱して保温する加熱手段と、
容器内の気圧を20〜93kPaにする減圧手段とを含むことを特徴とする米飯の保存装置である。
【0013】
また本発明は、米飯を収容する容器と、
容器内の米飯を71〜73℃に加熱して保温する加熱手段と、
容器内の気圧を81〜93kPaにする減圧手段とを含むことを特徴とする米飯の保存装置である。
【0014】
また本発明は、米と水とを加熱して炊飯する炊飯手段と、
米飯を収納する容器と、
容器内の米飯を71〜73℃に加熱して保温する加熱手段と、
容器内の気圧を20〜93kPaにする減圧手段とを含むことを特徴とする米飯の炊飯装置である。
【0015】
また本発明は、米と水とを加熱して炊飯する炊飯手段と、
米飯を収納する容器と、
容器内の米飯を71〜73℃に加熱して保温する加熱手段と、
容器内の気圧を81〜93kPaにする減圧手段とを含むことを特徴とする米飯の炊飯装置である。
【0016】
また本発明は、米飯を、保温温度71〜73℃、気圧20〜93kPaで保存することを特徴とする米飯の保存方法である。
【0017】
また本発明は、米飯を、保温温度71〜73℃、気圧81〜93kPaで保存することを特徴とする米飯の保存方法である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、容器に米飯を収容し、米飯を71〜73℃に加熱して保温し、容器内の気圧を20〜93kPaにして米飯を保存する米飯の保存装置である。
【0019】
炊き上がった米飯を、71〜73℃に保温することによって、たとえば24時間以上の長時間保温する際における米飯の黄変を抑制することができる。
【0020】
また、米飯が収容される容器内を、大気圧未満の気圧である93kPa以下にすることによって、米飯が収容される容器内の酸素分圧を大気圧の空気に比べて低下させることができるので、米飯の保温臭発生を抑制することができる。つまり、気圧が93kPa以下の減圧状態のような酸素濃度が低い雰囲気では、好気性菌である前述の保温臭原因菌は、ほとんど繁殖せず、その上、分解代謝が行われない休眠状態の胞子の割合である胞子化率(=胞子数/全菌数)が、たとえば後述の実験データのように100%近い高い値である。これらの理由によって、米飯からの保温臭の発生を抑制することができる。
【0021】
さらに、気圧を20kPa未満の状態にまで減圧すると、米飯は乾燥し、米飯の水分含量が、後述の実験データのように57%未満という低い値になる。つまり、米飯の喫食に最適な水分含量である57〜63%より下回ってしまう。気圧を20kPa以上にすることによって、米飯の乾燥を防止することができ、米飯を最適な水分含量にすることができる。
【0022】
以上のことから、米飯の保温温度を71〜73℃に制御することによって、気圧を20〜93kPaという広範な範囲で設定しても、米飯をたとえば24時間以上保温する際であっても、米飯の黄変を抑制しつつ、米飯の保存臭の発生を抑制し、さらに米飯の乾燥も防止することができるような高品質な状態で米飯を保存できる保存装置となる。
【0023】
したがって、気圧を20〜93kPaという広範な範囲で設定することができればよいので、減圧装置の能力に関わらずに、米飯をたとえば24時間以上保温する際、米飯から臭気が発生しないようにし、しかも黄変することを防ぐことができるようにした米飯の保存装置を実現することができる。
【0024】
また本発明によれば、容器に米飯を収容し、米飯を71〜73℃に加熱して保温し、容器内の気圧を81〜93kPaにして米飯を保存する米飯の保存装置である。
【0025】
つまり、米飯の保温温度を71〜73℃に制御することによって、容器内の気圧を大気圧以下の圧力であるが、比較的高い圧力である81〜93kPaであっても、米飯を高品質の状態で保存することができる。
【0026】
したがって、減圧装置に高い減圧能力は必要なく、能力が低い小型の減圧装置であっても、米飯を高品質の状態で保存することができる米飯の保存装置となり、家庭用の炊飯装置などにも適用できる。
【0027】
また本発明によれば、炊飯手段によって、容器内の米と水とを加熱して炊飯し、容器内の米飯を71〜73℃に加熱して保温し、容器内の気圧を20〜93kPaにして、米飯を保存することができる炊飯装置である。
【0028】
そうすることによって、減圧装置に関わらずに、米飯をたとえば24時間以上保温する際、米飯から臭気が発生しないようにし、しかも黄変することを防ぐことができるようにした米飯の炊飯装置が実現できる。
【0029】
また本発明によれば、炊飯手段によって、容器内の米と水とを加熱して炊飯し、容器内の米飯を71〜73℃に加熱して保温し、容器内の気圧を81〜93kPaにして、米飯を保存することができる炊飯装置である。
【0030】
そうすることによって、家庭用の炊飯装置のような小型の装置であっても、米飯をたとえば24時間以上保温する際、米飯から臭気が発生しないようにし、しかも黄変することを防ぐことができるようにした米飯の炊飯装置が実現できる。
【0031】
また本発明によれば、米飯を、保温温度71〜73℃、気圧20〜93kPaで保存する。
【0032】
そうすることによって、米飯をたとえば24時間以上保温する際、米飯の黄変および保温臭の発生を抑制することを、装置の大きさに関わらずに実現することができる。
【0033】
また本発明によれば、米飯を、保温温度71〜73℃、気圧81〜93kPaで保存する。
【0034】
そうすることによって、米飯をたとえば24時間以上保温する際、米飯の黄変および保温臭の発生を抑制することを、家庭用の炊飯装置のような小型の装置であっても、実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
図1は、本発明の実施の一形態である炊飯装置1を簡略化した断面図である。炊飯装置1は、ハウジング2内に配置された釜3と、釜3の下部に配置された炊飯手段であるガスバーナ4と、釜3の上部に設けられた内蓋6と、釜3を開閉する外蓋7と、釜3内の空間8につながっている管路9と、管路9を開閉する開閉弁10と、管路9に接続された吸引ポンプ11と、ハウジング2の底部および外蓋7に配置された加熱手段12と、釜3の側面または底面のいずれかに接触して配置された温度検出手段13と、炊飯の開始、保温の開始および保温の停止などを指示するボタンを有するパネル操作部14、温度検出手段13およびパネル操作部14からの信号を受け、ガスバーナ4、開閉弁10、ポンプ11および加熱手段12を制御するCPU(Central Processing Unit)15とを含む。
【0036】
空間8は、外蓋7を閉じることによって、釜3を密閉してできた空間であり、加熱手段12は、たとえば電気ヒータなどで実現でき、温度検出手段13は、たとえばサーミスタなどで実現できる。
【0037】
炊飯装置1は、パネル操作部14の炊飯の開始を指示するボタンを使用者が押下すると、CPU15の制御によってガスバーナ4で釜3内の米と水とを加熱して炊飯を行った後、釜3内の炊き上がった米飯5を、長期間、たとえば24時間以上にわたって、減圧および保温した状態にする保存処理を行うガス炊飯装置である。
【0038】
米飯5の保存処理が開始すると、CPU15の制御によって開閉弁10が開けられ、閉弁状態であった管路9が開弁状態となり、吸引ポンプ11を用いて、管路9から空間8の空気を排出して、空間8を減圧しつつ、温度検出手段13が、米飯5の温度を検出し、検出した温度に基づいて加熱手段12を用いて保温する。その際、CPU15は、空間8の圧力を20〜93kPaに減圧するように吸引ポンプ11を制御し、米飯5の温度を71〜73℃に保温するように加熱手段12を制御する。なお、ガスバーナ4は、炊飯終了後は、消火されたままとなっている。
【0039】
図2は、本発明の実施形態である炊飯装置1の保存処理のフローチャートである。米飯5の保存処理は、その開始条件を選択できるようにしてもよい。たとえば、炊飯直後に開始するようにしてもよいし、外蓋7を開閉する必要があまりないときに、操作パネル14の保温の開始を指示するボタンを使用者が押下することによって、開始するようにしてもよい。このような保存処理の開始条件によって、米飯5の保存処理が開始されると、ステップS1の処理が行われる。ステップS1では、CPU15は、開閉弁10を開弁状態にして、吸引ポンプ11の作動を開始させる。ステップS2では、CPU15は、加熱手段12であるヒータの作動を開始させる。ステップS3では、CPU15が、保存処理を停止すると判断すれば、ステップS8に進み、停止しないと判断すれば、ステップS4に進む。
【0040】
たとえば、CPU15は、操作パネル14から米飯5の保存の停止を指示する信号を受信したら、保存処理を停止すると判断する。ステップS4では、温度検出手段13によって検出した温度が上限温度である73℃を超えていると、CPU15が判断すると、ステップS5に進み、超えていないと判断すると、ステップS1に戻る。
【0041】
ステップS5では、CPU15は、ヒータの作動を停止させる。ステップS6では、CPU15が、保存処理を停止すると判断すれば、ステップS8に進み、停止しないと判断すれば、ステップS7に進む。ステップS7では、温度検出手段13によって検出した温度が、下限温度である71℃を下回っていると、CPU15が判断すると、ステップS2に戻り、下回っていないと判断すると、ステップS6に戻る。
【0042】
ステップS8では、CPU15は、停止処理を行う。停止処理とは、吸引ポンプ11の作動を停止させ、さらに、ヒータが作動していれば、その作動を停止させる。
【0043】
なお、炊飯装置1は、保存処理中、すなわち、空間8が減圧中である場合に、使用者が外蓋7を開けようとすることがある。したがって、炊飯装置1は、開閉検出手段を備え、開閉検出手段によって、使用者が外蓋7を開けようとすることを検出すると、CPU15は、吸引ポンプ11の作動を停止し、開閉検出手段によって、使用者が外蓋7を閉めたことを検出すると、CPU15は、吸引ポンプ11の作動を開始するようにしてもよい。
【0044】
図3は、図2で示す保存処理における米飯5の温度と保温時間との関係を示すグラフである。縦軸は、米飯5の温度(℃)を示し、横軸は、保温時間(時間)を示す。ライン21は、炊飯直後の米飯5に図2で示す保存処理を行った場合の曲線である。ライン21に示すように、米飯5は、米飯5の温度は、71〜73℃に維持される。
【0045】
炊飯装置1を用いて米飯5を24時間保温した際の菌数、胞子化率、保温臭の有無、米飯の水分含量および黄変度に対する空間8の圧力の影響を調べ、その結果を図4および表1に示した。
【0046】
図4は、図1に示される炊飯装置1を用いて米飯5を保存した際の空間8の圧力と菌数との関係および空間8の圧力と胞子化率との関係を示したグラフである。左縦軸は、保温臭原因菌の菌数(個/g米飯)を示し、右縦軸は、保温臭原因菌の胞子化率(胞子数/全菌数,%)を示し、横軸は、空間8の圧力(kPa)を示す。ここで菌数とは、米飯5を71〜73℃に保温し、空間8の圧力を所定の圧力にして24時間経過した後の米飯5の菌数であり、ライン22は、種々の圧力での菌数を測定した結果である。また、胞子化率とは、菌数と同様に、米飯5を71〜73℃に保温し、空間8の圧力を所定の圧力にして24時間経過した後の米飯5の菌の胞子化率であり、ライン23は、種々の圧力での胞子化率を測定した結果である。なお、胞子化率は、その値が高いほど、菌の代謝が起こりにくく、保温臭が発生しにくいことを示している。
【0047】
表1は、図1に示される炊飯装置1を用いて米飯5を保存した際の保温臭の有無、米飯の水分含量および黄変度に対する空間8の圧力の影響を示した表である。米飯5を72℃で保温し、空間8の圧力を所定の圧力にして24時間経過した後の保温臭の有無、米飯の水分含量および黄変度を示した。
【0048】
【表1】


【0049】
表1において保温臭の「+」は、米飯5に、その米飯喫食時、不快感を生じる程度の匂いが存在する状態を示し、「−」は、そのような不快感が生じない状態を表す。黄変度は5段階評価であり、+は黄変度が低いことを表し、+++++は黄変度が高いことを表す。
【0050】
空間8の圧力を93kPa以下であると、図4のライン22に示すように、菌数が1×10個/g米飯以下であり、図4のライン23に示すように、胞子化率が、ほぼ100%であり、菌数が少なく、胞子化率も高いので、表1に示すように、保温臭の発生が認められなかったと考えられる。空間8の圧力が、93kPaを超えると、図4のライン22に示すように、菌数が1×10個/g米飯以上となり、図4のライン23に示すように、胞子化率が、50%以下となり、菌数が多く、胞子化率も低くなったので、表1に示すように、保温臭の発生が認められるようになったと考えられる。
【0051】
さらに、表1に示すように、空間8の圧力が93kPa以下であると、黄変度が低く、空間8の圧力が93kPa未満であると、黄変度が、無視できない程度に大きくなる。したがって、本発明では、減圧の上限値として93kPaが選ばれる。
【0052】
また、空間8の圧力を20kPa未満であると、表1に示すように、水分含量が、米飯の喫食に最適な水分含量である57〜63%より低い値になるくらい米飯5は、乾燥した。したがって本発明では、減圧の下限値として20kPaが選ばれる。
【0053】
次に、炊飯装置1を用いて米飯5を保存した際の黄変度に対する米飯5の保温温度の影響を調べ、その結果を表2に示した。
【0054】
表2は、図1に示される炊飯装置1を用いて米飯5を保存した際の黄変度に対する米飯5の温度の影響を示した表である。空間8の圧力を70kPaにして米飯5を所定の温度にして24時間経過した際の米飯5のb値および黄変度を示した。
【0055】
【表2】


【0056】
b値は、米飯の黄変度を示す指標であり、色彩色差計による測定値を示し、炊飯完了直後では、このb値はたとえば11であり、b値の増加にともなって、黄変度も増加する。
【0057】
表2に示すように、保温温度が、74℃であると、黄変度が高くなるので、米飯5の黄変度が低く、黄変が不快感を生じない程度とするには、保温温度を、73℃以下に定める必要がある。
【0058】
したがって、本発明である炊飯装置は、減圧装置の能力に関わらず、たとえば、減圧能力が低い小型の減圧装置であっても、米飯を高品質の状態で保存することができる。
【0059】
図5は、本発明の実施の他の形態である炊飯装置の簡略化した断面図である。本実施の形態は、前述の図1の実施の形態に類似し、対応する部分には同一の参照符を付し、同一の参照符を付したものは、説明を省略する。この実施の形態では、米飯5の収容される空間8において、保温温度71〜73℃、気圧20〜93kPaで、分圧が気圧の21%以下の酸素と残部の窒素とから成る混合ガスの雰囲気で、保存動作が行われる。これによって米飯5の長時間にわたる保温臭の発生を抑制し、黄変を抑制し、さらに米飯の乾燥を抑制することが確実になる。また、圧力容器17の中に脱酸素剤を設けることによって混合ガス中の酸素を減量し、この酸素が減量された混合ガスで空間8を置換してもよい。さらに釜3中に脱酸素剤を設けることによって、空間8における混合ガスの酸素を減量してもよい。
【0060】
また、本発明の実施のさらに他の形態として、ガスバーナ4を備えず、炊飯手段として加熱手段12を用いて炊飯を行う電気炊飯装置であってもよい。
【0061】
また、本発明の他の実施の一形態として、ガスバーナ4または加熱手段12などによって炊飯を行う炊飯手段を有さず、図2のフローチャートで示した保存処理を行うことで、他の炊飯装置によって炊いた米飯5を保存する保存装置であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の一形態である米飯の保存装置1を簡略化した断面図である。
【図2】本発明の実施形態である米飯の保存装置1の保存処理のフローチャートである。
【図3】図2で示す保存処理における米飯5の温度と保温時間との関係を示すグラフである。
【図4】図1に示される炊飯装置1を用いて米飯5を保存した際の空間8の圧力と菌数との関係および空間8の圧力と胞子化率との関係を示したグラフである。
【図5】本発明の実施の他の形態である炊飯装置の簡略化した断面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 炊飯装置
2 ハウジング
3 釜
4 ガスバーナ
5 米飯
6 内蓋
7 外蓋
8 空間
9 管路
10,16 開閉弁
11 吸引ポンプ
12 加熱手段
13 温度検出手段
14 操作パネル
15 CPU
17 圧力容器
【出願人】 【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
【住所又は居所】大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
【住所又は居所】愛知県名古屋市中川区福住町2番26号
【出願日】 平成16年3月9日(2004.3.9)
【代理人】 【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎

【公開番号】 特開2005−253318(P2005−253318A)
【公開日】 平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願番号】 特願2004−66126(P2004−66126)