| 【発明の名称】 |
ピックル組成物 |
| 【発明者】 |
【氏名】岩井 和美 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内
【氏名】木村 祥子 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】食肉の具材に適度な肉感と軟らかくジューシーな食感が付与された食肉含有加工食品を提供する。また、製造工程中ピックル組成物を調製する段階で泡を噛むことが少なく、製造工程も容易となる食肉加工用ピックル組成物及びそれを用いた加工食品を提供する。
【解決手段】食肉加工用ピックル液に(a):乳清タンパク質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で4N/cm2以下の乳清タンパク質、及び(b):乳清タンパク質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で10N/cm2以上の乳清タンパク質を含有する。前記(a)及び(b)の乳清タンパク質の添加量が、ピックル組成物に対して、(a)0.5〜30重量%、(b)0.5〜30重量%である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 下記(a)及び(b)の乳清タンパク質を含むことを特徴とするピックル組成物; (a):乳清タンパク質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で4N/cm2以下の乳清タンパク質。 (b):乳清タンパク質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で10N/cm2以上の乳清タンパク質。 【請求項2】 前記(a)及び(b)の乳清タンパク質の添加量が、ピックル組成物に対して、(a)0.5〜30重量%、(b)0.5〜30重量%である、請求項1に記載のピックル組成物。 【請求項3】 前記(b)の乳清タンパク質が、乳清タンパク質15%水溶液に2%重量部の食塩を溶解し80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で10N/cm2以上の乳清タンパク質である、請求項1又は2に記載のピックル組成物。 【請求項4】 前記(a)または(b)の乳清タンパク質のいずれか、もしくは両方が、15%水溶液を、4500rpmで10分間攪拌した直後の体積の増加率が20%以下の乳清タンパク質である、請求項1乃至3のいずれかに記載のピックル組成物。 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載のピックル組成物を使用して調製した加工食品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、食肉加工のためのピックル組成物及びそれを用いた加工食品に関する。詳細には、食肉の具材に適度な肉感と軟らかくジューシーな食感が付与された食肉含有加工食品に関する。また、製造工程中ピックル組成物を調製する段階で泡を噛むことが少なく、製造工程も容易となる食肉加工用ピックル組成物及びそれを用いた加工食品に関する。 【背景技術】 【0002】 従来、ハム、ソーセージ等の食肉製品、ハンバーグ、鶏の唐揚げ、シュウマイ、ギョウザといった食肉を使用した惣菜などの加工食品について、食肉の結着性、加熱時の歩留まりの著しい低下、及び食感の劣化などが問題となっており、食肉を予め下処理してから加工調理するために使用されるピックル液について種々検討がなされている。 【0003】 一般的に、ピックル液には加工食品の歩留まりの向上や食感改良などの目的で、タンパク質を主成分とする原料が使用されることが多々ある。一般的に、タンパク質は加熱によりゲルを形成する性質を有するため、ピックル液にタンパク質を使用する目的はゲル化によって水分を保持させ、最終加工食品の歩留まりを向上させることが主であり、ゲル化力の強いタンパク質を使用するのが主流であった。また、日持ちや作業性の問題から、当該タンパク質は乾燥、粉末化したものが用いられる事が多かった。このような理由で、ピックル液に用いられる代表的なタンパク質原料として、大豆由来の植物性タンパク質、卵由来の卵白粉末、乳由来の乳清タンパク質といった動物性タンパク質が知られている。 【0004】 大豆タンパク質は、保水性が高く、他のタンパク質原料に比べて比較的安価であるという利点がある。しかし、ピックル液調製時に高速攪拌によって強いシェアをかけなければ完全に溶解しないという溶解性の悪さや、溶液粘度が高いために攪拌時に含まれた気泡がなかなか抜けないという泡切れの悪さ等の問題点を有する。また、大豆タンパク質は強い大豆特有の風味を有しており、加工食品の風味に大豆臭の違和感を与えるという問題点もある。 【0005】 卵白粉末は一般的に強いゲル化力を有し、高い歩留まり向上効果を期待できるタンパク質原料である。しかし、卵白特有の硬いゲルは、最終食品の食感にしばしばぱさつきや口当たりの悪さを与えることがある。また、卵白は高い起泡性を有しメレンゲ等の食品に応用されるが、ピックル液調製時には、その起泡性が問題点となる。つまり、ピックル液が撹拌によって多量の気泡を含み、かさが急激に大きくなる事で、溶液全体が充分に撹拌されなかったり、その気泡を消すための操作や時間がかかったりすることで作業に障害を与える。また、加熱後の卵白特有の臭いも食品にとって好ましくない場合がある。 【0006】 大豆タンパク質や卵白粉末と比べて、乳清タンパク質は、牛乳由来の乳清(ホエイ)に含まれるタンパク質を濃縮、精製したものであるが、その風味は加工食品に適したものである。一般的に乳清タンパク質は水への溶解性が良く、高い乳化性や、ゲル化力のバリエーションによって、様々な食感改良の効果が期待できる。また、乳清タンパク質も加熱によってゲルを形成する性質を有するものがあるが、中には加熱しても非常に弱いゲルしか形成しないタイプがある(以下、低ゲル強度の乳清タンパク質とする)。このゲル化力の弱い低ゲル強度の乳清タンパク質は、前記のゲル化力重視の理由から、従来食肉加工のピックル液に利用されることはなかった。 【0007】 ただ、近年の食生活の多様化により、柔らかでジューシーな食感が付与された加工食品が好まれるようになり、低ゲル強度の乳清タンパク質を加工食品用のピックル液に応用することも近年検討されている。例えば、「乳清タンパク質、増粘多糖類及びアルカリ性塩類を含む食感改善された加工食品(特許文献1)」は、乳清タンパク質を使用することにより、肉汁感とソフトな肉感を有し、加熱歩留まりを良好にする効果を奏するものである。また、「ι−カラギナン及び低ゲル強度の乳清タンパク質を添加する惣菜タイプ畜肉加工品(特許文献2)」では、ジューシーで軟らかい食感を有する畜肉加工品を提供するために低ゲル強度の乳清タンパク質を使用している。また、「低ゲル強度の乳清タンパク質と、還元デンプン糖化物及び/又はトレハロースを含むピックル組成物(特許文献3)」では、肉の保水性を上げる為にBrix(水溶性固形分の割合)を高め、それによって硬く締まった肉の食感を、低ゲル強度の乳清タンパク質を併用することで軟らかくジューシーな食感に改良できることを見出した。 【0008】 但し、従来は、使用する乳清タンパク質のゲル強度の違いが最終食品にもたらす食感について、充分な研究はなされていなかった。本発明者らは乳清タンパク質、特に低ゲル強度の乳清タンパク質を使用したピックル組成物にて食肉を下処理することで、軟らかな食感が付与されることを見出してきたが、加工食品の場合、軟らかさだけではなく肉特有の歯応え、繊維感、弾力といったものが求められる場合があり、低ゲル強度の乳清タンパク質のみを使用した場合、充分な肉感が得られないという問題点があった。 【0009】 【特許文献1】特開2001−224336号公報 【特許文献2】特開2002−101853号公報 【特許文献3】特開2003−265143号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0010】 本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、製造時容易で、食肉具材に食肉を軟らかくする、また、適度な肉感とジューシー感を付与するといったように食感が改良され、最終流通形態として、冷凍品、冷蔵品、常温流通品などどのような形態にも使用可能であり、また、製造工程においても容易となる食肉加工用ピックル組成物及びそれを用いた加工食品を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0011】 本発明者らは、ピックル組成物に使用する乳清タンパク質に着目して、さらに鋭意研究を重ねたところ、食肉の下処理に使用するピックル組成物中に、ゲル強度の異なる乳清タンパク質を組み合わせることによって、加工食品に、軟らかさだけではなく、適度な肉感とジューシー感を付与できること、更には、使用する高ゲル強度の乳清タンパク質として泡立ちの少ないものを使用することで、製造工程中ピックル組成物を調製する段階で、他のタンパク質原料の泡立ちを減少させ、気泡を含むことが少なく、製造工程も容易になることを見いだした。 【0012】 本発明はかかる知見に基づいて開発されたものであり、下記の態様を包含するものである。: 項1.下記(a)及び(b)の乳清タンパク質を含むことを特徴とするピックル組成物; (a):乳清タンパク質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で4N/cm2以下の乳清タンパク質。 (b):乳清タンパク質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で10N/cm2以上の乳清タンパク質。 項2.前記(a)及び(b)の乳清タンパク質の添加量が、ピックル組成物に対して、(a)0.5〜30重量%、(b)0.5〜30重量%である、項1に記載のピックル組成物。 項3.前記(b)の乳清タンパク質が、乳清タンパク質15%水溶液に2%重量部の食塩を溶解し80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で10N/cm2以上の乳清タンパク質である、項1又は2に記載のピックル組成物。 項4.前記(a)または(b)の乳清タンパク質のいずれか、もしくは両方が、15%水溶液を、4500rpmで10分間攪拌した直後の体積の増加率が20%以下の乳清タンパク質である、項1乃至3のいずれかに記載のピックル組成物。 項5.項1乃至4のいずれかに記載のピックル組成物を使用して調製した加工食品。 【発明の効果】 【0013】 本発明により、食肉の具材に適度な肉感と軟らかくジューシーな食感が付与された加工食品が調製できるようになり、また、製造工程中ピックル組成物を調製する段階で泡を噛むことが少なく、製造工程も容易になった。 【発明を実施するための最良の形態】 【0014】 本発明は加工食品製造時、食肉を下処理するピックル組成物に、下記(a)及び(b)の乳清タンパク質を含むことを特徴とする; (a):乳清タンパク質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で4N/cm2以下、より好ましくは2N/cm2以下の乳清タンパク質(以下、「(a)」を「低ゲル強度の乳清タンパク質」と言う)、 (b):乳清タンパク質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で10N/cm2以上、より好ましくは12N/cm2以上の乳清タンパク質(以下、「(b)」を「高ゲル強度の乳清タンパク質」と言う)。 【0015】 また、食肉を下処理するピックル組成物には、一般的に食塩が添加される。食塩存在下での乳清タンパク質のゲル強度として、上記(b)の乳清タンパク質が、乳清タンパク質15%水溶液に2%重量部の食塩を溶解し80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で10N/cm2以上の乳清タンパク質であることが好ましい。 【0016】 また、ピックル組成物調製時の作業性の面から、使用する乳清タンパク質は起泡性の低いものが良く、前記(a)または(b)の乳清タンパク質のいずれか、もしくは両方が、15%水溶液を、4500rpmで10分間攪拌した直後の体積の増加率が20%以下のものであることが好ましい。 【0017】 前記の低ゲル強度の乳清タンパク質及び高ゲル強度の乳清タンパク質とを組み合わせて使用することにより、食肉の具材の歩留まりを増やすことが出来、適度な肉感と軟らかくジューシーな食感が付与された良好な加工食品を調製でき、しかも、ピックル組成物調製の際、泡を噛むことなく、容易に調製できるため、作業性に優れるという利点を有する。 【0018】 なお、具体的なゲル強度の測定は次に挙げる方法により行うことができる。乳清タンパク質30gを170mlのイオン交換水に添加し、1400〜1500rpmで3分間攪拌する。溶液の泡を除去し、無通気性のケーシングチューブに充填し、80℃40分間ボイル後、4℃で一晩静置したものを約3cmの厚さに切断し、カードメーターにて測定(重り100gまたは200g:プランジャー φ3mm)、カード値を測定する方法等がある。 【0019】 起泡性の試験として具体的には、乳清タンパク質150gを850mlのイオン交換水に添加し、4500rpmで10分間攪拌した直後の体積をメスシリンダーにて測定する方法等が挙げられる。攪拌機については、例えばホモミキサーなどを使用することが出来る。 【0020】 更に、本発明では、低ゲル強度の乳清タンパク質及び高ゲル強度の乳清タンパク質ともに、牛乳由来の乳清を原料としたものが好ましく、さらに乾燥物換算でタンパク質含有量が80%以上のものがより好ましい。例えば、乳清タンパク質濃縮物(WPC)、乳清タンパク質単離物(WPI)等が挙げられるが、簡便には商業的に入手することができ、かかるものとして、例えば、低ゲル強度の乳清タンパク質として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のミルプロLG、ミルプロL−1(製品名)、高ゲル強度の乳清タンパク質として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のミルプロ142(製品名)を挙げることができる。 【0021】 また、本発明にかかる低ゲル強度の乳清タンパク質及び高ゲル強度の乳清タンパク質との添加量であるが、低ゲル強度の乳清タンパク質はピックル組成物に対して、0.5〜30重量%、より好ましくは、1.0〜20重量%、高ゲル強度の乳清タンパク質はピックル組成物に対して、0.5〜30重量%、より好ましくは、1.0〜20重量%を添加することができる。また、ピックル組成物を調製する際、使用する乳清タンパク質配合割合を任意に変え、最終食品に応じてゲル強度を調製することができる。ゲル強度2〜20N/cm2程度の範囲で、使用するピックル組成物中のタンパク質のゲル強度を調製することが好ましい。ゲル強度2N/cm2以下では肉を軟らかくする効果はあるものの、肉感に欠ける傾向があり、20N/cm2以上では、十分な肉の軟化効果が得られず、ぱさつく傾向が強くなる。 【0022】 本発明で言うピックル組成物とは、加工食品製造時、食肉を下処理する調味液のことを言うが、前述の乳清タンパク質の他に、他のタンパク質類(卵白や大豆等由来のタンパク質)、糖類、澱粉、食塩、重合リン酸塩類、アルカリ性塩類、増粘多糖類、乳化剤、酵素、発色剤、酸化防止剤、調味料、香辛料、色素、香料、日持ち向上剤、保存料、pH調整剤等の他の原料を適宜選択して用いることができる。糖類として、水飴、ブドウ糖、果糖、乳糖、ショ糖、麦芽糖、還元でん粉糖化物、トレハロース等の二糖類及びそれ以上のオリゴ糖類などを適宜選択して用いることができる。 【0023】 更に、ピックル組成物のpHは、pH6〜11とするのが好ましく、更には、pH7〜10とするのがより好ましい。pHが6を下まわると食肉へのピックル組成物の浸透性が低下し効果が得にくくなり、pHが11を越えるとアルカリ味が強くなり、風味の面で使用しにくい。 【0024】 ピックル組成物の調製法について特に制限はないが、水に各原料を溶解させる場合、溶解性の理由で、タンパク質を先に充分水に攪拌溶解した後、食塩を添加するのが好ましい。また、水に各原料を溶解させる方法であるが、市販の攪拌機を使用することが出来、例えば、ターボンミキサー、プロペラ攪拌機、ホモミキサーなどの攪拌機を使用することが出来る。回転速度についても特に限定はされないが、1000〜5000rpm程度の幅広い回転数で攪拌させてもよく、攪拌時間についても、攪拌速度にもよるが、5〜30分間程度攪拌することにより溶解することができる。 【0025】 次に、本発明は、前述のピックル組成物にて下処理した食肉を加工した加工食品に関する。 【0026】 本発明で言う加工食品とは、前述のピックル組成物にて下処理した食肉自体や、また加工した食肉とその他の原料と合わせて加工した食品であり、食品衛生法で言う「食肉製品」にあたるものであってもよいが、それには限定されない。具体的には、ハム、トンカツ、ビーフカツ、チキンカツ、からあげ、ミンチカツ、コロッケ、ハンバーグ、ミートボール、つくね、シュウマイ、ギョウザ、肉まんの具、春巻、ソーセージ、豚のてんぷら等の惣菜や加工食品などを広く例示することができる。これら加工食品は、常温、冷蔵、冷凍流通のいずれに加工しても構わない。 【0027】 本発明で使用する食肉は、牛肉、豚肉等の食肉、鶏肉等の家禽肉等、食用に適する動物肉であり、食用に適した肉類素材であれば特に制限は無い。 【0028】 前述のピックル組成物にて食肉を下処理する方法については、常法により行えば良く、特に制限されない。例えば、ミートボール、ハンバーグ、ソーセージの様な、食肉をミンチ状又はカッター等で細断しペースト状にして混合して製造する場合には、低ゲル強度の乳清タンパク質と高ゲル強度の乳清タンパク質とを溶解したピックル組成物と、ミンチ状又はペースト状にした食肉及び他の原料とを一緒に混合することにより下処理工程とすることができる。また、ハム、トンカツ、唐揚げの様な、食肉をブロック状に加工した具材で製造する加工食品の場合には、食肉に予めピックル組成物をインジェクター等で注入する方法を採ることができる。また、タンブラーやフードミキサー等で、食肉にピックル組成物を吸水させても良い。 【0029】 このような下処理により調製された食肉具材は、常法により加熱処理することにより、加工食品となる。また、得られた加工食品を冷蔵、冷凍、常温等長期保存・流通可能な形態に加工する方法は常法により行うことができる。また、本発明のピックル組成物にて下処理した食肉を、常法により加工して、加工食品を製造するが、本発明で使用する乳清タンパク質をつなぎの目的で、他の原材料とともに更に添加して加工しても良い。 【実施例】 【0030】 以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。尚、本発明において特に記載しない限り、「%」とは「重量%」、「部」とは「重量部」、文中「*」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製。「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標を意味するものとする。 【0031】 試験例:ゲル強度及び起泡性比較 乳清タンパク質の起泡性について、下記表1に掲げる水ゲル処方をホモミキサーにて4500rpmで10分間攪拌して、タンパク質水溶液を調製し、500g重量の体積をメスシリンダーにて測定した。また、表1に掲げる塩ゲル処方について、食塩以外の原料を加えて、ホモミキサーにて4500rpmで10分間攪拌した後食塩を添加し更に5分間攪拌して、食塩添加タンパク質水溶液を調製し、500g重量の体積をメスシリンダーにて測定した。 【0032】 調製したタンパク質水溶液及び食塩添加タンパク質水溶液を消泡後、折径4.5cmのビニルケーシングに充填し、80℃40分間加熱を行いゲルを調製した(水ゲル、塩ゲル)。水ゲル、塩ゲルのゲル強度を、それぞれカードメーターにて測定した(プランジャー:φ3mm)。結果を表2に示す。 【0033】 【表1】
【0034】 *1低ゲル強度の乳清タンパク質として、乳清タンパク質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で0.3N/cm2のものを使用した。 *2高ゲル強度の乳清タンパク質として、乳清タンパク質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で11.0N/cm2のものを使用した。 *3中ゲル強度の乳清タンパク質として、乳清タンパク質15%水溶液を80℃に加熱した後、4℃に冷却後のゲル強度が、カード値で8.0N/cm2のものを使用した。 【0035】 【表2】
【0036】 表2より、今回使用した低ゲル強度の乳清タンパク質は、攪拌溶解時に気泡を含み、攪拌溶解後体積が2倍以上になる(試験例4参照)が、泡立ちの少ない乳清タンパク質(試験例5参照)と併用すると、その乳清タンパク質の配合割合によらず、起泡を抑える効果が認められた。 【0037】 また、ゲル強度を見ると、水ゲルについては試験例1及び試験例6が、塩ゲルについては試験例2と試験例6が、ほぼ同等のゲル強度を示したが、タンパク質水溶液の起泡性において、大きな相違が見られる。このことより、中ゲル強度の乳清タンパク質を使用すると、ピックル組成物調製時の攪拌工程において起泡し泡を噛みやすく、消泡するのに時間を要することが予測される。 【0038】 実施例1:鶏の唐揚げ 下記表3に掲げる処方のうち、水に食塩と調味料以外の原料を添加して、ホモミキサー(2500rpm/15分)で攪拌溶解した後、食塩と調味料を加えホモミキサーで2500rpm/5分撹拌して、実施例1,比較例1〜3のピックル組成物を調製した。 【0039】 【表3】
【0040】 鶏胸肉を約15gにカットし、鶏胸肉100部に対し、調製したピックル組成物30部を加え、タンブラーにて真空タンブリングを行い、一夜、冷蔵庫内で塩漬を行い、ピックル組成物を鶏胸肉に加水した。加水した鶏胸肉に衣付けを行い、油調し(170℃〜175℃/3分)、鶏の唐揚げを調製した。できあがった唐揚げを放冷し、−35℃、2時間の急速凍結にて凍結し、冷凍鶏の唐揚げを調製した。 【0041】 冷凍鶏の唐揚げを電子レンジ(500W)で加熱調理して食したが、実施例1の鶏の唐揚げは、適度な肉感を有し軟らかでジューシーな食感であった。それに対して、比較例1の鶏の唐揚げは、非常に軟らかいものの、若干肉感に欠けるものであった。比較例2の鶏の唐揚げは、肉が硬く締まってぱさついた食感であり、硫黄臭も感じられた。なお、比較例1及び2のピックル組成物を調製する際、原料混合時非常に泡をかんでしまい、消泡するのに時間を要した。比較例3の鶏の唐揚げは、肉が硬くなりすぎており、ジューシー感にかけるものだった。 【0042】 実施例2:トンカツ ターボンミキサーにて、冷水を攪拌しながら徐々に、下記ピックル組成物処方中の食塩、調味料、保存料以外の原料を投入し、20分間攪拌した後、残りの原料を加え、10分間攪拌し、一晩寝かせて、トンカツ用ピックル組成物を調製した(ピックル組成物pH:8.5、Brix 19.8%)。 【0043】 ピックル組成物処方 部 食塩 1.8 トレハロース 3 乳酸ナトリウム(スラック;武蔵野化学研究所製) 1.5 糖アルコール(PO―10;東和化成工業製) 4 調味料(L一グルタミン酸ナトリウム) 0.6 低ゲル強度乳清タンパク質(ミルプロ※LG*) 2 高ゲル強度乳清タンパク質(ミルプロ※NO.142* ) 2 卵白粉末 2 pH調整剤(サンポリマー※NO.366* ) 1.5 増粘剤(サンエース※*) 0.05 日持向上剤(アートフレッシュ※NO.100* ) 1.5 氷水 80.05 合計 100 【0044】 豚ロース肉のブロックに、調製したピックル組成物をインジェクターによってインジェクションし120%加水を行った。加水した豚ロース肉はタンブリングにて液を充分になじませた後、リテイナーにて成型した。成型されたブロック肉を1cm幅にスライスし、衣付けを行って油調した(170℃〜180℃/約5分間)。できあがったトンカツを放冷し、−35℃、2時間の急速凍結にて凍結し、再度電子レンジ(500W)で加熱調理し、トンカツを得た。得られたトンカツは、肉の弾力のある食感を失わず、それでいて軟らかくジューシーな好ましい食感であった。 【0045】 実施例3:ケバブ (1)ピックル組成物の調製 冷水に、下記処方の糖アルコール及び乳清タンパク質(高ゲル、低ゲル強度両方)を加え、ホモミキサーにて、10分間攪拌後、残りの原料を加えて5分間攪拌しピックル組成物を調製した。 【0046】 ピックル組成物処方 部 糖アルコール(スイートNT;日研化成製) 10 食塩 2 pH調整剤(サンポリマー※NO.366*) 2 低ゲル強度乳清タンパク質(ミルプロ※LG*) 4 高ゲル強度乳清タンパク質(ミルプロ※NO.142*) 1 魚醤(マリナージM−15;エムジーシー・マリナージ製) 2 冷水 79 合計 100 【0047】 (2)加水牛ミンチ肉の調製 牛ミンチ肉(3mmφ:ミンサーにて3mmのプレートに通してミンチ状に調製したもの)100部に対して、調製したピックル組成物を30部加え、2時間タンブリングし(130%加水)、加水牛ミンチ肉を調製した。 【0048】 下記ケバブ処方の原料を混合し、成型(25g/1ヶ)後、160℃で片面1分づつ焼成したのち、スチーム(90℃で中心温度が80℃になるまで加温)してケバブを得た。 ケバブ処方 部 上記加水牛ミンチ肉 97.6 砂糖 1 クミンパウダー 0.3 チリパウダー 0.15 ホワイトペパーパウダー 0.1 調味料(サンライク※アジビーフ1936P*) 0.3 調味料(サンライク※香味野菜CE*) 0.2 調味料(サングルメ※ボイルドビーフ風味E*) 0.2 香辛料抽出物(パセリ SP−82628*) 0.15 合計 100 【0049】 得られたケバブは、肉の弾力のある食感を失わず、それでいて軟らかくジューシーな好ましい食感であった。 【0050】 実施例4:チリンドロン煮 (1)ピックル液の調製 冷水に、糖アルコール、pH調整剤、乳清タンパク質(低ゲル強度、高ゲル強度とも)を加え、ホモミキサーにて20分撹拌した後、残りの原料を加え、10分撹拌してピックル液を調製した(pH9.1)。 【0051】 ピックル液処方 部 糖アルコール(PO-30;東和化成工業製) 10 食塩 2 pH調整剤(サンポリマー※NO.366*) 2 低ゲル強度乳清タンパク質(ミルプロ※LG*) 4 高ゲル強度乳清タンパク質(ミルプロ※NO.142*) 2 調味料(サンライク※ コウボ0409P*) 0.5 魚醤(マリナージ・M−15;エムジーシー・マリナージ製)2 香辛料抽出物(バジル SP−71887*) 0.2 冷水 77.3 合計 100 【0052】 (2)ローストチキンの調製 鶏ムネ肉(皮なし)を10g前後にカットして、(1)で調製したピックル液を鶏肉100部に対して25部加え、2時間タンブリング後、一晩塩漬し、コンベクションオーブンにて170℃で中心温度が70℃となるまで焼成して、ローストチキンを調製した。 【0053】 (3)ソースの調製 下記ソース処方のうち水に、澱粉及び増粘剤を加え、80℃10分加熱撹拌した後、残りの原料を加え、撹拌溶解してソースを調製した(pH:4.1)。ガーリックは予めみじん切りにして、当初の重量の80重量%までソテーしたもの(みじん切り→収率80%ソテー)を使用した。 ソース処方 部 トマトペースト 12 トマトピューレ 12 CLEAR TOMATO CONCENTRATE 60°BX(CTC)* 0.5 醸造酢(酸度10%) 3 食塩 2 スクラロース(サンスイート※SU-100*) 0.03 調味料(サンライク※ソテードオニオン 9Y55E*)0.8 調味料(サンライク※香味野菜 CE*) 0.8 調味料(サンライク※デミグラス 1007E*) 0.1 調味料(サンライク※コウボ 0409P*) 0.1 調味料(ハローバー※レッドワインコンク E*) 0.3 ホワイトペパーパウダー 0.08 タイムパウダー 0.06 ローレルパウダー 0.06 レッドペパーパウダー 0.04 ガーリック(みじん切り→収率80%ソテー) 1.5 澱粉(ノベーション2600;日本エヌエスシー製) 1 増粘剤(ビストップ※TAR−S*) 0.1 香料(クックドトマト オイル C−27*) 0.05 水 68.18 合計 100 【0054】 (4) チリンドロン煮の調製 下記一袋処方配合で容器に充填後、ボイル殺菌し(85℃ 30分/200g)、袋入りチリンドロン煮(チルド品)を調製した。玉ねぎは予めくし切りにして、当初の重量の80重量%までソテーしたもの(くし切り→収率80%ソテー)を使用した。 一袋処方 g (3)のソース 110 (2)のローストチキン 40 玉ねぎ(くし切り→収率80%ソテー) 20 パプリカ赤(短冊切り→1分ボイル) 8 パプリカ黄(短冊切り→1分ボイル) 8 オリーブ 6 スライスハム(短冊切り) 4 オリーブ油 4 合計 200 【0055】 比較例として、(1)のピックル液処方のうち、高ゲル強度及び低ゲル強度乳清タンパク質に代えて、卵白粉末6部を使用した以外は、実施例と同様の製法でチリンドロン煮を調製した。実施例のチリンドロン煮のローストチキンは中の具材がジューシーであったが、比較例のローストチキンは具材の肉質がぱさついていた。 【0056】 なお、チリンドロン煮の殺菌条件、ボイル殺菌(85℃ 30分/200g)をレトルト殺菌(120℃20分/200g)に代えることで、常温流通可能な袋入りチリンドロン煮を調製できる。 【0057】 実施例5:チキンハンバーグ (1)ピックル液の調製 下記ピックル液処方通りに、冷水に残りの原料を加え、ホモミキサーにて10分間攪拌して、ピックル液を調製した(pH:9.5)。 ピックル液処方 部 糖アルコール(PO-30;東和化成工業製) 10 pH調整剤(サンポリマー※NO.366*) 2 低ゲル強度乳清タンパク質(ミルプロ※LG* ) 4 高ゲル強度乳清タンパク質(ミルプロ※NO.142*) 2 冷水 82 合計 100 【0058】 (2)加水鶏ムネ肉の調製 鶏ムネ肉(皮付き)(13mmφ;ミンサーにて13mmのプレートに通してミンチ状に調製したもの)100部に対し、上記ピックル液を20部加え、10分タンブリングして、加水鶏ムネ肉を調製した。 【0059】 (3)チキンハンバーグの調製 下記処方通りに混合し、成型後(80g/1ヶ)、160℃にて片面1分づつ焼成し、スチーム(90℃で中心温度が75℃となるまで加熱)して、チキンハンバーグを焼成した。豚脂は予め3センチ角にカットしてミンサーにて5mmのプレートに通してミンチ状に調製したものを使用した(5mmφ)。玉ねぎは予めみじん切りにして、当初の重量の80重量%までソテーしたもの(みじん切り→収率80%ソテー)を使用した。 【0060】 処方 部 (2)の加水鶏ムネ肉 60 豚脂(5mmφ) 10 玉葱(みじん切り→収率80%ソテー) 20 ドライパン粉 10 食塩 0.5 乳清タンパク質(ミルプロ※NO.142*) 0.5 魚醤(マリナージ M−15(エムジーシー・マリナージ製) 1 調味料(ハローバー※レッドワインコンクE*) 0.2 調味料(サングルメ※ボイルドビーフ 風味P*) 0.3 調味料(サンライク※ アミノベース スーパー(N)*) 0.3 調味料(サンライク※ コウボ 0409P*) 0.2 調味料(サンライク※スパイスミックス BW-1*) 0.5 日持ち向上剤(サンキプロ※NO.9*) 0.8 合計 104.3 【0061】 得られたチキンハンバーグは、肉感及びジューシー感が付与され、良好な食感であった。また、得られたチキンハンバーグは、そのままでチルド品となるほか、急速凍結を行うことで、冷凍食品として流通可能となる。 【産業上の利用可能性】 【0062】 食肉の具材に適度な肉感と軟らかくジューシーな食感が付与された食肉含有加工食品を提供できる。また、製造工程中ピックル組成物を調製する段階で泡を噛むことが少なく、製造工程も容易となる食肉加工用ピックル組成物及びそれを用いた加工食品を提供できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000175283 【氏名又は名称】三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1丁目1番11号
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| 【出願日】 |
平成16年3月9日(2004.3.9) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2005−253312(P2005−253312A) |
| 【公開日】 |
平成17年9月22日(2005.9.22) |
| 【出願番号】 |
特願2004−65444(P2004−65444) |
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